承太郎「言ってみろ」
リッカ「一回。たった一回だけ・・・承太郎君の事、『ジョジョ』って呼んでもいい?」
承太郎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
リッカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
承太郎「・・・・・・いいぜ。ただし」
リッカ「?」
「『一度』だけだ。『何度も呼ばれるとこっぱずかしい』。いいな。ジョジョって呼ぶのは、一度だけだぜ」
リッカ「・・・うんっ!」
承太郎「いくぜッ!」
リッカ「おうッ!!」
【ダブル主人公~ッ?ボクが読んでいた小説でそのセリフを宣った小説は全部!片方が片方を踏みつけ!踏み台にするタンカスの様な駄文ばかりだったニャルよォ~ッ。U1だのスーパーシンジだのSIROUだのといった・・・】
「・・・・・・」
【もしそれを本気で言っているのならッ!見ている者がドッチラケにならないようなッ!心踊る『クロスオーバー』を見せてみろニャル!さぁ、最終ラウンドニャル~~~~ッ!!】
肩を並べ睨み付ける二人に飛びかかる、邪神のスタンド・ニャル!この可愛くもなく恐ろしく強いスタンドが今、リッカと承太郎に襲い掛かったッ!
『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!!』
【そのラッシュは最早見飽きた聞きあきたニャルッ!クレヨンしんちゃんのケツだけ歩きみたいな掛け声を放つ扇風機ニャルか君はよォ~~ッ!!】
猛烈なラッシュを、更に上回るスピードでカミソリを構えたニャルがすり抜け本体の承太郎に迫る!その速さは最早、スタンド最速と言ってもいい程に迅速ッ!
【死ねニャ──ニャル!?】
しかし!ニャルのカミソリが承太郎の頸動脈をカッ切る事は無かった!それどころではない、最早ニャルの攻撃の総てを通さないほどの鉄壁の防御が承太郎を覆っていた!それはッ!
【──グッド。中々の着心地だぜリッカ。フランスからイラクまでの旅路のお供は・・・伊達じゃあねーな】
意外!それは鎧ッ!恐ろしい邪龍の鎧が、フルアーマーメイルが承太郎の195㎝の身体に装着されているッ!それは本来!隣にいるリッカの鎧!
「邪龍の鎧!アーマータイム!承太郎君に着用していただきましたッ!【敵意】と【悪意】に基づく総てを!この鎧は弾き返すッ!」
纏わせた!リッカが承太郎に!スタンドを倒すには本体を倒すという鉄則のルールを覆す反則クラスのイカサマ!承太郎は今!無敵となった!何故ならッ!
【し、しまったニャル!邪龍の鎧、リッカちゃんを討ち果たせるのは善意や尊い意志に基づくもののみ!な・・・無いッ!薄汚い邪神のスタンドであるボクに!鎧を貫ける手段が無いニャルッ・・・!】
御存知の通り、リッカは純粋な善意や労り、尊き総てに弱い!彼女を倒すはただ、善意や美しき何かを示すだけでいい!しかし、それは裏を返すなら!『悪意や敵意では決して砕けない』!邪神のスタンドたるニャルに!そんな気高さや美しさが発露できるはずもない!手詰まり!完全なる手詰まりッ!
(本体を倒す、或いはスタンドを倒す・・・しかし、本体を倒せないとボクは殴り合うしかないニャル・・・!スタープラチナと!タイマンの状況でっ!)
当然、それは自殺行為!スタープラチナは近距離パワー型最強のスタンド!真っ正面から殴り合い勝てる者は存在しない!それが邪神であっても!
【な、ならば先にリッカちゃんを気絶させるニャル!気を失えば鎧も剥がせる筈──ニャブッ!?】
「やれやれ。忘れたか?『リッカを護れ』と注文したのは!テメーだぜッ!」
リッカに飛びかかったニャル!しかしッ!それはまるわかりな狙い!ありふれたやぶれかぶれ!苦し紛れの次善策!リッカも承太郎も、そう来るのは予測済み!かつての仲間、ポルナレフは軌道さえ解れば光の速さで動くスタンドすら斬ってみせた!それ以上の速さを持つスタープラチナが!承太郎が!軌道さえ解ってしまったならッ!
