ニャルくん【ニャブ~~~ッ!?】
承太郎「・・・・・・」
ニャルラトホテプ【流石のパワーと精密さだ。君のスタンド、何より君自身の組み合わせに正面から勝てるスタンド使いはいないだろうな】
承太郎「いや、まだまだだぜ。気色のわりーマスコット一匹黙らせられねーんだからな」
ニャルくん【今のは中々だったニャルよ!もっともっと、スタンドパワーを意識するニャル!】
ニャル【フフ、邪神を殴れるなんて幸せものだな。数多の探索者が私を殴らせろと思いながら果てていったのだから。時間は今、何秒止められるんだい?】
承太郎「・・・体感で、四秒か。後一、二秒は増やせるかもな。だが今は、んなことはどーでもいい」
【ん?】
「リッカはどうした。パーティーにはいなかったが・・・」
【鋭いじゃないか。今彼女は別世界のカルデアを助けに向かっているよ。救援というやつだ。奇しくも、クルセイダーズめいているね?】
承太郎「どれくらいかかる?合流できるのか?」
【まぁ、数時間はかかるだろう。相手はそれなりに強敵だからな】
承太郎「・・・」
~
リッカ『承太郎君は幸せものだね。口にしなくても、態度に出さなくても解ってくれる人達に恵まれて育ったんだもん!凄く凄く自慢していいよ!』
『でも、それが癖になって自分の事を知ってもらう努力を怠ってるのは悪い癖!私も手伝うから、ちょっとずつ直していこ?承太郎君は誠実でがんばり屋なんだからできるよ!絶対!』
『お母さんを助けるために、エジプトまで旅をした承太郎君の生き方・・・凄く尊敬してるんだ。私も承太郎君みたいに、優しくて大切な人のために命を懸けられる人でありたい!』
『出来るよ!承太郎君なら絶対出来る!スタンドだって勉強だっておんなじだよ、出来るって思えば出来る!お母さんを助けられた承太郎君なら!』
『期末と中間テスト一位!?凄いよ承太郎君!流石、ホリィさんの自慢の息子さんだね!おめでとう!このまま目指せ!海洋学者だねっ!』
~
承太郎「・・・・・・チッ。世話焼きの癖に、水くせー真似しやがって」
ニャル【・・・おや?何処に行くんだい?スタンドの特訓は終わりかな?】
承太郎「やかましい。──リッカに、世話になった分を返しにいくだけだ。このまま行けば、志望する大学は確定で入れるんでな。まだ一年だがよ」
ニャル【ふふ、そうか】
承太郎「うっとーしくねぇアマってのは、あんまりいねーからな。もしいなくなったら、母親とジジィが泣くだろうしよ」
ニャルくん【ツンデレがデレになったニャル!いい傾向ニャルよ~、娘さんはきちんと教育】
星の星金『オラァ!!!』
ニャルくん【ニャブ!?】
ニャル【・・・射程距離五メートル、それにに時間停止は四秒か。いいぞ、楽園に来たお陰で限界以上に成長していけるようだな】
承太郎「フン」
【もちろん、君自身もな。・・・どうだ?】
ニャルくん【アイテテ・・・スタープラチナとパワーと精密性。確かに『記録』しているニャルよ】
ニャル【それでいい・・・最強のスタンドの性能、利用しない手は無いからな。神にならざるとも、人をまま出来ることは大いにある──】
「あなたなら、そうするわよね。リッカ」
楽園のトップメンバーに報じられた、リッカがフレンド登録したカルデアを助けに行ったとの報。カルデアの所長たるオルガマリーにも当然知らされるが、彼女は全く動じる事なく、一日のスケジュールを調整しパーティーの時間を引き伸ばした。リッカが赴き、そして無事に帰ってくることを信じているが故の遅延。必要ならば、一日や二日スパンでパーティースケジュールのプランニングをも視野に入れ、ただ静かに親友の帰還を願う。
(なにも言わないわ。ただ、無事に帰ってきなさい。パーティーの主役が不在のまま終わるなんて、楽園の名が台無しになってしまうでしょう?)
