人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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虚無

リッカの手『はくのーーーーーーん!!!!!』

はくのん「ふぁっ」

フィリア『お迎え、来たみたいですね!』

『札』

「札っ」

『輝いてます!』

「引かれるっ。うげぇ」

リッカ『手荒でごめん!引っ張るからねーっ!!』

結界内

零龍【ゴォオォオォオォオォオ!!!】

霊夢「ぜんっぜん手応え無いじゃない!マジに無敵とか止めなさいよねホント!あいつら助けらんないじゃない!」

霊夢(ゼロだから体力ないとか子供か!あーもう、さっさと加勢しなきゃなのに!)

霊夢「・・・ん?じゃあプラスすればいいんじゃない?生命。確かそんな札があったような・・・」

『虹命『創生命与』』

「あったあった!アイディア貰ってとっといたヤツ!月の民に嫌がらせ様のやつだけど・・・くれてやるわ!」

【ゴォオォオォオ!!!】

「私ごとね!!」

瞬間、口の中に飛び込む霊夢。そして自らを『浮かせる』事で一つの生命とし、札に集束させ解き放つ──!

【!?】

「『夢想天生』!若干栄養失調ぎみの生命、喰らいなさい!!」

生命を体内から解放された零龍。零からむりやり一にされた結果、自己矛盾を起こす形で消え去っていった──

霊夢「あー、しんど・・・さて、救援救援・・・!」




リッカ『はくのん!大丈夫!?はくのん!ギルが認めた最高の雑種なんでしょ!最高の雑種って誉めてるの!?けなしてるの!?』

はくのん「最高の誉め言葉、たぶん・・・リッカ、あなたにパワーを・・・」

『フィリアガペー』

「あとは、たの・・・ぱわー」

『はくのーーーん!?』

「生きてる」

『だよねっ!』

フィリア(仲良しなんですね・・・!)


愛と希望、虚無と絶望

『これが、宇宙の針・・・!はくのんが手に入れてくれた、切り札・・・!』

 

虚無の中にのみ生まれる、宇宙の孔を縫い止める針。突入したはくのんが手にし、虚無より抜き取ったそれが、今リッカの手に収まっている。黄金に煌めくその輝きから、とてつもない力が溢れ出ている事を肌で感じるリッカ。

 

『こんにちは、はじめまして!貴女がザビエルさんのご友人ですね?私はフィリア!ウルトラウーマンフィリアと申します!』

 

「喋った!?」

 

なんと、フィリアガペーから声が響く。宇宙の針は意志を持ち話す事が出来るのかと驚愕するリッカであったが、フィリアガペー自体に顔らしき場所はない。

 

『あ、ごめんなさい!私の意思をそれに通して疎通を行っています!これは、楽しい会話ツールとでも思っていただければ!』

『フランク・・・!』

 

『詳しい話、つもる話は後にして!大宇宙の平和と明日に生きる生命の為に!共に宇宙の孔を塞ぎましょう!』

『光の戦士としての模範解答・・・!はい!私は藤丸リッカ!よろしくお願いいたします!!』

 

【ヒャッヒャッヒャヒャッ】

 

会話に割り込むように、グリーザの光弾、手の形をしたエネルギー波がリッカに向けて迫りくる。すべての舞台は整った。後は、グリーザを塞ぎ勝利を納めるのみ・・・!

 

『トーチモード!そちらのメダルを翳してください!』

『はいッ!』

 

フィリアガペーの指示に従い、早苗のメダルを豪奢な装飾が施された中央クリスタル部分へと接近、スキャンを行う。クリスタルが緑に発光し、五芒星の魔法陣が眼前に展開される。

 

『早苗!ミラクル・バリアーシールド!』

 

グリーザの攻撃を、回転する魔法陣が受け止め吸収し力へと変換する。リッカの身体に、先程とは段違いのエネルギーが満ち溢れ力が高まっていく。

 

『みなぎって来たあぁ!!これが、お返しだぁ!!』

そのまま、魔法陣を叩き返しグリーザにダメージを与える。直撃したグリーザは魔法陣に捕らえられ、身動きひとつ叶わない状態へと陥る。

 

【グリーザ・・・!まさかアレは、遥か一万年前に賢者が作り上げた未知の金属剣・・・!グリーザの中に眠っていたというのか・・・!】

 

「正確には、ずっと護っていた。遥か未来の人の手に希望が渡る事を信じて・・・何年も、何百年も。何千、何万年も」

 

正邪の狼狽、はくのんの感慨が交差する戦場にて、使命を果たさんとする二人は止まらない。宇宙の理を乱す宇宙の現象を鎮める為、愛と希望の力が今全開する。

 

