人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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突然ですがファンアートが到着したので皆様にお届けします!チル姐さんが描いてくださった、我等が主人公リッカです!!


【挿絵表示】


どうですかこの快活で可愛げな主人公ぶり…こんなに立派になってくれて感謝しか…感謝しかない…拘りももの凄くてですね!

立香とリッカの異なる点!
・通常は髪をサイドで纏めがちですが、リッカは比較的真後ろにまとめています。
・髪の毛は基本オレンジ系ですが、光の反射により七色のメッシュが入っているように見えまる
・服は、まあ、いつもの礼装、と思いきや色をじゃんぬやメディアお姉さんが監修しています。
メディア「黒は黒でも色のついた黒はシックでいいのよね」
じゃんぬ「おそろよ!」
・童子切は、持ち手と鍔を母上が村正殿に頼んで付け替えてもらっています。
「愛娘には、せめて可愛らしいものを…。」
「おうよ。親心だな」
・ストラップはヴラド公、くろひー、立川じゃないセイヴァーが製作。
ヴラド「急にインスピレーションが湧いてな。鈴になっているから防犯になる。いいか、もしも怪しい奴に捕まったらすぐにコレをならせ。司令室に信号が行く。」
黒ひげ「いいですかリッカたん、コレは拙者のせめてもの激励です!コレをつけて頑張って下され。皆が応援している印であります!世界中が、そなたを待っている!」
グドーシ「因みに、この音色は母君と立川のあの人の元にも念じれば届きますゆえ」
黒ひげ「ゑ?いいのです?ソレ。」
・左腕は人類愛の証。ちょっとオルタっぽいのはご愛嬌。
セイバーオルタ【オルタはイケてる女の証だ】

チル姐さん、本当にありがとうございました!また一つ、かけがえの無い素敵な宝物を抱え──

本日の更新を、どうぞ!


ニャルは他者を弄ぶ異星の神に激怒した〜後編〜挿絵あり〜

【〜♪〜〜♪】

 

鼻歌交じりに、基地の全容と中核を掌握したニャルラトホテプ。内部にある施設、設備、機能を上機嫌に把握、確認しながら鼻歌を口ずさみ、基地を自分なりの色に染め上げていく。人類の叡智と希望を満たした最新鋭の基地を、丁寧に丁寧に掃除していく。

 

【これはいいものだ。設備、武装、宇宙監視。そこらの前線基地とはレベルが違う】

 

衛星からの情報を受け取り、世界全体の変化を見送り、そして人類の希望となる物質、物体、事象、それぞれを最高峰の精度、研究、探求をハイレベルで実現できる。彼からしてみれば想定以上の成果と言わざるを得ない。まさに、宝石箱をひっくり返したかのような高揚感を胸に宿していた。

 

【冷凍保存処理、コールドスリープ、核シェルターに逆に核ミサイル発射要請なんてのもある。極めつけは証拠隠滅用の起爆装置もあると来た。これだけの設備を揺るぎない人類愛で再現するとは、やはり人間は素晴らしいよ。そうは思わないか、ジョブズ】

 

椅子に語りかけ、ニャルラトホテプは人類の飽くなき進歩と発展、可能性に想いを馳せる。人類はとうとう未知の存在を究明し、解明し、そして利用する迄に至ったのだ。人類の欲と進歩はとめどなく、限りない。その事実に彼は満足げに頷くのだ。やはり人類ほど、弄ぶに適した種族は存在しないのだと。

 

【アダム、共に乾杯しようじゃないか。長い長い職務の一段落はついた。ここからは全て私が受け持ってみせるよ。リーブスも遠慮するな。これは私の気持ち…要するに、奢りという奴なんだから】

 

テーブルとワイングラスに上機嫌に語りかけながら、極上の美酒を取り出す。心臓から滴る血を美酒にブレンドした、ニャルラトホテプイチオシのカクテル【血潮の脈動】だ。どんよりとした鈍色の紅きワインを、陶酔と共にワイングラスへと注ぎ込んでいく。ガラスと骨で構成された、前衛的なデザインの机とグラスだ。彼の芸術性は、今日も冴え渡っている。

 

【いずれ官僚も私の意のままに操るとしよう。時代の節目は大抵傀儡政権だからな。一から作るより、土台を利用するほうがお手軽で効率もいい。解るだろう、ジョシュア】

 

踏みしめた革のカーペットに優しく言い聞かせるように歩み、コンソールを開く。そこにニャルは触手を伸ばし、全システムを自らに直結する。

 

【ふと思ったりしないかな?物事が何もかも上手く行った時、自分は大いなる存在に祝福されているのではないかと。自分の行いは、活動は許され、保証されている。何をしても失敗する事はない全能感。私はそれを常に感じているよ。…解るかな、私の言ってること。どうだい、サムエル】

 

骨で作られたリクライニングチェアに座り替えながら、楽園のケイオス・カルデアへとワープゾーン、通信インフラ、ワームホールを繋げていく。加工された毛布を自身に掛け、楽園カルデアの第二の基地化を完遂させていく。

 

【地下の、そのまた地下にも秘密の部屋がある。それほどまでに隠し、秘密にしておきたいものを見つけられる確信はあったのかい?教えてほしいな、レイモンド。それにアレクセイ】

 

骸骨のランプに問いかけながら、ワームホールを展開し倉庫部分に格納されていた兵器群の設計図、そして複製品をカルデアのデータベースに送り込む。丁寧に彩られたモニターに映し出された転移作業の進歩は、非常に滞りなく進んでいった。間もなく、基地の引き継ぎは完了する。オブジェとして並べられた各種ホルマリン漬けの器官に、楽しげに談笑するニャル。

 

