人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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「ふふん、私の手にかかればこんなの顔パスさ、顔パス!」

『○』

「そなた見かけぬ顔だな?どことなくろくでもないアヤカシの気を感じるが・・・四凶の何れか?」

「む、酷いなぁ。私は可憐で儚くてそれでいて無敵なお姉さんだぞぅ!あそこに行けば特等席で見れるんだ、楽しい叙事詩の旅路がね!嬉しい嬉しい!じゃ、通らせてねー!」

「・・・間口は広いのも考えものだな。祝辞を述べられる日はいつになるのやら、御機嫌王。よもや最終回まで無いとかない?」


可憐な花といずれ掴む星の輝き

「・・・・・・・・・・・・」

 

召喚もキリ良い頃合い。いよいよ決戦の儀に向けて瞑想を一人行うギルガメッシュ王。傍らには使うべきアルトリア確率UPチケット。前に試しに使ってみたら眼鏡が出てきたが、それはまぁいい感じにノーカンにしておいてもらいたい願望を胸に改めて召喚へと臨む所なゴージャスの姿に、職員達はもしかしたら、ひょっとするかもといった予感を懐く。それほどに、アルトリアに関する思い入れは強いのである。精神統一(ガチャ)EXは伊達ではない。実を結ぶかは別として。

 

「ギルさんキャスターでもイケる口らしいけど、これ見たら納得やわ~。悟りでも開きそうな勢いやもんね。これは今回もろたんとちゃう?」

 

【やる気や愛情がガチャに反映されるシステムであったなら、きっと皆が幸せであっただろうに。確率とダイスの女神の気紛れは不可侵の領域、特にダイスの女神の私への殺意はとんでもない。時にヤツは無力な探索者を神殺しに変える・・・】

 

「ライダーシステムに関する融合係数は低すぎると変身できず、低いと破滅のイメージがもたらされる。そして高いとアンデッドに飲み込まれ、高過ぎるとジョーカーになる事を除けば不備はない。係数は大事なんだ」

 

「いや不備だらけではないかね!?よくそんなので戦い続けられたね君!?」

 

「ノリとテンションはとても大事。テンションががた落ちすると受かる試験も落としたりするし、なのははダウンテンションが一番怖い」

 

「エラい顔して拘束からのビームやもん、トラウマになるわあんなん・・・まあでも、挫けないっちゅーんは大事な事やで!景気よく、パーっといこかギルさん!」

 

「・・・その声で景気よく、など宣うと非常に縁起が悪いのだがな」

 

「声!?」

 

「そこの元気な関西弁のお嬢さん。このエルキドゥとドッチボールしない?」

 

「ひぇ!?どっから出てきとるんや!?」

 

「上のダクトからニュルンと」

 

「見とったんかい!?」

 

【ダイスの女神め・・・いつかお前にカービィさんのビッグバン吸い込みを御見舞いする日を心待ちにして私は生きるぞ】

 

「フッ、叶えば良いがな。では行くぞ!回し、そしてサイを投げ!勝つのだ!此度の必殺召喚、我は今度こそ勝利に進むのだ!」

 

気合いも新たに始まる召喚劇。サークルを回しに回し目指したるはアルトリアの顕現。それ以外を勝利と呼ばない哀しき因果を背負う王は、再びガチャへと挑戦し果敢に王道を行く。

 

「サーヴァント反応あり!」

 

「話が早くてよいな!クラスは何だ!」

 

【これは・・・キャスターですな。おしい、セイバーかセイバーでないかの二分の一に負けましたな王よ。強く生きましょう】

 

そう、クラスはキャスター。未だアルトリア反応が確認されていないキャスターである。アルトリアでは無かったか、とややよろめくもまだ戦いは終わっていない。

 

「ならばせめてその面を拝んでやるのみ!現れよ!新たなる財よ!」

 

負けるのなどいつもの事なので諦めず挫けない王は叫ぶ。回転と威力をます光のサークル。因果を辿り、現れしは──

 

「やぁやぁ!皆大好き花の魔術師マーリンさんだよ!会いたかったかい?寂しかったかい?私はそんなにだが結果的に会えてよかったと伝えておくよ!楽園の皆、これからよろしくね!」

 

「なんかキャラデザ違くないかね君ーー!?」

 

ゴッフの驚愕と驚きの波紋が召喚室に満ちる。マーリンと名乗る可愛らしげな女性の存在、雰囲気はまさにあの頼れるお兄さんの人格じゃない・・・なマーリンとそっくりであった。つまるところ、信用してはいけない類いのトラブルメーカーである。

 

「邪神、フォウを起こせ」

 

【フォウ君~。サンドバッグが追加で来たよー】

 

「待って待って!まだ仕留めるには私は勿体ないはずだよ!可愛いし、役に立つし可愛い!マーリンは可愛くないが私は可愛らしく愛らしい魔術師さ!もう可愛いだけで人生は三ランクくらい難易度が下がるものだからそういった対応を私にもしてほしいのだが、どうかな?」

 

「止めたまえ!そういう無慈悲な現実はほんっとに止めたまえ!だってそうだもんね!最近じゃお酒飲むだけの配信でお金が乱れ飛ぶ未来が見えてるみたいじゃないか!人生は不平等なものだけど格差が最近更に酷くなるばかり!ロマニ君!据わった目で『かつて僕のスパチャは下限一万からだった』なんて言うのは止めよう!」

 

「そうさな。顔面に肉球を穿たれればさらにキュートでプリティになるであろうよ。骨格と顔筋がどうなるかは知った事では無いが」

 

