人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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早苗「リッちゃんは自由行動、という事でしょうか!やりました!いろんな場所を回れますね!わぁい!」

リッカ「聖杯探知を見つつ、お土産をいっぱい見繕え、だって!サナちゃん、文さん、よろしくね!」

文「お任せを!いろんな場所に参りましょう!温羅さんはどうなさいますか?」

温羅「アタシ?アタシか?アタシはあれだ、セーター編む」

「セーター!?」

「着たいってヤツがいてなぁ。あ、地底に行くなら声をかけろよ?連れてってやるからな!」

リッカ「地底かぁ・・・どうなってるんだろう・・・!」

早苗「じゃあまずは、まずはですね~!」





寒いのって嫌だよな・・・

早く春にならないものかねぇ・・・

チルノ「う、うぬぬ・・・」


おさらいと召喚と触媒の大切さ

「いよいよ皆も召喚か・・・非常に興味深い!一体誰が喚ばれるのか!君達の運命は一体誰なのか、とね!」

 

キリシュタリア、のっけから大興奮。無理もない、自分と同じマスターの花形、英霊の召喚がいよいよ始まろうとしている。それは人が、持っている縁が試されよう大一番、何よりリッカがやって来た・・・王が挑んで来た戦いの一つでもあるからだ。子供のようにはしゃぐのも、無理からぬ話だろう。

 

「召喚の補助は私と霊夢で行いますわ。皆様どうか、存分にお奮いなさいませ」

 

「は?英霊召喚?なによそれ、降霊・・・みたいなもの?あんたら陰陽師みたいなものなワケ?」

 

「魔術師だ、魔術師。・・・よし、おさらいしておくか。サーヴァントや、英霊のシステムについてな」

 

カドックが言う通り、サーヴァントや英霊の存在においておさらいするのは、改めて理解を復習するのと、新たな仲間への説明ともなる。

 

「そもそも英霊、っていうのは人類史において偉大な功績を残し、偉業を成し遂げた魂の事を指す。これらの存在は死後、世界の側の存在として召し上げられ、英霊の座という場所に登録されるんだ。サーヴァントは、術式によってこの英霊達を召喚して力を貸してもらう・・・それが仕組みの魔術なんだ。まぁロマンが言うには、これは世界を滅ぼす存在を相手に、世界が七騎の英雄を召喚する決戦術式・・・それらをダウンサイジングしたもの、らしい。人間達が真似したもので、本来の英霊達にはグランドっていう格がつくようだ。・・・まぁ、グランドサーヴァントを指揮しているのはリッカだけなんだけど、今のところは」

 

人類悪を倒すために、世界が獣を討ち果たす為に行使する決戦術式。それこそが英霊召喚の始まり。言ってしまえば、サーヴァントというものは人間がそれらを再現した末の劣化、下位互換と言っていいものだ。それ故、グランドサーヴァントとは決定的な違いがある。

 

「霊夢や魔理沙に分かりやすく言えば、温羅もグランドの資格を持っていたわ。親子喧嘩に、費やしてしまったけれどね」

 

「・・・納得。あのとんでもない馬鹿力や親しみ易さ、おかしいと思ってたのよ」

 

「となるとあんたら、世界の偉い人達呼んで殺し合いしてるのか!?罰当たりなんだなぁ~。もっとやれることはあるんじゃないか?」

 

「耳が痛いわね・・・。サーヴァントは本来の英霊の全てを呼び招く訳では無いの。英霊の持つ一側面、剣を扱う一面、或いは槍を使う一面を抽出する・・・といった形でね。それは基本、七騎のクラスに割り当てられる形になるわ。セイバー、アーチャー、ランサー、ライダー、アサシン、キャスター、バーサーカー・・・」

 

「召喚する側面によって別人みたいに変わったりする人もいるのよぉ?ヴラド三世とか、カーミラさんとか!あっ!アルトリアちゃんはほとんど似たようなものだったり?」

 

「ぺぺさん、異議ありです。アルトリアは決して安易なコピーなどではありません。私のようにマスターなアルトリアだって存在しています!」

 

「ほへ~。コピー&ペーストってやつか?」

 

「正確には、超高精度で行われる『もしも過去の英雄が現代に現れたら』といった世界の奇跡といったところかしら。勿論、彼等は英雄本人ではなく、一側面を切り取った模写、影法師のようなもの。肉体を持たず、契約が終われば再び座へと還る存在よ」

 

霊核を砕かれる、聖杯が破壊される、或いは契約を終える。それにより英霊は世界への楔を失い、消え去り座へと還る。そして召喚の際に得た記憶や経験は、記録として座の本体へと還元される。あくまでサーヴァントは本体のコピー・・・ロマンチックに言えば本体が見た夢『もしも現代にこの英雄がいたならば』という人々の夢を形にしたものであるため、本体には何の影響ももたらさない。本来ならば、だ。

