「・・・パンを作ってみよう。手作りはよい文明」
あくせくあくせく
「出来た。やはり手作りはよい文め」
『軍神パン』
「!?・・・これは・・・」
「・・・そうか。軍神の力か・・・」
地震の収まった後、船員の安否を確認するため、一度船へと戻ることになった一行
――結論から言えば、船は無事だった。船員も全員参じている
では、何が問題なのかというと・・・
「ダメだ!船には問題ないのにウンともスンとも言いやしない!まるでくくりつけられちまったみたいにねぇ!」
点検から戻ってきたドレイクが手を上げる
「オルガやロマンとも連絡つかないし・・・どうなってるんだろ・・・」
「・・・英雄王、これはもしや、先程の地震と関係があるのでは・・・?」
「ふむ。本来ならば解析、状況把握は奴等の仕事であるのだが・・・緊急時ゆえ、仕方あるまい」
――通信が回復するまで、代わりに解析、指示を送るとしよう。緊急時に傍観を決め込むわけにもいかない
「これは結界の所業だ。身を守るため、外界から切り離し、閉じ込め惑い殺す。迷宮の類い、あるいはその概念であろうよ。範囲を見る辺り、中々侮れぬな。島を一つ覆うとは」
ー魔力の励起を感じている。恐らくその線で間違いないだろう。同時に、その出所もだ
「じゃあ何かい?結界とやらの出所を潰してやらにゃあ、アタシ達は海へは出れないってわけかい?」
「然り。怖じ気づいたか?」
「まさか!とびきり楽しそうじゃないか!困難、トラブルには財宝が付き物って決まってるのさ!早速行きたいんだが、あんたたちはどうだい?」
「異義なし!」
「はい。原因の解明は必要なことだと定義します。異論はありません」
「よしきた!それでいいかい、総督?」
――勿論だ。案内は引き受けさせてもらおう
「構わぬ。では案内は我がしてやろう。深淵かつ奥深くはあるが、稚拙で幼稚さも感じるゆえな。出所を突き止めるのは容易かったわ」
「よーし決まりだ!野郎共!行儀よくダラダラしてな!本番は海だよ!」
「了解です!姉御たちも気を付けてくだせぇ!」
「島の次は迷宮か・・・よいぞ、王道の冒険じみて来たではないか!」
胸の高鳴りを感じる器の案内を受けながら、一同は荒野と丘、砦を越え、気配の強い岩山へとむかったのであった――
「ここが入り口かい?たしかに岩肌にこさえたような感じだけど・・・」
自分達の目の前に、暗い入り口が待ち構えている
――この先だ。この先に迷宮の支配者がいる
「我の見立てを甘く見るな。此処が結界の基点に相違ない。ふん、生意気なことよ。侵入を阻む気はないとはな」
――そして、漂う血の臭いもキツくなってくる。この手の臭いが漂うと言うことは、一筋縄ではいかぬダンジョンといった所だろう
「じゃあいってみようか!お宝あるとい・・・わっ!?」
右手が突如輝き、やんごとなき身分の装いの少女、清姫が現れる
「ますたぁ。迷宮の踏破がお望みなら、この清姫にお任せくださいな」
「きよひー!?」
「また助っ人かい?・・・ずいぶん立派な召し物じゃないか。姫様かね?」
「はい、はじめまして。きよひーと御呼びくださいな」
――成る程、そう言うことか
「貴様の虚飾を見抜く能力。それを使い、迷宮のナビがわりになろうと言うのだな?」
「えぇ。迷宮=人を欺く=嘘。あらゆる罠や仕掛けを、たちどころに暴いて見せましょう・・・」
「よし。では水先案内を任せる!我等を正着の道へ導くがよい!」
「はい・・・ではますたぁ。お手を。私から離れませんように・・・」
「解った!マシュも繋ご?」
「あっ――はい。先輩」
「アタシ達も繋いでみるかい?総督」
「たわけ、引き金から手を離すでないわ」
「フフッ、ソレもそうだね。さ、行くとしようか!」
――気恥ずかしかったのもあるのは内緒である
そうして立候補したきよひーの案内は的確かつ正確で
「道が別れてる!きよひー!」
