リッカ「皆がフランちゃんを口説き落としたみたい!凄いよ皆、流石はグランドマスターズ!」
早苗「むむむ!リッちゃんがいない際に手柄を立てるとは!ねんこーじょれつ、なってないんじゃないですか!」
リッカ「いいのいいの!大事なのは誰がやったかじゃなくて、何をやったかだから!皆はバッチリやることをやった。なら、次は私達の番だよ!」
早苗「燃えてますね!どこまでもお供します!」
文(この寛容さと真っ直ぐさ、もしかしたら・・・)
「二人とも!私、いきたい場所がありますのでよろしいでしょうか?」
早苗「行きたい」
リッカ「場所?」
「ここが河童・・・色んな発明をしてくれる妖怪がいる場所ですね!特に有名・・・というか変わり者として有名な方、河城にとりさんがいる場所です!有り体に言ってラボですね、ラボ!とんでも発明がいっぱい眠っているワクワクの施設ですよ!」
早苗、文と共に行くリッカチーム。カドックの、皆の頑張りに触発され、鼻息荒く山を歩く中、早苗がふんすふんすと指差す施設がそこにある。
「ここが・・・河童さんのラボ!うわぁ、アンテナとか生えてるよ凄い!ピポパポ言ってる~!」
「ここは河童の切磋琢磨の場となっていて、他の妖怪達も物珍しさでみたりするんですよね。でも独創的過ぎて全く話についていけないんですよ。ですからここは、外来の人間であるあなたに色々、お役立ちの掘り出し物を探して鑑定していただけたならいいネタが見つかるやも!ですのでぇ・・・~」
「突!」「入!」
「しちゃいましょう!」
「おーっ!!」
あちらのチームとは違い、ノリと直感、やる気で行くべき先を決め、行動を定めるぶらり旅のノリで、リッカ一行は意を決し河童のアジトへと突入を行う。
「すみませーん!河城にとりさんは」
「はぁーい!にとりだよー!いらっしゃいいらっしゃい!ようこそいらっしゃった!待ってたよ~!」
言い切る前に、ともすればインターホンを鳴らす前にリッカ達を迎え入れし、上半身タンクトップの少女。スパナ片手にガチャりと扉を開け、満面の笑みでリッカに握手を求める彼女こそ、発想と発明の妖怪、河城にとりである。
「え、えっと私は」
「藤丸リッカちゃん!話は聞いてるよ鬼神様から!いつかねえ、あなたに私の発明を見てもらいたかったんだ!絶対役立つ筈!あなたの頑張りに!さぁさ見てって見てってー!」
「お、おぉ、おぉお~!?」
リッカの事は鬼神から聞き及んでいたという。それはつまり温羅に他なるまい。そんな彼女を待ちわびたとする不思議な河童は、早苗と文も目にもくれずに人間を招きいれる。その勢いに、まさかのリッカはたじたじのままラボに招かれるのであった──
「あった!じゃないです!私達も行きますよ文さん!スクープ!偏屈河童の実態に今迫る!みたいな見出しで書けますよ記事!リッカちゃんに遅れを取らず!レッツゴー!おーっ!」
「そんなに面白い事ありますかねぇ~?まぁ、価値観の相違で特ダネに気づけるなら上々!いざ潜入!です!」
~河童整理中・・・
「私はねぇ、発明品っていうのは誰かに使われてこそ意味があると思うんだ。作って終わりじゃ感想も批評も進歩も発展も生まれない!異なる誰かに見てもらって、触れてもらって初めて発明は産声をあげる!そんな訳で強く優しい人間さん、私の発明見てってよ~!」
リッカにウキウキと語りながら、様々な器具を渡す河童、にとり。水色の髪に両端をちょんと結んだヘアースタイル、紺色の帽子にタンクトップのエンジニア女子は自信満々に商品を紹介する。
「これ!危険度ナビナビセンサー!半径数百メートルの生体反応を読み取って、妖怪や人間かを判断!幻想郷の住民票にアクセスして、危険なヤツかそうじゃないかを判断してくれる優れもの!これで人間が迂闊に食べられたりしないような散歩が出来るんだよ!」
「え、初手から凄い発明品じゃない!?キリ・・・皆に渡してあげたい発明品なんだけど!?」
河童のにとりが紹介してくる発明品というものは『現世でも馴染みのある』ものばかりだった。アプリ付きの端末、撮影機具を抱えて飛ぶ小型飛行機械、タッチスライド式のモニターボード・・・それらが完全独学かつカスタム品として、彼女は作り上げていたのである。明治時代程度の科学力の幻想郷において、突出した発想と知識であることは最早疑いようがない。
「ここいいですよね~・・・現世にいた頃を思い出すものばかりで、ついつい通っちゃうんですよぉ」
「巫女さんからも話聞いてたんだったそういえば!外には色んな小型化されて便利なものがあるんだ、って!そんな友達とやり取りした機械を見せてもらって、バラして解析して再現したのがこれら!」
「独学でスマホ組んだの!?タブレットもドローンも!?」
