人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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ニャル子「だぁあぁあぁあぁ!!!」

ハスター「ど、どうしたの?」

「私の!私の個人情報が貼り付けられて架空請求!イタ電!色々その他諸々の被害がぁあ!?」

真尋「またなんでそんな事に・・・」

ニャル子「こいつですよこいつ!!邪神アカウントなんてエミュってるなりきりイタげな精神異常者が私の姿を使ってインスタでバズりまくってるんですよー!」

真尋「文字化けして名前が読めないんだが・・・荒らしに構うなよ、放っておけばいいだろ・・・」

ニャル子「それはダメです!匿名なら何をしてもいいという風潮、天が赦しても私が許しません!」

「お、おい!なにする気だ!?」

「勿論!!ブチ転がしに行くんですよ!私のパチモノ断じて許すまじ!召喚なんてスカした事を後悔させてやりますぁ!!」

くー子「いってらっしゃい」

「待てニャル子!早まるな!もしかしたらこれって正真正銘お前なんじゃ──!」


リクエスト・フィニッシュ召喚!

【さて、もっともっと執り行いたい所だが、これ以上は改築の際に大変だろう。ここらで一区切りとしておくか】

 

前回とは違い、静粛に完全にコントロールされ暴走の危険は無かった召喚。やはり制御されたパフォーマンスこそが最良である事を示すのだと、その手で実証できた事に彼は満足げであった。

 

【ちなみに今回叶えられなかったリクエストは元ネタを把握して紹介されると思うので御心配なく。気長に、楽しみに待っていてくれ】

 

「誰に向かって話しているのだねキミ・・・」

 

【勿論、愛読者の皆様さ】

 

邪神の戯れは一先ず此処まで。催しと祝いの席は始まったばかりなのだ。独占は良くない。本来ならあり得ない自粛を行い、召喚の招集を打ち切る。

 

「じゃあ三人くらいかな?誰が来るのか楽しみ~!まぁ誰が来ても絶対楽しいだろうけどね!」

 

【私も実にそう思う。言語を理解する文明レベルなら割と何処でもいいがね。会話さえできればどうとでもなるしな】

 

そんな軽快な会話を行い、召喚サークルが起動する。いよいよ大詰めとなった此度の召喚の儀。執り行われし来訪の栄に預かりし存在は如何なる者か。──答えは、即座にやってきた。

 

「──月閃学園所属、善忍・・・雪泉と申します。この度は、自主訓練に最適な場所を提供するとの懸賞に応募し、当選の運びとなりやって参りました。カルデアの皆様、どうぞよろしくお願い致します」

 

礼儀正しく挨拶を行う、雪のごとき白き肌に青き瞳。冷利にして優雅な所作が目を引く忍、正義を信じ鎮魂の夢に沈みし少女、雪泉がカルデアにやってくる運びとなった。

 

(痩せる!強くなる!リーダーシップが伸びる!肩凝り解消マッサージあり!なーんて私が適当に書いた懸賞に応募したのか・・・純真過ぎる委員長タイプで実に御しやすい)

 

「雪泉さんだー!閃乱カグラ人気投票の絶対的覇者!いつもその白い雪見だいふくめいた姿には敬服重点!ジッサイカレン!」

 

「私を御存知だなんて、光栄です。未だ修行中の身ですが・・・藤丸、龍華さん」

 

「は、はい?藤丸リッカです!」

 

「あなたは魅力的・・・つまり可愛さを求めて日々修行していると聞きました。私は、きっとあなたの力になれる筈。いえ、なれます(ずいっ)」

 

「お、ぉおう・・・?」

 

「連絡先を交換させていただいても?・・・はい、ありがとうございます。詳しい話はまた個人的に。期待していてくださいね。絶対、大丈夫ですから」

 

にっこりと微笑み、マシュに連れられ見学に向かう雪泉。美少女に迫られ、胸の特大雪見だいふくに大胸筋(比喩)が完敗したリッカは、静かに目を閉じ呟いた。

 

「おっ・・・・・・──閃乱・・・──」

 

(特殊仕様・・・!?)

