人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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アスクレピオス「次の方」

エース「ハァ・・・ハァ・・・診て貰いたい、人がいるんだ・・・!」

アスクレピオス「何?」



エドワード・ニューゲート「全く心配性な息子どもだ・・・オレに掛かり付けの医者をつけようなんてよ」

アスクレピオス「これは酷いな・・・よくも生きているものだ。早急な治療を行う。指示に従ってもらうぞ」

海賊員「なんだとォ!?」「テメェ、親父に向かってなんて口を!」

エース「止めろ!・・・治るのか、医者さん」

「その為に最善を尽くすのが僕達だ。指示は絶対だと教えておけ」

「正直な話、老いぼれが生き永らえるのはよくはねェんだが・・・」

「手間のかかる息子が沢山いるんだろう。まだ死を望まれてはいない筈だ」

「グララララ・・・!駄目で元々、診て貰えるかい、お医者様よぅ」

「その為に此処に来た」

──エドワード・ニューゲート、治療開始──


リクエスト召喚・3!

【さぁて、楽しくなってきたところでガンガン行こうじゃないか。喚ぶ招くはFateの醍醐味、ってね】

 

カタカタと楽しげにコンソールを叩く愉快な邪神。一同もなんだか楽しく感じてくるようなその様子は歓迎なれど、若干の不安もあると言えばある。

 

「あの、自分が大いに不利になる召喚でもあるのが解ったのですが、ニャルさんは平気なのでしょうか?活動の自粛などに繋がってしまうのでは・・・」

 

【別に大丈夫さマシュ。最終的に娘の交友と楽園の利に繋がるなら私の不便なんてどうでもいい。年に一度あるか無いかの祭りだ、楽しまなくちゃ損と言うものだろう】

 

損をするのは私だけ。それも笑い話なら上等上等♪本気で宣う彼の本質が、銀河レベルの愉快犯である事を改めて一同は痛感させられる。文字通り、楽しく愉快であるなら自分がどうなろうとどうでもいいのだ。何も喪うものが無いからと、道行く人を刺し殺す精神性と普段なら一切変わらないのだろう。親心と頭プレシャスで無かったなら本当に危なかったに違いない。

 

【私のノリは理解してくれたかな?それじゃあ早速行ってみよう!ポチりとな】

 

そのままのノリで放たれる召喚サークルの光。断末魔の絶叫と慟哭が満ち溢れる召喚が此処に取り行われる。決して慣れない、慣れてはいけない最悪のサウンドエフェクトに苦情を飛ばされつつも、心待ちにした新たなる来訪者とは──。

 

「──空条承太郎。夏休みの講習にいい場所があるって話を聞いたんでやって来た。集中して勉強が出来て成績も良くなる・・・っていうのは嘘じゃあねーな?」

 

現れたのは、巨漢の学ランに身を包んだ威風堂々の高校生・・・空条承太郎。パワーあるビジョン、スタンドを使い百年の眠りから目覚めた吸血鬼【DIO】の呪縛から母を救うために戦い続けた、不良のレッテルを貼られた孝行息子だ。そのあまりの風格と威圧感に、一同は沈黙してしまうが・・・

 

「いらっしゃい、空条君!私は藤丸リッカ!あれ、でも成績って空条君頭の回転は凄くなかったっけ?」

 

「ん・・・。実は母親から『夏休みはどこかでしっかり勉強して、補習をきちんと合格しなさい』なんて言われてな。折角だから海洋学者を志すのも兼ねて、集中勉強ルームのテスターに応募したってのが実情だ」

 

「それなら図書室と、三食の住み込みと資料が沢山あるから、いっぱい勉強していってね。あと、将来役立つ筈だからスタンドも鍛えた方がいいよ。絶対!」

 

「・・・やれやれ。いの一番スタンドを知ってるような場所だとは。普通じゃねー所みたいだが、学生は学生らしく勉強させてもらうぜ。リッカ、部屋教えろ」

 

はーい!うっとーしくならない様な会話を心がけ、承太郎とのコミュニケーションを済ませ案内するリッカ。招かれた立場なので彼なりに気と礼節を使っていた事をさらりと見抜き、彼の目的をサポートする為にまずは要望を通す。決して騒がしくしない、はしゃがないという不良へのリッカマニュアルを適応し、事なきを得た事に一同は安堵に胸を撫で下ろす。

 

「あの子本当に高校生なんだ・・・まるで何年も戦ってきたみたいな落ち着きだね・・・リッカ君とそんなに歳も変わらない!?本当!?」

 

【とびきり運命が残酷な世界からやって来たものだ。そういえば彼、お爺さんの隠し子に会うまでスタンドを鈍らせちゃうんだったか。・・・よし、ちょくちょくちょっかい出そ】

 

『ブチのめされるのが解りきっているので、やめた方がいいのでは・・・』

 

精神のビジョン、スタンドという概念においての全盛期たる学生の彼に敵は最早いない。敵対するなら時間を停止した後の超精密な拳のラッシュが待っている。勉強が本分だと言う彼が力を貸してくれるのは、楽園が彼にどう向き合うかにかかっている・・・筈だ。

 

【よーし、じゃあ次は~。真っ当な戦力は揃っているから、曲者でもいいんだがね】

 

そうして行われた召喚に、間髪入れず応える者がいた。風、あるいは珈琲の香りと共に現れし、白いスーツの壮年の男性。

 

「鳴海壮吉。・・・探偵をやっている者だ。今回は依頼・・・というより、名の売り込みで来たと言った方がいいか。所長はいるか?」

 