「左が嘘、右が続いておりますわね」
「また分かれ道です!」
「左が正道ですわ」
「おやおや、行き止まりじゃないか」
「騙し絵!嘘!ふしゃー!」
「やるではないか。蛇と敬遠していたが、やはり万物はつかいようか・・・ふはは!」
「うふふ、お役に立てて何よりですわ嘘!」
「何?」
「うわぁミミック!!」
「ギル!息をするように宝箱開けちゃダメー!」
「あはは!こりゃあ一杯食わされたね総督!」
「ぬぅう!おのれ!この我が夏場に湧き出る黒いアレより嫌うエネミーを用意するとは!!訂正する!本気であるなこの迷宮は――!」
――ミミック嫌いなのか、王様・・・
そうして、案内によりハプニングは少ないまま、一行は迷宮を潜っていくのであった
「なによアレ・・・全然迷わないじゃない!どうなってるのかしら!アステリオス!貴方、手を抜いて無いわよね!」
「う・・・」
「・・・そんな器用なことできないか。不味いわ、こっちにまっすぐやってくる・・・って、何処に行くのよ!?」
「たお、す。まって、て」
「それは、頼まれても嫌だけど!あぁもう、待ちなさいよアステリオス!やられないでよ、お願いだから――!」
「大分最奥まで歩んだとは思うが・・・代わり映えしない景色よ。飽きが来るわ。やはり外観もこだわるべきか」
「カルデア大迷宮はもっとすごいもんねぇ」
「星見屋なのに迷宮まであるのかい!?どんな場所さね!?」
「楽園よ!この世すべての悦楽を体現した我監修のリゾート!至高の楽園、人理保証無限駆動リゾート!カルデアである!」
――何一つ間違っていないから凄い。改築に精を出していたら自然とそうなっていたのだが
「へぇ、そこまで言うかい?そりゃあアタシも――」
「皆様、どうやら大元が参じたようです。備えを」
清姫が指示を送るのと
ソレが現れるのは同時であった
「―――うぉおぉおぉお!!!」
迷宮の天井に届かんとする巨駆。一対の斧剣
何より目を引く、牛の飾りの顔面――
「――ほう。迷宮といえばやはり貴様か。『雷光』よ」
「――!?」
「随分とでかいねぇ!こいつが親玉かい!」
「先輩!戦闘準備を・・・」
「待って!」
――彼は動かない。どうしたのだろう?侵入者を退治しに来たのではないのか・・・?
「・・・おま、え」
「ん?」
こちらを指差している。――自分の事だろうか?
「いま、おれ、を。あすてりおす、って。よんだ、か?」
「それが貴様の名であろう。天性の魔、生まれを貶められた
「・・・・・・おまえ、たち。もしかし、て・・・」
――警戒が解かれるのを感じる
・・・自分の名前に、こだわりがあるのだろうか?
「アステリオスー!アステリオスー!」
ついで聞こえてくるのは、可憐で、可愛らしい声
「おや、ありゃあ・・・アレが宝かい?」
「ちょっとアステリオス!私を一人にして行かないでよ!私は一人が嫌いなの!私のボディーガードとして失格よ!」
「あれ!?」
「――ステンノさん!?」
「あら?あんたたち、何よ・・・
ー瓜二つ、いや、ほぼ同じだ
彼女はあまりにも・・・彼女に似すぎていた
「――子守りに励むとはな。幼児の手前、口汚く罵るわけにもいくまい」
そこにいたのは――女神であった
「・・・・・・・・・」
「め、滅茶苦茶落ち込んでるわね・・・大丈夫?スイーツ食べる?」
「・・・いただこう。・・・お薦めは・・・」
「とりあえず、ショートケーキって言っとけば大丈夫よ。不味いわけないし」
「解った。ではそれを頼む。・・・三色でないやつをな」
「三色・・・?解ったわ、待ってなさいよ・・・紅茶いる?」
「頂こう」
「はいはい、大人しく待ってるのよ」
「甘い・・・よい文明」
「ガバガバじゃない?その判定」
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