人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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「仕方無い、ちょっと本気だす!(フォウ!)」


大乱戦

「撃て撃て撃て撃てぇえぇ!!」

 

 

ドレイクの雄叫びと共に、黒髭の海賊船に大量の砲弾が叩き込まれる

 

 

 

 

「海の藻屑になりな!!糞髭野郎ォ!!」

 

 

 

噴き上がる黒煙。立ち上がる炎

 

 

――だが

 

 

「ダメです姉御!まるで効いてやせん!弾かれてるみたいでさ!」

 

多少焦げはしたものの、損傷らしい損傷はまるで与えられておらず、悠然と海に浮かぶ海賊船の姿がそこにあった

 

「チィ、まるきり効かないとはふざけてる!――まさかアレも、アイツらと同じって訳かい!」

 

 

「どうしやす姉御ぉ!」

 

 

「どうもこうもないよ!船で大砲を撃たないで何を撃つって言うんだい!グダグダ喋ってる暇があったらタマ持ってきな!!撃ち出されたいのかい!!」

 

「あ、アイアイマム!!」

 

 

慌ただしく動き回る船員たち

 

 

 

 

「ワロスww見るがよし!BBAの砲弾がゴミのようでござる!ワロスwwオゥフww」

 

「流石にドレイクと言えど、宝具を貫通はできないか・・・」

 

「こちらの髭が海に特化した宝具で助かりましたわね」

 

「おーおー壮観だぁ。で、どうします船長?反撃は?」

 

 

「勿論行いますぞぉ!戦いは数!ランチェスター的な論理にて役割を持たせますぞ!それでは皆様!ご一緒に~!」

 

 

砲門が一斉に『黄金の鹿号』に向けられる。凄まじい数の死の口が黄金の鹿を刈り取らんと牙を剥く

 

「せーの!!『アン女王への復讐(クイーンアンズ・リベンジ)』ー!!」

「・・・」

「・・・」

「りべんじー」

 

一斉掃射。放たれる怒濤の連続射撃がドレイク達目掛け雪崩こむ

 

 

「アン殿メアリー殿ぉ!?」

 

「もう黙って船長やっててよ、お願いだからさ」

 

「或いは死んでくださいませ」

 

「酷くない!?」

 

 

降りかかる、女王への復讐――

 

 

「フン。片腹痛いわ」

 

「来て!『エミヤ』!」

 

 

それを、無限なりし王の財と

 

 

「――I am the bone of my sword(身体は剣で出来ている)

 

英雄の盾が阻む――!

 

 

「『織天覆う七つの円環(ロー・アイアス)』!」

 

 

上部に飛来してきた弾は、全てこちらが撃ち落とす

 

 

弾の魔力、速度、着弾地点、大きさなどを瞬時に見抜き、飛来するポイントを割り出し即座に迎撃する

 

 

下の人員の皆は、エミヤが展開した盾により、謂れのない復讐より防ぎきる!

 

 

「なんですと――――!!?」

 

 

「へぇ、アイアスの盾か・・・」

 

 

「相変わらず無駄に器用であるな贋作者!アーチャーでありながらマシュの真似事とは!だから貴様は抑止の輪にこき使われるのだ!」

 

「多くを修めた弊害だ。覚悟はしているさ――!」

 

「しかしこの程度で勝ったつもりになるとは笑わせる!我を驚愕させたくば戦艦の主砲を放って来いというのだ!おぞましき髭よ!」

 

 

「ひでぇ!大砲を撃ち落とすとかなんですかそれ!インチキ!チートやチーターですかー!?」

 

「貴様らにとっての難易度はチート!クラスはゴージャスよ!!」

 

「ぐぬぬぬぬ!溢れんばかりのゴージャスオーラ!AUOのチーターだから、エーターですな!スターバーストなストリーム、やれちゃう?」

 

 

「・・・アン」

 

「えぇ。・・・――あの王がいる限り、私達に勝ち目は・・・」

 

 

 

 

「ナイスだよ総督!だけど手は出さないんじゃないのかい!?」

 

「最低限は出すといった!こんなもの、そこらの石を投げたに等しいただの野次よ!」

 

 

砲門は10門。器の言う通り、ほんの細やかな手助けだ

 

 

「ははっ、やることなすこと派手だねぇ!・・・しかし参った。総督無しじゃあの船を沈めるのは難しいか・・・まるきり大砲も効かないんじゃねぇ・・・!」

 

「姉御!あいつら接弦してくるよ!」

 

「やっぱりか!砲撃が効かないのはお互い様だしねぇ!」

 

 

「構えろてめぇら!白兵戦だ!!」

 

「「「「「おぉお!!」」」」」

 

 

程無くして綱がかけられ、船と船が隣接し、大量の黒髭の部下達が甲板に雪崩れ込む!