「は、はい。オルガマリーと言います。左さん、フィリップくんの恩師にして、仮面ライダースカル・・・」

 

「美人に素性を読み上げられるのはむず痒い。知り合いなら話は早い。──名刺と、幼馴染みからの支援物資だ」

 

そうして渡されたのは、鳴海探偵事務所への連絡先と、探偵道具に使える各メモリガジェットの設計図。其処には、人を助ける用途の道具の在処が示されていたのだった。彼は、それを届けに来たのだという。

 

「身内が世話になった礼として、何かあったら連絡をくれ。奇怪な縁に、依頼と来れば断る理由は無い。いつでも待っている」

 

「鳴海さん・・・。解りました。その時は是非、御願い致します」

 

「これからも、この世界を頼んだぜ」

 

簡潔な言葉と共に、一陣の風が吹く。・・・目を開けると、其処にはもう、誰もいなかった。確かに託された名刺と、設計図を残して。

 

【時系列的に、二人を同時に知っていると言うことは・・・まぁ野暮な話だな。恐らく、其処にやましい事は何も無いはずさ】

 

「そうね。・・・あの人に限っては、そう信じられるわ」

 

偉大なる名探偵。その来訪の不思議な風に、一同は楽園の妙を深く痛感するばかりであった。そして、更なる召喚にニャルは着手を行う。

 

「ただいま~!見て見て、珈琲ガム貰ったー!」

 

「あ、リッカ。今凄い人が来たわよ。元祖ハードボイルドの・・・」

 

【学生、探偵か。次は誰が来るのかな~?可愛い子だとモチベーション上がるんだが、はてさてー?】

 

そうして執り行われし召喚。何が来るのかは不確定の邪神の手招き・・・それに応えるのが邪悪だとは、決して限らない。

 

「──ご紹介に預かりました、出典『鶴の恩返し』の鶴。いろはと申します。家政婦、給仕募集の召喚に応え。さーばんと?として罷り越しました。皆様への恩返し、誠心誠意・・・頑張らせていただきますね」

 

丁寧な所作で頭を下げる、白い和洋折衷の服に身を包んだ美少女。両手に鉈のような剣を抱えるメイドを名乗る『鶴の恩返し』の鶴、いろはと名乗る女性がやってきた。リッカは当然、覚えがある。

 

「おっ!!サムライスピリッツのいろはちゃん!?凄い!!旦那様は大丈夫なの・・・!?」

 

「はい!私はあくまで、鶴の恩返しの鶴。旦那様に仕える『いろは』とは別のいろはでございます。私は人類を・・・私の物語を護ってくださった皆様への恩返しの為に此処までやって来たのです」

 

【ステイナイトのエミヤと、エクストラの無銘・・・みたいな関係か。大元の太陽の側面と大神信仰が結び付き顕現した天照と、理屈は同じらしい】

 

「私にとっては、楽園の皆様が旦那様でありお嬢様。皆様の頑張りに、どうか御奉仕と献身を望む所存にございます。御許しいただけますでしょうか?」

 

「真っ当なサーヴァント・・・いや、というより優しいメイドなだけでも私は確保するべきだと思うぞリッカ君!私のトゥールやメイドを見れば解るだろう!優しいメイドは貴重なのだ!ホント!」

 

【楽園抱えのメイドとは、戦力よりずっと貴重なんじゃないか?ナイアもまだまだ、奉仕は修行中だ。是非腕前を披露して貰いたい】

 

『勉強になります』

 

「もちろん大歓迎!よろしくね、いろはちゃん!此処にはいろはちゃんみたいに、桃太郎や金太郎、乙姫に将門公、天照大御神もいるから大丈夫!?」

 

「はい、よろしくお願いしま・・・将門公!?天照大御神・・・!?」

 

仰天するいろはを、屈託なく迎え入れる楽園。この日から、楽園職員達の生活水準が上がったのは言うまでも無い。

 

【91、59、85かぁ。リッカちゃんの好みドストライクじゃーん】

 

『その数値は?』

 

【いろはちゃんのスリーサイズ】

 

ニャルの顔に棺桶がめり込んだ。




アテム(遊戯王)

アテム「ファラオ、アテムだ。藤丸リッカ・・・は、君かな?」

リッカ「は、はい!アテムさん・・・!?もう一人の遊戯くん!」

「あぁ。・・・君の頑張りに、渡したいものがある」

リッカ「渡したいもの・・・?」

『シルバー』

「ふぁ?」

「君の纏う龍の鎧、俺からしてみれば地味すぎるZE☆もっと腕にシルバー巻くとかSA☆」

リッカ(あれぇ~!?ファラオー!?)



オジマンディアス「ほう、余と決闘をしたいと来たか。その意を赦そう!来るがいい、神を従えしファラオよ!」

アテム「太陽王・・・これが、オレのファラオとしての生き様だ!!」

オジマンディアス「ニトクリス!決闘開始を宣言せよ!!」

ニトクリス「はっ!──決闘、開始──!!」

この後滅茶苦茶デュエルした。(オジマンディアスのデッキはリッカとグドーシの組んだデッキ)



アテム「いい決闘だ。流石は太陽王、偉大なるファラオ・・・!」

オジマンディアス「三幻の神、そしてホルアクティの降臨・・・実に見事であった!遊興ではなき決闘・・・しかと体感したぞ!」

アテム「あぁ!俺はカードショップを開く。いつでも遊びに来てくれよな!」

リッカ「まさかの!?」

カルデアにカードショップが出来た。

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