アマテラス「さ、さぁ・・・」
スサノオ御殿
「マーリンの!マーリンのバカはどこですか!!」
「マーリン?確かりんご飴を買い占めるとネオン街に・・・」
「ばっかもーん!!それがマーリンです!どこ行きましたか女のマーリン!!成敗します!!」
~ロマンの夢
マーリン「やぁ!いつもありがとう、ロマニ♪」
ロマン『おっふっ!ま、マギ☆マリ・・・さん・・・』
「いつでもどこでも、見守っているよ♪」
『おっふっ!ま、マギ☆マリ・・・さん・・・』
(さぁて、早く男の私が話をつけてくれないかなぁ~♪)
~
ギル「其処にいたか。小賢しい真似を・・・騎士王!」
『はい、お任せを』
ZIPANG宙域、ツクヨミの支配領域・・・本来、此処は試練の場でなく、ツクヨミがZIPANGの風景と心象を守護し、去り行く古きよき古代日本の景色を残している空間である。言うなれば、プラネタリウムワールドと言った様相だ。
月の光が如くに幻想的で儚いこの空間だからこそ、夢魔であるマーリンの干渉も思いの外上手くいった。かのマギ☆マリが理想郷を展開できたのもそれが理由。ツクヨミが何あれ・・・となりつつも、きっと悪気や悪意を以て作ったのではないと判断した為に残っていた理想郷。そしてまだ片付けられていない理想郷。其処に、二人の陰が脚を運んでいた──
~
「本当にありがとう、マーリン。あなたの託してくれた力が、想いが・・・私達に勝利を約束してくれました。こんな言葉しか返せず、あなたを慰める事しか出来ませんが・・・どうか、お納めください」
聖剣を・・・カリバーンを厳かに納刀し、散ったマーリンの魂に捧げる式を行うリリィ。彼女もまた、自身の成すべきをなさんと脚を運ぶべき場所に運んだのだ。彼女にとって、大いなる力を与えてくれたマギ☆マリ・・・というよりマーリンに。
「うん。素晴らしい納刀だったよ。日本式の弔い方はこうやるんだってタケちゃんから聞いていてね。彼女もきっと喜ぶ筈さ。君にこんなに想われていてね・・・」
(全部知ってるけど)悲しみを癒すように手を合わせるマーリン。(死んでないけど)ついぞ姿を現す事の無かったもう一人の自分に手を合わせる。死んでしまえば皆同じ。日本式の風来坊コスプレをお土産屋で購入した後、マーリンを(弔うリリィに付き合って)偲ぶ為にやって来たのである。リリィの心を傷つけないよう、それっぽい言葉を並べ立て、リリィを慰める。
「ZIPANGでは、死後に自分に祈ってくれる者が多いほど裁きや処遇が良くなると聞いたよ。御冥福とはそういう意味なんだろうね。(まずあの世があったら地獄行きだろうから)二人で、浄土に行けるよう祈っておこう。私と同じ、悪戯好きの夢魔をね」
「・・・はい・・・」
リリィは素直なので、疑う事なく手を合わせる。死者を悼むというZIPANGの文化に感銘を受け、ZIPANG式に弔いを進めている。彼女を導き、王道は千差万別にして全てが不可欠である事を示した偉大なる夢魔に、別れを告げている。花と風に満ちた、最果ての墓標へ。
「マーリン・・・最後まで、本当にあなたらしい振る舞い方でした。手段は誉められたもので無くても、なんだかんだで皆のプラスになるような、そうでないような、でも今回はたまたまプラスになって良かったようなその手助け・・・」
(あれ?リリィにすらもこんな印象なのかい僕?)
