ニャル【全世界の人間が聖杯を手にした世界・・・】
シオン「なんですかその異常事態。神秘とかどうなってるんですか?」
【いや、別に成り立ちや魔術の秘匿とかはどうでもいいんだ。問題は聖杯が全人類に配布されているという事実にある】
「・・・確かニャルさん、楽園全員分の聖杯を集めるつもりって」
【────】
シオン「ッ──」
・・・それは、余りにも理想的な世界を観測した結果か。楽園の最大級の献身が叶う事への喜びへか。ニャルの顔に、紅蓮に燃える三つの焔の眼と、耳まで裂けた口が現れていた。余りにも恐ろしい異形の笑みを目の当たりにしたシオンの総身が粟立つ。
【ベリルいじめと平行して、やるべき事が出来たようだ。さて・・・どうやって回収してくれようか・・・】
「あ、あの~・・・顔怖いですよ・・・?」
ニャル【え?しまっ──アウチ!?】
ナイア「邪神反応が検知されました・・・って、お父さんですか。珍しいですね、いいことがありましたか?」
【あいたたた・・・抑制ありがとう。シオンも驚かせてごめんよ。・・・しかし・・・願えば叶うものだなぁ・・・クク、クククククク・・・】
ナイア(珍しい・・・また弄り甲斐のある世界を見つけたんでしょうか)
【ねぇ二人とも、秋葉原とか興味ない?】
「「秋葉原・・・?」」
「やぁギル!派手に爆死したんだって?慰めにと麻婆豆腐を美味しくさせてもらいに来たよ!大丈夫かい?」
「弾んだ声音で人の傷を抉りに来るで無いわ!心配など要らん、我はいつまでも悩み苦しみなどせんのだ!御機嫌王の胆力を見くびるな!」
爆死の結果にてつい先刻ほど「味がせんな・・・」と虚無の顔で麻婆豆腐を食べていた御機嫌王ことゴージャスであったが、エアとマリーの懸命な看護とケアにていつもの王へと戻ったギルガメッシュ。その装いは勿論、皆大好き改築王である。
「えー。見たかったのになぁ、ギルのいつもしない顔。でもうん、君はそうやって笑っているのが一番だよね・・・って、なんだいフォウ、その逆立ちヘアーは?」
(コイツが凹んでいたんで、しょうがないからエアと一緒にブラッシングしていいよと言ったらこの怒髪天さ。特殊個体とかじゃないよ大丈夫)
──ごめんねフォウ!ノリノリのギルを・・・どうしても止められなくて・・・
(いいんだエア。その瞬間キミがボクにしてくれる事、それがボクの一番の望みなんだからね。どうだいキミがセットしてくれたライオン風味は!雄々しいだろう!)
「うむ、我等のブラッシングは大したものよ。楽園のマスコットとして十二分な威厳と風格だ。フッ──この雄々しきマスコットに掛け、いつまでもへこたれてはいられんと言うことよ!」
そう。時は待たない。平等に時間は過ぎていく。へこたれていても笑顔でも時間が過ぎて行くならば、豪快な愉悦で失敗を楽しむのがゴージャス流だ。楽園の更なる発展と拡張──改築の時間である。
──エル!どうかフォウを御願いします!抜け毛に気を付けて、ゆっくり解していただければ・・・!
「お任せだよ、エア。ギルがごめんね、じゃ、ゆっくり元に戻していくからね」
(これはこれでカッコいいんじゃないかと思い始めてきたんだ、エル。なんかポケモンにいそうじゃないかな)
「ん~、でもツンツンし過ぎてエアに抱き上げて貰えなくなっちゃうかも」
(時代はサラサラヘアーだ!!!!)
《それでは参るか、エア!沈んだ気概、跳躍の助動作としてくれる!!》
──はい!改築王・・・出立です!!
最高の友達を預け、王と姫は楽園へと飛び出す。──楽園の繁栄は、決して困難や理不尽に挫けぬ王がいればこそ成り立つのだ──
~
森長可 森君風流文化殿
森「茶に俳句、茶室に茶器の一式に庭に書斎!至れり尽くせりじゃねーか!ありがとよ御大尽様、こいつは退屈しねーなぁ!!」
──人は決して見かけによりませんが、驚きです・・・!文化系サーヴァントの皆様にも引けを取らない風流ぶりではないでしょうか・・・!
《こうした強烈な二面性こそ日本人の醍醐味と読めてきたぞ。こやつ、遺言状に結婚するならば医者といった安定した地位の者にせよとしたためる程の理性を備えている。茶や句の腕前からも解るように、人の内面は推し量れぬものよな》
「今度リッ殿様ら招いて茶ぁするか!一人じゃ広すぎるもんな!よっし御大尽様よ、礼を受け取ってくれや!あのバケツ鎧、いらねーからやるよ!」
──ありがとうございま・・・これ、周囲の魔力を吸い上げるタイプの鎧なんですね・・・!
《効能はともかく、風情に欠ける造形よな。保管場所は任せるぞ、エア》
──はい!・・・魔除けに使えるかも?