『刀身を上に!取っ手を握って、更に別のメダルをどうぞ!』

『はい!行くよ、ビッキー!』

 

指示に従い、刀剣のように持ち変えたリッカが、柄の位置に移動したスキャン部分に響のメダルを翳し、力を解放する。

 

『響!デュランダル・フリューゲル!』

『うぉおぉおぉおっ!!!』

 

輝きが刀身に満ち、目を潰さんばかりの驚異的な光の剣となりグリーザをX字に一閃する。かつて響が手にした完全なる聖遺物・・・デュランダルの力をメダルから読み取り、再現したのだ。

 

【ヒャ・・・ヒャ・・・】

 

宇宙の孔から産まれた宇宙の針。そしてそれにウルトラウーマンが触れ誕生したフィリアガペー。エクスドライブ・ストライカーの力を循環させて放つその一撃は、虚無であろうと問答無用で叩き斬る。胸の部分に、Xの傷が刻まれる。

 

【この力・・・!馬鹿な、虚無を超える力がこの世に・・・!?】

 

『刀身を持って構えてください!更なるメダルの力を!』

『はい!お願いします、なのは教官!』

 

トーチの切っ先を向け、左手と右手で構えるように所持する。刀身が伸び、魔術を振るう杖・・・なのはのデバイスの様に変化する。

 

『なのは!スターライト・ブレイズ!』

 

スキャンの瞬間、周囲からエネルギーを収束、臨界にまで到達するチャージを行い、トーチ部分から魔力光線を発射する。周囲に浮遊ユニットを展開したピンク色の光線は、グリーザの身体を貫通し、無数の風穴を空ける。

 

「つよい(確信)最新オモチャのスキャン完全対応とかこれはベストDX玩具・・・ウルトラレプリカでフィリアとお話モードも。夢が広がる」

 

『何の話!?それより凄い・・・!身体がグッと楽になったし、いろんな事が出来る・・・!これがはくのんが手にいれた、宇宙の理を護る力・・・!』

 

『気にいっていただけましたか?あの御方の虚無に負けない勇気、誰かのために挑む愛!それが今、私達に無限の力を与えています!フランシスコ・ザビエルさんの魂を宿したあの御方の!』

 

『ザビエルさんとは無関係だよ!?』

『やっぱりですか!?やっぱりただの自称・・・!?』

 

「いざ、今が決めるとき。リッカ、これを」

 

リッカに放り投げられたそれ。それははくのんの指に収められた、月の王の証。絶対的な王権を象徴する、ムーンセルの秘宝。

 

『レガリアぁ!?はくのんこんな雑に扱っちゃダメだよぉ!?』

「宝は使うべき時に使わなくては意味がない。リッカ、フィリア。虚無を成敗っ」

 

『はいっ!リッカさん、その指輪を翳し、指に嵌めてトーチ部分の裏にくっつけてください!』

『も、もうこうなったらとことんやってやるーっ!』

 

月の最大至宝を軽く託すはくのんの豪胆さとブレずに使命を果たすフィリアの模範的光の使者ムーブに圧倒されつつ、右手に持ち変え、左手の中指にレガリアを嵌めスキャンするリッカ。

 

『繋げ!救世の願い!』

 

システムコールと同時に、リッカは更にトーチの裏側部分にレガリアを認証させる。左手で握り拳を作り、レガリアを押し込んだ形だ。

 

『我!愛と希望の名の下に!!』

 

すると、トーチ部分に変化が訪れる。クリスタルの周囲を覆っていた翼の装飾が展開し、ティアラを装着したフィリアの顔面の意匠が現れる。丁度胸に宝石を、頭部に七色の翼のティアラを着けた状態となる、フィリアガペーの真の姿が展開する。

 

『そのまま三つの力!解放しちゃいましょーっ!』

『はいっ!三人とも、決めるよ!!』

 

三つのメダルを、クリスタル部分にスキャンさせる。一枚毎に輝きが金色、緋色、七色と変化していく中、最大攻撃の準備が整う。

 

『魔法!奇跡!絶唱!!』

 

コールと同時に、リッカの背に七色の翼のエネルギーが具現化し、なのは、そして早苗と手を繋いだ響のイメージが現れる。そして更にその背後には、黄金の光に包まれたウルトラウーマン・フィリア・グリッターモードのオーラも共に在る。

 

【ヒャ・・・・・・】

【止めろ!グリーザが・・・虚無こそが真なる平等の道なんだーっ!!】

 

グリーザとリッカの間に割り入る正邪。それと同時に放たれる。最大最強の必殺光線。全身を大の字に──兄と呼ぶウルトラマンゼロと同じ──広げて放つ、エクスドライブ・ストライカー渾身の一撃。その名も──!