 

 

 

「うぅん、エイリーク氏~」

 

「――ギギギ」

 

「ちょっくら行ってきて、エウリュアレ氏取ってきてくれない?ほら、拙者yesロリータNOタッチに同意しちゃったから、ね?」

 

 

「ガガガガガガガガガガガガガガガガァ!!」

 

 

咆哮と共に、エイリークが『黄金の鹿号』に乗り込んでくる

 

 

「撤退だ!撤退するよ!!」

 

ドレイクの出した指示は、撤退であった

 

 

「ほう?まだ戦闘は始まったばかりではあるが?」

 

「敵の船は沈められない!こっちは普通の船!これじゃあまともにやる方が間抜けさね!勝ち目が見えるまではケツ捲って逃げるのが海賊流さ!幻滅したかい総督!」

 

「よい!生にしがみつくは小兵の特権よ!たまには敗者の立場に立つのも悪くない!者共聞いたな!ここからは撤退戦だ!!」

 

 

「「「「「おぉう!命あっての物種だー!!尻尾巻いてトンズラするぜー!」」」」」

 

「逃げるんだって!マシュ――マシュ!?」

 

マシュは応えない。執拗に振るわれる、マスターへの攻撃を懸命に捌いているのだ

 

 

「さっき、から・・・しつこいんです!この、男・・・!」

 

「へぇ、隙がないねぇ。感心感心。それくらいはやってくれなきゃ、生かしておく価値もないしなぁ」

 

へらへらとマシュに攻撃を加える緑色のランサー。弁舌とは引き換えに槍は鋭く重く、マシュを打ち付ける

 

 

「マシュ!今すぐ――」

 

 

「ガガガガガガガガァ!!」

 

更に降り立つエイリーク。後方を取られた形になる

 

「メ、ガミ!ヨ、コセェエ!!!」

 

「ぅうぅう――!!」

 

エウリュアレを庇い、エイリークを受け止めるアステリオス。咆哮が海を轟かす!

 

「ま、すたぁ・・・!」

 

「――まとめて追い払う!!チェンジ!『戦闘服』!」

 

アステリオスの呼び掛けに呼応し、緑色のランサーに向けてガンドを放つ

 

「あらよっと」

 

ヒラリとかわし、黒髭の海賊船に帰還するランサー

 

 

「追い払った!次はコイツ!」

 

「ガガガガガガガガ!!」

 

「二度も苦戦するつもりないから!『マリー・アントワネット』!」

 

光る右手、フランスの王妃がきらびやかに現れる

 

「まぁ、逞しい人!あなたがヴァイキングね?とても素敵!」

 

「ガ――!?」

 

「歌いましょう?踊りましょう?私の歌を聴いてちょうだい――!」

 

 

放たれる魅惑の美声、エイリークに魅了判定がかかり

 

「ガ・・・ウヘヘ・・・」

 

成功し、一瞬棒立ちになるエイリーク

 

 

「今!!オーダーチェンジ!『エミヤ』を『クー・フーリン』に!更に来て!『ハサン先生』!」

 

「出番だ、しくじるなよ!」

 

エミヤが帰還し、すぐさま現れる青きランサー!

 

 

「抜かせ、テメェと一緒にすんな!」

 

「我に望まれる事は心得ておられる。任されよ――!」

 

 

「今さね!!」

 

同時に、ドレイクが船と船を繋ぐ縄を全て撃ち、切り離す。凄まじい射撃技術だ・・・!

 

 

「ほう、やるではない――」

 

飛来した銃弾を見切り、手甲で弾く。ちらりとみやると、赤き美しい銃撃手がこちらに射撃を行っていたのだ

 

――危ない!ギリギリの瀬戸際だった!

