人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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ギルガメス「チィ、雑種が徒党を組むとは小賢しい・・・!エレシュキガルめ、デスクワークから解き放たれたか!」

『敵艦、突入しました。こちらに向かっております』

「何!?花嫁と同時にか!ふはは!ならばよい、不問と処す!至高のセイバーよ、此処に来るがよい!!よし、ならば煩わしい外の有象無象を一掃してやろうではないか。祝砲代わりだ、派手に魅せてくれる!!」

『というと?』

「ジグラッド、主砲を開け!モード・地の理で充分であろう。一掃し式の準備を行うぞ!」

『どちらへ?』

「衣替えだ!タキシードにな!!」

(潜入されているというのに・・・)


大怪獣超決戦!スペース防衛戦線!

『こちらナイア、並びにお父さんにキングプロテアさんの怪獣部隊。皆さんを援護します。敵ではありません!繰り返します、敵ではありません!』

 

ナイアの声がアナウンスとして響き渡り、所属を伝える。宇宙に突如現れた怪獣少女に美女達は、ニャル達が用意したものでありこちらの味方だと言うのだ。その安心と驚愕の事実に一先ず胸を撫で下ろすエレシュキガル。あんな巨大極まるモンスターを捌けなどと言われたら、生まれて初めて職務放棄に走る所だったと胸を撫で下ろす。

 

「よ、良かった・・・じゃ、じゃあ一緒に戦ってくれるのね?ギルガメスを倒すまで、なんとしても戦線を維持しましょう!」

 

【了解だ。奥の手はまだあるから一先ず彼等をなんとか致しましょうか。火力と耐久力、ついでにデザインも一級品な日本の怪獣達の力をお見せしよう】

 

その言葉と同時に、プロテアとエキドナ、ニャル親子が動き出す。まだ準備の整っていないギルガメス艦隊を素早く蹴散らすためのアクションを起こす。超ド級のモンスターパニックバトルが幕を開けたのだ。

 

【プロテアちゃん、乱反射熱線を】

『お母さん!火炎の熱いムチを頼みます!』

 

ニャル、ナイアの指示により行動を開始する。プロテアが翼より虹色の鱗粉を周囲一体に散布し、超高火力を思わせる臨界白色のエネルギーが背鰭一帯に凝縮チャージを限界以上にチャージする。その熱量は、プロテアの身体を真っ赤に赤熱化する程の灼熱の様相をもたらす。

 

一方、エキドナは両手に測定不能な熱量のムチを手にし、それを更に周囲に展開する。女王の武器と威厳がごとき武装に、力と熱を込めしもう一人の魔獣の母。

 

【バーニング!グランファイヤーーーー!】

『えっ、技名とか考えていないんだけどアタシ・・・ま、まぁノリで!』

 

そして、艦隊に向けて一気に放たれる超火力熱線の鱗粉を利用した乱反射と、超巨大スケールのしなるムチ。如何なる質量のものですら蹴散らし、吹き飛ばし、消滅させる程の戦艦主砲すら凌駕する超絶攻撃がギルガメス艦隊を叩き潰し荒れ狂う。その威力は、防御や攻撃というレベルを越え、災害や天災と言っていい領域に達していた。

 

『ギルガメス艦隊、1割が消失!今の一撃で撃破が可能になった模様です!』

 

「すっ・・・すご・・・あぁじゃないわ!消失した領域を確保して!ランデブーポイント、脱出ルートに設定するわ!恐らくあれでも加減した方だわ、本気でやったら私達は消しとんでいた筈・・・!」

 

『陣取りだな!ならばローマに任せよ!陣地確保はローマの得意技だ!』

 

『・・・苦手なものは無いのでしょう?』

 

『そうでもあるがっ!ローマ艦隊、あの位置をうばえぇい!』

 

圧倒されず(でも呆然とした)、なんとか指揮の名目を保ち安全ポイントを完全確保させる。もしこれで崩れ行くジグラッドから脱出、なんて事態に陥ったとしてもムリヤリ回収、ワープアウトが可能になる。最大戦果を挙げつつも、皆の活躍を横取りはしない、戦況は維持される絶妙な塩梅の超絶火力のコントロールは流石の悪辣さと言うべきものであった。これで、全員の活動は更に容易となる筈である。

 

『ギルガメス艦隊、準備完了!全攻撃を怪獣に集中しています!最大脅威としてあの方たちを認識した模様!』

 

ギルガメスは流石の対応の速さを見せる。火急的迅速に排除を行わんと艦隊の火力を怪獣娘に結集してきたのだ。どれだけ慢心していようと、何を成すべきかは外さない戦術眼は健在である。

 

「!やっぱり!いや誰だって気にするわあんな大きい女の子!バリアはある!?二人とも!」

 

【心配ない。その為の怪獣達の力の厳選だ。こんな図体で、家族を丸腰のまま戦場に出したりはしないさ】

 