 

『『荘厳にして最優の光輝(グロリアス・エクセリオン)────!!!!』』

 

コールと共に、放たれる人間の全長十倍はあるエネルギー本流。七色の螺旋を纏う超ド級のエネルギーバーストが、正邪を貫き──

 

【ぐわぁあぁあぁあぁあーーーー!!?】

 

否、グリーザに魅せられた虚無の影響のみを貫き、そのまま背後のグリーザへと叩き付けられる。それは、宇宙の秩序を守護する荘厳にして最優の一撃。あらゆる邪悪や不条理を祓う至高にして究極の一──!

 

【ヒャッ──アハハハハ──】

 

当然、自身の対策そのものであるフィリアガペーから放たれたそれを無効化出来るはずもなく。グリーザは直撃を受け、足下から霧散するように浄化され、空間ごとねじ曲げられ消えていく。全てを呑み込む虚無に、この生命溢れる地に居場所は無いと告げるように。

 

『──決着!!』

 

リッカの言葉と、グリーザが消え去り大爆発する轟音が、幻想郷へと響き渡った──。




はくのん「やったぜ(ガッツポ)」

霊夢「そっちも終わったみたいね。はぁ、しんどかった・・・」

はくのん「お帰り。流石の貫禄」

霊夢「生命無いヤツの嫌がらせには自信があるわけよ。で、散々やらかしてくれちゃった犯人は、と・・」

正邪「う、うぅ・・・く、くそぅ・・・負けたのか、私は・・・」

リッカ「・・・・・・」

フィリア(勝者が敗者にかける言葉はない・・・誇り高いんですね、リッカさん)

リッカ「あなたは、幻想郷の人達とその秩序が裁く。・・・聖杯は返してもらうね。これは、ギルのものだから」

リッカが聖杯を手にし、油断なく身構えつつ距離を取る。

──そして、その警戒体勢は効を奏する。

正邪「嫌だ・・・嫌だ!私は作るんだ!もう誰も踏みにじられない世界を!弱いやつが苛められない世界を!『天の邪鬼なんていない世界を』!嘘しか言えない、嫌われるしかできないヤツがいない世界を作るんだ!私が!!」

リッカ「えっ!?──あづっ!?」

瞬間、聖杯の欠片が急激にどす黒く染まる。手を焼くような熱に、思わずリッカが手放してしまう程。いや、それは最早人間が持てるものではない。そして──



カドック「なっ、欠片が──うわぁっ!?」
アタランテ「マスター!?」

オフェリア「取り込まれる──!?シグルド!戦線を維持──!」
シグルド「我が主よ!?」

ゴッホ「アワワワワワ!マスター!ずっと一緒にぃ!」
デイビッド「ゴッホ・・・!」

ヒナコ「退け、蘭!おまえと項羽様が無事ならそれでいい!」

「マスター!!」
「妻よ、今──!」

ヒナコ「心配は無用です。私には、頼れる隣人達が──」

ペペロンチーノ『キリシュタリア!欠片から離れなさい!これは──』
キリシュタリア「皆!くっ──!!」

カイニス『おいっ!!』
「キリシュタリア──!!」
慧音「桐之助ーっ!!」



正邪「作るんだ・・・!好きを好きと言える世界を!弱者も強者もいない世界を!!私が、私がぁ!」

霊夢「往生際の悪い・・・!」

オルガマリー『リッカ!欠片を手にした、グランドマスターズが欠片に取り込まれたわ!』
リッカ「──嘘!?」

正邪「まだだグリーザ!お前だけだ・・・!私を受け入れてくれたお前だけに、全てをくれてやる!!ひっくり返してやる!全てをぉ!!」

聖杯の欠片を自身に取り込み、そして形にする。リッカ達が力を束ねたように、正邪もまた。

【ダークセイジャライザー】
【正邪アクセスカード】

それは、グリーザと正邪が書かれたアクセスカード。そして、生成された三つのメダル

【正邪・アクセス認証】

グリーザメダルが変化したカードに、聖杯の欠片が正邪の能力で変質したライザーが、独りでに動いていく。

【ファイブキング】【グランドキング】【タイラント】

正邪「お前達にぃ・・・邪魔されてたまるかぁあ!!」

霊夢「このっ!!」

リッカ「待って!中に仲間がいるの!!」

【ひっくり返せ・・・!闇と虚無の力でぇ!!】


【グリーザ・カタストロフ】

正邪【【天の邪鬼】をぉ!この世からけしされぇえぇぇえ!!】

聖杯の力を完全反転させた正邪。グリーザの力を完全解放した真なる虚無と絶望的が、姿を現す──

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