エウロペ「大丈夫かしら、皆・・・」
ヘスティア「ゴールはもうすぐよぉー!大丈夫大丈夫~!私達の信じたあの子達ですものー!」
ハジュン【ZIPANGは見通しづらい難所だが、悪意は感じぬ。彼等が挑むのは敵意ではなく、試練だ。ならば、ありのままの彼等であれば大丈夫だろう。俺はそう信じよう。カレーを作りながらな】
エレシュキガル所長「はふっ、はふっ、うま、うまっ!?これが、これが失われた食事の概念・・・!?」
マギ☆マリ「御兄さん、私にもカレーをくださいな♪」
【おや、君は確か・・・】
「おっと詮索は今は無用だよ?一仕事終えたビールも添えてくれると嬉しいなぁ!」
【・・・それもそうか。よし、エプロンもつけよう。その白い衣装に跳ねないようにな。さて、アルテミス神殿にゴッド・ウーバー・イーツするとしようかァ!】
~特殊ドック
ギル「手勢が足りぬ故、突貫作業を任せるぞマルドゥーク!航行できれば今はよい!急ぐのだ!」
マルドゥーク『Σd(・∀・´)』
温羅「こりゃあ改装のし甲斐があるねぇ!溜めたノウハウの出しどころだ!やるぞぉっ!」
ネモ「父が変わり果てた姿で・・・ううん、これでいいんだ、きっと・・・」
──ど、どう生まれ変わるのでしょうか・・・!
フォウ(これだけの質量だ!説明不要さ!)
《急ピッチではあるが、奴等が果てては話にならん。我が財の底力を信じる他ない。大抵の輩は心配などしておらぬが・・・》
(・・・万が一にも、果ててくれるなよアルトリア。セイバーめにくれてやる愉悦、未だ果たされておらぬのだからな──)
「おいおい・・・ここ本当に宇宙なんだよな・・・?」
操縦ハンドルを握り、ローマの加護を受けながらZIPANG宙域に突入を果たしたイアソン一行がそう漏らすのも無理はない。ZIPANG宙域・・・最も秘匿と神秘に溢れた場所。そこには、想像を絶する光景が広がっていたのだ。
「よ、夜空です!夜空が拡がっています・・・!雲も、月もきちんとあって、暗いです!宇宙なのに・・・!?」
リリィの言葉通り、そこに広がっていたのは黄金の宇宙ではない。夜の漆、金の月、白い雲。誰もがイメージする不変の空が在ったのである。星も浮いてはいない漆黒の空間・・・道筋なくば即座に迷い果てる程の宵。外から見るものとはあまりに違う光景を一行は噛みしめる。
「鎖国を貫いているのはこういう背景があったのかな?自身らの環境は万全だから外界と関わる必要はない・・・みたいな」
「お高く止まりやがってよ!だがまぁ悪くないな、ギラギラした宇宙はいい加減目に悪いと思ってたとこだしな!運転中じゃなかったら酒で一杯やりたいくらいの絶景だ、いい趣味してるよなぁ日本っていうのはよ!」
ロマンとイアソンの見解の傍ら、しかし油断せず警戒を強めるセイバー達。いくら綺麗な空間であっても、此処は数多の銀河警察が還らなかった魔の宙域であることに変わりはない。浮かれてばかりではいられないのが正味の所感である。
「気楽でいいな、貴様は。イアソンの頭の構造は何処でも大して変わらんらしい」
「んだとコラカストロ!ちゃんと手綱握っとけポルクス!」
「いけませんよ兄様、そんな本当の事を言っては」
「フォローする気ないんかい!!」
「いい月夜だ。お前の横顔のような艶やかさに満ちている、我が愛」
「そんな、困ります・・・あなた・・・」
(二重の意味で怖いので黙々と仕事するジークフリート)
「どういう理屈なんでしょう、マーリン・・・!?」
「ここも、アヴァロンと原理は同じなのかもしれないね。外界を遮断し、永遠に閉ざされた理想、いや秘境・・・ZIPANGという空間は、サーヴァントユニヴァースの神秘の地なんだろう。あらゆる意味でね」
それぞれの所感が行き交う幻想の風景。或いは既に甲板に出て酒盛りでもやろうだなんて面子もちらほら出てきている秘境の一端。それらはともすれば、戦いや惨劇すらも忘れてしまいそうな美しき風景。一行を歓迎する世界のようにすら思う程の暖かい世界。歴戦の楽園の面子も頬が緩む程の美しき風靡。
──だが。其処は既に、侵入者を拒む秘境なる場所。その光景は、ともすれば・・・冥土の土産となる光景であるのだ。今、日本の神秘が牙を剥く。
「・・・ん?何の音です?」
始まりは、窓を叩く小さな音。ヒロインXが気付いたそれは微かに、そして瞬間猛烈な勢いとなり宇宙船を激震させる事となる。操縦コントロールを奪われかねない、強い衝撃が予期せず船を襲う──!