『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!!』
十二分に!対処する事は可能ッ!飛び込んだニャルを殴り返す!承太郎と最強のスタンド!スタープラチナ!神すらも殴り倒し!たった一人の女の子を護り抜いた!!
【ニャブーーーーーッ!!!】
成す術もなく吹き飛ばされ、壁に潜り込むニャル!本体も!リッカも!スタープラチナも!完璧に助け合うコンビネーションにニャルは手も足も出ない!負け犬ムードがニャルに漂い始めるッ!
【こ、こんな馬鹿な、馬鹿なニャル・・・!邪神のスタンドたるこのボクがッ!人間を弄ぶこのボクがッ!最低最悪のスタンドたるこのボクがッ!たった、たった二人の学生に!凄く可愛い女子高生に!ガタイのいい社会のクズにッ!玩ばれるなんて・・・そんな、そんな事はあってはならない・・・!】
敗色濃厚になったニャルは、一発逆転を狙う・・・!壁から、床から、一直線に飛び出しリッカを戦闘不能にし鎧を剥ぐ!そしてそのまま承太郎を倒し試練を終了する!邪神のスタンドとしての格を保つッ!
【ボクは、ボクは弄ぶ側ニャル・・・!カスの様な人間どもを!ネズミのように増える人間どもを!地球というおもちゃ箱に詰まったおもちゃ達を弄ぶ邪神ニャル!絶対者にて上位者ニャル・・・!】
此処に来て!此処に来て本体の邪神が組み上げたスタンドの人格がストレスによりバランスを崩す!いや、もしくはこれもまたリスペクトなのかもしれない!邪神のジョジョリスペクト!即ちッ!!
【お前ら人間が下!!ボクが上ニャルッ!!ノミのようなちっぽけな分際でボクを越えていい筈が無いニャル~~~~ッ!!!】
追い詰められたジョジョボスはッ!!例外なく小物のゲス野郎となるッ!!その例に漏れず!半狂乱となってフォークとナイフを構え突撃するニャル!
だが!それが『仇』となるッ!!ゲス野郎とは!『何をやってもしくじるもの』ッ!!悪意と敵意を剥き出しにして突撃したならばッ!そう!
「『ジョジョ』!そこッ!!」
リッカの悪意と敵意を感知する超感覚の格好の餌食ッ!悪意が放たれる地点!ニャルが飛び出す一秒前に『そこ』を指差したッ!その地点こそたった今ッ!『ニャルが飛び出す』地点ッ!!
【ニャ──】
ニャルは間に合わなかった!離脱も回避も停止も出来ない!リッカは呼んだ!承太郎を『ジョジョ』と!たった一度の愛称呼び!ニャルは完全に無警戒!それはずっと近く速い!距離感もッ!そして!『指示の速さ』もッ!
そして、その指示の速さが『一手』を速めたッ!此度は承太郎が一手!リッカの手助け分上回った!先回った!!即ちッ!!
「『スタープラチナ・ザ・ワールド』!!!」
リッカと背中合わせの形で指差し!全ての時間を止めるッ!悪意を、敵意を感知したリッカのたった一度の愛称をトリガーとし、全神経を集中していたのだッ!それが合図!時を止めるタイミングである合図ッ!リッカが導いた、流れ星の軌跡ッ!星が駆け抜ける道筋ッ!
【─────】
承太郎とニャルの距離──一メートル!!スタープラチナの射程内ッ!全身全霊で拳を叩き込む絶好の位置ッ!!たった今ッ!二人の黄金の意思を持つ学生は確かにッ!邪神の悪意を上回ったッ!!
