人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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リッカ「ウルトラマンゼットかぁ…とっても真っ直ぐないい子だったなぁ…!」

(御祝いのトップバッターがウルトラマンなんて凄いなぁ…!これじゃ次にも期待が持てちゃうね!)

リッカ「さぁて、次は誰かな〜?」



青年「う、うぅ…ここは?僕は、一体?」

リッカ「───!」

「君は…?驚かせてごめんよ。僕は…」

リッカ「…じょ」

「?」

「ジョジョーー!!凄い人来ちゃったよーー!!」

ジョナサン「!?ジョジョだって!?」

〜リッカが承太郎を呼ぶまで数分〜


リクエスト〜白金色の波紋疾走?〜

「まずは、自己紹介から始めようか。僕はジョナサン。ジョナサン・ジョースター。君の生まれるずっと前の時代に生きた…けれど確かに繋がっている関係の男だよ。言うなれば、先祖…と言うのかな」

 

カルデアに現れし、黄金の精神を持つ本当の紳士。ジョースター家の因縁の始まり、DIOが認める唯一のジョジョ。ジョナサン・ジョースターが今、リッカと目の前に立っている。その身体はまさに重機関車が如く、190はゆうに越えかの承太郎にも決して引けを取らない。いやむしろ、承太郎こそが彼に追随していると言うべきだろう。

 

「ご先祖様…で、いいんだな。カルデアの召喚システムは、人理に刻まれた英雄のコピーと聞いていたが、たまに異世界、異次元、平行世界のワープゲートの役割をも果たす。今回のあんたは、本来の次元から来た本物って訳か」

 

(超速理解!流石ジョジョッ!)

 

「あ、あぁ。丁度エリナと婚約の日取りが決まった翌日、何かに呼ばれたような気がして気が付いたらここへ…」

 

「心配しねーでも、きっちり帰れるぜ。ここは別に監獄ってわけじゃぁねー。…ただ」

 

ただ、承太郎には彼をただで帰す訳にはいかない理由があった。承太郎はここにただバカンスに来たわけではない。彼は運命に抗い、勝つためにここにいるのだ。

 

「じじい…いや、祖父から話は聞いている。祖父はその類まれなる波紋の才能で、ディオ・ブランドーを打倒したと。昔話とはいえ、あんたを見るにフカシってわけじゃぁ無さそうだ」

 

「!…まさか、ディオは生きていたのかい!?」

 

「あぁ。詳しくは言わねーが(パラドックスがめんどくさいので)、ディオは100年を生き延びていた。俺達がなんとか倒しはしたが…まだ、野郎の雇った刺客は残っている」

 

衝撃の事実を告げられ、動揺するジョナサン。しかし彼もまた達人の領域にしてジョースターの血統。子孫の言わんとする事は心で理解する。

 

「…承太郎。君は学びたいんだね。『波紋』をッ!ツェペリさんから受け継いだこの技術をッ!」

 

「あぁ。波紋を扱う祖父は60を越えても無駄にタフだ。波紋には若さを長続きさせる効果があると聞いている。俺はそいつを学びたい。ちっとばかし、戦う期間が長そうなんでな」

 

そしてジョナサンは見る。彼の護りたいものを。物静かな彼が、闘志を燃やす理由の一つを。

 

「…彼女は、君のガールフレンドかな?」

 

「ダチだ。俺もこいつも、非日常の中で生きている。困難を打倒する力ってーのは、多い方がいい。だろ?」

 

「はい!ジョースターさん、私からもお願いします!ジョジョに、波紋を教えてあげてください!」

 

リッカは深々と頭を下げる。二人の間には、確かに強固な絆があった。スクールのなんとなくな集まりとは比べるべくもない、強い覚悟と絆をジョナサンは見た。

 

「…解った。先祖として、未来に生きる君達の力になれるならッ!僕が遺せる『遺産』があるのならッ!伝授しよう!脈々と受け継がれ、ツェペリさんから託された『波紋』を!君にッ!」

 

「…ありがとよ、御先祖様」

 

「やったね、ジョジョ!」

 

リッカとハイタッチする承太郎を見て、ジョナサンは微笑む。ディオが生きていた事実は確かに衝撃だ。しかし…

 

(こうして、子孫は未来に生きている。エリナ、君にも伝えるよ。この、喜ばしき奇妙な出逢いを…)

 

ジョナサンは確かに繋がる血統、そして運命に。その衝撃以上の喜びを感じるのであった。寡黙で、しかし熱きものを秘めた眼の前の子孫に──。

 

〜そして、場所は移り〜

 

「一分間に十回息を吐いて、十回息を吸う!十分息を吸い続け、十分息を吐き続けるんだ!」

 

「ぬ、ぅ…!」

 

苦戦!承太郎は波紋の呼吸法の訓練に大変な苦戦を強いられていたッ!普段ならば何気なく行う呼吸から爆発的パワーを得る波紋!1から覚えるには素養が要る!

 

(こいつは中々…ヘヴィだぜ…ッ)

 

不良生活が祟り、肉体の器官がやや衰えている承太郎!若さにかまけたその悪習慣に、波紋は容赦なくシゴキを入れる!ジョナサンは手加減などしない!子孫の未来を思えばこそッ!

 

(縁壱さんが教えてくれた日の呼吸とそっくり…やっぱり呼吸法って原理は大体同じなんだ…!)

 

リッカは見る!縁壱の行う日の呼吸、そして波紋の類似点!それは奇しくも吸血鬼と鬼、共通の相手を倒すために編み出されたものやも知れぬ!