「きゃあぁあぁあぁあ!?」
「なんだ!?何が起きた!?敵襲か!?報告しろサポートクルー!」
「ぼ、暴風雨だ!外は『暴風雨』が荒れ狂っている!風と雨が打ち付けられているんだ!」
「暴風雨ゥ!?バカいうな!ここ宇宙だろうが!何だって嵐が突然出て──うぉおっ!!」
喋るより早く一瞬ハンドルを握り制動を取り戻したのはイアソンの神業だった。後瞬間遅かったなら、コントロールを喪い船体はバラバラになっていただろう。窓からも見える通り、外には嵐が猛烈に猛り狂っている。危うく外に出ていたなら二度と帰ってこれなかったろう。敵は、自然現象という壮絶な答えを呑み込まざるを得ないイアソン。気概を入れ直し、渾身の力で困難と向き合うため自身の本気を捻り出す。
「舐めんじゃねぇぞこのヤロー!この程度の理不尽、ギリシャじゃ日常茶飯事なんだよぉ!!」
猛烈な嵐の中、決して恐れず進むイアソンの操縦が唸る。真正面を、進むべき道を見失わない決意の航海がキャプテンにより保証され、少しずつだが揺るぎなく進んでいく。
「流石だねキャプテン・イアソン!キャスパリーグにも負けない操舵の腕前だ、若干不安だったがもう大丈夫と確信したよ!ありがとうキャプテン!」
「なんか比較対象おかしくねぇか!?あんな白イヌと一緒にすんじゃねー!ちょっと面食らったが、これくらいなら・・・!」
乗り越えられる。そう確信しイアソンが息を吐いた──その時だった。ZIPANGの驚異は、更に牙を剥き出しにする。
「キャ、キャプテン!隕石だ!隕石が落ちてくる!夜空から真っ直ぐ落ちてくるんだ!隕石が!」
「隕石ィ!?」
レーダーを弾かれるように見やる。無数の熱源が四方八方から宇宙船に向けてやって来ているのだ。それらは大小はあれどエネルギー体・・・直撃すれば船体が砕ける程度の質量とパワーは所有している事は明白である。操舵で対処するには圧倒的な弾幕の密度、指示──を行う前にクルー達は一丸となって動いていた。
「皆!どうかよろしく頼むよ!北欧の皆、協力してもらえるかな!?」
ロマンの言葉に、北欧組がルーン魔術にてロマンの防護魔術を援護する。ダ・ヴィンチちゃんコンビがハッチを開き、直営にサーヴァント達を出撃させ対処を行い、一点にある安全地帯へ向かうための道筋を切り拓く。隕石を回避、迎撃、砕く為のサーヴァント達の出撃・・・イアソンの判断よりも早い即時の判断。精鋭達の集結する船、アルゴノーツ。
「頼もしいじゃねぇか!アルゴノーツはやっぱりこうで無くちゃな!」
これなら、これまでの様になんとかなる。──そう、確信したキャプテンの思惑を越える緊急事態。先のポセイドン神殿の・・・再演。
「キャプテン!前!前!迫ってくるわ!皆を呼び戻して!」
「はっ──何ィッ!?」
イシュタルの言葉と共に──怒濤の様に迫り来る、白き海。全てを洗い流す、神威の『大津波』。最早、宇宙であるという常識が通用しない超常現象の数々。──呑み込まれる。そう一行が判断するよりも早く──
「間に合わない!」
「だあぁあぁあぁあ!!宇宙で沈没難破とかマジかよぉおぉお!!?」
「ん・・・──?」
一行は、大口を開け迫り来る大津波へと呑み込まれる。これこそが、秘境ZIPANGへと脚を踏み入れる者への禁忌の洗礼──
?『・・・我等の主があの在り方な以上、来るものを試さずに迎える訳にはいかぬ。憎悪の種を持ち運ばせる訳にはいかぬのでな』
『少し、やりすぎではありませぬか?ツクヨミは目立てると張り切っておりましたが・・・』
『スサノオ神を殴り込ませる訳にもいかぬ。殲滅ではなく、試練なのだから。──これで果てるのならばそれまで。どう思われる。我等が慈母よ』
『うぅん・・・私としては仲良く、ZIPANGでくつろいでほしいと思います。ばあちゃまも準備していますし・・・でも、外界の世情と噛み合わなさすぎて・・・』
『うむ。・・・この宇宙のシーズンにて槍を全面に押し出した施設など、どうなるかは火を見るより明らかというに・・・故に、悪意と憎悪無き者らかを試さねばならぬ』
『沈没したならZIPANGにて招きましょう。もし、突破したならば・・・』
『うむ。我等の主に謁見を行うに値する勇者であると認めよう。・・・む』
『あっ!』
ZIPANGの様を見る者達の目に映るは、津波を貫く黄金の鎖──
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