人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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マリー【サンソン?サンソンはいる?呼んでいるのだからいらっしゃい?ギロチンのあなた?】

サンソン「・・・此処に」

マリー【お客人を呼びたいの。死刑の時間を合わせてくださる?あなたが鮮やかに首を落とす時間を早めてくださらない?その胸の高鳴りが、素敵なもてなしを約束するのよ。素敵でしょう?】

「お心のままに・・・」

【うっふふ。ギロチンはいいわ。ストンと落ちる厳粛さ、ごろりと転がるおくび、私を睨み付ける数秒の目線・・・あなたは本当に素敵な発明をしてくださったわ。ありがとう、サンソン。愛しているの、本当よ?ねぇ、どうだった?私の首を落とした時は】

「・・・・・・」

【あら、答えないの?照れ屋なのね。そんな所も素敵よ、サンソン。あなたには感謝しているわ。ギロチンを作ってくれてありがとう。本当に素敵な発明よね、大好きよ!さぁ行ってらっしゃい。死刑を待つ民が待っているわ?】

「・・・えぇ」

【ふふっ、来てくださるかしら?楽しみね・・・黄金のあなた?連絡先は、もう知ってしまったの。語り合いましょう、情熱的に──】


プラチナ・ゴージャス・ミーティング!

ローマ、客室豪華ローマホテルにて──

 

「ギル!抜け駆けしましたね!あなた抜け駆けしましたね!?先にゴールドセイバー宙域に行くなんて何考えてるんですか!楽しいことを見つけたら行っちゃう少年ですかもー!!ズルいじゃないですかー!」

 

「はははははは掴むな掴むな揺らすな揺らすな酔うであろうふはははは」

 

シルバー宙域にいたイアソン、リリィチーム達も無事に合流しローマへと辿り着きゴージャスと落ち合う。足並み揃えて行く筈がつい愉悦をつまみ食いしてしまったゴージャスが、ヒロインXに猛烈に揺さぶられている最中であった。欠ける事なく楽園メンバーが集結し、更に新しい顔も増え、ますますもって豪華絢爛な様相をもたらしている。

 

「聞いただろうかシグルド殿。楽園の業務は一日の午前中で終わるようだ。後は自由時間らしい。ホワイトどころか眩しくて見えないな」

「叡智の女神が割れる衝撃だ、ジークフリート殿。我が愛が身を落ち着けるに相応しい」

 

「も、もう。困ります──(グッサリ)」

「シグルド殿!?」

「心配は無用。当方は死なない」

 

「兄様、私達の愛を示すにはあれくらいの表現をしたほうが?」

「いや、そのだな。お前と異なり俺は普通に死ぬというかだな・・・」

 

「あ、あなたがエレシュキガル署長なのだわ!?ど、どうもこんにちは。エレシュキガルと言います・・・」

『ご、御丁寧にどうも。私もエレシュキガルと言います。なんだか他人の様な気がしないわね・・・』

 

「他人じゃないでしょう。あなたたちは平行世界の同一人物なんだから。目覚めていたのね、エレシュキガル」

『皆の頑張りが効を奏してね。あなたも頑張っていたみたいじゃない』

「ちょっとトラウマ案件があったりしたけれどね・・・」

 

「どうでしたかリリィ?強くなれましたか?ま!お姉さんとナイアはもっともっと強くなっちゃいましたけどね!」

「お土産もたくさんありま・・・リリィ?」

 

「にゃ、ニャルさん!その、バブみとは一体何でしょう!」

【急に何wwそうだなぁ・・・バブみは・・・】

『バブみ・・・?ニャル、それ知りたい。ママには大事っぽそう!』

 

【・・・・・・ママァ・・・みたいな感じだよ。ね?ロマン】

「ボクに振らないでほしいなぁ!?」

 

(あの人がゴージャス・・・こうして落ち着いて改めてみると、ギルガメスと同じなのに、なんか全然違う・・・ギルガメスはおっかねぇヤクザみたいな雰囲気で、こっちはなんつーか、めっちゃ付き合い良い近所のあんちゃんみたいな・・・)

 

「む?なんだ我をまじまじと見つめおって。畏敬と共に我を仰ぎ見るならば、赦してやらんでも無いがな?」

 

「あっ、はい!マンドリカルドっす!改めましてどーも、ブロンズでは・・・」

 

「おぅおぅにーちゃん、何ギルにガンつけてんだこらぁん?」

「ひぇえエルキドゥさんすみませんでしたぁ!」

 

「私も何か自己紹介を──ぐっ!?」

 

──転んだ!?危ないッ!