 

【歳も近いから話が合いそうだな。変わり身の術や忍転身でも教えてもらうといい。さてさて、次は誰がくるのやら】

 

顔に棺桶がめり込んだので、スリーサイズ当ては自粛し個別ラインでリッカにクイズ形式で尋ねる事にしたニャル。続いての召喚に応えし世界の因子は・・・──

 

「──やぁ、めでたいな。俺が代表して祝いに来たぞ。三日月宗近・・・。聞いた事はあるかな。かなり昔に作られた、じじぃ刀だな。はっはっは、来るのに時間をかけてすまなかった」

 

やって来たのは、正しき時代と歴史を護るために戦う刀剣男子。刀に宿った憑喪神として生を受けし由来を持つ者。その中でもリッカが母に賜った童子切を含めた天下五剣が一振り、『三日月宗近』たる存在が、祝辞を告げにやって来たのだ。

 

「刀剣男子・・・まさか刀本人が一人でやって来るなんて、本丸の方々は大丈夫なのかしら」

 

「問題はないさ。俺は気が付いたらいなくなっていると皆把握している。破壊されない限り何処に行ってもいいとお墨付きを貰っているからな。はっはっは」

 

(お爺ちゃん徘徊許可貰ってる・・・)

 

「あぁ、そうだ。若き身空でよく頑張ったな、お前達。主から御祝いの品を受け取っている。是非受け取ってほしい。その為に俺が来たからな。気持ちばかり・・・と言っては主君に悪いな。まぁ祝いなのは変わらないからな。笑って赦してくれるだろう」

 

そうして渡されたのは、重物の料理に御祝儀の御守り、そして富士の絵馬だった。其処には、彼を含めた刀剣男子達の安全祈願の寄せ書きが記されている。あちらの本丸で、書いてくれたのだろう。

 

「わぁ!ありがとうお爺ちゃん!この楽園にいるお爺ちゃんやおばあちゃん、皆優しいから大好き!」

 

「はっはっは、老害の謗りは免れたいものだ。そして、御祝いはもう一つあるぞ。お前達に祝い刀として、一振り奉納させて貰うという話になった。それが俺と言うことだな。と言うわけで、世話になるぞ」

 

「うん・・・うん!?お爺ちゃんが奉納されるの!?」

 

「徘徊癖が最近酷くなってな。どうせいなくなってしまうなら南極の設備の中に安置してもらった方がいいという話になった。世話と手間はかかるが、御祝いとしての型になるというなら喜んで出立しようとも思っていた。そんな訳で、よろしく頼むぞ。深夜徘徊はしないように努めよう」

 

はっはっは、と暢気に笑う三日月宗近。彼はマイペースではあるが、紛れもなく刀としては最高峰の存在。セイバーとしての資格は充分だろう。・・・扱いが完全に彷徨癖のある老人だが、あちらが合意と言うなら拒む理由は無い。

 

「じゃ、じゃあ・・・よろしくね!お爺ちゃん!のんびり過ごして、一緒に頑張ろう!」

 

「うむ。馬の世話や畑仕事は任せておけ。刀剣とは言うが、鍬の代わりも存分にこなせると自負しているぞ。刀なぞ、振るう機会が来ない事が一番だからな。はっはっは」

 

マイペースに笑い、退出する三日月宗近。幸い直後に村正に見つかり保護され、刀としての御意見番に抜擢され様々な刀知識や歴史の交渉が進んだのは言うまでも無い。

 

【大物を拾ったな、やったぞ。幸先良い幸運が巡ったところでこの辺に・・・ん?】

 

「?どうかしたかい?」

 

【・・・なんか私に近い反応が検知されたな。邪神かな?・・・──いや待て、まさか──】

 

嫌な予感がする・・・。そう言って召喚のチャンネルを打ち切ろうとしたニャルであったが、その縁を断ち切るには些か強固な繋がりすぎた。似た者同士過ぎた。

 

「やぁっと見つけました!肖像権侵害違法邪神!!皆さんこんにちは!いつもニコニコ!あなたの隣に這い寄る混沌~!!ニャル!ラトホテプ!!です!!!」

 

銀髪に白黒の衣装、可愛らしいゴキブリみたいな触覚(ニャル談)。ニャルラトホテプ星人こと、ニャル子さんが怒り心頭な様子でニャルを睨みやって来たのである。ニャルはうんざり半分、愉快半分で白い目を憤りのニャルに送る。