「残念。貴方は減らしておきたかったのだけど」

 

「――小癪な。だが見事な射撃だ。名を名乗れ、女」

 

「アン・ボニー。こちらはメアリー・リード。お見知り置きを、王様?」

 

「フン、珍しい英雄もいたものだ。よもや二人で一人の英雄とはな。――王に迷い無く銃を向けた大胆さ、覚えておいてやろう」

 

「光栄ですわ。次は命を頂きましてよ――!」

 

 

 

「――令呪を二人に!宝具で決めて!!」

 

右手の刻印が光り、クー・フーリンとハサンが決着の体勢に入る!

 

 

「私が霊核を潰します。ランサー殿は心臓を!」

 

「おう!食らってくたばれ!『刺し穿つ(ゲイ・)』――!!」

「苦悶を溢せ――」

 

紅い稲妻、緋色なりし魔神の右手が、エイリークを襲う!

 

 

「『死棘の槍(ボルク)』――!!」

「『妄想心音(ザバーニーヤ)』」

 

 

穿たれる心臓、鏡面存在にて握り潰される霊核――!!

 

「ガガ、ガガ、ガガガガァ・・・――」

 

「がぁあぁあぁあぁう!!」

 

とどめに、亡骸となったエイリークをアステリオスが叩き潰し、エイリークは完全消滅と相成った

 

「よし!マシュは大丈夫!?」

 

「はい、先輩!このまま・・・!」

 

 

突如伝わる激震、上下に激しく振るわれる船体

 

 

「なんだい!?何の揺れだい!?」

 

「姉御!ヤバイですぜ!船底が爆発しやした!」

 

「なんだとぉ・・・!?」

 

 

――あのランサーか・・・!

 

「――つくづく、小賢しい小細工を思い付くモノよな」

 

 

「オジサン、そーいうの得意でねぇ」

 

 

 

「このままじゃ追い付かれる・・・いや、その前に沈むか・・・!」

 

駆け出すドレイクを、リッカが引き留める

 

 

「待って姉御!行っちゃダメ!!」

「離しなリッカ!アタシが行かないで誰が行くって言うんだい!」

 

「姉御は船長でしょ!?最期まで皆を引っ張らなきゃ!!捨て鉢にならないで!!」

 

「――そうは言うがね・・・!」

 

進退極まる――が、その時!

 

 

「アステリオス!ちょっと、何を!?」

 

アステリオスが船の縁から海へ飛び込み、船底に潜り込む

 

 

――そして!

 

 

 

「うぉおおぉおぉおぉおぉおぉおぉおぉおぉおぉお――――――――――――――!!!!!!!」

 

 

――渾身の雄叫びと怪力が、船を――

 

 

『ウソ――!?』

 

『こ、これが天性の魔の、アステリオスの力か!?』

 

船を――持ち上げる――!

 

 

「今だ!!墫爆弾をありったけ!落とせ落とせ落とせ落とせ――!!!」

 

 

「マシュ!私達も!」

 

「はい!!」

 

やがて船が、アステリオスの助力にて遠ざかる

 

 

「や、ちょっと!BBA!BBAはいいからエウリュアレ氏と聖杯を」

 

「フォウァアア!!!(くたばれ髭ェ!)」

 

フォウが、渾身の力で黒髭に食らいつく!

 

 

「あいっだぁあぁあぁあ!?なんですかこの獣はぁあぁあ!!?」

 

 

すかさず天の鎖にて、フォウを離れ行く船から回収する!

 

 

――無茶しないで、フォウ!

 

「キャウ!(信じてたよ、キミをね!)」

 

 

「黒髭とかいったなテメェ!!この次!必ず!絶対!何があろうと!!何がなんでも!!」

 

有らん限りの声をあげて、ドレイクが叫び倒す!

 

 

「必ずその首刎ねて胴体投げ捨ててやるからな!!覚えとけバカ!タコ!!この・・・!ああっ、くそ咄嗟だから罵倒が思い浮かばない!あァもう!!」

 

「私に任せて!黒髭ー!!」

 

「なんですかな!同士になれそうなマスター殿!」

 

 

「――挨拶は大事!というわけで!」

「うむ!ですな!!」

 

 

「「オタッシャデー!!」」

 

 

「ふはははははははは!!では撤退だ!背後に向けて、前進せよ――!!」

 

――次なる勝機のため、一行は一時の敗北を噛み締め出航を再開するのだった――!




「うぇえ、歯を磨かなきゃ・・・(キュー、ウォエ)」



Aa――(うちの子が使ってる歯ブラシと歯みがき粉、あげる。歯並びもよくなるかも)

「それラフム製のやつじゃないよね・・・(フォウ・・・)」

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