人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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「むむ!リッカたんからメールでつか!我が同志!いかがなさいましたかな?この黒ひげ、必ず力になりますぞ!!」


『急募・女子力アップの方法』


「ええ・・・(落涙)」


「あ!リッカからだ!うれしー!なんだろなんだろ!」


『急募・女子力アップの方法』


「女神力アップの方法――!?悩んでたのねリッカ!大丈夫!私に任せて!」


「いや、女子力な?」



「ギル、はやく私にもミートパイを作ってください。ローストビーフー、ローストビーフー」

「やかましい!黙って座っていろ!チィ、何故我がコックの真似事などをしなければならぬのだ――!」

「はーやーくー」

「完成だ!こんなものは贋作者にでも頼まぬかたわけめ!」


「・・・おいしいですね、誉めてあげます」

「――チッ。不味いといったなら首を落としてやったものを。まあよい。我も食うとするか・・・」





「新しい聖女が生まれたと部員ネットで!(麻婆かき混ぜながら)」

「はぁ!?じゃあ可愛がってあげなきゃね!何がパンクラチオンよ!元祖はヤコブよヤコブ!(サンドバッグ叩きながら)」

「今の私たちを見て、聖人認定してくださる方はいかほどいるのでしょう(セーラームーン見ながら)」



「アタランテです。幼児限定の接客を所望します」

「限定・・・!?」


「姐さん!?姐さんじゃねぇか!どうしてここに!?自力で面接を!?姐さん!」


「私は姐さんではない(無言の腹パン)」


「ブッ――――!!(友愛は有効)」


悪魔←ではあァアりませェエんよ!?悪魔のようなものとお考えくだサイ♥

「・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

ロンドン。霧に覆われた閉塞の都

 

 

 

一行はジキルの協力者、ヴィクター・フランケンシュタインを保護しに、陽の差さぬロンドンを進んでいた

 

 

その先頭を進む、青あざだらけのモードレッド

 

 

「・・・あの傷は貴様だな、アルトリア。アレも貴様の折檻か?」

 

 

『はい。騎士としての姿勢と心構えを徹底的に叩き込みました』

 

『物理でかい?』

 

『物理で』

 

『・・・そ、そこまでやらなくてもいいんじゃないかな?』

 

『何を言うのですアーサー。これでも手ぬるい方です。生前何もしてやらなかったことを省みたからこその教育と折檻。解らなければ親身に教え、中指を立てたなら指をへし折る。教育とはそういうものです。机に足を投げ出す、家主を差し置いてソファを独占する、つまみ食い。ギルティ&ギルティです』

 

『た、確かに騎士道的にはアウトだけど、そういった型破りさもまた、彼女の魅力だとは思うんだ僕は。憧憬と憎悪で象られた彼女なりの騎士道、認めてあげてもいいんじゃないか?』

 

『・・・アーサーは甘いですよ。甘すぎます。チョコラテよりもなお甘い!』

 

 

「まぁ良いではないか。モードレッドめも満更でもなさそうだ。憎悪もされず目もかけられなかった生前と比べ、格段に建設的な関係だと我は睨んでいるぞ?」

 

 

『それは・・・確かに、そうかも知れないね』

 

 

『これからも私はモードレッドを監視します。騎士として愚かな対応をするならカリバります。えぇ、カリバりますとも!』

 

 

「ふはは、とんだ雷親父もいたものよ。いや、聖剣親父か」

 

 

三人の王が他愛ない話に花を咲かせる

 

 

 

「大丈夫?モードレッド」

 

 

心配そうな声をあげるのはマスター、リッカだ。明らかに気落ちしているようなモードレッドに声をかける

 

 

「あー、心配すんな。別に父上のコレは気にしちゃいねぇ。むしろうれし・・・いや、なんでもねぇよ」

 

「本当?なんか元気がないような気が・・・」

 

「そう見えるか?・・・あー、やっぱりか」

 

「?」

 

「『イヤな予感』がする。この仕事、すんなりはいかねぇぞ、リッカ」

 

「・・・戦闘になる、ってこと?」

 

「多分な。ジキルの野郎の話じゃ、ヴィクターのジジイは最後までこっちの味方だったらしいからな。本拠地の割れた敵対者にやることなんか考えなくても予想がつくだろ」

 

「・・・何かしらの危害を加えられている、或いは、殺されていると・・・?」

 

 

「あぁ、そうかも――なぁッ!!!」

 

 

いつのまにやら手に取った白銀の剣を、思いきり地面に叩きつける

 

地面が抉れ、ひび割れ、粉々に衝撃で吹っ飛ぶ

 

 

「ヒェッ・・・」

 

「も、モードレッドさん・・・?」

 

 

「ッチ・・・リッカ、盾ヤロウも覚えとけ。ここはロンドン、ブリテンだ。父上が愛し、父上が守護し、父上が未来に繋げた都市だ。スイスからきた移民だろうが、それがブリテンの民に変わりはねぇ」

