人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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ノウム・カルデア

リッカ「良かった!無事来れた!」

シオン「良かったぁー!!気持ち的には九回裏逆転満塁ホームラン打てた気分ですよこれは!最悪の危機に最高の援軍!やっぱり世の中プラスマイナスゼロに出来てるんですね!ぶっちゃけ無関係だしと見捨てられていたら詰みでしたが、心も裕福な本当の大富豪で本当に良かった!」

藤丸「リッカちゃん!リッカちゃんなんだね!?ありがとう!ごめん・・・また頼っちゃって・・・」

リッカ「いーのいーの!私が好きでやってることだから!」

マシュ「あ、あの。立香さんからお話は伺っています。マシュ・キリエライトと申します。この度は、先輩に力を貸してくださり本当にありがとうございました。先輩を、見捨てないでくださり・・・心から、感謝しています・・・!」

リッカ(なすびとは・・・比べ物にならない新妻ヒロインオーラ・・・だとぅ・・・!?)

カーマ「事情は把握しています。日本の一角に特異点反応が生まれ、無様にも壊滅的被害を受けたんですよね?情けない話ですが、紡がれた縁を見捨てるほど楽園の皆様は薄情ではないのです。何せ、真実の愛を有する組織!です!から!(ムフフー)」

シオン(なんですかこの可愛い神霊)

グドーシ「拙者らの特技は人類救済、ぶっちゃけ銀河系は軽く掌の中のもの。ですので恩とは思わずに気軽に頼っていただきたいでござる。頑張るものは、報われるべきなのですから」

藤丸「・・・聖人・・・?」

「ホムンクルスのグドーシにござる。クラスはセイヴァー、お見知りおきを」

マシュ「セイ・・・ヴァー・・・!?」

はくのん『そしてお久しぶり、ザビエルです。私がいないカルデア全員分働くので、マシュは藤丸君についてっていいよ』

マシュ「ザビエル!?あなたはもしやフランシスコ=ザビエルの疑似サーヴァント・・・なのですか!?」

『特に関係は無いです』

「無いんですね!?で、でしたらグドーシさんも、救世主とかに関係は特に・・・?」

グドーシ「ただ、一人の少女の手を取っただけにござる。あまり畏まる必要はありませぬよ」

カーマ「(謙虚過ぎて素敵です・・・)挨拶はこのくらいに。最早風前の灯なカルデア、私達の手で──」

?「ふふっ、うふふふふ・・・。真なる愛の女神様?お久しぶりにございます。それでは、藤丸様のサーヴァントにもう一人加えていただければと」

カーマ「は?──は?」

キアラ「それで、日本ですか?いつ出発します?私も同行致しましょう」

藤丸「殺生院──」
マシュ「キアラさんっ!無事だったのですね!?」

カーマ(忘れてましたなんで生きてるんですかなんで無事なんですかーーー!!)

ゴロゴロゴロゴロ

グドーシ「なんと、苦悶ローラー」

ザビエル『リッカ、仕留めよう』

リッカ(殺意が高過ぎない!?)

藤丸「皆、紹介するよ!この方はキアラさん!ビーストに似ているけど別人さ!人理修復できたのは全て──キアラさんがいてくれたからなんだ!」

ザビエル『何 を 挟 ん だ』

グドーシ「カーマ殿(スッ)」

カーマ「うぇえぇん・・・グドーシさん、こんなのって無いですぅ・・・(すがり付いて泣く)」

リッカ「ヌッ──(尊死)」

シオン「と、とりあえずわかっているならいいです!いきますよレイシフト!時代は17世紀の日本!同窓会はまずはあちらでお願いいたしまーす!?」

カーマ「グドーシさんの晴れ舞台にこんなアバズレがいるだなんて!こんなのって無いですぅーー!!(ヒーン)」

ザビエル『オープニングで泣き顔を晒した女神がいるらしい』

リッカ(実は藤丸君と同じマスターだったんだが、胸にとうとみを受けてしまってな・・・)

