人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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本文より数分後のお話

ギル「ほぅ、想定よりよいものを納品したな妖怪。よもや金以外の全てをその頭脳に納めているとは・・・半信半疑であったぞ。ふはは、許せ」

にとり「それほどでもある!だけどまだあれはほんの一例だよ・・・!彼女が絆を結べば結ぶほど、増えれば増えるほど組み合わせは増える!その可能性は無限大!インフィニティなんだ!」

──アジダハリッカちゃんは既に・・・!『本編ヒーローと互角の人気を持ちスピンオフやVシネマに引っ張りだこ』の領域に至っているのですね・・・!

「ふはは、よい響きよ!・・・時に音声の話だが」

「あれですか?私がキュウリキメて考えました!英語知らんからテキトーに印象と日本語で」

『英語教科書』

にとり「ひゅい?」

「仮にも我等が使うやもしれぬ神器、あのような脳足りんで通せるものか。アップデートの際、貴様のネイティブ発音モードを実装してもらう!その為の勉学を貴様にくれてやる!」

にとり「なんですとー!?」

──王が教鞭を!?に、にとりさん!なんて、なんて光栄を受け取られているのでしょう!

「さぁドリルを開け!生半可な点数で寝れると思うなよ!スポンサーとして鍛え上げてくれる!」

にとり「ひぇえぇ!?スポンサーは株だけ持ってじっとしていてくれぇ~~!?」


空を吹き抜け、奇跡の神風!

「おぉー!総長!総長ですかリッちゃん!カッコいいですー!」

 

「これはあれですか?日本人の決戦衣装・・・特攻服!というヤツですね!」

 

「戦う衣装、だからこうなったのかしら。でもあの音声はなんだと言うのかしら・・・お遊び?お遊びなの・・・カッパのセンスは意味不明だわ・・・」

 

にとりの開発品、ニトライザーにて変化を遂げたリッカ・ミラクルスポイラー。普段の日緋色の髪が美しい翡翠色になり、黒メッシュの入った長髪に、スケ番めいた特攻服に身を包む姿はもっぱらレディーストップ。その変化に一同は興味津々である。それはリッカ本人もまた然り。

 

『おぉ・・・!常識とか理屈とかを飛び越えられるような気がビンビンしてきた!今の私なら、どんな奇跡だって起こせる!そんな気がするッ!』

 

リッカの心には、形容出来ない力が沸き上がりそのテンションの高さが高揚と言った形で現れているのだ。即ちハイ、トランス状態というヤツである。

 

『早速力を試してみたい!三人共、早速組手を──むむ!?』

 

腕慣らしを所望するリッカ達の前に飛来する・・・ロボット妖怪達。それらの額には『修練用』と書かれており、リッカ達を取り囲むように立ち塞がってきたのだ。

 

「これは!?」

 

『せっかく手に入れた力、操れませんでしたで終わらせてほしくない!チュートリアルがてら組手ロボットを制作してみた!こやつら相手に色々試せ!盟友リッカ!』

 

どうやらリッカの力を使いこなさせる為のアフターサービスの目的で制作されたにとりのロボットの様である。その証拠に、一斉にロボット達は空中へと飛来を始め待機状態に移る。リッカを待っているのだ。

 

『ぶっつけ本番かぁ・・・!上等!皆の力を借りてる私、負けるわけにはいかないもんね!』

 

「リッカ。あなたにもたらされた力を自分のものにして、楽しい弾幕勝負が出来るようになりましょう」

 

「あやややや!幻想郷にもたらされた技術革命!なんの変哲のない美少女、超進化にて降臨!いい記事にさせていただきますねリッカさん!」

 

「リッちゃんなら出来ます!一子相伝の風祝の力を使う以上、あなたは私で!私はあなたなんですからっ!(*`・∀・´*)」

 

『──うんっ!皆!見ていてね!行くぞぉおぉーっ!!』

 

瞬間、特攻服が変化をもたらす。長い裾や袖が硬質化。ブースターを有するメカニカルアーマーへと変化し、嵐がごとき熱風を排出しリッカを空中へと導く。先の総長シルエットは一転し、少女とロボが合体した、XXの武装がごとき白鎧、翡翠ラインの近未来武装へと変化したのだ。

 

『『『『『『プログラム、遂行。弾幕勝負トライアルを開始します』』』』』』

 

配置についた妖怪、天狗タイプが一斉にリッカに弾幕を放つ。それらは最高レベルへと設定されているのか、一瞬にして空間全てを埋め尽くす密度の攻撃と化す。

 

「ちょっと!リッカは初心者なのよ、何よこの弾幕の量は・・・!リッカ、逃げ──!」

 

『大丈夫!──『アーティフル・マタージ』!』

 

アリスの言葉にサムズアップで応えたリッカの身体が、翡翠の『粒子』となって霧散する。それは早苗の奇跡。自身の肉体を瞬間的に粒子にし、擬似的な転移を可能とするミラクル・スポイラーの能力の一つ。安全地帯たる、弾幕を放つ妖怪達の頭上へと一瞬にしてワープ、肉体を再構成する。

 

「粒子化!?リッちゃん、奇跡を起こしましたね!」

 

「一瞬消えたと思ったら、自身を光にした・・・ということ・・・?」

 

「あの河童の技術力どうなってるんですかね・・・!?」

 

『『グレイソー・サルタクロス』!』

 

リッカのスペルカード宣言により、ヘッドギア、胴体肩部分、腕、脚にマウントされていた突起、自動駆動型追尾ユニット『ティターニア』を分離展開させ、妖怪達への攻撃指令をインプットさせ解き放つ。アリスの魔法、そして人形を自在に使いこなすアビリティを硬貨の力にて再現したが故のオールレンジ・マルチユニット。それらが、妖怪達を一瞬の間に切り刻み、粉微塵へと変える。刃、弾幕発射口を備えた多目的ユニット。弾幕はブレインというアリスの理念を再現した、最新鋭技術の結晶をリッカは自在に使いこなす。