パーティー会場をモニタリングすれば、素早く察してくれたのかイザナミが語りかけ、日本の歴史を説明して時間を稼いでくれている。リッカの勇名と活躍を見てきたキリシュタリアやカドックが率先して聞き及んでくれているため、問題なく皆がその講義を受け入れてくれている。時間にもよるが、ある程度の時間は稼げる筈だ。
(私も出し物や隠し芸を行うべきね。リッカが起きないと言う状況を不審がられないようにしないとね)
疲労で寝坊している、少しだけ待っていてほしい。・・・中々ありきたりだが、実際にリッカは寝ているし、そういう事をするであろう信頼と頑張りはよく認知されている。別段おかしいと思われる事は無い筈だ。イザナミ神に語らせきりも良くはない。今すぐ自分も・・・
『オルガマリー所長ッ!私です、立花響ですッ!クリスちゃんもいます!』
個室のコンソール、異世界モニターにハキハキとした声が、映像が示される。リッカの声と瓜二つなそれは、リッカの異世界の友達たる立花響であった。隣には、連れてこられたクリスも控えている。
「リッ、・・・立花さん、クリスちゃん・・・?」
『イザナミさんから話は聞きました!リッカちゃんがまた、皆のために頑張ってるって・・・!パーティーをこっそり抜け出してるんですよね?時間稼ぎの盛り上げを任せてもらえませんか!』
オルガマリーは思考速度を上げ把握する。イザナミが神通力にて救援を招き、その信号をキャッチしたのが日本人たる二人なのであろう。何度もカルデアに来た事から、縁を辿られたに違いない。
『苦労するよな、お互いバカな向こう見ずが近くにいると。まあ知らない仲じゃねぇ、アタシ達を頼ったってんなら応えてやりたいのがホントだしな』
『クリスちゃんもこう言ってくれました!リッカちゃんの気持ち、凄く良く解ります。直接的な手助けが出来ないなら、せめて・・・リッカちゃんの思い出を作るお手伝いをさせてもらえませんか!』
「二人とも・・・」
リッカの為に、自身らに出来ることをして助けたい。友達とリッカを認めている事実、世界を飛び越えた絆を尊重してもらえる喜びが身を打つ中、頷きゲートを開くオルガマリー。
「是非、お願いするわ。イザナミさんが話す合間の隠し芸大会のゲストとして話しておく、すぐにパーティー会場に合流して。風鳴司令には説明しておくわ、よろしくね!」
『了解!行こう、クリスちゃん!』
『そんな気負うなって。歓待歓迎雨あられの大盤振る舞いを見せてやるからなッ!』
通信の心強い声は、まだ終わらなかった。絶えず通信が繋がる。時空監理局の職員コードが示されたそれに、三人が映っている。
『オルガマリーちゃん、私達も何かやってみせるよ。えっと・・・ゲーム実況とか!』
「なのはさん・・・!」
『どうして私には聞こえなかったんですか・・・どうして・・・?浪人したから・・・?あ、作詞できそうかも。浪人の悲哀を今・・・』
『多分日本人限定ってだけや、気にする事あらへんって!やめときそんなん作るの!・・・うちらももう大人や、そろそろ無茶ばかりする子らのフォローも板につけんといけんもんね。オルガマリーちゃん、背負い込まんで大丈夫やさかい!しっかり支えてあげよな!リッカちゃんの事!』
立場ある人間としての思慮の言葉に、オルガマリーは頼もしさと感謝に自然と頭を下げていた。頼れる大人には、依存ではなく信頼を以て頼るべきなのだから。
「ありがとうございます、ご迷惑をお掛けしますが・・・よろしくお願いいたします!」
『いいのいいの、リッカちゃんも私の大事な生徒みたいなものだから、ね?フェイトちゃんはやてちゃん、前々からストレステストとして有名なゲームを実況してみない?最速プレイとかきっと盛り上がるよ!』
『いい大人が集まってゲーム配信かぁ・・・ビールとつまみがあったら完全にくたびれたOLやないか・・・あぁ、しっかりやるから心配せんといてな!ほな!』
『私は悲しい・・・。あれ?オルガマリーちゃん、こんな英霊の方そちらにいらっしゃったような──』
賑やかに切れる通信。何らかの形で助けになってあげたくなるような信頼と関係を積み上げてきた因果が正しい応報をもたらす。縁の在り方と数奇さを実感している中、オルガマリーの扉がノックされる。
「所長。俺だ。空条だ。リッカは今いねーんだな?」
「空じょ・・・え、えぇ。今、特別任務中よ。三時間くらいかかると予測はしていますが・・・」
「そうか。・・・あいつがいねー間、リッカが怪しまれないように新しく来た奴等の気を引く事をやって時間を稼ぐ事にする。文句はねーよな」
衝撃の提案だった。承太郎は孤高にして物静か。英霊のメンバーすらも話し掛けるのを躊躇う程に威厳に満ちた高校生だ。リッカが受験勉強やコミュニケーションの協力を行っていたのは知ってはいたが。真っ先にこのような集まりは鬱陶しいと切り捨てるものとばかり・・・
「何を黙りこくってる?・・・いや、無理もねーか。俺がどう思われてるかきっちり教え込まれたからな」
だが、彼・・・承太郎もまた、リッカという同年代の友人を得た事により変化を起こした者である事。それが彼の口から告げられる。
