あらやだぁ〜オリジナルの大蛇丸はあらやだって言ってないわぁ〜。大蛇丸の物真似なのに一番似てるのが言ってない台詞ってどういう事〜(台詞一例)
本編どうぞ!
カーマ「立派です。凄く。…外国に行った方のお名前は分かりますか?」
ラオウ「無論だ。藤丸立香…学園の二年生になるか。出過ぎた真似だが、市の方で家政婦を雇い、彼女の自宅を保たせてもらっているよ」
カーマ「あなたが!…重ね重ね、本当にありがとうございます」
ラオウ「市長として当然の支援だ。奨学もまた、市の使命なのだから」
カーマ「…こちらの子も、あなたに感謝を告げたいみたいですよ」
アジーカ「…」
ラオウ「おぉ、君は…彼女と瓜二つ…?」
アジーカ『ありがとう。大切にしてくれて』
「!」
『ただいま』
「……あぁ、おかえ──ぬぅあぁあぁあ!?」
カーマ「えぇ!?」
瞬間、自重で軋んでいたベンチが砕け、ラオウは盛大に後ろに転げ落ちる。
『…ぷぷっ。あはははははっ』
カーマ「ちょっとちょっと、大丈夫ですか?市長さん、ほら起きてくださいってば…」
市長「我が…」
「?」
「我が生涯に一片の悔い無し…!!」
カーマ「…虚勢、乙です…」
『あはははははっ。ぷぷ、あはははははっ』
その生き様で、アジーカを笑顔にする。ラオウは人類愛すらもその剛拳(ベンチ破壊)にて討ち果たしたのであった──
「っていうか起きてみたらリッカいるじゃないの何これ凄いじゃない!いつ帰ってきたわけ!?帰ってきたならいいなさいよはいこれあんたに渡す分の御給与!バッチシ稼いだんだからありがたく受け取りなさい!」
胸元をざっくり開け、ブレザー羽織りスカート振り乱し。豊満であり麗しい見た目ながらしかし全く色欲を誘わぬ物言いの先輩、雨宮天空海(あまみやあくあ)が胸元からリッカに封筒を渡す。皆が見てみればそこには30万程の金が封入されている学生にあるまじき稼ぎであった。水色の髪をなびかせ、得意げにソファにて踏ん反り返る天空海。彼女はリッカの先輩に当たる生徒、雨宮天空海三年生である。
「おやおや、これ程のお金を学生のご身分で?凄まじい方なのですな天空海殿」
「そうでしょうそうでしょう!モデル雑誌に一日署長、夏草美女コンテストをこなす美人女神学生は伊達じゃあ無いのよおっほっほっほ!もっともっと崇めなさい新顔!褒めて褒めて!」
「(イラッ)…これはどんな用途のお金なのですか?」
「借金。残り25万だったな先輩?」
借金!?一同が驚愕に目を見開くこれまた学生には凄まじい額の借金に、早苗とマシュが愕然としルルは目を逸らす。彼女的には、深い訳があるようにしたげな憂いを持った顔を浮かべ…
「…審査通ったクレジットカードでリボ払いでアレコレ買いまくって、元金が100万まで膨れ上がったのをリッカが肩代わりしたんだ」
ルルの呆れ果てた追求に一同は理解する。あぁ、この人駄目な人なんだ…人生破滅させちゃう系の…生暖かい視線の集中砲火を受け、天空海は堰を切ったように泣きわめく。
「だって説明で一律数万払えばオッケーだって説明受けたのになんでいつの間にか100万円なんて額に膨れ上がるのよおぉおぉおぉ!!詐欺よ詐欺じゃないそんなの聞いてないわ嘘よまやかしよわぁあぁあぁあ!!リッカいなかったらマグロ漁船に乗るしかないってくらい大変な事になってたんだからぁあぁあ!!」
「よく解らないのにリボになんか手を出すからですよ…なんでよく聞かなかったんですか…」
「聞いてもよくわかんないからとりあえず毎月3万でいいって思ってたのよ私は悪くないわ絶対悪くないんだからぁあ!学生で借金とか人生間違った感パないんですけどぉおぉおぉお!!」
恥も外聞もなく泣きわめく天空海。…彼女は決して悪い人物ではない。ただ致命的な迄に頭が弱くトラブルメーカーな人物なのだ──
〜
雨宮天空海。夏草市に住むならばその名と美貌を知らぬものはいない水色髪の高校生。夏草英傑高校の三年生にして、グラビアアイドル兼祈祷師兼バイト戦士である。彼女は夏草のイメージキャラクターや一日署長に抜粋され、穢れた土地を浄化する神通力を兼ね備えた才女である。
『私は神の生まれ変わりよ!弁財天とかそういう感じのヤツ!崇めて奉りなさい!平伏しも許すわ!』
その見た目はまさに人間離れした均整と美貌、女神が如き黄金比を持ち、見るものを浄化し改心させる程の外観を誇る。彼女のグラビアアイドルとしての活動、タレントとしての知名度は夏草でも一二を争い、心霊番組の霊能者として呼ばれた事もある。
だがしかし。彼女を崇めるものあれど彼女と関わりたいと思う者は物好き、或いはゲテモノ好きと言われ『付き合いたくない女子生徒ランキング』では2位にトリプルスコアを付け不動の一位。3年連続の快挙である。
『誰でもいいから養ってよぉおぉおぉ!!』
順を追って説明しよう。彼女は普通の家庭に産まれたのだが生まれつき髪の色が水色であった。これを父と母は互いに浮気を疑い殴り合いの大喧嘩にまで発展した。そして離婚の運びとなるのであったがせめて天空海が大人になるまでは辛抱しようと彼女を育てる。
小学生の頃から非凡な才を発揮し始めた天空海は夏草にて美少女祈祷師として数多の穢れた土地や霊魂を鎮める神子として脚光を浴びる。そして小学生卒業の頃に…
母が天空海の稼いだ金を持ち逃げし蒸発。離婚届の財産分配も踏み倒しどこぞへと消え去ってしまった。これにて天空海は片親となる。