なんやかんやで17世紀の日本にレイシフトした。





信じて送り出したカルデア新所長が・・・

(むっっっっすぅ~・・・)

 

「あらあら、そんなに顔を膨らませて・・・真の愛に目覚めた女神様の行う表情では無いのでは無くて?」

 

「ほっといてくれます?なんでよりにもよって残っていたサーヴァントがあなたなんですか?ゴキブリ並にしぶとい生き汚さ、流石という他ありませんけれど。私とグドーシさんとリッカさんで充分なんで今すぐダンジョンの便器にでもなってくれません?」

 

「まぁ、そのようにご無体な言葉を。私、胸が張り裂けそうにございます。これから私と同じ末路を辿るであろうあなたの側面の無様さの憐れみにて・・・ふふふ」

 

「リッカさん、グドーシさん。気をつけてくださいね。この人禁欲プレイしているだけで本性まるきり変わってませんから!何かあったらすぐに後ろから撃ち殺します!愛の女神として!」

 

「止めてくれぇ!?今は数少ない戦力なんだから!?」

 

無事にレイシフトを完遂し、元凶よりよっぽど不倶戴天な存在と火花を散らし合うカーマとキアラ。カーマからしてみればリッカとグドーシが一緒に特異点を攻略するという50フォウは硬いプレシャスシチュエーションにシュールストレミングを放り込まれたもので到底納得出来るものではなく。よりによって最悪と最高の共存という特異点攻略をすることになり心中穏やかでは無かった、が・・・

 

「まぁまぁ、カーマ殿。今は火急の時。解り合えずとも停戦し、共に参りましょうぞ。見たところ彼女は己に誠実に禁欲している御様子。藤丸殿のサーヴァントを名乗る彼女に信をおいてはみませぬか」

 

「・・・グドーシさんが、そう言うのなら」

 

「キアラ殿も。此処で発散しては今までの溜め込んだものが半端になってしまいましょうぞ。此処は先にある者の行き着く果てを期待し、自制を続けていただければ」

 

「えぇ、勿論。リッカ様に、他ならぬあなたがそう思し召しというのなら」

 

グドーシが穏やかに仲裁し、魔王と自制の快楽天をやんわりと引き離す。彼の浮かべるアルカイク・スマイルと穏やかな雰囲気は、あらゆる軋轢を穏やかに癒す気風を感じさせた。

 

(凄いな、リッカちゃん。彼はリッカちゃんのサーヴァントなのか?)

 

(サーヴァントっていうか、人生の先輩で大恩人!私を造ってくれた人なんだよ!)

 

「クラス・セイヴァー・・・これもまた、その力の一端なのですね!?立香さん共々、心から参考にさせていただきます!」

 

大袈裟でござるよ、と笑みを崩さず、リッカの持つタブレットにグドーシは情報を示す。彼等が辿り着いた場所、そこは──江戸城内部、中庭部分である事を示していた。

 

「徳川氏が隆盛を極めた江戸城ならば、番兵や警護が山とある筈というに。どうやらマー・・・黒幕殿は徹底的に拘り抜いた様ですな。兵すら材料として」

 

「あぁ・・・楽しみにしておりましたのに。さすまた・・・」

 

「そうですねー。そのまま粒子と共に天に還ってくれたらやりやすかったんですけどねー。職務怠慢堕落になまけ。本当に嫌ですよねー」

 

徳川の存在以外を容認する大奥。江戸城の静けさを不気味に感じた一同ではあったものの、それでも躊躇っている暇は無い。

 

『リッカ、聞こえますかテステス。はくのんです』

 

(聞こえるよ!マーラの反応ある?)