 

「それじゃあ、契約が終わったらどんなに仲良くなっても意味無いってことか?・・・なんていうか、あんまりだな、そいつは・・・」

 

「基本的にはそうなんだけれどね?でもね、時に、或いはしょっちゅう例外が存在する!サーヴァントとして得た経験があまりにも鮮烈で、強烈だった場合!なんと座の本体に記録が焼き付くケースも散見されているんだよ!絆は限界を越え、奇跡を起こすものなんだ!人間とは素晴らしいと思う!私は少なくともね!」

 

とあるマスターと会い、生来の欠点を自覚することが出来たカルナ。自由に飛翔するルチャドーラを見て、なんかもう自由と可能性と未来を色々感じておかしいことになったケツァル・コアトル。自身を慕う弟子を炉心に捧げ、一生残る傷を刻んだアヴィケブロン。──無償の愛が在ることを無知の獣に知らせるため、己が全てを懸けて本当の母たらんと決意した源頼光。サーヴァントとしての経験は、決して無下ではない。残るものは、確かにあるのだ。

 

「ふぅん・・・それで、そんな術式を考えた理由は何?まさかそんな英雄とお友達になりたい!なんてお花畑な目的なわけじゃないんでしょ?」

 

霊夢の指摘は鋭く、儀式の真意を問う。そう、英雄の魂は超純度のリソースであり、それらが七騎も揃えば世界の根源へと向かう穴を開けられる。其処に至り、世界の全てを知る。それこそが、魔術師の悲願にして目標。聖杯戦争という儀式の正体であるのだ。

 

「万能の願望器たる聖杯をちらつかせ、やってきたサーヴァントの魂を生け贄とした魔術儀式・・・僕らの世界のトップクラスの魔術師達が考えただけあって、効率的かつ外道な催しだな。こうして振り返ってみると」

 

「体のいい詐欺もあったものね。人間の発想力は時に恐ろしいもの。どうしたらそんな恐ろしい事が思い浮かぶのかしら・・・あぁ、やだやだ」

 

「あんたも人の事言えるワケ?あんたも腹ん中真っ黒でしょ。彼等の言う魔術師達よりずっとね」

 

「あら、そんな事は無いわよ?なんだかんだで皆が笑顔になるくらいの気配りは致しますわよ?ゆかりん、嘘つかない♪」

 

「その発言自体が嘘じゃないか!アリスやパチュリーが聞いたらなんて言うかなぁ。要するに英雄でやるガチャガチャみたいなもんだろう?なら楽しみだ!やろうやろう、早くやろう!どんなやつが出てくるのか、俄然興味が湧いてきたぜ!」

 

「そうだね。復習はこれくらいにして本題に至ろう!実際のところ、もう私もワクワクしっぱなしだよ!さぁ、誰から行くのかな!」

 

そうして、簡単なサーヴァントに対する復習も終わり召喚の儀へと移る。先陣に至るのは──、

 

「じゃんけんで勝ったから・・・私ね。き、緊張するわ・・・」

 

「ファイト!オフェリア!素敵なカレ、来るといいわね♪」

 

「ハッピーサンデーだな」

 

「君ならできる!大丈夫さ!私はそう信じているとも!」

 

「お見合いみたいなノリになっているけれど・・・そういうものじゃないから・・・!」

 

応援を受け、オフェリアは呼吸を整える。──そして、その時・・・

 

「・・・!?これは・・・!?」

 

訳も解らず、受け取っていた『眼鏡』が、突如輝きを放ち始める──




魔理沙「うぉお何だ!?眼鏡が!眼鏡が光ってるぞ!?これもあれか、魔術的ななんちゃらってヤツなのか!?」

霊夢「召喚で作用するとなると『触媒』かしら?生前に縁のあるものを持っていたらそれが楔になるとかの・・・」

はくのん「ゆかりだけに?」
紫「ゆかり、だけに♪」

ぐっちゃん(うつらうつら)

霊夢「しょうもないこと言ってんじゃ無いわよ!じゃあつまり、この場合・・・!」

キリシュタリア「来るんだ!何かしら眼鏡に縁深い、なんらかの英霊が!」

カドック「眼鏡に縁深い英霊・・・!?」

デイビッド「見当もつかん」

オフェリア「い、一体・・・!?」

その輝きが満ち、やがて抑止の輪より来たりし影が現れる。それは──

シグルド「──サーヴァント、セイバー。我が真名をシグルド。貴殿が我がマスターか?どうか命令を。速やかなる遂行を約束しよう」

オフェリア「し・・・シグルド・・・!?嘘、本当に・・・!?」

彼女が望んでいた、北欧の大英雄。シグルドその人が満を持してやって来たのだった──

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