 

「た、倒れていない!?なんだこれは、奇跡か・・・!?」

 

そんなこんなで交遊を深めていくチーム達。それぞれが困難を乗り越え、大いなる戦果を成したチーム達が交流を行う。死線を乗り越えた喜びと、再び出逢えた感銘に会話が弾む一行。そして、顔触れを見たゴージャスにより方針が決められる。

 

「総員!まずは誰一人欠けず此処に辿り着いた功績を労おう。御苦労であった!楽園に持ち帰る数多の技術、価千金である!これだけでも十二分ではあるが、残るはこの宇宙の安寧と正しき有り様を残すのみだ!いよいよ我等はゴールド宙域の攻略に赴き、しかるのちギルガメスを討ち取る!覚悟は出来ていような!!」

 

「「「「「「おーっ!!」」」」」」

 

「良く言った!情勢は説明した通りだ。ローマ共の特例として、我等ゴージャスチームはZIPANGへと向かう!我、ロマン、夢魔で透視を試して見たが徒労に終わった!並々ならぬ神威が満ちていることに疑い様はあるまい!見通せぬなら踏破するまで!お前達にはその任を任す!ロムルスめの導きに従い、秘境に我等の足跡を残せ!!やれるな、イアソン!」

 

「たりめーだ!俺はやればできるイアソンだからな!ついてこいよお前ら!」

 

──イキイキしていますね、イアソンさん!これはお土産話が楽しみです!リッカちゃんやヘラクレスさん、ゴルドルフさんも喜ぶだろうなぁ・・・

 

「我の予測ではあるが・・・おそらくZIPANGは赴くが一番の困難だ!イメージせよ、日本神話の頂点の女神を!あまりにも危なっかしくも困難には冴え渡るアレだ!肝心な時にしか役に立たぬとされるヤツだ!」

 

『ま、まさか!ZIPANGの秘密をも知っているというの!?楽園・・・なんて凄い・・・!』

 

((((あぁ・・・))))

 

楽園の一同はイメージする。日本最高の女神を。顔面八百万にして肝心な時にしか役に立たない、服と呼べるかすら怪しい衣装に身を包んだハイテンション&高性能お婆ちゃんを。もし、トップが彼女だとしたら──

 

「なんで鎖国してるんだって話だけどな・・・」

 

【どれどれ?私も見てみ──ブッ!?】

「お父さん!?」

 

ニャルも倣い、邪神の視点を使いZIPANGを目の当たりにしようとした瞬間、彼の顔が『拳』の形にめり込んだ。どうやら不躾な視線と判断されたらしい。邪なる者を祓う護りがあるようだ。

 

『ニャル!大丈夫!?なにやってんのさバカ!』

【前が見えねぇ。しかし、並々ならぬガードがいるようだ。これはやはり直接赴けとの達しかな】

 

「手間が省けるではないか。しかし今すぐ行けとは言わん!ローマを巡りたいものは時間をやる、のんびり鋭気を養うがいい!良質な冒険は、良質な拠点にこそある!それぞれに小遣いをくれてやる、好きに堪能せよ!」

 

「さっすがギル!慰安旅行付きとか解ってますねぇ!ナイア、買い物周りしましょう!ショッピングです!」

「リリィ!せっかくですからコロッセオ見に行きましょうか!セイバー道には見識を広める意味もあるのです!・・・(チラッ)」

 

(行ってこい。また後で時間は取ってやる)

 

「!行きましょう行きましょう!さぁレッツゴーです!」

 

『買い物かあ。生活用品とかも必要だよね?ニャル、買ってこっか』

【よし。荷物持ちと財布は任せておいてくれ。パパ、頑張っちゃうぞぉ】

 

「よしよし、なら私もナンパに出掛けようか!ローマの美女とテルマエ・ロマエは男の夢だからね、そうだろう?キャスパリーグ?」

 

(ボクはもうエアじゃなきゃ満足出来ないんだ!行きたきゃ一人で行ってこい!)

 

──後で一緒に入ろうね、フォウ!

 

(ファーーーーーーーー!!(尊死ビッグバン))

 

《異心同体故、無論我も同伴だがな!!》

 

(ギャーーーーーーーー!!)

 

「あっはははははははははは!じゃあボクもふらふらして銭湯探しておこうかな。イシュタル、一緒に行くかい?」

 

「えっ?私?」

 

「えっ!?」「何!?」「『はぁ!?』」

 

──れ、歴史的和解!?

「なん、だと・・・!?」

 

「別にスペースイシュタルを嫌いになる理由が無いじゃないか。イメージだけで言うのは良くないなぁ。ね、イシュタル?嫌かい?」

 

「・・・そうね。見回りとかも含めて、一緒しようかしら。味方なら頼もしいもの、あなた」

 

「そうそう。スリとかいたら腕切り裂いて口に砂詰めて河に流してあげようね」

 

「あはは、流石ギルガメスと宇宙を荒らし回ったグリーンモンスターの系譜だわ・・・」

 

「ふはははは!!よきものを見た!これは勝利以外有り得まい!では解散だ!思い思いの準備をするがいい!!必勝の準備をな!!」

 

王の号令に拳を突き上げる一行。ゴールド宙域に集いし者達の、宇宙を楽しむ戦いが幕を開ける──

 




ギル「──さて、では行くとするか。エア」

──はい、挨拶を。そして、プレゼントを。おいで、フォウ

フォウ(うん!)

二人と一匹は、皆が退出した部屋にて頷き合いスキルを発動する。エアが所持する、最高クラスの『単独顕現』。それを発動し、王は飛ぶ。

その先は──


【まぁ!来てくださったのね。歓迎致しますわ、宇宙を駆ける素敵な御方。さぁさ、お席に付いて?素敵なティータイムに致しましょう?】

ギル「フッ──豪胆さは変わらぬな、王妃よ」

──な、な・・・

フォウ(なんだあのスタイルは──!?)

エアとフォウが驚愕する、美肌に豊満極まる3桁代のバストと共に、マリー・オルタは王を迎え入れる──

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