人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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ボルメテウス『しかし、どうしてこんな無茶な作戦を…』


ボルシャック『お前の火力が頭おかしすぎるからよ、てんやわんやだったんだぞぉ?』

突然の妖精騎士ランスロット「本当、僕じゃなかったらダメだったね」

リッカ「詳しい内容は記録が残っているので、こちらをどうぞ!」

ボルメテウス『…どれどれ…』


ボルメテウス攻略戦〜力×速さ+賢さ=勝利〜

『もう第何射か解らないけど、来るぞ!ボルメテウスファイアーだ!!』

 

『守備に回れー!直撃を避けるんだー!!』

 

ビルが消し飛び、大地が抉れる。軌道上にある全ての存在を吹き飛ばし、消滅させる対国クラスの火炎の襲撃を、リッカら一行は全身全霊にて対処する。

 

「オニキュア!バリケード!!」

 

「おぉりゃあぁあ!!」

「おおっ!」

 

オニキュア組がビルを重ね、引き抜き、無数に重ね屹立させバリケードを生成し、マシュのユニットに対する負担を軽減させる。

 

「アイテムバフ!!」

 

リッカが指示を飛ばし、サーヴァントが集めたアイテムを片端からマシュとビルに放り込む。極限まで防御を高めた刹那、焔チャージを知らせる、周囲温度の至極の上昇。

 

「くっ、はぁあぁあぁあぁあ────!!!!」

 

ボルメテウスの消失、滅却の焔を何度と知れず受け止めるマシュ。物質的な防護は気休めにもならぬその破滅を、マシュは白亜の城とバフを極めた物質の積み重ねで拮抗する。

 

『マシュの背後から一歩もはみ出ちゃダメだ!跡形もなく消え去ってしまう!!』

 

『お、温度は測定不能!モニター観測不可能!』

 

『耐えろーー!!』

 

一瞬か、あるいは永遠か。やがて、突然全てが消え去ったかのように白熱が去る。防衛の果てに視界が開けると、ビル、大地、そして熱量で雲が消え去ったが故の晴天。

 

「防御、完遂…しました…!」

 

マシュの盾、ボルメテウスを完全に防ぎ切る。何度目かも解らぬ防護にも関わらず、その円卓には傷一つないが…マシュは生身。一つ防ぐたび、深刻な脱水症状に陥りかける。ボルメテウスの炎の苛烈さは、まさに常軌を逸する猛威。幻想種の括りにおいても、それは最上位に位置するだろう。

 

『回復すれば大丈夫というものではない!概念的防御だから防げるとは言うが心と精神はしんどいはずだろう!?副所長としては今すぐ…!』

 

「何をおっしゃいます!マシュの見せ場、活躍はまだまだこれか、むぐぅ!」

「喋らない、ソーマ飲む!」

 

『発射スパンの算出は!』

『ボルメテウスホワイトドラゴンのエネルギーチャージ効率算出!連射間隔、5分!』

 

『一国傾けるエネルギー総量を5分とかどんな効率なんですかそれ!?技術班、防壁礼装は!?』

 

『無茶言うんじゃねー!!分子レベルまで還元する熱量をどうやって防ぐってんだー!そんな物質こっちが欲しいわ!』

 

『ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン…!なんというロマン火力!なんという殲滅力!!デュエル・マスターズのエースモンスター!素晴らしいッ!』

 

『言ってる場合かー!どど、どうしよう!どうしよう!?』

 

その規格外の熱量にして威力に、カルデアすらも瞠目し対処に追われる事となる異常事態。異聞帯よりやってきたガーディアン・ドラゴンの一角…ボルメテウスは、大いなる試練であった。

 

『だけど、皆の尽力のお陰で攻略レンジに捉えることはできている!マシュの精神と心の耐久的に、ここで勝負を決めよう!』

 

ロマニの言葉に皆は頷く。接敵距離は500m…勝負を掛けるに相応しい距離にまで肉薄した。その時間、なんと一時間にも達するほどの牛歩進軍…。それほどの、慎重を期した進軍。だがこれより、反撃の時だ。

 

『防御はもう、マシュが保たない。ここは一気にボルメテウスを行動不能にする電撃作戦を行おう!一気に距離をゼロにし、チャージ前に倒すんだ!』

 

「瞬発的な一撃なら、雷位がある!宝具詠唱の一瞬分、早く攻撃できる!」

 

『バカを言ってはいかんよ君ィ!サーヴァントより前に出るどころかフィニッシャー!?…いや、そんなに奇特な作戦では君限定ではないのかもしれないけれど!』

 

『…もし、その奥義を開放するとして。それはこの距離を踏破できるものかい?リッカ君』

 

リッカはロマンの言葉に、目を閉じ内なる丑御前と対話する。

 

