人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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お祝いだけじゃ物足りない。本編も読みたい!そんな欲張りなあなたに日をまたいでもう一話!

なにジョジョ?毎日更新するのはいいが一日に時間を取るのが大変?

ジョジョ、それは一日に毎回一話更新しようとするからだよ。

逆にかんがえるんだ。『時間があるときに2話打てば一日余裕ができる』と…

それではどうぞ!いつもご愛読ありがとうございます!

~楽園安土城

沖田「ノッブー!ノッブはいますかー!」

ノッブ「おらんぞー。リッカ先輩以外の相手は基本せんぞー」

「いるじゃないですかもー!見てくださいこれ!」

ノッブ「あん?アルバイト?竹林のトラップ除去アルバイト、給与、まかないあり。集団でも募集可…?」

沖田「もう土方さんと私オルタには声をかけました!どうせノッブも暇でしょ?行きましょうよ!」

ノッブ「…そうじゃの。路銀も貰えるし、いい運動にもなる!よし沖田!行くとするか!」

沖田「そうこなくっちゃ!レッツゴー!です!」

「…腐れ縁じゃのー」

「何か?」

「なんでもないわ!」


除去!ぐだぐだトラップ処理し隊!

「今日はよく集まってくれた。今回竹林トラップ除去アルバイトの募集をかけた藤原妹紅だ。気軽にもこたんで構わない。トラップは危険だが、誰かがやらなければならない仕事だと理解と覚悟を決めてほしい。よろしく頼む」

 

異変が解決し、日常を取り戻した幻想郷。だがそれでも小さなトラブルはなくならないもの。竹林のアルバイト、賄い付きの日雇い。それは先の異変で仕掛けられたトラップを排除、除去するための人員を募集するといった様相。条件に『強い方』とされていたのが効いたのかそれとも治安維持の使命か、名乗りを上げたのはこちらの方々。

 

「御用改ならぬトラップ改ですか!沖田さんが人斬りサークルの姫なんて立場ばかりじゃないところを証明するためにも!やってやりますともー!」

 

「幻想郷…いいとこじゃねぇか。行くヤツ来るヤツどいつもこいつも別嬪揃い。大いに結構だ」

 

「まじんさん、まかないが気になるぞ。何を貰えるんだろうか、わくわく」

 

「夏に備えて軍資金を用意しておかねばならんからの!敦盛~熱いモリモリサマー~をリッカ先輩と熱くデュエットする為に武道館ぐらいのハコを用意せねばならん!うーん、ロックなわし、実に建勲!」

 

おなじみぐだぐだ面子の四人。新選組、抑止の守護者、魔王にして神。錚々たる面子が細やかなアルバイトに挑む。名簿を見た妹紅、最初は目を疑ったものの…

 

「まぁ、有名な歴史の偉人に名前を貰うなんてよくあることだ。相当な新選組ファンと織田信長ファンなんだろう。まじんさんはこれなんて読むんだ…まぁいいか」

 

タバコ…に見立てたチュッパチャップスを舐め、ダウナーな白モンペに白髪ロングの美女が、一定のテンションにて号令をかける。

 

「よーし、バカうさぎが仕掛けたトラップは加減とか無いのでくれぐれも死なないように。死んでも火葬だけはしてやるから安心して成仏してほしい。では解散」

 

「死ぬとか戦国時代でもあるまいし大袈裟すぎじゃろwwそれとわしら本人じゃがな!見よこのわし!どっからどう見ても魔王ノッブじゃろが!これだから結界に籠もった片田舎はダメなんじゃ!」

 

「そもそもおかしいのは女性である私達ですからね!ささ、馬鹿言ってないで行きますよ。まかない入ったらリッカちゃんらと鍋パーティやりましょ鍋パーティ!」

 

「鍋…おでんも入れるぞ」

 

かなり呑気した楽勝ムードの四人。確かに英霊の格としては申し分ない。聖杯戦争、戦線、或いは大戦でもかなりの有望株であろう。

 

──しかし、魔術工房に踏み入るのが愚策中の愚策であるように。敵が待ち構える基地に飛び込むも相当の覚悟と決意が必要な事を、彼等はまだ知る由もなかった──

 

 

「うぉあぁあぁあぁあぁあぁ!!!」

 

「土方さーん!!?」

 

「おぉ、土方が落ちていった。この穴、深い。何メートルあるんだろうか。生きているだろうか」

 

「ちょっとちょっとなんですかこれ!?一秒同じ場所にいられないんですけど!?私達の稽古でもこんなに殺意の高い仕掛けなかったですよ!?」

 

沖田、まじんさんが絶えず縮地や極地で動き回り、土方が深い落とし穴に落ちていった様相からしてただ事でないレベルの規模と壮絶さなのは疑いようもない。巻き起こる鉄球、光線、弾幕、馬糞やその他諸々の飛来するこの世の地獄変。機動力のないクラスは置いていかれるのだ。君のいないこの世界のスピードに。

 

「なんじゃ忙しなく落ち着きのない。わしは見つけた先から火縄銃で撃ち壊しとるけど、貴様らはやらんの?」

 

「最新火器マウントとか腹立ちますねノッブ!今その最新火器振り回す人が落とし穴におっこってったんですぅー!もー!前進第一歩でボッシュートとかいつから新選組はお笑い集団になったんですかー!」

 

