サクラ大戦~散らなき鉄の花~   作:斎藤一馬

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今回は、また大神視点で時間を溯って

地下にトラップ設置からのスタートです


第40話 ~散らなき鉄の花~⑤

大神が地下施設にトラップを仕掛け終わった後、上階に戻る途中で、アイリスが

 

此方にやってくる。

 

「お兄ちゃん!」

 

「アイリス?どうしたんだいそんなに慌てて」

 

「アカツキ・・・・・見つかった?」

 

「っ・・・・・アイリス何故それを?」

 

暁とあやめが行方不明になっていることは風組の三人と自分、米田司令だけのはずだ

 

しかし何故アイリスがそれを知り得たのかそれに、何時ものアイリスなら、

 

おれたちの言葉を無視してでも探しに行くはずなのに今は・・・・

 

何かに怯えているようだった。

 

「・・・・・ 由里おねえちゃんと椿が話しているのを聞いて・・・」

 

「あの二人・・・・まぁ良いしかし・・・アイリスどうしてそんなに怯えているんだい?」

 

大神は誰からも見れば分かるほど顔を青くし震えていた

 

「なんか・・・・凄く怖い感じが・・・・誰かいなくなるような、

 

ものすごく嫌な予感が・・・ねぇ、お兄ちゃんアカツキは大丈夫だよね?」

 

「あぁ!あの暁がそう簡単に死んだりしないさ、今は風組や月組というとこが探してる。

 

それにリリィさんたちもすでに動いてるはずだよだから大丈夫さ」

 

「・・・・うん、そう・・・だよね」

 

アイリスは力なく笑い自分の部屋に戻っていく。

 

「少尉、少しよろしいかしら?」

 

「すみれ君?君もアカツキの事かい?」

 

「えぇ・・・そのつもりでしたがアイリスとの会話が聞こえたので大丈夫ですわ

 

それよりも・・・少尉何を隠していますの?」

 

「え?・・・・いやなんの事だい?」

 

アイリスと入れ替わりすみれが声を掛けてきた、その内容は・・・・大神の隠し事を

 

お見通しといった内容だった、大神はそのことに不覚にも顔に出してしまった。

 

「少尉・・・・少しは隠す努力をしませんと他の人に囲まれて口を

 

割らずにはいられなくなりますわよ?大方、米田支配人に口止めされていますわね?

 

まぁ・・・いいでしょう後で米田支配人からお話していただきますのでそれより・・・

 

さくらさんに少し気を回した方がよくってよ?何やら勘違いしているようなので」

 

「さくら君が…‥勘違い?」

 

「地下でかすみさんといましたわよね・・・・そこで恋仲と勘違いしたようですわよ?」

 

「っぶ!?」

 

「早く解かないと…‥大変なことになりますわよ?」

 

「わ・・・・わかったよ、ありがとうすみれ君」

 

大神は、大慌てでさくらのもとへ走っていく・・・・・が

 

間の悪いことに帝劇内にサイレンが響く、敵がきたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「叉丹様はかく乱せよと申されたが・・・・・構わぬ!

 

この鹿の実力をお見せするためにも花組をここで全滅させてくれるわ!」

 

 

 

「そこまでよ!!」

 

 

『帝国華撃団、参上!!!』

 

鹿の眼前に華撃団が着地し構える、そこで米田がみんなに通信をつなげる

 

『みんな…聞いてくれ奴の目的は、まず間違いなく帝劇に隠された最重要機密の確保だ

 

敵を帝劇に近づけない様にしてくれ、それに現在暁、あやめ君が行方不明になっている』

 

「な!?」

 

「それはホンマか!米田はん!?」

 

「なんで教えてくれねーんだ司令!?」

 

「・・・・・・」

 

「・・・・お兄ちゃん」

 

「・・・・・・大神さん!」

 

『今は帝劇防衛に集中してくれ・・・詳しい話はあとでする魔神器や暁たちの事も含めてな』

 

「あたいらに隠し事なんて水臭いぜ」

 

よっしゃ!なら早よ片付けてその訳をで詳しくきかせてもらおうやないか!」

 

「兎に角みんな・・・・・敵を帝劇に近づけないでくれ」

 