 

再び振り上げ、クラレントを狂ったように叩きつける

 

「つまり、それを穢し!侵し!ぶっ壊していいのはオレだけだ!このモードレッド様だけだ!オレのみがその資格を持つ!このオレだけが父上の土地を穢す唯一の騎士だ!それを、オレの許可なくオレの民を害し、オレの許しなく殺したヤツがいたのだとしたら――!!!!」

 

 

魔力放出にて雷を纏いしクラレントを、渾身の力で振るい叩きつける

 

 

道路が抉れ、吹き飛び、消し飛ぶ

 

――接近していた、ヘルタースケルター、オートマタをもろともに

 

 

「――ソイツらは、生かしておかねぇ。首を斬り飛ばして犬畜生に食わせてやる。報いを受けさせ、この土地が誰のものか徹底的に叩き込んでやる――!」

 

――それは、反逆の騎士の、歪みながらも真っ直ぐな愛の発露であった

 

 

 

「見事に捻れひねくれたものよな」

 

『いや、僕には彼女の気持ちが確かに伝わった。嘲笑うでもなく、罵倒でもなく、彼女の義によって立ち上がった事が理解できた。アルトリア、それは君も解ったろう?何より先に駆け付けた彼女の想いを、解らない君では無い筈だ』

 

『・・・・・・まぁ、まだまだこちらも人手不足ですし、あんなバカ息子もいないよりマシです。むやみやたらにカリバってタグにアンチ・ヘイトつけろと言われるのも嫌ですし。教育以外のカリバーは控えます』

 

 

「ふはは!貴様らは確かに親子ではあろうよ!身に宿した狂気と暴走の有り様など鏡写しではないか!」

 

『モルガンが悪いよーモルガンがー。嗚呼、何故私は不義と不和の種を見破れなかったのか・・・ランスロットにも、首がネジ切れるほどの一発を見舞わせてやるべきだったのですね・・・あと捨て台詞吐いてポロロンしたトリスタンはいつか必ずぶったぎります』

 

「叩けば叩くほど埃が出るな。押し入れにしまった布団か?華のキャメロットが聞いて呆れるわ」

 

 

『すまない・・・やはり美味しいご飯を肩を組んで食べるべきだったんだ。円卓なんだし』

 

 

「うむ、王道など酒の席以外で論ずるべきではないが・・・周りに阻まれままならぬというのは我にはなかった経験だ。羨ましいぞ、アルトリア」

 

『いい騎士達なのは間違いないのですが、同じくらい問題だらけです!!ガウェイン!力づくで引き潰した物体を料理と言い張って食べさせるのは止めなさい!!雑ぅ!!あぁベディヴィエール!胃薬!胃薬をください!!アグラヴェイン!狩りに行きますよ!私の狩りをみせてやります!!』

 

『落ち着くんだ!落ち着くんだアルトリア!!』

 

「・・・まさか、我が貴様に同情する日が来ようとはな・・・」

 

 

――王の責務、王の苦悩は、とても一般人には理解できないのが魂で理解できました・・・

 

 

「うん!行こうモードレッド!モードレッドの大切なものを汚した人を打倒しに!私達も力を貸すから!」

 

「おう!しっかりオレについてこいよ!このモードレッド様に間違いはねぇ!そら、目的地はすぐそこだ!」

 

 

『ガレス・・・マッシュな兄を持って尚可憐に笑う貴女は円卓の隠れたシンボルでした・・・モードレッド?しばき倒します』

 

――暫く、器とアーサーはアルトリアの愚痴に無言で付き合ったのだった

 

 

 

 

 

 

『そこが目的地だ。お疲れさま、皆』

 

ロマンのナビゲートにしたがい立ち止まる

 

 

――大きい洋館だ。霧の中でも確かにその威容が見てとれる

 

 

「ほう、中々に立派な小屋ではないか。歴史に語られる『アレ』の開発工房として期待が持てるな」

 

『アレ?アレとはなんだい、英雄王』

 

「知らぬか?『ヴィクター・フランケンシュタインの怪物』よ。浅ましい理想にて鋳造され、無垢な願いにて世界の果てまで弾劾し、疲労と恐怖にて命を絶った滑稽な喜劇よ。書物にデータがあろう。読んでみるがいい」

 

 

『成る程、解った。目を通してみよう』

 

 

『皆、気を付けて。その屋敷にはいくつかの備えがある。難しいものではないけれど、数が多いわ』

 

――器の千里眼で見通すと、確かに魔術的な罠が張り巡らされているのが解る。相当に用心深い事が見てとれた

 

「ふっ、神代の魔術師の風格を醸し出してきたなマリーよ。難しいものではないけれど、とは自信に満ちた物言いだ」

 

『あっ、そ、そうですか?ちょっと、傲慢な発言だったでしょうか・・・』

 

 

