人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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ウォズ「祝え!!鎧を纏い、歌で世界を繋ぐ戦姫達の物語!その名も戦姫絶唱シンフォギア・エクスドライブアンリミテッド!!リリース三周年を迎えた瞬間である!!」

クリス「あ、ありがとな。節操無いのな祝いの兄さん・・・」

ウォズ「祝福の鬼だからね。花束は、もちろん彼女から」


リッカ「ビッキー!クリスちゃん!XD三周年おめでとー!はい、花束どーぞ!」

ビッキー「うわぁ!花束どうもー!一生懸命頑張って此処まで来たよー!」

クリス「ほんっとに色々あったよなぁ。戦って歌って戦って歌って・・・アタシ達ハードスケジュール過ぎるだろ!って突っ込みは間違いないじゃないよな?」

ビッキー「そうだよねー!でも、なんとかヒーコラ言いながら此処までやって来れましたッ!それはやっぱり、皆と頑張ってこれたからッ!」

リッカ「よっ!おっぱいのついたイケメン!393の旦那様はカッコいいー!」

ビッキー「えへへ~。リッカちゃんっていう異世界のそっくりさんとも友達になれたし!これからもよろしくね!ピンチのときは!最速で!最短で!真っ先に!真っ直ぐに!一直線に助けに来るからッ!クリスちゃんとッ!!」

クリス「なんでアタシなんだよッ!?」

ビッキー「えー知ってるよーリッカちゃんに毎日ライン送って内緒で食べログしてるってビッキー知ってるよー」

「リッカこらぁ!!」

リッカ「ひぇえごめん幸せそうだったからつい!でも、ありがとうビッキー、クリス!いつかそっちにも遊びに行くからね!」

ビッキー「うんっ!あ、もし私達の始まりが逆だったらどうなってたんだろう?例えば・・・」



マシュ「せ、せん、ぱい・・・」

ビッキー「(チーン)」



クリス「共倒れしてんじゃねーかッ!?其処は助かれよ!?」

リッカ「えーと、じゃあ私は・・・」



リッカ「あー!死ぬかと思ったぁ!!」

奏「あ、あの・・・大丈夫か?」

「大丈夫!鍛えてますから!!」



ビッキー「あーそっか高校生だからグドーシくん救済後なんだー!」

リッカ「デミ鯖マスターとかロマンだよ!ガングニールと一体化したビッキーとマシュがさぁ、ライバルはクリスで!」

クリス「世界の危機にライバルとか空気読めねーことやらねーよッ!」

ビッキー「ガチャ回そうガチャ!一回石10個で回せるんだぁ!」

リッカ「マ!?やるやるー!!」

クリス「ったく、似たような声で騒ぎやがって・・・。ま、まぁ。シンフォギアもfateも、よろしくな!」

リッカ「やったぁグロリアスブレイクだー!!コスト足りないんですかやだぁー!!」

ビッキー「クリスちゃん!鮫って聖遺物!?」

風鳴司令『お姉ちゃん、だとッ!!?』

クリス「うるせー!んなわけあるかーッ!!」

ジャンヌ「それは・・・どうでしょう?」

クリス「はっ──」

アネビーム!ワーイジャンヌオネェチャーン!


大図書館

デイビット「・・・・・・」

シルヴィア(あら、あそこにいるのは・・・)

ガストン(元Aチーム、デイビット・ゼム・ヴォイドだな。キリシュタリアとオルガマリーの橋渡し役に徹してくれていたらしいが・・・)

シルヴィア(参考書コーナーで何を見ているのかしら・・・?)

デイビット「ふむ・・・」

『デザイン参考書』『今日からできる服装デザイン』『インスピレーションのすすめ』

シルヴィア(デザイナー?美容師の次はデザイナーなの?)

デイビット「これ借ります」

紫式部「はい、ありがとうございます」

シルヴィア(・・・楽園のマスターで、一番俗っぽい事してるわね・・・)

ガストン(何かを作るつもりなのか?それにしても・・・)

「・・・・・・」

シルヴィア(なんなのかしらあのシマシマTシャツ・・・)

ガストン(あのシマシマTシャツは趣味なのか・・・?)