「・・・・・・・・・リッカ」
時の止まった世界。誰も聞く者のいない世界で。背中合わせに指差す形のリッカに承太郎は告げる。決して聞こえない、心からの称賛を。
「お前は本当にすげーヤツだ。とんでもなく度胸も、勇気も兼ね備えた・・・。此処に来て、俺は初めて。うっとーしい奴等とばかり思っていた・・・同年代の女ってヤツに。心からの敬意を払ったぜ」
承太郎がグレた訳。それはミュージシャンであり全国を飛び回り、家庭を蔑ろにする父貞夫に激怒した際、母が父を庇った為だ。虐げられている側が虐げている側を庇った為だ。其処で彼は女というものを冷めた目で見るようになり、そんな事を罷り通す社会に従うことを止めたのだ。
だが──楽園に来て、今こうして共に戦った彼女を見て。その考えは間違っていたと気付かされた。家庭を支え、子を育てる母が何よりも強く気高いように。こうして、女でありながらも気高く誇り高い者がいる。今此処に!自分の隣に!
「もし俺が結婚して、家庭を作り子供が出来て。そいつが娘だったとしたら。・・・やれやれ、照れくさいが・・・」
「────」
リッカの頭に手を置き、感謝を告げる。彼なりの感謝を。
「お前みたいに育ってほしいと思うぜ。強く、何よりも・・・誰かに躊躇いなく手を差し伸べられる様な『優しいヤツ』に。・・・そんな娘にな」
助けてもらった礼を告げ、そして向き直る。時間停止の残りは──三秒ッ!
「──課題の採点をしてもらうぜ、邪神。コイツが・・・」
邪神をブチのめす、時間いっぱいッ!帽子をなぞり今ッ!!
「『俺達』のッ!答えだぜッ!!」
スタープラチナを!ブチかますッ!!
『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!』
二秒経過ッ!
『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!オォオッ───!!』
三秒経過ッ!!
『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァアァアーーーッ!!!!』
四秒経過ッ!今度こそ!今度こそ承太郎は!スタープラチナはッ!
「──時は、動き始めた・・・」
渾身のラッシュの総てをッ!叩き込んだッ!!
【ニャブブブブブブァアーーーーーッ!!!!!!!!】
全身をブチのめされ、遥か彼方に吹き飛んでいくニャルッ!そしてッ!
Congratulations!
空中に浮かぶメッセージとなり!花火として破裂したッ!今!確かにッ!
「──フー・・・やれやれだぜ」
試練は!ここにッ!!突破されたのだッ!!!
リッカ「はっ・・・!?」
承太郎「心配ねぇ。・・・俺達の勝ちだ。今回は、中々にハードだったがな・・・」
リッカ「承太郎君!」
とっさに肩を貸すリッカ。承太郎は起き上がる余力も無いほどに満身創痍だった。
「しかし、よく考えたな。ジョジョと呼んでいいと聞いたときは驚いたが、まさか時を止める合図だったなんてよ」
リッカ「承太郎君!今!・・・だと、絶対逃げられちゃうかと思って。承太郎君の判断力と冷静さなら、真意を汲んでくれると信じてたから!」
承太郎「フ・・・やれやれ。今回は本当に、おめーにおんぶにだっこだったって訳か」
リッカ「馴れ馴れしくて、うっとーしかった?」
承太郎「・・・いや。よく考えてみたら、いなかったからよ」
リッカ「?」
「・・・。同学年の、『女のダチ』ってーのは。だからほんの少し・・・照れ臭いってだけだぜ」
リッカ「承太郎君・・・」
承太郎「ジョジョ、ってこれからも呼びてーなら好きにしな。俺もおめーを、下の名前で呼んでるんだからよ。ただし」
リッカ「ただし?」
「──こっぱずかしいから、あまり人前で呼ぶんじゃあねーぜ」
「──うん!『ジョジョ』!・・・わっ!?」
瞬間!ニャルから放たれた花火が光となりスタープラチナに入り込む!そして、進む!スタープラチナの成長がッ!更にッ!