 

『オフコース。部員の皆が色々用意してくれたから、それを使ってマッピングする。とにもかくにも此処はマーラのダンジョンに・・・』

 

そう、脚を踏み入れる決意を固めた瞬間。聞きなれた、そして状況だけ見れば戦犯な声が一同を歓待する。

 

『うわっはっはっは!うわーっはっはっは!!小さい小さい!実に下々の民らしい鶏肉ムーブよ!まさにウ滑稽!!』

 

「は?(ビキィ)」

 

「カーマ殿、顔が幼女にあるまじきものに」

 

「ご、ゴルドルフ新所長!?あの、お気を確かに!?」

 

着物に召し抱え、まさに将軍といった装いで通信を飛ばしていらっしゃった我等のゴルドルフおじさん。その恰幅のよさ、間違いなく癒しヒロインのオーラを漂わせている。

 

(着せ替えスキン実装ってヒロインの特権だよねぇ)

 

『ゴルドルフ氏のヒロイン力は53万』

 

「成る程、マーラ殿は彼を基点にノウム・カルデアの全てを奪還なされたと言うわけにござりまするか」

 

「ごめんなさい新所長!オレとマシュがあなたが毎週こっそり開催しているハムパーティーに参加していたらこんな事には・・・ッ!」

 

『ヌゥ!?そこの人畜無害な男!なぜ私の趣味を知っている!?それよりも、下々から物申すなど無礼千万!ひかえおろう!』

 

「し、新所長・・・?」

 

困惑し、顔を見合わせる藤丸とマシュ。状況を把握しきれていないノウム・カルデア陣営は困惑を隠せぬが、ゴルドルフなる存在は更なる驚きを叩き付けてきた。

 

『私はお前たちなど知らん!一応言っておいてやるが、この私は本来貴様らなどお目通りにすら叶わぬ身分の武士なのだぞ!よく弁え、そしてよく敬っていただきたい!』

 

「成る程、それは大奥や江戸城の覇者・・・即ち徳川の将軍なる位と見受けてよろしいか?」

 

『そうそう!私は徳川!征夷大将軍、徳川ゴルドルフである!』

 

「「ゴルドルフ新所長が壊れたーー!?」」

『すみません新所長・・・器に見合わぬ立場のストレスで頭が・・・』

 

グドーシがさらりと真実に導かせ口を滑らせた徳川ゴルドルフおじさん。その変わりようにノウム・カルデア組は衝撃を隠せず抱き合ってしまう。リッカとはくのん、カーマはマーラの手練手管に舌を巻いていた。

 

(あの人、やっぱり副所長くらいが分相応なんですね)

 

『NTR完堕ち徳川ルート一枚立ち絵完備とは・・・たまげたなぁ・・・』

 

(やっぱりヒロインじゃん!!)

 

『ゴッフフン。あまりの驚きに声も出んか。さもあらん。将軍と言葉を交わせる誉れなど一般人には慮外の極みであろう。だが、無礼を笑って流し客はもてなすが徳川の習い・・・現世の楽園、『大奥』の主としての作法よ!』

 

「楽園?(ビキィ)」

 

「カーマ殿、お顔が憤怒の幼女に」

 

『本来は将軍だけの場所であるが、今の大奥はふさわしき客に扉を開く。実際に楽園があるのだから、行くか行かぬか迷うは愚か!準備などいらん、手ぶらで来るがいい!大奥には全ての幸福がある!楽しいぞぅ!ムーッハッハッハァーッ!』

 

言うだけ言い、ウィンドウが切られる。その華麗極まる敵の手へのおちっぷりに、そんな洗脳、快楽堕ちといったものにまるで縁の無いストロングドラゴンのリッカはゴルドルフのヒロイン適性の高さに勝手に打ちのめされていたがそれは内緒な話。どうやらノウム・カルデア組も理解に至った様だ。

 

『・・・やられた。彼が最初の楔だったわけです。彼を陥落し、カルデアのセキュリティをオフにさせ、そして片っ端から逆召喚を行った。機材をまとめて敵対会社からぶんどる様に・・・』

 