~ 柴田勝家 茶々と相部屋
柴田「感謝しますぞ、御機嫌王!まさかこうしてお茶々と共に過ごせる日が来ようとは!老後の夢が叶ってしもうた!」
茶々「ま、まぁ是非もなしよね!私達家族だから!で、でもプライバシーは確保してほしいというか、なんというか」
「それではお茶々!お前のお菓子や食事が身体の毒にならぬようしっかり観察させてもらう。過度な贅沢はこの柴田が制限させていただくゆえ!」
「ゲェー!?かかれ柴田ってそういう意味じゃないと思うんですけどー!?」
「ふはは、思わぬ場所にて御守りが出来て良かったではないか!存分に水入らずで楽しむがよい!」
「楽園で節制とか解釈違いなんですけど!?おのれ徳川滅ぶべし!茶々が辛いことに遭うのは徳川が茶々を妬んでいるからに違いないし!」
──憎悪に満ちた濡れ衣が徳川家の皆様を襲う・・・!
《まぁ、こやつに限れば今の愉快な立ち位置が最も安全な落とし処であろうよ。こやつの焔、僅かでも穏やかに揺らめくならば、それが誰にとっても最良だろうさ》
「さぁ、まずはシミュレーションで散歩から始めるとしよう!かかれぇい!わはははははは!!」
「いやー!かけるなら美味しいふりかけの方がいいー!茶ー々ーだーらーけーるー!!」
──どうぞ、いつまでも仲睦まじくありますように!
長尾景虎 景虎専用酒宴会場+古今東西酒保管倉庫
景虎「古今東西、最新最古の御酒が私のものに・・・!?ありがとうございます!!これは毘沙門天ポイントカンスト案件!戦が無い間はずーっと御酒の飲み比べができちゃうとか最高ですねぇ~♪」
「解っているとは思うが、くれぐれもリッカとマシュには飲ませるなよ。どうしてもというならノンアルコールビールを用意した故、それを振る舞え」
──うゅ・・・大丈夫れす。いつまれも御酒を苦手なんていっれられまへんとも!
《エアよ、お前が今思うほどに現状は大丈夫では無いのだ・・・これが酒気運転の絶えぬ理由、アルコールの魔よな・・・》
「勿論理解しております。逆に楽しみですよ。リッカちゃんが成長し、いつか御酒を酌み交わすその日を迎える事を胸に、この長尾景虎!誠心誠意武を振るうと致しましょう!毘沙門天は此処にあり!!おや、この冷蔵庫はどの様な用途で?」
「ビールやストロングゼロといった酒を貯蔵してある。刺激が刹那的かつ、豪快な喉越しが気に入るであろうよ」
「ほぉーう?御機嫌王にそこまで言わせるとは中々の逸品な様ですね?それでは早速検問を。あ、ご一緒にどうです?」
「済まぬが、まだ仕事が残っているのでな。気持ちだけを受け取っておこう」
「残念、かつ真面目なんですねぇ。それでは遠慮無く!」
ゴクッ
「───!!!!」
「・・・どうだ?」
「・・・すみません、厠に行ってきます。この衝撃をウォシュレットで整理したいので」
──ウォシュレット?そういえば彼女の死因は確かといれらったような・・・
ピッ
バン!!!!
「!?」
・・・スゥ
「待て!?逸話を再現し再び死すとは何を考えている!?」
──救助!救助れす!
~この後、景虎は無事に救出されたものの、ウォシュレット中毒疑惑がかけられ、飲酒後のウォシュレットの使用が禁止されたという。
「・・・やはり酒は恐ろしきものよな・・・よもや目の前で自滅に走るとは予想外であったわ・・・」
──やっぱり皆で楽しく飲んで、悪酔いしない事が一番れふね!皆様、決して飲酒運転はしてはいけまひぇんよ!
「よし、解った。少し休息を取るぞエア!弱点があった方が可愛げがあるとは言え、あまりに即効性に満ちた弱点よな・・・!」
英雄姫に御酒はとても効果抜群。王の背中でスヤスヤと眠るエアはそれはそれは幸せそうでありましたとさ。ギルもまた、姫のあまり見せない緩みきった無防備な一面を労働の報酬として──
イニス ギリシャ風マイルーム
イニス「マスター専用の御部屋を見繕ってくださったのですね。その心遣いに、感謝致します」
ギル「オルガマリーが言うには、もうすぐ赴く様だ。その時に存分に再会し、語り合うがいい」
「はい。ラボにも顔を出し、診察を受けたのですが・・・どうやら私の損耗は霊核にも届いているようで、治すためには霊核に強烈なダメージが与えられないとならない様です」
「ほう?つまり敗北を目前として漸く己を取り戻すと言うわけか。ならば、今の自分を好ましく思う努力をしておけ。その様な日は訪れぬであろうからな!」
イニス「ふふっ。私も、涙の別離が訪れない事を切に願っております。──そう」
(私をサーヴァントとして、パートナーとして認めてくださった・・・あの人に誓って──)
どのキャラのイラストを見たい?
-
コンラ
-
桃太郎(髀)
-
温羅(異聞帯)
-
坂上田村麻呂
-
オーディン
-
アマノザコ
-
ビリィ・ヘリント
-
ルゥ・アンセス
-
アイリーン・アドラー
-
崇徳上皇(和御魂)
-
平将門公
-
シモ・ヘイヘ
-
ロジェロ
-
パパポポ
-
リリス(汎人類史)