【妖精や夢魔が親身になる方が逆に怖い。まず裏を疑うよ普通。魂は武具の素材に使えるから抜き取ったりもしたけどさ】

 

「ここの人達怖いぞ~・・・だ、だがそんな男の私が打ち立てた汚名も今日でさよなら!私が彼とは違う有能お姉さんであることをお見せしよう!」

 

そーれ!と杖を振るマーリンに応えるように・・・なんと、召喚サークルが回転を始める。マーリンの手により、再び召喚が果たされるのだ。

 

「君は地上の星を追い続けていると聞いたよ。ならば私が貴方に、未だ見た事のないアルトリアを見せて差し上げよう!手土産・・・の言い方はよくないな。持参金代わりにね!」

 

「なんだと!?それが本当ならば掌乖離剣せざるを得ぬ!吐いた唾は飲めぬぞ!良いのだな夢魔よ!」

 

「もちろんだとも!マーリンといったらお姉さん!そう言われる為にも私は本気を出す!リリィにも後で会いに行きたいしね!さぁいらっしゃい!可愛い可愛いアルトリア!」

 

召喚サークルが虹色に輝き、花が巻い散る。それにてもたらされるは確かに格の高い英雄の召喚。思わず玉座から身を乗り出す王。固唾を飲む一同。

 

「長き戦いよ、さらば!これで我が楽園の完成の暁が今──!!」

 

そうして、光が収まり現れたのは──

 

「こ、こんにちは!キャスターアルトリアと申します!噂に名高き世界を救うビックリ箱のカルデアに招かれ光栄です!私の魔術なんかが役に立つかは解りませんが、よろしくお願いいたします!」

 

「可憐なるキャスターだと───!?」

 

一同、驚愕。まるでリリィに杖を持たせた様な可能性の雛がごときアルトリア・・・キャスターアルトリアがマーリンによって導かれたのだ。まさかの遠い世界からのアルトリアに、動揺を隠せぬ王。アルトリアかわいいである。

 

「どうかな?リリィの活躍は本当に素晴らしかった。だから私、私の知るアルトリアを招いてみたんだよ。サボり屋で戦い嫌いで未熟者で」

 

「マーリン!?」

 

「周回する度にやだなぁとか呟くめんどくさがりやだけど、可愛さと可能性はお墨付き!種から育てるアルトリアだと思って、是非是非大切にしてあげてほしいな!」

 

「あ、その、あの・・・一生懸命頑張ります!魔術なんかが役に立つのなら・・・」

 

「なんか!?魔術といったら世界の一大勢力だと思ってたけど違ったのかね!?」

 

「え!こっちでは違うんですか!?」

 

【・・・これはこれで可愛いのでは?】

 

「・・・うむ。招かれたアルトリアに罪は無いのだ。丁重にもてなしてやらねばな・・・」

 

まさかの二回連続すり抜けニアピンという大外れよりある意味あんまりな事実に、流石の王も腰をどっかりと下ろし息を吐くのであった──




完全生命体イフ (ウルトラマンマックス)

イフ『』

マシュ「?これは・・・なんでしょう?大きなマシュマロでしょうか?」

イフ『』

「所長に聞いてみましょう!」



オルガマリー「これは・・・イフね。リッカと見たウルトラマンに出てきた、不思議な生命体よ」

マシュ「こんな大きなマシュマロがですか?」

プロテア(モニター)『その子はやられた事を返す生き物で、攻撃には攻撃を!音楽は音楽で返すんですよ!攻撃しなければ無害です!』

マシュ「楽園に流れ着いたのでしょうか・・・えい」

プニ

「何もおきません・・・?」

オルガマリー「触れるだけでは大丈夫だったわ。そうね・・・楽園の色んな箇所に置いてみましょうか」

~リラクゼーションルーム

オルガマリー「ヒーリングBGM、オン」

イフ『!』

「あ!ぐにぐにし始めました!」

イフ(ヒーリング波動モード)『』

「やっぱり、音波にはきちんと反応するのね」

~キッズルーム

ジャック「わーい!たのしいな!」

コンラ「むにむにしています!わはーい!」

イフ(高反発)『!』

「子供たちの遊び場にも・・・!」

~ミュージックルーム

イフ(反響モード)『!』

アマデウス「こりゃいいや、極上の器材だ!最近来た不機嫌なマリアを笑わせるためにもピッタリだ!」

「アマデウスさんの演奏にも・・・!」


オルガマリー「案外、その地の文明レベルを確かめる為のものなのかもしれないわね。彼は。攻撃には攻撃を。文化的な行為には、文化的な助けを」

プロテア『怪獣さんと、もっともっと仲良くなれるような未来を築いていきたいですね!私はいつか、怪獣さんと一緒に大暴れしてみたいです!』

マシュ「はい!リッカ先輩は怪獣にも負けない強い方です、怪獣を怖がったりしない筈ですから!」

オルガマリー「複雑な信頼だとは思うけどね・・・」

エリザベート「お邪魔するわよ!」
ネロ「いい反響装置を仕入れたと聞いた!ならば聞かせるしかあるまい!我等の美声を!」

「「あっ!」」

「聞かせてあげる!種族を越えた女神の歌声!」
「たっぷり聞き惚れるがよーい!」

「待っ──!」

・・・・・・後に、ネロとエリザベートの歌を撒き散らす凶悪怪獣が誕生しあわやカルデア壊滅といったところを、アイリーンとオルガマリーの決死のオペラで鎮静したのはまた別のお話──

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