天才の才覚とセンス

「すまない、ダ・ヴィンチ。少しいいか?」

 

マスターがそれぞれ交流を深める中、楽園の中枢部分の一つたるダ・ヴィンチ工房の主に邂逅を求める者がある。その振る舞いと、その表情。その所感をダ・ヴィンチは誰よりも知っていた。

 

「やぁ、デイビット。オルガマリーにアドバイスをしてくれたり、色々気を回してくれたみたいですまない。この万能の天才、ダ・ヴィンチちゃんに何か御用かな?」

 

デイビット・ゼム・ヴォイド・・・彼をかいつまんで現すなら『現実に穿たれた孔』という表現をダ・ヴィンチちゃんは用いた。誰も理解することなく、誰にも理解されない。彼の事を凡人に解りやすく言うなら、それこそ『天才』なる陳腐な呼称の他有り得ないとも評価せざるを得ない。彼が何を見て、何を考え、何を行おうとしているのか。かつてAチームとして在籍していた頃より・・・誰一人、何一つ理解出来た者はいないだろう。

 

一例として、彼が自分のサーヴァントに求めたクラスはバーサーカーだった。バーサーカーは周知の通り運用が極めて難しい。法外な魔力量、意思疏通の不可。指示の無視や精神の破綻・・・聖杯戦争における数合わせ、或いは外れ枠。それを所望するマスターなどは二つに分類される。道理も解らぬ馬鹿者か、『それら全てを意に介さぬ規格外』か。キリシュタリア、岸波白野のようなスペシャル、或いはリッカの様に徹底的に特別鋳造されたチート、もしくはアンノウン。バグめいたマスターでなければ推奨されない程の難儀なクラス。・・・目の前にいるデイビットが、そんな愚者であると感じた事は一度もない。

 

(彼が味方に来てくれる事も予想外だった。彼は此処に何を見出だしたのかな・・・?)

 

「どうした、ダ・ヴィンチ。俺が何か不愉快にするような事をしたか?」

 

あぁすまない、とダ・ヴィンチは頭を振る。思案した際に動作が硬直してしまったようだ。理を理解し、把握する智恵があるほどに彼は読めない。ムネーモシュネーや小さい私には注意させるよう決心し、笑顔にて本題に戻る。

 

「ごめんごめん!私の虹色の脳細胞が世界のキャンパスに鮮やかな色彩をもたらしていたところさ!それでどうしたのかな?同じ天才同士、交流会でも行うかい?」

 

「またの機会にしよう。・・・リッカの特注のカルデア制服が素敵だったんでな。俺も特注の制服が欲しいと感じデザイン画を持ってきた」

 

リッカのカルデア職員制服はギル特注のもので、黒いファーに機動性重視の漆黒と深紅ラインのへそだしジャケット。戦場の傭兵活動にも使える礼装めいた逸品だ。それをリッカは羽織ったりファーを外したり気分で着こなしているのだが、どうやらそれがデイビットの琴線に触れたようだ。

 

「俺もファッションにはややうるさくてな。あれほどのお洒落を決め込まれたら黙ってはいられない。対抗心とは恥ずかしいが、是非俺もスペシャル感を出してみたい」

 

「あ、あはは。意外と男の子なんだね?だがいいとも!ゆくゆくは一人一人に特注の制服を用意することも考えていたからね、そういう提案は大歓迎さ!」

 

デイビットから原案を受け取り、わくわくしながらページをめくり──ダ・ヴィンチちゃん、石の様に硬直した。

 

「──何コレ」

 

そこに描いてあったのは・・・胸にバスター、クイック、アーツマークが書かれ、中央が青、左が緑、右が赤色の三色に彩られた、こう・・・なんだかドッキリとかからかいやネタの為に買ってくるだけに取り寄せる国の国旗めいたTシャツ・・・なんか三千円とかで買えたから買ってみたけどよく考えなくても着ないなコレ・・・なんて後悔する類いのイラストが描かれていた。正直、部屋でも着ていたくないレベルに・・・こう・・・尖っている。センスが・・・

 

 

「このカルデアには素晴らしい服があってな。そう、なんといったか・・・バスター、アーツ、クイックTシャツか。あのTシャツはいい。俺はあれのためにこのカルデアに足を運んだと言ってもいい。──そのデザインを、俺なりに落とし込んだ結果だ。いいだろう?」

 

「えぇ・・・?」

 

試されてる?これは私試されてる?ピカソとかそういう、常人には解らないところのセンスを試されてるのかな?硬直してしまう程に予想がつかないデイビットのセンスに圧倒されていると、更に一枚紙が提出される。