ニャルの声【今回は素晴らしいものを見せてもらったからね。ニャルに詰め込んだスタンドパワーを多めにあげちゃおう。──それくらい、今回は本気だった】
承太郎「てめー・・・」
【射程距離、十メートル。時間停止は・・・DIO+君で七秒でいいか。ザ・ワールドに限りなく近づいたな。残り二秒を伸ばしたいなら、いつでも試練を受けることだ。リッカちゃんも、ありがと。ごめんね】
リッカ「ううん、私は大丈夫。ニャルお義父さんは必ず楽園の皆のために何かをやるって信じてるから!」
【──君の信頼は、私にはもったいなさすぎるな。どうだいジョジョ、リッカちゃん・・・いいだろ?】
承太郎「やかましい」
【照れちゃって~。それではまた。学び、進め。少年少女たちよ。運命は、変えるものだ】
リッカ「・・・消えちゃった」
承太郎「すまねーが・・・採点は明日にしてくれ。疲れて動けん・・・」
リッカ「う、うん!今医療室に連れてくからね!」
承太郎「・・・やれやれ。姫様だっこは勘弁してくれ・・・」
ノウム・カルデア
ニャル【さぁて・・・と】
XX「・・・」
ユゥユゥ「むむむ・・・」
アビー「やはりあなたは、いけない人だわ・・・」
【甘んじて罰を受けるつもりだが・・・見知ったカスどもの依代達ではな。パワハラの恨みでうっかり殺しかねないじゃないか。もっとマシな人員は呼べなかったのか?】
アビー「もちろんいるわ。──裁かれるといいわ」
ラヴィ「お願い、します」
ナイア「・・・・・・(ぐすっ)」
ニャル【はっ!?待って、それは待てまさか】
ナイア「・・・お父さんなんて・・・嫌いです」
ニャル【うぐぉおあぁあぁあぁあぁぁあ!!!なぁあぁにィイィイィイィイィイィイ~~~~~ッッ!!!!!】
「リッカさんを傷付けて・・・一日、口を利きませんから」
【ば、バカなッ!このニャルがッ・・・・・・!!このニャルがぁァアァアァアァアァアァアァアァアーーーッ!!!】
爆発四散!!父として邪神として!ニャルは娘の涙に砕け散ったッ!!
XX「・・・あなたの死因はたった一つです。たった一つのシンプルな答えです」
ナイア「(しくしく)」
「あなたは娘を、哀しませた」
ニャル──ニャルラトホテプ『ニャル君』・・・
後日
リッカ「ふー!今日のシミュレーション終わり!休憩休憩・・・ん?」
『飲め 承太郎』
「コーラ!わぁい!ありが──浮いてるぅ!?」
承太郎「(フッ・・・)」
ジョセフ『おい承太郎!お前同年代のガールフレンドが出来たってホリィから聞いたぞ!隅におけんヤツじゃのォ~!ジョースター家の男は生涯に一人しか女性を愛さないッ!よーく考えるんじゃ!相手をなッ!』
「やかましいッ!リッカとはそんなんじゃねー!・・・しかしじじい。何故だか解らんが・・・」
『?』
「その台詞・・・無性にてめーにだけは言われたくねぇ」
リッカ「マシュ!見なさい!守護霊!」
マシュ「コーラがッ!空中にッ!?」
ちゃんちゃん♪
どのキャラのイラストを見たい?
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コンラ
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桃太郎(髀)
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温羅(異聞帯)
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坂上田村麻呂
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オーディン
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アマノザコ
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ビリィ・ヘリント
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ルゥ・アンセス
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アイリーン・アドラー
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崇徳上皇(和御魂)
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平将門公
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シモ・ヘイヘ
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ロジェロ
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パパポポ
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リリス(汎人類史)