それにもめげず人間離れした美貌を開花させた天空海は父の勧めでアイドル路線の仕事をこなすようになる。
『ニコニコ笑ってるだけでチヤホヤされる!プークスクス、人生イージーモード過ぎるんですけどー!』
中学生活とアイドル活動を両立し、丁度中学校を卒業した日を迎えいざ夏草昇陽高校に入学としていた日に…
父親が天空海の稼ぎを持ち逃げし蒸発。彼女は中学校卒業と同時に自立しなくてはならぬ宿命を背負ってしまったのである。
『愛とか粘膜が生み出す幻想なんですけどぉおぉお!!!』
天空海はその連続の蒸発にて壊れ、異常な迄に金遣いが荒くなる。クレジットカードをリボ払いで選択し買いたいものを買い漁り、仕事の金を競馬やらFXやらに注ぎ込みまくった。(レバレッジを最大にしない程度の危機管理はできたため借金はなんとか回避)
『一ヶ月3万で買い物し放題とか最高ね!どうせ死んだら何も残らないんだから楽しんだもの勝ちなのよあはははははは!』
人生やけっぱちになりながら破産的な散財を繰り返す天空海だが、当然そのツケは純然たる事実として帰ってくる。
『なんで借金になってるのよぉおぉおぉ!!!?毎月3万払ったら大丈夫だって話だったじゃないのよぉお!!』
リボ払いとはザックリ言えば10万買い物したとして、利息が3万だったと仮定する。毎月払うのはこの利息分の料金なので10万円分の負債は全く減らないというシステムである。15万ならば4万の内3万、30万ならば20万の内3万しか毎月払えないためガチガチの借金地獄になるという悪魔の決済システムなのだ。天空海はそれを全く理解せず絶望とやけっぱちのままに借金を拵えていたのである。当然、これから先は借金返済の為に生きる事を強いられるのだ。
『あは、あははは…一家離散して、自分のやりたいことしたら借金地獄…もうやだぁあぁあぁ!!なんで現実は私にこんなに厳しいのぉおぉおぉお!!』
誰か助けてよぉおぉお!!とギャン泣きで喚いていた天空海だが、こんな頭の足りない女にも、釈迦の慈悲は届いていたのである。
『先輩!天空海先輩ですよね!?私のこと、覚えてますか!?』
天空海にそんな切り口で挨拶をしたのは、何を隠そう我等がリッカであった。彼女は中学時代の頃、天空海に助けられた事があると告げたのだ。
それは中学時代、グドーシと出会う前のリッカが蠱毒にいた頃。人の皮を被った外道に貶められていた現場を見かけた天空海が、リッカの事を助け相手を血祭りに上げ、パンツをずりおろし写真を録りネットにアップした一件があった事。リッカはそれを覚えていたのだ。
『カワイイ女の子を大事にしない男は死ね!!オラ学生証とサイフ出しなさいよ!警察に突き出して人生終わらせてやるんだから!!』
そうしてリッカを気まぐれに救った天空海は上機嫌にサイフから金を抜き取り数人の人生を終わらせリッカにこう声をかけた。
『いつか私に何倍にもして恩返ししてね!』
と。リッカはそれを覚えていたのだ。どんな理由があれ、リッカはその言葉で自殺を踏みとどまったのだから。
『恩返しさせてください!借金持ってるんですね?わかりました!肩代わりします!』
リッカはグドーシから託された数億の資産…自身の為には使わなかったお金で天空海の負債を肩代わりした。借金の相手はリッカになったが、利息や上乗せは発生しないずっとずっと返しやすいマシな環境となったのである。
『ありがとうリッカ〜!助かったわ本当にマジで助かったからマジで!』
『こちらこそ!天空海先輩の事、先輩として尊敬しています!これからもどうか、よろしくおねがいします!』
…その日から、天空海は人が変わったように真面目に学業と仕事をこなすようになり、リッカへと借金を返済し続けている。流石に凝りたのだと、周囲は噂しているが無論反省などしていない。
『リッカにまで愛想尽かされたら人間として終わるわ!マジで生き方変えなきゃ人生詰みになるわこれ!』
ただ、自身に優しくしてくれた後輩に報いる為に奮起しているだけ。返した後はまた元に戻るであろう義理立てに過ぎない。
そんなこんなで、彼女は今日も学業と仕事を超絶的なバイタリティでこなしていたのであった──
天空海「まー私が本気を出してる訳だからグラビアアイドルトップで学業優秀、夏草イメージキャラクターとしても大躍進な三足の草鞋履いてるわけなんだけどね!逆境に負けない女神天空海として是非尊敬してもらって構わないんだけど!御布施はちゃんとしてね!」
グドーシ「それはそれは。拙者が見出す前にリッカ殿を助けていただき誠に、誠にありがとうございました。深く感謝を、天空海殿」
天空海「にへへ〜、すっかり忘れてたけどね!まぁリッカの事は好きだから先輩として…あれ?皆は?」
スザク「先に行きましたよ。聞くべきものは無いと」
天空海「なんでよぉおぉお!?」
グドーシ「自由奔放、けしてめげぬバイタリティ。ううむ、本当に神の生まれ変わりなのやもしれませぬなぁ…?」
黒神「悪人ではないのは確かだ。常人には理解し難き存在でもあるがな!」
私も連れてってよぉおぉお!と破天荒な先輩は半泣きで後を追う。その様子を、生暖かい目で見る会長とグドーシ、朱雀であった──
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