イアソン「オリオン!担げ!頑張ったキャプテンを労れ!」
オリオン「エレシュキガルちゃん、マンドリカルド君・・・大丈夫かい?(キラン)」
イアソン「聞けよ!!」
マンドリカルド「す、す、すんません・・・ちょっと、待たせてもらっていいっすか・・・」
エレシュキガル「(気絶)」
オリオン「よく頑張った・・・!お前さんらは頑張った・・・!!」
ロリンチ『艦のダメージチェックはこっちでしておくよ。神様の領域のデータ、もっともっと集めておいで!』
ダ・ヴィンチちゃん「もちろん!よーし!行くよキャプテン!」
イアソン「労れよぉ!?」
オリオン「へいへい、おぶってやるから行くぞキャプテン!」
イアソン「そうそう、丁重に──ウッ!?」
汝、星を穿つ黄金『────』
「・・・お、お背中を・・・お借り致します・・・」
オリオン「?・・・にしても、すげぇ天候荒れてるなぁ。何を考えてやってるのかねぇ・・・」
「ここが、ポセイドン神殿・・・No.2の神殿だけあって、凄く雰囲気があるね・・・」
イアソンの決意と活躍により、全員無事で脚を踏み入れたポセイドンの神域。白き大理石で雄々しく力強く造り上げられた神殿の持つ偉容と威厳に、ロマンを始め一同は感嘆を漏らす。あらゆる全てが、強大さとパワフルさを示す造りとなり、訪れしものに海神の威光を見せつける。巨大極まる柱、整然と纏められし供物を捧げる多数の祭壇、オリュンポスの神々が集う光景を示した壁画に彫刻。それに何より──
「どれも建築の観点としては完璧で、全く無駄のない荘厳な出来映えだ。そして、随分と自信満々に建てられたアレが目を引くよねぇ。今の状況じゃ、皮肉にもさ」
ダ・ヴィンチちゃんが指し示し、一同が見上げるそれ。其処に飾られているものは見上げんばかりに高く、力強く、何より逞しく彫られた男神の像。三叉矛を構え、天空に突き上げる拳。筋肉の鎧を搭載し雄々しく立つ男の像──紛れもない、大神ポセイドンを顕した彫像に他なるまい。もはや本人が死した神殿にて、本人よりも偉大さを示しているとはなんとも皮肉なものだが・・・
『これがポセイドン神殿外部の嵐を起こしていた制御装置・・・というものでは無さそうですね。単純に、権威を示す為に造られたものがそのまま残っているようです』
「カイニスやペルセポネー辺りがいなくて良かったかもな。躊躇いなくブッ壊そうぜとかいうだろうしな。無理もないけどよ」
「本当に申し訳ない!まぁその、神殿自体に罪は無いって事で・・・ダメ?」
「我々は権勢や文化を破壊しに来た侵略者ではない。余計な破壊や不必要な略奪は控えるべきだろう。・・・神そのものを簒奪しようとしている手前、説得力は皆無かもしれないが・・・」
「そうねぇ~。これから存分に身体を借りるつもりなのだし~、せめて分体を作れるくらいの手向けはしてあげましょう~。さぁ、神殿の中枢はあっちよ~」
散々女性や環境を蹂躙し、荒れ狂わせてきたポセイドンが最終的には自身の身体を好きに利用され手土産にされるという罰に比べれば、些細極まる破壊活動などにかかずらう意味もない。そう決断付け、一同はポセイドン神殿の奥へと進んでいく。
「カイニス辺りの報復がてら、顔に落書きでもしていかねぇ?」
「そういうアルテミス神殿焼いたバカみたいな真似はするなっての!・・・まぁ多少なら目ぇつぶるけどね?」
『イアソン、次シーズンを考えた行動を取るように。ヘスティア神やハデス神に迷惑がかかりますよ』
へいへい・・・そう手を引っ込めるもやっぱりイタズラ好きなイアソンと、やらかしがやらかしなので完全制止までは出来ないオリオンを先頭に、一行はポセイドン神殿の最奥に向かう──
~
「皆様!こちらです!」
「ありましたよ凄いのが!とびきりのスペースシップです!」
先行し敵対者がいないか斥候を行っていたXX、ナイアが手を振り、ヘスティアの案内の終着を告げる。其処は神の力の顕現か、祭壇の造りを巨大な球体水槽が囲う形となっている超巨大な空間になっていた。ハデス神の機械工房、最先端都市めいた神殿とはまた趣が違った海神の領域に『それ』はあった。祭壇の全部、海水水槽に浮く巨体。あらゆる箇所が破損し砕けているが、それでも神威を醸し出す巨大な魚のようなフォルム。それがなんなのかを見る者に理解される。
「これが・・・ポセイドン神の神体か・・・!」
マカリオスが瞠目し、アデーレを一歩下げる。ボーダーやスペースシップといった艦すらも搭載できる程の巨大極まる体。破壊され、砕けた箇所は多数で意志はないようではあっても、神が持ちうる巨大なる威厳と威光は失われてはいない。ヘスティア神が祭壇前部にあるコンソールを操作する。目の前にあるものがなんなのかを、確認しているのだ。そして、答え合わせは終わる。
「神体照合・・・全機能・・・停止中・・・個体名、ポセイドン。間違いないわぁ~。彼こそが、海を司る神。その身体よ~。機能停止はしているけれど・・・」
「間違いない。親父の本体だなこいつは。しかし派手にやられたなぁ・・・流石に天空も海も切り裂かれちゃおしまいかぁ・・・バビロニア凄いな~」
「・・・ん?機能停止?機能停止しているのかい?」
ロマンとダ・ヴィンチちゃんが顔を見合わせる。それではあの嵐は、暴風雨は自然発生しているものなのだろうか?魔獣から神殿を護るための神力の残滓なのか?
