人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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温羅「鬼一が来たのか!そーかそーか、死んでないもんなアイツ」

紫「お陰様で色々天狗に言い聞かせて大変だったわよ。私の周りには立場を気にしないで自由に動く人が多すぎるわ」

温羅「お前さんが言うな、お前さんが!しかし鬼一法眼と才蔵か…」

(…何も起こんないよな?多分な)

召喚ゲート

『○』

「さて…練習しに行くか」


祝!楽園召喚体験クエスト実装!

「というわけで、お初にお目にかかるな英雄王!僕は鬼一法眼、こちらは霧隠才蔵だ!よろしく頼むぞ!」

 

「あー……………」

 

幕張メッセの天辺、ヴィマーナにて夏草を眺めていた王達にさらりと挨拶をかわしにやってきた二人。跳躍を果たしたあとは恭しい態度となっていたが、才蔵は具合悪げにダウンしてしまう。

 

──そちらの方は…大丈夫なのでしょうか…?

 

「すみません、私低血圧なものでして…日光とかはまぁ大丈夫なんですけど…鉄分不足気味で…あー……」

 

「ふむ、とりあえずトマトジュースでも処方しておくか?まぁそれはともかく。牛若丸より報告はやってきている。幻想郷に根付いた天狗と死徒なる怪物の忍であったか?」

 

「いかにも!僕は鬼一法眼を名乗る天狗で、こちらは僕が拾った忍者だ!どちらも存命なため、サーヴァントにはなれないからな!こうして足労やってきたというわけさ!」

 

となれば、楽園に参ずる意志があるならば彼女らは早速召喚成功の扱いとしてよい戦力となる。なんの労力もかからぬ一級品の戦力確保に、幸先が良いと王は笑う。

 

「となれば、貴様らは楽園預かりになりたいという事で良いのだな?敵対ではなく友誼を示すならば、王として耳を傾けぬわけにはいくまい」

 

「それは勿論そうだとも。鬼神殿に大妖怪たる二人が友好的であるのだから、天狗である僕が難色を示すはずもない。それに下っ端の烏天狗に睨みも利かせておかなくてはならないからね。そうだろう?」

 

──射命丸さんの事を仰っているのですね。心持ち的には大歓迎なのですが…

 

召喚の体を取れないのは、王的にいかがなものであろうか?エアの疑問に、王は変わらぬポジティブさを返礼とする。

 

「来る者拒まず去るものおらずが我がカルデアの経営方針よ。今更召喚形態がどうなど些末な事だ。味方であり、旅路に参列する意志あらば形など何でもよい。というわけで、歓迎してやろうではないか忘れ去られし神秘よ。師としてあの狂犬から目を離すなよ?」

 

ギルからして問題は牛若丸の気性だった為、手綱の仕入れは非常に助かるものである。そして日本の忍といえばジパング神秘の諜報集団。奇人変人超人鉄人の出産地たる日本印ならばまず間違いないと太鼓判を押すのである。

 

「ありがとうございます…すみません、覇気が無くて…才蔵、頑張りますんで…主の前での醜態はどうぞ、お許しください…」

 

「当然ながら死徒たる彼女を異端として追い回す輩がいてな。欧州からこちらに赴く際に、忍びの名前を名乗らせなんとか誤魔化したという経緯で忍者を名乗っている。幻想郷に辿り着きさえすれば紫が保護してくれたからな」

 

──なるほど、欧州からの流浪の民なのですね…!牛若丸さん、いえ義経さんは落ち延びた後にモンゴルでチンギス・ハーンになったという俗説とは意外にも似通っておられるのが皮肉というか…

 

そんな経緯で、鬼一法眼と霧隠才蔵は無事にカルデアの面接の合格を果たすこととなる。彼女たちは幻想郷、並びにカルデアのいい連絡インフラを担ってくれる事だろう。

 

「よろしく頼むよ!時に英雄王。今回のお祭りはたくさんの縁を巡る催しなんだろう?」

 

「む、耳聡いではないか。最近新顔が御無沙汰だった故な、戦力と喧騒はあればあるほどよい。それがどうした?」

 

鬼一法眼はその言葉に意味深な笑みを漏らす。自身に秘策あり、といった様相の言葉を続けて紡ぐ。

 