「んー…わしと一纏めでぐだぐだなんて枠組みされてからかのー」

 

「真面目にまじまじと考えないでくださいよ!いつもみたいに是非もないのじゃー!とか言って大人ボディになって焼き払えばいいじゃないですか!」

 

「阿呆!リッカ先輩が護った竹林が燃えるじゃろが!これだから効率しかみとらん弱小人斬りサークルは!平和を取り戻す、その平和を維持する!両方やらねばならんのが為政者の辛いところなんじゃ!貴様にはわからんのか!」

 

「分からないと思うぞ。私にも解らんからな」

 

「素直でよろしい!ならば──出元に三段突きッ!!」

 

それはそれ、これはこれと瞬時に切り替え、発射される大本を見破り瞬時に破壊する沖田。無論、飛来するあれやこれやにも被弾していない。

 

「やるな。私も本気を出すぞ。はりきり。──まじんさんビーム」

 

そして魔神さんこと沖田オルタも、竹林を破壊しない程度の抑えめビームにて一帯を薙ぎ払う。飛来物を無窮の狭間に落とすことで安全に除去するという算段である。別に三段突きとはかかっていない。

 

「やりますね私オルタ!やはり剣からビームを出すのはセイバー強者の証!」

 

「(どやっ)」

 

「アルターエゴじゃけどなそやつ。仕方あるまい。やや誘爆がおっかないが…わしも少しは本腰を入れるとするか!」

 

二人の沖田に触発されたノッブが展開するは火縄銃…の形をしたゴム弾銃。しかし、魔力で撃ち出す為破壊力は十分。一歩引いた視点でトラップの地点を見抜いていたノッブの一斉掃射が、辺り一帯の危険分子を蹴散らしていく。

 

「やるな、ノッブ。やはり日本一の武将は伊達じゃない」

 

「うはははははは!そうじゃろそうじゃろ!さて、ここら一帯は吹っ飛ばせた筈じゃが…あの白モンペは何処に行った?わしらの活躍見とらんでか?」

 

怪訝な声を上げるノッブと同時に、炎の翼を生やした妹紅が降り立つ。彼女も彼女で、トラップを除去し舞い戻ったようだ。

 

「やるな、アルバイト。素人とは思えない戦闘力だ。さては桐之助の一味だったか?」

 

「誰があんな面白外国人の一味か!わしらのマスターは古今東西において藤丸リッカのみ!鞍替えなどありえぬわ!いやー、くぎゅボイスのナイスバディなのになんでわしの春画あんなに少ないんじゃろなー。沖田なんぞは腐るほどあるのになー」

 

「まじんさんの本も増えてほしいぞ」

 

「なんの話ですか!?まぁそんなことはともかく、どうしますか妹紅さん、このまま新選組前進!しちゃいます!?」

 

「いや…ここは退くぞ。少しずつ移動陣地を増やさなくてはならないだろうからな」

 

妹紅の返答は、慎重を期したものだった。これ程の戦力がありながら、一気呵成は禁物だという。その意見の是非を、風雲児は問う。

 

「何故じゃアルバイトリーダー?我等で押しきれん相手なんぞ御機嫌王くらいじゃない?こやつら人斬りしかできん故戦闘力は折り紙付きで、わしも省エネ考えなかったらもうホントすごいんじゃよ?」

 

「君達に不安はない。ただタイミングを図りたいだけだ。…現在進行系でトラップを生み出す『アレ』の始末するタイミングをな」

 

「「アレ?」」

 

沖田二人が聞き返した瞬間──『アレ』と呼ばれる存在が、大いなる巨体をもって、辺りを覆い尽くした。丁度──『皆を見下ろす形』でだ

 

「「「な──」」」

 

【】

 

「「「なんじゃありゃぁーーーー!!?」」」

 

空より見下ろす、まさに『巨人』と呼ぶべき機械仕掛けの存在。ZIPANGの神秘にまた触れてしまったノッブ達が、驚愕の絶叫を上げた──




焼き鳥屋『藤原フェニックス』

ノッブ「たまげたー!ワンダと巨像みたいなヤツがおったぞ!見たか土方!たまげたわー!」

ヒッジ「くそっ、派手に埋まっちまった…情けねえ」

まじんさん「無事で良かった。おでん食うか?」

妹紅「説明していなかったな。あれはうさぎと妖怪の河童が作ったトラップ自動生成カラクリだ。にとりではない別の河童だぞ。竹林のトラップが無くならないのは、あれが絶えず生み出しているからだ」

沖田「今まで排除はしていなかったんです?」

妹紅「したにはしたが、自己再生、自己進化、自己増殖を実験に組み込んだ個体とやらで倒すたびに強くなる。正直なところ、私では手に負えなくなっていてな」

ノッブ「なんじゃそのアルティメットガンダム…なるほどのぅ。アレがいてはリッカ先輩の護った平穏にケチがつくわけか」

沖田「なら、どうします?」

ノッブ「決まっておる!ブッ壊して土産にするぞ者共!それはそれとしてめっちゃ面白そうじゃからもらっていいかの!」

妹紅「いいぞ」

沖田「いいんですか!?」

ノッブ「じゃあ作戦会議でもするか!久しぶりにバーサーカー連中にも声がけするかのぅ!うはははは!楽しくなってきたわ!」

ノッブ達のアルバイトファイトは次回へ続く──

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