「俺はどうやら、周りに自分の事は理解されていると思い込む癖があるんだと言われてな。そこんところを治すよう、リッカと約束していてな。勉強やなんやらも見てもらってる。・・・世話になった礼は返さないといけねーからな」
「承太郎くん・・・」
「このままじゃいけねぇ、一緒に変わるために頑張ろう。・・・人生で初めて、うっとーしくないアマに会ったんでな。俺はコケにされたら根に持つが、受けた恩は忘れねーと決めてるんでな」
世話になった礼と恩は、返さなきゃいけねぇ。それだけを告げ、承太郎は歩き去っていく。リッカは暇さえあれば、承太郎のコミュニケーション能力の改善と勉強の監修、協力を行っていた。その話術で、承太郎にきっちり伝わる対話にて彼の改善すべき点を告げていたのだろう。彼は見た目と立ち振舞いとは裏腹に、とても誠実で義理堅い。見た目や言動に惑わされず、身と未来を案じてくれたリッカに確かな恩義を感じていていたであろう事は、その行動から読み取るに十分だった。
「オルガマリー君。我が魔王も助力を申し出ている。有り難く恩恵に預かるべきだと私は思うよ」
承太郎の義理堅さに感動する間もなく、ウォズの報告に仰天する。まさかの人物からの申し出だった。まさかすぎる提案に、困惑しているのは何よりウォズ本人である声音であった。
(・・・こうして、助けに来てくれる人達がいる。私達の旅路は、決して粗雑なものではなかった。改めて実感できる事が・・・嬉しいわね)
最高にして最善の魔王の申し出に仰天しながらも、それでも申し出に感謝し了承を返す。
「解りました!私も参加しますので一緒に頑張りましょう!」
自分達の紡いだ縁を大事にしてもらえることに喜びを感じ、オルガマリーもまた友の為に奔走するのだった──
リッカ「み、皆!とにかく御待たせ!いやー、実は爆睡しちゃっててさーあはははは!」
ペペロンチーノ「話は聞いていたわよリッカちゃん!私はスカンジナビア・ペペロンチーノ。同じ女子組として仲良くしてネ♪」
オフェリア「オフェリア・ファムルソローネ。・・・まずはお礼を。マシュを善い方向に変えてくれて、ありがとう」
デイビッド「デイビッドだ。美容師になる予定なので、店を開けたら遊びに来てくれ」
リッカ「諸先輩方・・・!はい!こちらこそ、よろしくお願いいたします!」
イザナミ(あなや、無事に帰ってきてくれました!良かった・・・!)
カドック(大方、戦闘記録は提出されてるんだろう。何があったのか、どんな大立回りをしたのか。皆に見せてやろうじゃないか、リッカ)
オルガマリー「──それでは、リッカも目覚めたのでパーティーの続きを・・・」
キリシュタリア「──いいやまだだ、オルガマリー。私は、私の鉄板のネタを見せていないからね!今こそ見せよう、誰もが驚愕するとっておきのネタを!」
一同が集まることを見越し、辛抱溜まらぬとばかりにキリシュタリアが詠唱を始める。──オルガマリーを初めとした魔術師が驚愕する詠唱を。
「
オルガマリー「な──!?」
オルガマリーが目を飛び出させんばかりに見開く。キリシュタリアの詠唱するそれ、それこそは彼にしか扱えない──神代よりも古き、アニムスフィア家の司る天体科、その元となった占星術。話に聞き及んでいた宇宙に魔力が満ちていた時代の『理想魔術』。
魔術はかつて宇宙より力を授かりしもの。その中での宇宙の運営法則・・・惑星直列の際の惑星を魔術回路とする魔術。
カドック(時計塔では机上の空論と相手にされなかったキリシュタリアの魔術・・・!?まさか今、やれるのか!?やれるようになったのか・・・!?)
あまりの設定環境の難易度に行使は不可能とされた魔術を、高らかに謳うキリシュタリア。
リッカ「か、カッコいい詠唱が始まったよ・・・!?」
マシュ「キリシュタリアさん、それは・・・!?」
キリシュタリア「ふふっ、──
オルガマリー「待ちなさいキリシュタリア!こんな場所で『惑星轟』なんて──!!」
カドック「何を考えてるんだ、キリシュタリア──!!」
慌てて、いや錯乱一歩手前まで動揺した二人が止める──必要はどこにも無かった。
キリシュタリア「───」
キリシュタリアは、ニヤリと笑い・・・高らかに、楽園にて宣言する。ずっとずっと披露してみたかったネタを──
キリシュタリア「───しかし!NPが足りない────!!!!」
魔術師の秘匿のルールすら無視した掟破りの一発芸にカドックとオルガマリーは盛大にずっこけ、ロマンを初めとした職員達は大ウケでありましたとさ──
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コンラ
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シモ・ヘイヘ
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ロジェロ
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