「私達妖怪は長寿で凝り性ですからね~。気になるものや気掛かりなものは突き詰めたくなっちゃうんですよ。まぁ、にとりさんはかなり特殊な訳ですがね?」
「特殊ではない!幻想郷は今、ゆるやかな滅びを迎えている!それは発展と進歩を捨て袋小路から出ない様にしきたりを護らされている為の停滞による滅びだ!人と妖怪、本当の意味で手を取り合い新たな時代を迎えなくては我々に先は無い!今いる妖怪達も、人間を見下しながら人間に怖がられなくては生きていけない有り様。鬼神様がやってくれたように消え行く者には今を生きる者が希望を託さねばならず、それの連鎖こそが歴史であり」
にとりはスパナを振るいながらまくしたてる。彼女はいつもこうなのだ。テンションが上がると早口になり、科学とはどうあるべきか?人と妖怪はどうあるべきかを誰彼構わず話し出すのだ。そもそも戯れ言と切り捨てている文、直感と奔放で生きている早苗には難解な妄言としか聞こえない持論だ。
(始まりました・・・こうなると長いんですよね彼女・・・)
(立派な事を言っているのは解るんですが、正直理解するのに時間がかかると言いますか・・・論文を渡された時には驚いちゃいましたよ・・・)
「心ない妖怪は人間を家畜と言うヤツも言うがそれは違う!幻想郷の人間達は安寧の檻に放り込まれ妖怪存続の糧としての役割をもたらされているから自主性に乏しいのだ!人間の輝きはそんなものではない!一握りの河童が捻り出した発明を、全員が再現できる多様性こそ魅力!鬼神様が未来を託した人間達を、もっともっと私達は信じてやるべきなんだ!私の発明品は、いや!科学は人類の進歩を助けるものなんだーっ!」
鼻息荒く謳うにとりに、意味は解らなくとも拍手喝采を送る早苗に呆れる文。これのせいで妖怪の山連中からは、変わり者かバカ扱いされているのに止めようとしない。
「言葉の意味はよくわかりませんが、一生懸命な事は解りました!私はいいとおもいます!(わかってない)」
「はいはい、また下らない妄言はそれくらいにしてですね?私達が解決するに相応しい異変候補なんかでも」
「私は感動したっ!!」
「「え?」」
しかし──言霊に込められた意味を受けとる術に長けたリッカは、その熱い思いを確かに理解した。感じたのだ。にとりがどれほど、人を愛しているかを。
「にとりちゃん!人間として・・・そんなに想ってもらえて光栄だよっ!」
「礼を言うのはこっちなんだ!人間の発想力は私達妖怪に無いものだし、何かを創る事を人間は容易くやってのけるからね!解ってもらえて嬉しいよ、流石は鬼神様が大好きな人間さ!」
「うん!私、私達は幻想郷をもっと知りたい、回りたい!その為にはにとりちゃんの発明品が必要だよ!お願い、力を貸して!」
「もちろんいいとも!私はこんな日を待っていた!私の科学が理解され、人の力になる日を!今日から君は盟友だ!早苗、文をよろしくお願いする!」
がっしりと握手を行い、意気投合を行うリッカとにとり。どうやらあれよあれよと、交渉は果たされたようだ。
「えーと・・・守矢神社と河童、天狗を味方につけたってことでいいんですかね?」
「はい!これで、強力なサポートをリッカちゃんはゲットです!守矢の次くらいには優秀ですよ!」
「じゃあ早速やろう!どれどれレクリエーション?向かう場所?ほーぅ!」
「と、とにかく!ネタを増やすための情報網はあればあるだけいいですよね!」
疾風の様に定まる話題と話に、流石の天狗記者も困惑しつつ更なるネタを期待するのであったとさ──
にとり「これから色んな場所に回るんだろ?ならこれをお持ちよ!」
『にとり式幻想郷名鑑アプリ』
「さっきの特許得た製品版だよ。これで幻想郷の人名、スポットなんかは完全マスターさ!きっと、使いこなしてくれるよね!」
リッカ「もっちろん!ありがとう、にとりちゃん!」
早苗「パーティには優秀なサポーター!当然ですよね!」
文「それでは、めぼしい場所に言ってみますか二人とも!」
にとり「あ、ちょっと待って!説明なんだけどね。このアプリは、幻想郷色んな場所にある『塊』も見抜けるんだ」
「塊?」
「霊力が多い・・・器?塊?その反応を感知して、知らせるぞ。色んな場所に散らばってるから、探してみるといい!」
早苗(!リッちゃん、それってフランちゃんが拾ったっていう!?)
(うん、多分そう!・・・でも、それってどうして・・・?)
「武運を祈る!気合いいれてけー!」
文(この金色の紋章がそうなのですかね?・・・なんだか、誰かの思惑が絡む特ダネの予感です!今はひとまず、二人と行動を行いますかね・・・?)
『河童の協力を取り付けろ クリア!』
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