「皆様が戦うべき敵とは、氾濫し溢れ出る激流がごとき敵。全ての鍵は大奥にありましょう。恐らく、大奥の最深部に全ての元凶が待ち受けておられる筈。躊躇う暇は、最早赦されてはおりませぬ」

 

「グドーシ様の仰有る通り。救う為、今は快楽神経を走る電流が如くに迅速な活動を行うべきかと思われますが・・・如何でしょうか?」

 

キアラが促す。シオンとしては、キャンプや陣地を構築しどっしり構えるべきとの意見はあるが・・・少なくとも、戦力という面では全く不足は見られないと判断している。

 

「例え、もっとなんとかならないんですか・・・。まぁそこの禁欲女はともかく。私とグドーシさん、何よりリッカさんがフレンドサーヴァントにいるんです。これで不足とか・・・言いませんよね?」

 

「──其処に、マシュも加えてほしいな。・・・行こう!皆で大奥の一番深いところにいる新所長を助けて、黒幕を倒して!皆を取り返す!いいかい、リッカちゃん!マシュ!」

 

「はい!立香さんの盾として、何処までも!」

 

「愛と悟りを胸に生きる私達は!負ける気がしないっ!!」

 

『決定。一万三千人のサポートを私が束ねる』

 

『──解りました!じゃあ善は急げ!突入しちゃいましょう!』

 

「「「「おーっ!!!」」」」

 

(マーラ殿。どうぞ慢心や油断も程々に。力を合わせ、心を重ねた人の強さは・・・神や魔王すら越えるのですから)

 

打倒ではなく、慈悲を示すグドーシの笑顔が見守る中、意気軒昂な少年少女達の鬨が江戸城の空へと溶けていった──




カーマ(ぶっちゃけ、リッカさんとグドーシさんの安全な帰還とマーラの抹殺が出来ればノウム・カルデアなんてどうでもいいんですが、目の前で死なれて二人が曇ってしまうなんて絶対に赦しません。笑顔と未来の為、全力でカルデア組も助けてあげないと)

キアラ「うっふふふふ・・・見ない内に随分と輝くようになられたのですね、あなたは。羨ましい限りにございます」

カーマ「でしょう?今の私はビーザワンを歌って100点出せるくらいな愛の女神なのです。あなたの出番、きっと無いですよ?カルデアに戻って机の角にでも擦り付けていればいいんじゃないですか?」

キアラ「まぁ・・・それではあちらにいる方ともきっと仲良く出来る筈ですね?」

カーマ「は?あちら・・・?」

藤丸「『パールヴァティー』!『パールヴァティー』じゃないですか!」

マシュ「良かった!無事だったのですね!」

カーマ「ブーーーーーーーッ!!!!!!」

パールヴァティー「カーマ!カーマなのですね!?嬉しい・・・まさか、私達をあなたが助けにきてくれるだなんて!これはシヴァにもきちんと伝えなきゃ!未来にて私達は解り合えたと!」

カーマ「あああああぁあぁあぁあぁもういやですぅううぅうぅうぅう!!!(ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ)」

ザビエル『もうオープニングだけでギル達へのお土産は充分感ある』

リッカ「いかんこのままじゃカーマの胃が死ぬゥ!!」

グドーシ「よしよし・・・カーマ殿、辛くない辛くない・・・拙者もリッカ殿も一緒にござるよ」

カーマ(ヒーン)

藤丸(可愛いなぁ・・・)

マシュ「立香さん。私もあれくらい感情豊かの方が・・・いい、ですか?」

立香「ううん。マシュのありのままが、オレにとっての最高のマシュだよ!」

マシュ「立香さん・・・!」

リッカ「あああああぁあぁあぁあぁあああああぁあぁあぁあぁあああああぁあぁあぁあぁ!!(尊死)」

ザビエル『ボーイミーツガールいいゾーこれ。あーもうメチャクチャだよ』

シオン『大丈夫・・・ですよね・・・?不安になってきました・・・』

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