 

『了解!!』

 

「くくく・・・・華撃団、お前らの本拠地ごと破壊してやる

 

この最強の降魔『鹿』がな!!」

 

 

帝劇周辺に降魔と怪しげな機械が配置される、大神が機械に攻撃を仕掛けるも

 

ビクともしないが・・・・なぜかカンナが攻撃したら簡単に破壊できた。

 

『大神さんどうやらその機械は降魔の召喚機のようで、その機械が充填期、霊力を貯めている

 

時にしか攻撃が通らないようです!!』

 

「了解しかし・・・・充填期の見分けが!」

 

『機械が明滅しているときが充填期のようでどうやら神武の行動で

 

充填期のサイクルが変わるようです』

 

「要は…あのきかいの近くで動いてりゃたまるって事か!!!」

 

カンナが帝劇の外壁に近づく敵を遠くに殴り飛ばしながら答える

 

「皆!敵を排除しつつ召喚機を破壊してくれ!?」

 

 

それからは数匹の降魔が防衛網を突破して使節内に侵入しようとしたが

 

大神が仕掛けたトラップにより防衛出来ていたが、その機能を停止して

 

しまっている。

 

「数が多かったがなんとか・・・・防衛出来た!」

 

「だけど・・・外壁がボロボロだぜ・・・」

 

「ですが残りは鹿とかいう馬鹿だけですわ!!」

 

「小娘が・・・最強の降魔『鹿』の実力をみせてやるわ!!」

 

「皆、ここが踏ん張りどころだ・・・・・しかしこの冷気は」

 

『みんな聞こえかい?』

 

「小島博士?」

 

『みんなよく聞いてくれこの異常な冷気・・・奴の魔装機兵から放出されている・・・

 

しかも冷気のせいで神武の駆動系が氷結する恐れがある、攻撃は極力

 

受けないようにしてくれ一時的だけど行動に制限がかかるよ』

 

「了解しました、みんな聞いた通りだ成るべく攻撃を受けないよにしてくれ」

 

『了解』

 

 

しかし戦闘がかいしされるも流石、自分で最強というだけあって前回の猪とは比べられない程

 

強く、自身の調子が上がると自分の実力も上がる用で、花組は苦戦を強いられていた。

 

「フッハハハハハ花組よ!貴様らも中々やるようだが・・・・わたしの敵ではないな」

 

「っく・・・・・こいつ強ぇ・・・!」

 

「機体が・・・・うまく動きませんわ」

 

「うえ~~ん回復が追い付かないよーーー」

 

「こいつを調子づかせるのは不味い・・・・隊長!」

 

「皆、頑張るんだ・・・・」

 

鹿が不敵な笑みを浮かべ、一際損傷の酷いカンナに攻撃を仕掛けようとする

 

「ヤベェ・・・!」

 

「まずは一人!!!」

 

鹿の攻撃がカンナに当たる瞬間・・・一条の閃光が鹿に直撃する

 

「なに!!ぐあああ」

 

「なんだ?」

 

『みんなお待たせ・・・・援護するわ』

 

了子女史の通信と同時に、何もないとこからドラム缶に足の生えた機械が現れる、

 

『米田司令の依頼で防衛装置の開発依頼がって急ごしらえなんとか五基は作った

 

防衛用無人機よ、上手く活用して』

 

「小癪な!!・・・うおっ」

 

三機の無人機から機銃を掃射されダメージが低いものの鹿の動きを阻害し残り二機の

 

無人機が各機の応急手当をする。

 

「うぉぉぉぉりゃああああああ!!!」

 

必要最低限の処置が完了したカンナが鹿の隙を付き渾身の力を込めた蹴りが相手に

 

直撃し貫通する。

 

「馬鹿な・・・・・俺は・・・・俺は・・・最強の降魔だぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

鹿の絶叫が雪の闇夜に木霊し爆発四散する。

 

 

 

 

「よし・・・なんとか帝劇を守り切れたぞ・・・」

 

「しかし隊長今後・・・敵はここを狙ってきます辛いたたかいになりますね」

 

「あぁ・・・しかし俺たちは負けない、負けられないんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふん・・・・使えん奴だ、しかしそろそろあやつが目覚める時か」