【我が愛娘、リッカ。あなたの奥義はあと四歩…、あと四歩を縮めれば必殺となりましょう。近付き、切り捨てるのです。あなたなら、できる筈。必ずや、必ずや…】

 

「(ありがとう、母上!)射程距離は100メートル!100メートルに入れば行けるよ!」

 

『間合いが100メートルの斬撃ってなんなのかねホント…』

 

『なら、一気に400メートルを詰める手段が必要だね。ジェット的な手段を使って一気に!』

 

魔力放出で一気に距離を詰め、瞬時に切り捨てる。それを方針として、カルデアは手段を組み立てる。

 

『ボルメテウスの炎チャージにしかスキはないだろうが、それを失敗したら丸焼きだ。どうしたって時間を稼ぐ必要がある』

 

「ボルシャック!」

 

『オレにやらせてくれ。ボルメテウスの炎…ほんの僅かなら、オレの焔で拮抗できる!』

 

「ボルシャック・ファイヤー!!」

 

そう、近距離戦であれば──ボルシャック・ドラゴンも猛烈な威力の炎を照射できる。ガーディアン・ドラゴン、そしてオニキュア。必要な要素は確かに揃っているのだ。

 

『だが、楽観的に見てマジでほんの僅かだ。もって十秒かそこら…サーヴァントの皆の手も借りてぇ!』

 

『では、俺達がその役割を受け持とう』

『敵もまた竜。ならば、我等の力がお役に立つ筈』

 

ゲオルギウス、そしてジークフリート。聖杯にて強化された二騎が名乗りを上げる。

 

「俺のバルムンクは連射が効く。あの規格外の猛炎に、多少は抗える筈だ」

 

「私にも、攻撃を無効化できる術を有しています。概念という防御ならば、きっと防ぐことが叶いましょう」

 

『おぉ、助かるぜ!ボルメテウスに好き放題させるのもこれまでだ!ここで決めてやろうぜ!!』

 

「………あっ」

 

『あっ』

 

突如、リッカが声を上げる。それを察したロマニもまた同じく。濃厚な時間を過ごしたからこそ、理解できるもの。

 

「ボルシャック!私をぶん投げてもらえる!?」

 

『何言ってるのこの娘!?』

 

「先輩!!」

 

『そうだマシュ!言ってあげなさい!』

 

「鎧の着用を忘れずに!!」

 

『応!!』

 

『おうじゃない!そうじゃない!着るんじゃなーい!!』

 

((うんうん))

 

『リッカならそうするよね、みたいなうなずきを止めないか!?』

 

ゴルドルフの突っ込みに違和感を覚えなかった方は精神がリッカになりはじめているためケアしよう。ぶん投げる事により距離はゼロ。頭のいい最適解である。

 

「お待ち下さい、その作戦、異議があります」

 

『あっ、そうだアテルイ君!賢い君からも言ってやってくれ!』

 

「ただ投げてしまっては減衰し、届かないでしょう。ロケットのように、投げ放たれたリッカさんを運行する役目が必要です」

 

「「「「確かに!!」」」」

 

『そうじゃなーい!!』

 

ミーティングは滞りなく終わり、いよいよボルメテウスとの最終決戦に入る。その時、遥かプププランドより通信が届く。

 

『どうやらお困りのようですね。プププランドより通信を飛ばしています、モルガンです』

 

「モルガン陛下!?」

『……おや。そちらにもメリュジーヌがいるのですね、丁度いいです。援護要員を回しましょう』

 

『おぉ!魔術において抜群の才能を持つモルガンの手助けなら安心だぞぅ!』

 

『嫌味ですか、ロマニ。…まぁいいです。霊脈をこちらに回しなさい。プププランドから召喚しましょう』

 

そして当然の如くに召喚が執り行われ、現れしサーヴァント。それが突破口の為の、最後のピースとなる。

 

「メリュジー…妖精騎士ランスロットだよ。僕がどんな存在なのかは、おいおいね」

 

「あら…」

 

妖精騎士ランスロットを名乗るモルガンの増援。ボルメテウスに、一同が全霊にて挑む!




ダ・ヴィンチちゃん『ボルシャック君!まだそこにいるかい!?』

ボルシャック『ん?おぉ!どうかしたか!』

ダ・ヴィンチちゃん『時間がないから手短に伝えよう!ボルシャック、君には、君にも知らない力と姿が眠っているんだ!』

ボルシャック『マジか!?』

『デュエルマスターズを調べて確認したからね!その姿を再現することはできないけれど、君自身をカルデアなりに発展させる事はできるんだ!』

ボルシャック『マジで!?』

ダ・ヴィンチちゃん『カルデアの技術に、不可能は無いんだ!これを使う!』

『クラスカード』

田村麻呂『やってやろうぜ!!大和魂でなぁ!!』

ボルシャック『大和…将軍ってことかぁ!?』

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