「良い。メディアめに教えを乞うのだ、それくらいは宣えねばな。――的を射ていた様でもあろうしな」

 

『え・・・?』

 

 

 

「――チ、やっぱりか」

 

 

忌々しげにモードレッドが呟く

 

 

 

 

「さぁあァアて、御覧あれェエッ!!」

 

 

閉塞した都市に不釣り合いな、不気味なまでに朗らかな男の声

 

 

正門だ、正門の前にソレはいた

 

 

派手で豪奢な格好、まさに道化師のごとくな立ち振舞い

 

『皆、戦闘体勢を!彼はサーヴァントだ!』

 

 

「・・・またホムンクルスか。ほとほとつまらぬな。人形劇にでも傾倒させようとでも言うのか?馬鹿めが」

 

 

 

「さてさて!何故この場にワタクシがいるのか!?何故この場にワタクシがいたのか!何をしたのか!?僭越ながら語らせていただきましょう!」

 

 

朗らかに底抜けに言葉を紡ぐ、謎の存在

 

 

「ワタクシ、名をメフィストフェレスというモノでして!計画を遂行する一人でございまして!それらのプランを磐石完璧にするためにこの屋敷の主に涙を伏して頼みこみにきた次第!」

 

 

「アレも、サーヴァントなのですか・・・?」

 

 

「紛れもなく反英霊だろうよ。しかしこの臭い・・・」

 

「あぁ、勘が当たっちまったな」

 

 

 

「頼み込みました!力かちてくだしゃい♥お願いしますヴィクターさまぁ!とみっともなくなく乞い願いましたワタクシメフィストフェレス!しかし頑固なご老人、首を縦に振るってくださらない!お願い!ダメ!お願いダメの禅問答!あぁ弱った弱ったメフィストフェレス!さぁどうする!どうしましたでしょ――」

 

 

喋りきる前にマスター、リッカの拳が謎のサーヴァントの頭を砕かんと振るわれた。回避するメフィストフェレス、リッカの拳を受けぐしゃぐしゃにひしゃげる正門

 

 

「うぉおっとぉ!?これはワタクシ予想外!!マスターに殴りかかられるとはメッフィー驚きぃ!!」

 

すばやいバックステップにてマシュの傍に戻るリッカ

 

 

「キャスターにもかわされちゃうかぁ。ね?サーヴァントには通じないでしょ?」

 

「は、はいっ先輩!」

 

「惜しかったなマスター。当たっていれば事は済んでいたろうに」

 

「私じゃ『まだ』サーヴァントには勝てないよ。だから」

 

 

「あぁ、オレ達に任せろ。おいピエロ」

 

ジャキリ、とクラレントを突きつける

 

 

「ぐだぐだいってんな。『殺した』な?ヴィクターを、ブリテンの民を」

 

「はい?殺しましたが?」

 

 

「――そうか」

 

 

「それはもうあっさりと!シュバッ!パァンと弾け飛びました!いやぁ綺麗でしたねぇ!美しかったですよぉ!くたびれたご老人のハラワタの彩りも乙なものでしたねぇ!!あ、写真ありますがいります?」

 

「お前はオレの民に手を出した。なら解るよな?」

 

「???メッフィー、察しが悪いヒロインでしてそうでして?」

 

「――テメェを殺すって言ったんだよ!!ヘラヘラヘラヘラ笑いやがって!!ジジイを殺すのがそんなに楽しかったのか!!」

 

 

「そ れ は も う ! !あの顔!自分が死の三秒前いや一秒前にたったと理解したあの顔!いやぁ思い出すだけで!アォ!ワタクシの良心とか道徳心とかがいきり立ちましたともぉ!メッフィーナイスゥ!(本音)ナイスゥ!(建前)!!」

 

――頭が、痛くなってきた・・・

 

「悪趣味な道化よ。マシュやマスターの教育に悪い。切り捨てよ、モードレッド」

 

 

「言われるまでもねぇ!覚悟しろピエロ!テメェは殺す!!」

 

 

「はァいよろしい!!ではでは対戦と参りましょう!!ワタクシの宝具は設置済み!あなた方を面白おかしく絶望の淵に叩き込んでさしあげモス!あ、間違えましたこれはセイレムのワタクシでした!失敬失敬イヒヒヒヒヒィ!!」

 

 

「サーヴァント戦、開始します!先輩!」

 

「思いきりやっちゃって!!」

 

 

――設置済み、ならばそれは宝具の事だろう

 

 

「さて、道化の種を暴くとするか」

 

 

――必要なのは『転写』か、『移転』だろうか。それらを選別しよう!




『リッカたんへ』


「あ、くろひーからだ!用意してくれ」

『魔法少女コス』

「キツい!高校生の私にはキツいよくろひー!!マシュに着させよ!あ、アルテミスからもきてる!」

『月女神のハープ&アルテミスの衣装』

「ガチなやつが来た・・・」

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