 

 

 

【帝劇地下】

 

 

「なんとか・・・・防衛できたかさて破損個所は・・・あれあれは?」

 

先ほどの戦闘で出た被害を確認していた小島は、とある人物を発見する

 

「あやめさんじゃないか!!いつ戻って来たんだい?暁は?」

 

慌てて彼女に付かずいて声を掛けるも反応がないそこに了子が小島が

 

騒いでいるのに気が付いて扉から出てくる瞬間、

 

パンパンパン・・・・・

 

あやめが小島を銃撃し小島が力なく倒れる・・・・

 

「オタコン?・・・・っハルゥゥゥゥ!!!!」

 

あやめは凶悪な笑みを浮かべ叫んでいる了子にも発砲するも

 

了子はとっさに『障壁』をはり防御する

 

「誰か・・・・誰かあああ!!!」

 

 

 

 

 

「なんだ?・・・今の声は!?」

 

突然の発砲音と女性の悲鳴に大慌てで米田が司令室をでるとそこにはあやめがあるものを

 

抱えていた。

 

「それは!魔神器!?あやめ君いったい何を?それをどうするつもりだ!」

 

米田があやめを追おうとした時に銃撃される、咄嗟に障害物にかくれやり過ごすも

 

逃走を許してしまった。

 

 

 

 

 

 

【帝劇外】

 

「ふふふふ・・・・・」

 

 

戦闘終了後の事後処理中に不穏な笑い声が帝劇に響く

 

「あれは!」

 

「ああっ!?」

 

さくらとマリアが上を見上げると叉丹と彼に寄り添う『あやめ』の姿があった。

 

「あ、・・・あやめさん!!」

 

「ふふふ・・・・あはははは、魔神器は確かに譲りうけた」

 

「魔神器?」

 

「さぁ・・・・あやめ、此方に」

 

「・・・・はい・・・・叉丹・・・・様」

 

「だ、・・・・だめだ!あやめさん」

 

叉丹に魔神器を渡そうとしているところで大神が叫ぶ、そこであやめの目にすこし光が戻る

 

「大神君・・・・私を‥‥撃ちなさい・・・・早く」

 

「そ・・・・そんな!」

 

「早く・・・・・早く撃ちなさい、命令・・・よ」

 

「大神さん!撃たないで・・・・・」

 

大神は懐から拳銃を抜くが照準がぶれる・・・・・撃たなければ魔神器が奴らに渡り帝都が

 

しかし撃てば・・・あやめさんが・・・暁の大事な姉の様な存在を・・・殺すことに

 

大神は・・・・・撃てなかった。

 

「く・・・・くそ・・・」

 

「大神君・・・・自分を偽らないあなたのままで・・・・いてね」

 

「ふふふ・・・己に掛けた封印も最強とは、皮肉なものだしかし

 

お前は既に一人は手に掛けた・・・あの禁忌の翠の光の発見者をな

 

それに自分の大切な弟にも牙を向けた」

 

叉丹が指を鳴らすと・・・・何かの液体の中でうかんでいる暁が映し出される、

 

「オロチの落とし子はわたしが預かっている・・・・・もっとも貴様らの事を

 

覚えているかはわからんがな・・・・」

 

「アカツキ!!」

 

「暁さん!?」

 

「てめぇ・・・・二人を返しやがれ!?」

 

「ふん・・・さぁ目覚めよ、あやめ・・・あの失楽の園の記憶を」

 

そう呟きあやめの唇を奪う叉丹・・・・そしてあやめの霊力が完全に変質し

 

その体をを変異させる、黒い羽根をはやし、冷酷な笑みを浮かべ花組を見下ろす。

 

「ふふふ・・・最強の降魔にして最も頼りになり我に最も近しき者・・・・

 

殺女よ・・・よく目覚めた!