【お前達はちょーっと迂闊だったな。ほら、助けを呼ぶって事は、それに対応できる力を所持した輩が来ることは分かりきっていただろうに。気をつけないと、いらぬ諍いや衝突を産むことは解っただろう。もし次というものがあるのなら、もっと慎重に事を運ぶことをオススメするよ。研究熱心なのは否定しないけどさ。イデオンってアニメ知ってる?地球では降伏の印の白旗がさ、相手異星人にとっては絶滅戦争の布告だったりしたわけ。そういう風に、異文化や異種族との対話は慎重にやらなくてはならなかったんだ。解るかな?…分かんないかな】

 

コンソールを叩き、楽園のシオンに連絡を送る。万事うまくいった、後は朗らかに報告を行うのみであるといった段階である。物事が望み通りに運んだ上機嫌のまま、ニャルは通信先のシオンに朗らかと告げる。

 

【やぁシオン君!万事うまくいったよ、大成功だ!お陰様で米軍の重要機密施設群をそのままいただくことができた。これでますます世界を裏から救う仕事がやりやすくなるだろう。また楽園の役に立つ事が出来たかな?】

 

『流石のお手前ですね。搬入されてきた情報もほんも、うっ…!』

 

モニターの向こうで椅子に座り、笑顔で手を振るニャルの姿を一度見たきり、シオンは即座に映像を切り音声記録に切り替えた。彼女は多くを語ることなく、ニャルの報告を受け止める。

 

『…報告書は私が書きます。しかしどうやってアメリカ領地にある基地の所在と所得を誤魔化すんですか?流石に不審に思われません?』

 

【なぁに、彼等が必死に積み上げ磨き上げた機密保持の為のアレコレが何よりも強く私を護ってくれる。いざとなれば疑いを持つものに【処置】を施すまでだよ。記録と報告は、彼等に変わらずやってもらおう。万全と思い上がった連中程、入り込む隙間は膨大というものさ。なぁ、皆】

 

ニャルの声に無言を返したシオンは、即急に会話を打ち切る。彼と話す時間を短くしたい意志が、言外に感じられた。

 

『あなたに限って手抜かりはありえないと思うので、全面的に運用はお任せします。確保した兵器群はこちらで使っていいんですね?』

 

【勿論いいとも。あ、戦闘機の名前はコバヤシとオオギって名前をつけようじゃないか。ほら、海魔と戦った勇気ある日本の戦士たちから名前をいただいて…】

 

『万事好きなようになさってください!それと帰ってくる時は、きちんと洗浄をしてもらって!いいですね!』

 

【あ、ちょっと!…機嫌が悪かったなぁ。そんなカリカリすることもないと思うんだが。万事好調なのに。ねぇ?】

 

不思議そうに、椅子をくるりと回すニャル。問いかけるように話しかけたそこには、多数の『缶』が安置されていた。培養液が満ちたその中に、ずらりと並ぶ肌色の物体。

 

【とはいっても、私はこの星の言語には不慣れだからね。君達に私の意志がきちんと伝わっているかどうかは分からない。というわけで君達には私のサポートをしてもらうよ。機材の手足、頭脳となりこの基地を円滑に運用してほしい】

 

ニャルはスタッフを手に入れた。彼等の協力を取り付け、固い絆を結び、共に人類を護り、よりよい未来へ共に進む誓いを立てた。

 

【今度は間違えないように、私が君達と共に歩もう。よりよい未来の為に。最高の結末の為に】

 

彼等の願いは叶ったと言える。彼等が望んだ未知、この世界の神秘と共に歩む事が叶ったのだから。研究者として、愛国者としてこれ程の素晴らしい栄誉は無いだろう、まさに、人類の最先端へと立ったのだ。ニャルは彼等を礼賛した。

 

【まぁ──意志を見せない、或いは僅かでも私が不都合を感じた場合、君達には自主退職をお願いしてもらうがね。そんな未来は迎えたくない。どうか悪い気を起こさないよう、よろしく頼むよ。諸君】

 

笑顔で告げ、再び作業に戻るニャル。スタッフである彼らには、労働の栄誉と忠義の本懐を与えた。その意志を貫く事ができるなら、彼等は本望だろう。

 

たとえそれが、【どんな姿であろうとも】。

たとえそれが、【どんな形であろうとも】。

 

【さぁ──全ては人類の未来のために!】

 

かつて人間【だった】ものが、どんなものであろうとも。ニャルは決して差別はしない。強く、意志を持って彼等を活用し、区別するからだ。

 

この基地に、人の形をした存在は彼しかいない。

 

【〜♪〜♪】

 

この基地に──人の尊厳を有した者は、最早誰も存在しない。

 




ニャル【さて、基地は手に入れた。後は目障りな使徒の規制を削ぐことにするか】

手元の資料をまくり、その存在を見出す。【使徒】と呼ばれる、異星の神の末端共を割り出し、特定する。

【まずはキャスター・リンボ。蘆屋道満の劣等感、悪心、晴明への意識を肥大、誇張化させたアルターエゴ…いくつかの神をかけ合わせたゲテモノか。こいつに引っ掻き回されるのも面倒だな】

リッカに告白した?コイツだけは無いわと切り捨て、次は美女の資料に目を落とす。

【コヤンスカヤ…蒐集だかのビーストだったか。私嫌いなんだよね。やりたい放題で報いを受けない悪役って。よし、後で雑に行こう。ラスプーチンは…まぁ、まだいいか】

とりあえず始末するべき相手に狙いを定め、ニャルは先手と布石を打つ。

【ドーマンにはセーメイ。悪女妲己には始皇帝だよね】

召喚サークルの設置に、彼は鼻歌交じりに勤しむ──。

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