 

「実は裏面にも拘りたくてな。裏面のデザインも描き起こしてきた。検問してくれ」

 

「う、うん。良さげなイニシャルとかにし──」

 

天才の儚いフォロー、粉々に打ち砕かれる。裏面と描かれていたそこには白地に『extraattack』と金色書かれた文字のみのデザインが示されていた。丁度表が三色、そして裏が単色でバランスがいい。なんか刃牙にいなかったっけそんなの。あのバランスのいいナントカ選手がッ・・・

 

「どうだろう。私生活でも使える画期的なデザインじゃないだろうか。俺は美容師の他にデザイナーの資格も取りたいと思うくらいには考案が楽しかった。俺の礼装はそれを所望する。可能か?」

 

「う、うぅん・・・可能だけど、可能したくないというか・・・オモシロ枠がこれ以上増えたらまずいと言うか・・・」

 

こういう子だったなぁ、と感想が直に浮かんできた。Aチームの皆がもう一度頑張るぞ!と意気込む中彼だけは『寝癖酷いから美容師の資格取るぞ』というキテレツな理由でやってきたのだった。彼にとっては、世界の存続とか誰が世界を救ったのかなどどうでもいいのかもしれない。

 

そんな事より今はこのなんとも言えないセンスの服装だ。正直これをカルデア職員制服と認めるのはちょっと・・・ギル君(英雄としてのくくり)の服装のセンスも壊滅的だと聞いてはいたけどここまでではないんじゃないかな?え、一張羅?

 

「う、うぅう~~~~ん・・・あ!そうだ!」

 

そんな中、逆転の発想が思い浮かぶ。まさに、逆転の一手。いやただのデッドボールかもしれないがそれでもだ。

 

「まず服としてこれを作ろう!君のインナーとして着心地を確かめ、それで気に入ったなら作ろうじゃないか!どうだい!?」

 

まずは私服として使ってごらんよ、絶対反響凄いから!彼のセンスは彼だけに留めたい。割とマジにと告げられた代替案は・・・

 

「そうか・・・確かにそうだ。正直、これは常日頃から着たいと思える程の会心の出来だからな。俺がモニターになって皆にアピールするのもいいだろう」

 

何故か納得してしまった。そして心なしかウキウキげに、彼は工房を後にする。その表情は、笑顔とウキウキで輝いていた。

 

「完成を心待ちにしている。あなたの腕を信頼しているぞ、ダ・ヴィンチ」

 

「あ、あぁうん・・・任せておきたまえ・・・」

 

そして扉は閉められ、残された国旗みたいなデザインの制服予定の服に目を落とし想いを馳せる。そういえば・・・彼の私服、というか普段着。もっと言えばインナー・・・

 

「・・・上下カッコよく黒に決めているけれど、たしかインナーは・・・」

 

黒いジャケットの下に着込まれた・・・シマシマのインナー。お世辞にもカッコいいとは言えないインナー。カッコいいジャケットとズボンとバランスの取れたシマシマのインナー・・・

 

「・・・やはり、彼は彼にしかできない感性と才覚を持っている。そういうものをやはり人は、世界は・・・」

 

天才、という他無いのかもしれない──。あと仮面ライダーローグとか好きそう。ダ・ヴィンチちゃんは目の前に美麗なイラストで描かれたダサTを神妙な面持ちで見下ろすのであった──

 

 




ファッションショップ

デイビット「ほう・・・これは・・・ほう・・・」


シルヴィア(小一時間くらいダサTを漁ってるわね・・・)

ガストン(誰かにプレゼントでもするんだろう)

デイビット「・・・」

(試着室に入ったわ)

デイビット(ダサT)「・・・(キリッ)」

(着こなしてる!?)

(自分用なのか!?)

シバにゃん「3890QPでぇす♪」

デイビット「安いな・・・」

「ありがとうございました~♪」

シルヴィア(着ていったわ・・・エリザベートダサTを・・・)

ガストン(ファンなのか・・・?)

(いえ・・・きっとダサTそのものが好きなのよ。顔を書かれているところがダサTポイント高かったのよ・・・)

(・・・あれが・・・天才か・・・)


──誰も理解せず、誰にも理解されない・・・

ムニエル「コンちゃんTシャツ・・・どうだい?」

デイビット「貰おう」

割とそんな事はないのかもしれない。

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