「まぁポセイドンに至っちゃ機能停止っつーか人格は停止しててもらった方がいいわ。ダ・ヴィンチ!ケイローン!ちゃっちゃとロック外してずらかるぞ!」
「かっこよくないときはマジで蛮族めいてるなお前・・・」
「力を頼りに好き勝手してたヤツがよりデカい力に踏み潰されたってだけの話だろ。今更思うところなんてあるかよ。まぁ息子のお前には辛いかもしれないが・・・」
「いや、まぁ自業自得かなって」
「だよなー!」
当然の様にフォローも庇護もできないオリオンの背中で意気投合するイアソン。目の前に目当てのものがあるが故の気楽さだが、その結論は覆される事となる。
『・・・駄目ですね。ポセイドン神の神体に強烈なロックがかかっていますね。神体の神経中枢部門に通ずるもの・・・人間でいう残留思念ですね。驚きました。全ての神体の部分にロックをかけるとは。おそらく先の嵐も、このロックに連なるものだったのでしょうね』
「ポセイドン君、自律行動の履歴が残っているわ~。どうする~?解除してみる~?去勢する~?」
「去勢!?あ、あぁそうだよね・・・ギリシャ神話の原初の天空神、ウラヌスは去勢された事によって権勢を失ってしまったからね・・・そりゃあ最高の安全策だよね・・・」
(ヘスティア神にそれ言わせるとか相当だよな・・・)
神中枢部位にかかるロック、即ちそれは強烈な意志によるものである。ロックを解除する為には、ポセイドン神の精神中枢をオフにする他ないのだが・・・
『・・・これは・・・やはり、そういう事ですか』
ケイローンが言葉を澱ませる。ポセイドンのロックに取り組んでいた最中で何かに気付いたようだ。
「どうかしたか?まさかスケベしたいとかそんな感じの事考えちゃいないよな?」
『似たようなものでしょうか。欲という点では・・・。とにかく、これは解除の為に対策が必要でしょうね』
あくまで声音が優れないケイローンにしびれを切らし、イアソンがオリオンの背中から降りる。何が映っているのか、コンソールを眺め──
「うっ・・・!」
絶句し、みじろぐイアソン。何故アレ程に強靭極まる嵐と風雨が巻き起こされていたのか。意識は無くとも、何故強大な神威を発揮していたのか。其処には、コンソール一面に表示された・・・
『死にたくない。神が滅びるものか』
末期の瞬間にまで魂に焼き付けられ叫び続けた、ポセイドン神の末期の絶叫。それがポセイドン神の神殿と神体を護り、嵐を巻き起こしていたのだ──。
オリオン「・・・神様も、死を前にしちゃそんなもんって訳だな。まぁ、俺も似たようなもんだからとやかくは言わないけどよ」
XX「思考回路から来るロックなんですよね?思考回路自体をブッ壊してみますか?」
ナイア「精神的な干渉なら私と父さんにお任せください。精神を汚染するも破壊もお手の物です」
ヘスティア「待って待ってぇ~。メインシステムみたいなところだから、壊しちゃったら神体自体がダメになっちゃうかも~・・・」
ケイローン『ボディさえ獲得するならそれでも良いのですが、万が一復活も攻略も叶わなかった場合は徒労になってしまいます。基盤の初期化と基盤を破壊するでは被害が異なります。この思念を鎮静させる手段を探すのはどうでしょう』
オリオン「まぁそうだよなぁ。神殿と繋がってるっぽいし・・・頭壊したらヤバそうだよなぁ」
ヘスティア「語りかけてはみるけれど~。うまくいくかしら~・・・」
イアソン「・・・心当たりは、無くもない」
マカリオス「本当か!?」
イアソン「あぁ。精神的なロックなら、そいつを解く為にうってつけなヤツがいる。そいつのクリロノミアをポセイドンにぶちこむぞ!」
ロマニ「それは、もしや・・・」
イアソン「あぁ。影は薄いが数少ないまとも枠!──『ヒュプノス』だ!!」
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