 

「ッ…──」

 

「承太郎、君には素養がある。だがそれ以上に、やや波紋への理解が見えるね。祖父、つまりおじいさんの影響かな?」

 

「…ダチの呼吸と、あんたの呼吸法。似ているところがあるんでな…ちぃと参考にさせてもらっただけだぜ」

 

そう、リッカに要訣をさり気なく聞いていた!日の呼吸、即ち肉体と精神を活性化させる呼吸法!承太郎は来る運命の為惜しまなかった!努力と知識の吸収をッ!

 

「そうか…!君は彼女の…」

 

「そんなんじゃねぇ。ただ…特に遠慮する必要もねーってだけだぜ」

 

「ふふ、そうか。なら彼女を安心させる為にも!君は挫けるわけにはいかないなッ!」

 

その意図を把握し、ジョナサンは彼に叩き込む!かつてツェペリが自身にしたように!その全てを子孫たる彼にッ!

 

「頑張れー!ジョジョーッ!」

 

リッカの応援を背に受け、ジョナサンの特訓は夕暮れまで続いたッ……!!

 

〜自販機にて〜

 

「凄いッ!銀貨を入れれば、冷えた飲み物が出てくるだってッ!?なんて、なんて便利なんだッ!」

 

現代の文化にスタンドもブッ飛ぶ衝撃をジョナサンが受ける中、承太郎とリッカもまた休憩を行う。彼はどうやら結婚の日まで通い、伝授を行うと約束したのだ。ならば、今日に詰め込む必要は無い。確実に身に付ければ良いのである。

 

「………タバコは二度と吸わねぇ」

 

「未成年でしょジョジョ!いけないひとッ!」

 

リッカに支えられる程に疲労困憊の承太郎。若さにかまけた不摂生を深く深く後悔し、リッカからスポーツドリンクを受け取る。

 

「俺やじじいのガタイは御先祖様譲りだが…まさかここまでのタフガイだとは思わなかったぜ。マジに恐れ入った…」

 

「ケロッとしてるもんね…流石、ラグビー選手三人にタックルされても止まらないパワーの持ち主…」

 

リッカも承太郎も戦慄するそのパワー。かつて人間のまま、一度は吸血鬼を退けた神話的フィジカルは決して伊達ではない。

 

「だが、あの馬力の根幹が波紋だと言うなら俺も気合が入るってもんだぜ。幽波紋は精神のビジョンだが…健全な精神は、健全な肉体に宿るって言うしな」

 

「博識ー!ホリィさんから教わったの?」

 

「…まぁな」

 

そう、承太郎には理由がある。彼を取り巻く運命は終わっていない。DIOとの運命をこの手で断ち切る為、彼は戦う覚悟を定めたのだ。

 

「…天国に行く方法…」

 

「?どったの?」

 

「いや。…なんでもねぇ」

 

かつてDIOが遺した書物に記されていた謎の文献…その未来を阻むためにも、彼は進まなければならない。どのような運命が待ち受けようとも、彼はこれ以上、何も失う訳にはいかないのだから。

 

(あの書物は確実に誰かに見せるために記されたものだ。万が一、万が一にあの情報…『天国に行く方法』を知っているやつを狙ってくる敵がいるなら、リッカや他人に教えるわけにはいかねーな)

 

そう。彼が見たものを狙うものを倒すためにも。この秘密だけは、彼のみが持たねばならないのだ。

 

「…やれやれだぜ」

 

DIOの遺した土産にうんざりしながらも、リッカが身近にいる事の有り難みを細やかに、承太郎は噛み締めるのであった…。

るのであった…。

 

「あれ、ジュース出てこない…自販機の調子悪いのかなぁ」

 

「退いてな」

『オラァ!!』

 

それはともかく。リッカの買った自販機に『星の白金』が拳を叩き込み、自販機の詰まりを解消する。そしてそのまま、星の白金がリッカにジュースを手渡す。

』が拳を叩き込み、自販機の詰まりを解消する。そしてそのまま、星の白金がリッカにジュースを手渡す。

 

「ほれ」

「ありがと!」

 

「な、なんだ今のはッ!?」

 

「「?」」

 

「君達には見えなかったかい!?今!今独りでに『自販機がへこんだ』ッ!それだけじゃない!ジュースが、ジュースがふわりと!『手に収まった』ように見えたッ!今のは!今のは一体ッ!?」

 

「「………」」

 

…そう言えば、幽波紋の事教えてなかった。その事実に漸く気付き…

 

「あ、あのジョースターさん!今のはですね!パワーあるビジョンの仕業で名前を…」

 

「…やれやれだぜ」

 

リッカにフォローしてもらい、自身の口下手に溜息を吐く承太郎であった──




余談

ジョセフ『何ィィ〜?御先祖様に会ったじゃとォ〜〜〜?そんでもって波紋を教わっとるゥウゥウ〜?』

承太郎「あぁ。じじいも折角だ、教えてもらったらどうだ?なまっちょろいと言われる事も無い…」

ジョセフ『ダァーハハハハハハハッ!イーヒヒヒヒヒ承太郎ォ〜〜〜!ボケ老人扱いは良くないぞぉ!いくらわしでも、そんな眉唾な御伽噺に騙されやしないわい!まさか承太郎がそんな冗談をのォ〜!』

承太郎「……嘘じゃねぇ」

『なら承太郎言っといてくれ!エリナお婆ちゃんは最期まであんたを愛しておったとなッ!ま、わしは信じとらんけどねェ〜!いくらなんでも話がトッピョーシもないってやつじゃ!コートームケーじゃよ!コートームケー!』

「…………」

『もし本当だったら!わしはお前の幽波紋のラッシュを全受けしちゃうもんねー!ま、ありえんじゃろーがのォー!承太郎、お前も高校生なんじゃからもう少し地に足の付いた物言いを──』

『通話終了』

「…やれやれ。ボケても面倒は見ねーぜ。くそじじい」

ジョセフ、ジョナサンとの再会ならず。

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