だが、生半可な星ならば瞬時に砕ける程の攻撃、光線、火力、二人を射抜く大艦隊の一斉射撃すらもニャルは読みきっていた。プロテアをエキドナが庇い立て、無色透明のバリア壁を展開し艦隊と皆を護り抜く

 

『マザー・ゼットンバリア!皆様への攻撃を無力化し、御守りします!エキドナお母さんとゼットンさんパワーにお任せを!』

 

そのバリアは強靭極まり、完璧にギルガメス艦隊の攻撃を防いで退ける。一兆度の火力と熱量を全て防御に回すことで、光線や物質を瞬時に蒸発させることによる力業の遮断防御を行い、攻撃を引き受けさせながらも無傷を保つ采配を以て、攻撃とダメージを一手に担っている。敢えて攻撃を行わない事による、ダメージタンク役としての役目も買って出ているのだ。ハイパーゼットンの力である防御バリアの最大活用による最高級のデコイである。

 

【今のうちだ。攻撃に回るものは隙だらけの今を、補給が必要な者達は立て直しを。戦いの為の最適解を行うとよろしいよ】

 

「凄く助かるのだわ!全員、各々の判断で動きなさい!辛いと感じたなら即座に撤退すること!」

 

攻勢に、或いは一旦転身に応じる連合艦隊達。丁度安全スペースを背後に立つ怪獣娘達が絶対安全圏を確保している中、ZIPANG、ローマ、ギリシャが攻勢を行い、フランスが一旦退路確保の為にワープ地点の設置に回る。エレシュキガル艦隊は怪獣娘達の合間に位置を取り、艦隊の攻撃を引き寄せる役割を全うする。

 

「これは磐石かもしれない布陣ね。倒さずとも、充分に時間を──」

 

『エレシュキガル署長!ジグラッドより超高エネルギー反応!こ、これは宝具です!宝具反応です!』

 

「えっ──ジグラッド!?宝具ってまさか、もしかして・・・!」

 

ジグラッドに備え付けられし宝具、それこそは即ち宇宙を切り裂いた真紅の嵐。世界に用いる乖離の剣を用いた嵐の具現。この宇宙を切り裂き、破壊したギルガメスの宝具の奥の手にして切り札。

 

【英雄王の宝具、天地乖離す開闢の星か。自分の本気ではないからセーフといった理論かな、これは】

 

ジグラッドからドリルめいた射出口が飛び出し、巻き起こる乖離の暴風。物理的ではない、世界そのものを切り裂くその一撃は、そのバリアで防げるかすら定かでは無いだろう。ニャルの物見遊山的テンションと対照的に、顔面蒼白となるエレシュキガル。この宇宙において、あの脅威と恐ろしさを理解しておらぬ者はいないだろう。

 

『あれはギルガメスの奥の手ではないか!?不味いぞ皆のもの!死ぬ気でかわせー!』

 

【オリュンポスを壊滅させた、恐ろしき神威の具現・・・!】

『アルテミス・・・!くっそ!味を占めやがって・・・!』

 

それが放たれたなら、被害は未知数だ。世界を切り裂く程の威力を持つのはギルガメスただ一人。ならば、それがもう一度放たれた際に生きていられるものがいるかなど、予想できる筈もない。

 

【問題無い。エア姫がいないギルガメスなんてただのラスボスだ。後発の作品でカリスマと威光を魅せてくださりはしたが、初出ステイナイトは悪役チンピラムーブが酷かったからな】

 

「何の話!?」

 

【対処は充分に可能という話だよ、エレシュキガル署長。この攻撃を待っていた所が大いにある】

 

その通信と共に、ニャルは手に自身が使うメダルを握る──

 

【世界を切り裂こうとも、私と私の愛するものをやらせはしないさ】

 

そして、色違いの邪悪なゼットライザーを構え──トリガーを押す。




ニャル【行きましょう、テュポーンさん】
テュポーン【おうよ!】

〔??ル!$?プ・アクセスグランテッド〕

【虚空、超合体、根源破滅天使】

〔グリーザ、ファイブキング、ゾグ・セカンド〕

オリオン『お、うぉっ!?この感じ──!?』

汝、星を穿つ黄金『──!』

『──アルテミス!?』

イザナミ『タケル、スサノオ』

スサノオ『!?母ちゃん!?』

タケル『先駆け、あいすまぬ』

『話は後です。此処は母に、母達にお任せなさい』

((真面目モード・・・!))

【お待たせしました。闇の力──私に見せろ】

テュポーン【やってやんぜぇ!!!】

〔イプシロン・アプカリポス〕

エレシュキガル「来るわ!皆!!」

『ZIPANGより、対粛清防御反応!並びに、超絶大な魔力反応!!』

「えっ──!?」

その報告に反応した直後に放たれる、真紅の暴風。それに真正面から放たれる蒼白の光線、並びに女神の祝福──

【ククククク、アハハハハハハハ・・・!】

本能的な戦慄と恐怖を励起する、宇宙に響き渡る嘲笑の声。そして現れる、筋骨隆々の人方の魔獣王──

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