 

「わぁーっ!カッコいい!カッコいいですよリッちゃーん!すごい!すごーい!」

 

「・・・これよ・・・!女の子だけでなく、男の子も持っていて恥ずかしくない美しく、カッコいい人形・・・!それが、雄々しく戦う武装した少女・・・!」

 

「あ、アリスさん?目が輝いておられますね、どうなさいましたー?」

 

アリス、早苗が大興奮の中困惑する文を尻目に、にとりのロボ、最後の刺客が姿を現す。地響きを起こし、やってくるそれは、リッカの何倍も大きく、角を持ち、見上げるような巨体を誇る──

 

『オニーーー!!!!』

 

鬼。剛力と強靭を誇る生物としての絶対強者。にとりが土木建築、土壌調査の際鬼のパワーが必要

になると仮定して作った、旧き者の再現。それがリッカの前に最終試練として立ちはだかったのだ。

 

「・・・鬼は鬼って鳴かないでしょう・・・」

 

「忌憚ない意見を述べますが、あの河童のセンスは大分来ちゃってますよね・・・」

 

その脱力してしまうような鳴き声とは裏腹に、山の木々を薙ぎ倒すような剛力にて振るわれるメカ金棒の一撃は脅威そのものである。周囲を風圧で蹂躙しながら、巨大極まる金棒がリッカの下へと迫る。

 

「リッちゃん!避けてくださいっ!!」

 

早苗の言葉に頷き、リッカは全身の鎧に力を込める。すると畳まれていた翼のユニットが展開。虹色の魔力を排出する光の翼となり辺りに美麗の弾幕を展開する。

 

『無双風神、展開!ティターニア・フルドライブ!モードシフト『ミラクル・パレード・バースト』!』

 

同時にリッカの眼前に翡翠のユニット、ティターニアが展開。高速回転を行い、人間が入れるワープゾーンを生成する。

 

『とどめっ!!』

 

掛け声と共に、ワープゾーンへと侵入するリッカ。瞬間、彼女の身体は光輝く『龍』へと変わり、光速がごとき縦横無尽にて鬼ロボットの全身を切り刻み、分解──解体していく。

 

『!?!?!?!?』

 

それは、幻想郷最速の天狗の速さを再現した、超光速戦闘。早苗、アリスの能力にてリッカを保護、転換し全力運転する事により発揮する、ミラクル・スポイラー最強最速の一撃──ラストスペルに相当する、最後の必殺技。駆け抜けた軌跡が、翡翠と虹色の星々となり天の川がごとき様相を見せる最速美儷なる風神の業。その名も──

 

『無双風神──『天孫降臨』!!これが私の!弾幕だぁあぁあぁあぁーーーッ!!!

 

縦横無尽に駆け巡り、対象である鬼を切り刻み続けるリッカ。一瞬のような永遠、永遠のような一瞬──その果てに、リッカは三人の眼前に着地する。

 

『───、───』

 

鬼は身動ぎ一つできず、回避も防御も叶わずに──『星の魔方陣』の軌跡へと切り刻まれ──

 

『──決着!』

 

リッカのフィンガースナップにて、昇華爆発四散を果たす。爆発の中より、ティターニアがリッカの下へと帰還し、光の翼が粒子へと霧散する。そして各種武装がリッカの鎧へとマウントされ、背部の翼が折り畳まれると同時に、爆発は虹色の嵐に呑み込まれ消失する。

 

これこそ、幻想郷の少女達の力を合わせて形造られた、記念すべき人工の『幻想少女』。空を吹き抜ける奇跡の神風、ミラクルスポイラーの力。リッカに決闘の資格を授ける、絆の嵐の具現である──




にとり『バッチリ使いこなせてるね!速さとオールレンジ、何より非常識の奇跡を使いこなすリッカちゃんの基本フォーム!その力で、幻想郷を吹き抜ける風になーれー!!』

リッカ「これが・・・これが、本当の弾幕勝負・・・!」

早苗「リッちゃーん!!」

リッカ「!」

アリス「ふふっ、禍々しく雄々しい龍も良いけれど、そちらの弾幕も素敵だったわ。私達の力、うまく糧になってくれたみたい」

文「筋のいい速さでしたよ!ではでは、幻想郷の弾幕勝負を体感した感想インタビューを是非是非!」

早苗「びゅーってなって!ぐわーってなって!びゅんびゅん、ひゅーんでした!スゴく、スゴくカッコよかったです!リッちゃん!」

リッカ「──・・・」

もちろん、これらは自身の力ではない。発明してくれたにとり、力を貸してくれた三人。これを作ってもらうために、私財を託したギル。何より、自分を導いてくれた皆──

「──皆、ありがとう!」

そう考えた時、自然と頭を下げていた。かけがえのないものを知り、自然と礼をする。だからそれを、感謝と言うのだろう。

アリス「ふふっ・・・でも、これは始まりよ?弾幕勝負は奥が深いわ。私達三人の力を極める為、今日は特訓しなくちゃね」

文「リッカさんが三倍強くなったので・・・私達三人で揉んであげましょうか!」

早苗「え?私はリッちゃんに就きますよ?(*`・∀・´*)」

文「趣旨を理解してます!?」

リッカ「──うんっ!これからどうぞ、よろしくお願いいたしますっ!」

これから始まる幻想郷での生活に胸を躍らせ、リッカは笑顔で深々と礼をするのであった──

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