 

【なんだ、日本の生んだ気の迷いがこれまた迷い込むとは。御呼びじゃないとは思うんだが?】

 

「いけしゃあしゃあと!!私の姿使って自撮り繰り返して何度も何度もバズりやがってですね!肖像権主張してもお前には千の顔があるだろと突っぱねられ!挙げ句の果てにはあなたのアカウントに凸したら逆探知で個人情報を晒される始末!!この鬼!悪魔!邪神!!」

 

【皆さんお疲れ様でした。一悶着あると思いますので一時退去を御願いします。・・・荒らす方が悪いんだろう。私はな、私にネットで喧嘩を売ってきた相手は例外なく地獄に落とすと決めているんだ】

 

「あなたが生きている限り!私とマヒロさんの幸せ新婚生活は遠い彼方!最高最善の私の幸せの為に!今日こそ死んでもらいます!!」

 

【お疲れ様でしたー。改築、王によろしくー】

 

「いざ覚悟ッ!!宇宙CQC──邪神終焉抹消撃!!私よ!死ねぇえぇえぇえぇーっ!!

 

・・・こうしてOK召喚は幕を閉じ、怒りに震えるニャル子さんの手によりニャルは木っ端微塵に爆発四散するのだが。

 

『楽園で器物損壊しまくりな傍迷惑星人』

 

と隠し撮りしていた写真と動画をUPされ、ニャル子のアカウントとインスタは大炎上し、ますます在宅の真尋宅に迷惑が及びあちらの邪神ハンターにフォークブッ刺されまくりの刑に処されましたとさ。

 

【燃えてる燃えてる。『楽園で暴力沙汰とか最低だな。恥を知れ恥を』『カルデアの召喚室壊れたらしい』。この御時世、人を殺すのに暴力なんて必要無いんだよな。粘着荒らしも社会的抹殺出来てラッキーラッキー】

 

「爆発四散したのでは・・・?」

 

【孫を抱き上げるまで死ぬつもりはないさ。・・・王や姫様が、楽しんでくれたらいいんだが】

 

──早計に暴力に訴えた可愛らしい邪神の悲鳴と、楽園にて楽しげに世を弄ぶ邪神の笑顔が交錯し、OK召喚は一先ず幕を下ろしましたとさ。




その後

リッカ「ん?」

『小包』

「あ、なんだろ?手紙?」

『リッカちゃん!貴女は選ばれたプリ!』

「!?」

『貴女は自分が思っているよりもっともっと上に行ける!輝けるプリ!私と一緒に、昨日の自分より輝くプリ!これを着て!一緒に可愛くなるプリ~!』

『プリプリ☆プリズナー変身セット』

リッカ「あぁ・・・(察し)人は見かけによらないんだなぁ・・・」



リッカ「グドーシ~!見て見て!雪泉ちゃんに勧められて着てみたの!似合うプリ?」

グドーシ「実にフリフリでござるなリッカ殿。そういえばコスプレに挑戦はした事無かったでござったか?丁度よろしい、イメージビデオ作るでござるよ」

リッカ「こういうのってノリと勢いだよね!よーし!女は愛嬌!なんでもやってみるプリよー!」

雪泉(私の目は確かでした・・・!リッカさん、あなたはもっと高みに登れます・・・!)

この後滅茶苦茶着せ替えした。カーマはあまりのギャップに抱腹絶倒し、グドーシとジークは大真面目に映像を作りくろひーは尊死した。



ニャル子「」

くー子「ニャル子・・・社会的に大ダメージ・・・」

真尋「当たり前だろ、人一人爆発四散させた所激写されたんだからな・・・お前が完全に嵌められたんだぞ」

ニャル子「慰謝料と示談金で根こそぎ持っていかれました・・・召喚費用全部肩代わりで・・・結婚資金・・・」

ハスター「異世界の自分にしてやられたって、ニャルラトホテプならでは・・・なのかな?」

真尋「いい薬だ。これで少しは反省・・・」

「次は一人でいたところを狙って頭をカチ割ってやるべきですね・・・」

「全然反省してなかった・・・」

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