「その儀式、僕がもっと楽しくできるぞ!具体的には、当世的に言うならそうだな…」

 

「体験クエスト…」

 

「そうそうそれ!様々な縁や召喚を果たされるサーヴァントに逆に会いに行ける!そういった趣向、今回やってみないかな?」

 

カルデアからしてみれば基本的に招く側であり、自身から赴くのは特異点のみであった。今回はなんと、メッセにいながらも召喚されるサーヴァントと即座に交流できるのだという。

 

「僕の秘術と紫の隙間操りさえあればちょちょいのちょいだ!まぁちょっと特異点ぎみなものにならないでもないが、間近で新顔の活躍を見れるのは都合がいいだろう?」

 

──確かに…!初登場の際の活躍は物凄いものだとリッカちゃんが仰っておりました!

 

「なるほどな。活躍の場と査定の場を設けた召喚か。しかし、マスターや職員たちに致命的な危険は降りかからぬのであろうな?」

 

召喚と研鑽は違う。翻意あるサーヴァントに鉢合わせしいらぬ損害や負傷といった懸念を王は眇める。祭りというものにもルールはある。何をしてもいい、何を壊してもいいの精神の輩は祭りも人生も台無しにするものだ。

 

「そこは安心してほしい!カルデアの召喚システムがメインだから協力する意志を持つ相手にしか適用されないよ。それに何かあればすぐに鬼神殿が助けに来てくれるという盟約を交わしているからね!」

 

「あの鬼神様、物凄く偉いはずなのに私の市民権の便宜も測ってくれました…ありがとうございます。鬼を私は推します…一応吸血鬼みたいで同類ですし…でも赤い館は目がきつい…」

 

安全もフォローもカバー出来ているというのなら、愉快な提案を断る道理はない。王と姫、そして昼寝中のフォウを撫で頷く。

 

「ならば赦す。幻想郷の補佐を以て、この召喚を一層愉快にしてみせよ!祭りなのだ、できる彩りは盛大にやっていかねばな!体験クエスト付き召喚、我が許す!」

 

──ぱちぱちぱちー!メソポタミアの英霊とも是非出会えたらいいですね!

 

「感謝するよ英雄王!これで手土産は大成功といったところだ!やったな才蔵!」

 

「どこでも輸血パックとかありませんか…ちょっと私、ダウナー忍者ですので…」

 

「後で医療スタッフに話を付けてやる、シャキッとせぬか。ではまず仮体験から始めようではないか。我が龍、リッカとマシュめに声をかける。そやつら二人にまず実例をみせよ」

 

「おぉ、噂に名高き龍と盾を派遣してくれるとは!これはしくじれないな…よし!では早速始めるとしよう!」

 

そうして、新たにカルデアに加わった鬼一法眼の提案により一風変わった召喚の体系が加わることとなる。一時であれ、召喚されるサーヴァントと肩を並べて戦える召喚が可能となったのだ。

 

──マスターとして、サーヴァントの御活躍を拝見できるのもあり一石二鳥ですものね!

 

《よい催しもあったものよ。ランダムと確定召喚も含め、何体もの英霊に会うことになるのやら》

 

王達は今より訪れる出会い、そして参列に心を躍らせる。そしてその召喚が、幕を開ける──。

 

 

 




雪原

リッカ「いきなり真っ白な銀世界だぁ…」

マシュ「かまくらを作るにはハードすぎる環境ですね!」

ロマン『あまりに突然だけど、防寒や生命維持は万全だから安心してほしい。寒さも感じないくらいの最適ぶりだからね!』

オルガマリー『どうやらそこに、カルデアに招かれたサーヴァントがいるみたいだけど…?』

リッカ「…ん?」

雪原の吹きすさぶ吹雪の中、リッカは白い人影…いや、気配を見つける。

?『……そこの人。一つ質問に答えてもらう』

右手に、120センチは越えるライフル。左手にはマシンガン。純白のギリースーツにより顔は見えないが、雰囲気と重圧はあまりにも桁違いだ。

マシュ「先輩、私の後ろに!」

リッカ「待って、マシュ」 

?『私は…『妖精』か?『死神』か?どっちに見える…?』

見えた素顔は──顎から目にかけて深々と傷を負った、鋭き目の女性であった。その眼光は、震え上がるように鋭く──

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