「此処にいるマーリンと同じ、似たような存在だとするならまず間違いなく大変ないたずらっ子なのでしょうが、それでも御祈りいたします。ありがとう、マーリン。あなたがいたから、ギルガメスに勝つことが出来ました・・・」
花の旅路にて、数多無数のトラブルを解決したリリィ。でもそれが後にマーリンがトラブルが起きている場所のルートにそれとなく誘導していた事を伝えられた時から、マーリンを完璧に信用するのはちょっと・・・となっているリリィすらも素直に感謝を捧げる。彼女の託したメモ、聖剣の数々。そして言葉が、理想郷への道を拓いた。その恩は、返しきれるものではないと解っている。だが、それでも。
「・・・ズルいですよ、マーリン。私、もっともっとお礼を、直接言いたかったのに・・・あなたならきっと、もっともっと浴びせるように言ってくれたまえ!なんて言うだろうから、沢山考えていたのに」
それでも、もう二度と会えないのかもしれないとなれば。再会が叶わないのであれば。それは非常に辛く、哀しい。またユニヴァースに来れるかは、解らないのだから。
「顔だけは文句なしで素敵なあなただから、女の子になったマーリンはとても可愛らしい筈でしたよね。一目見たかったです。せめて、一目・・・」
声が震え、結んだ口から嗚咽が漏れる。王とは多少の犠牲を容認しなくては立ち行かない種族である。全ての道理を覆す愉快な王でも無い限り。騎士王もまた、そういった決断を躊躇いなく実行に移せる善き王・・・民を、国を護りし強き王だった。だが、犠牲にした者への思いは捨てきれない。捨ててはいけないと律する人の王でもある。その心を、完璧に秘めたが故に周りには無機質、冷徹と受け取られてしまったが。
「・・・うっ、うぅっ・・・マーリン・・・」
完成したアーサー王ですら忘れなかったその想いを、まだ王としては未熟なリリィが隠し通せるはずもない。
「お会い、したかった・・・言いたいこと、話したいことがあったのに・・・!さよならも言えませんでした・・・っ。ううっ・・・うわぁあぁあ~ん!」
立派になった自分を見てほしかった。全てが間に合わなかったが為に会えなくなるだなんて、認めたくなかった。これが自分なりの騎士道です!そう胸を張ることも、もう出来ない。彼女は風に舞う花びらのように、遠いところに行ってしまったのだ。せっかく会えたのに、もう話すことも叶わない。
「・・・リリィ・・・」
とうとう泣き出してしまったリリィを、神妙な表情で抱き寄せるマーリン。黙っていれば実に絵になる彼は、リリィの哀しみにただ、黙って寄り添い続けた──。
・・・以下は、いい感じにシリアスになった雰囲気を壊したくない人は読んではいけない。
~
クズ♀(ねー。台本が違わない?此処で私がいい感じに声をかけて感動の再会になるって話運びじゃないのかな?リリィ泣きすぎじゃない?)
クズ♂(君は自分がリリィにどれだけ大層なサポートをしていたか抜け落ちているな!?普通大切な人がいなくなったら寂しいものなんだよ!?)
クズ♀(そうかそうか!そんなに私を想ってくれるなんてリリィは優しいなぁ!よし、今すぐ会いに行くよ!)
クズ♂(待て!待ちたまえ!今非常に丸く収まらないか言い訳を考えているんだ出るのは早い!)
クズ♀(プレシャスパワーでなんとかしましたじゃダメなのかい?あの超良質な運命力が具現化したパワーなら、サーヴァントや人間の蘇生くらい容易いものだろう?)
クズ♂(もちろん頼んだよキャスパリーグに。でも『ただしマーリン、テメーはダメだ』とイケボで言われてしまってね・・・)
クズ♀(だから君はクズなんだ!ペットは後腐れなく処理しろって普通の事が出来ないから恨みを買う!私ならエア姫と一緒に御風呂でメロメロに出来るよ!所詮オス畜生なんてしおらしくもたれかかれば陥落するのさ!)
♂(最早物言いがサキュバスじゃないか!頭に来た、断じて君を楽園なんかに入れてやるものか!君の席、無いから!寂しい理想郷で指を咥えて見ているがいいさ!私達の叙事詩の行く末をね!)
♀(あーズルい!そういう事するのよくない!クズだ!クズがいるよ!マーリンの可愛くない方より可愛い方がいいに決まってる!)
♂(何を言うんだ!皆はマーリンお兄さんに返しきれない借りがあるんだ!皆の周回のお供、それがマーリンお兄さんなんだぞぅ!基本無料、君のように百円搾り取る夢魔とはリーズナブルさが違うんだ!)
♀(ふふ、ああいえばこう言う、やはりマーリンだね!なら決着をつけようじゃないか、正直切りかかった方がお互い早いだろう!)
♂(実に同意件だ!明日は一大イベント、君なんかにかかずらう時間はない!)
騎士王『えぇ。喧嘩両成敗、二人とも極光の彼方で反省する事にしましょうか』
♀(賛成!・・・ってあれ?)
♂(げぇ!?騎士王!?バニーアルトリアの髪型+獅子王の鎧の欲張りセットな騎士王が何故!?)
『ギルに頼まれましたので。夢魔を二匹躾ておけと。雑にいきます、問答無用』
♀(あっ槍を私に!?)
♂(剣を私に!?いかん、このままでは私達が死──)
『『約束された勝利の剣』。並びに、『最果てにて輝ける槍』。──麻婆が待っていますよ、二人とも』
♂♀((うわぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあ!!?))
理想郷に殴り込んできた騎士王にて、もろともに成敗されるクズ二匹。後にスーパーキャスパリーグフォウスーパーキャスパリーグにプレシャスティングミーティアでデデーン♪されるのはまた別のお話──
ギル『御苦労であった、騎士王。始末はつけたな?』
騎士王『はい。暫く麻婆献立の申請もしておきました。食べ終わる頃には真っ赤なマーリンとなっているでしょう』
『我ながら、背筋も凍る罰よな・・・さて、ではZIPANGを気ままにぶらつくとするか。エアと共にな』
騎士王『ふふ。ごゆるりと。明日は──特別な日、ですものね』
ギル『然り。ZIPANGに準備させた甲斐があったわ。我が至宝三歳の日!盛大に祝わせてやろう!!ふははははははは!!』
エルキドゥ『哺乳瓶買ってきたよー』
『たわけ!それはいらぬわ!』
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