 

「はい・・・・我ら対なる・・・もの前世の契りに従い、今度こそ御側に・・・」

 

「ふ・・・」

 

「今宵の邂逅こそ永遠、我らの征く所、あまねく魔の楽園が広がりましょうぞ」

 

「フフフ・・・・」

 

「さ、これこそが我らが求める鍵・・・魔神器を御納めください」

 

あやめ・・・いや殺女が叉丹に魔神器を手渡す。

 

「あぁ!!」

 

「あやめさんそれは渡しちゃだめだ!!!」

 

「フハハハハ!!貴様らに待っているのは・・・苦悩、絶望!!!」

 

「・・・・・そして・・・破滅!!」

 

そう宣言し叉丹と殺女が飛びあがる。

 

「あやめさん!!」

 

「おまえの知っているあやめは死んだ!!あの紅い月と共に!?」

 

「・・・・そ、そんな・・・」

 

「・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【????】

 

「黒き雨よ、魔の風よ、怨念の海よ今こそ封印を解き。我に力を!?

 

そしていよいよ復活する・・・聖魔城が!!!」

 

「・・・・・フフフフ」

 

 

 

 

 

【帝都】

 

帝劇では、先の事後処理も終了したがあやめの変質、暁の誘拐、

 

オタコンの銃撃されると帝劇内の空気は、落ちるところまで落ちていた、

 

大神も、色々と世話をしてくれたあやめさんが敵になったことで精神的に参っていた、

 

了子は、救護室にてオタコンの手術をしている、途中仮面をかぶった不審者集団が現れるが

 

どうやら医者集団のようで手術室にはいり小島博士の手術をしていた。

 

「・・・・・」

 

大神は一人作戦指令室で先ほどの事を考えていた・・・・

 

もしあの時、彼女を撃っていれば・・・・そもそも彼女の異変にどうして気が付かなかったのかと

 

後悔が頭にこびりついていた、そこで誰かが部屋に入ってくる・・・・・米田だ。

 

「なんだ・・・大神まだここにいたのか・・・」

 

「米田司令・・・」

 

「今の・・・あの子達をささえてやる奴が必要だ、オメェのことだ大神だぜ、

 

早くみんなの所に行ってやんな・・・」

 

「・・・・・わかりました」

 

米田の言葉に頷き司令室を後にした大神を見送り、米田はリリィに通信をつなげる、

 

「リリィいま大丈夫か?」

 

「問題ないですよおじ様・・・・ことらでも状況を把握しているわ・・・・

 

アカツキやオタコンの事も・・・・そして魔神器の事も」

 

リリィは神妙な面持ちでどこか落ち込んでいる表情をしている

 

「なに落ち落ち込んでんだ・・・暁もそうだが小島も大丈夫だ、お前らの医師団もきてんだ

 

ところで例の建造はどうだ?」

 

「あの【秘密兵器】ですね‥‥問題なく現在整備班総出で動いてますし神崎重工も花屋敷

 

総出で動いてます、のこり作業も最終調整だけですのでそれに・・・」

 

「それに?」

 

「同時しんこうでこちらの【秘密兵器】も一部出撃できるようになりました」

 

「お前のとこの秘密兵器・・・・怖くて聞きたくないな」

 

米田は胃をおさえながらため息をつく

 

「良ければみます?」

 

リリィは画像を表示させ・・・・米田が吐血する<ゴフ

 

「おじ様?」

 

「お・・・おまえなんだこれ?こんなの建造してるのか・・・」

 

「えぇでもフルではなく現在稼働できるのは一部『武蔵野』と『奥多摩』

 

だけですわ・・・」

 

シレっとリリィが言うと米田は諦めたようにこれクラスが後、6隻と呟く

 

「戦闘に関しては問題ないと判断します以上」

 

リリィの背後にたっていたメイド『武蔵』が珍しくフンスと自慢げだったまぁもっとも

 

一見しては変わらないように見えるが

 

「まぁ・・・いいさてこちらも今後の準備を始める、そちらも頼む」

 

「解りました…ところでおじ様・・・この件が終結ら魔神器の管理に関してですが」

 

「・・・・・・」

 

「此方で管理しましょうか?」

 

「それは・・・・・」

 

「まぁ・・・いまはイイですねこの話は後日にでは失礼します」

 

通信は切れモニターは暗くなる。

 

 

 

 

 

 

【帝劇内通路】

 

 

大神はあの後、花組のメンバーと話しをしなんとか勇気づけることができた、

 

後は・・・・

 

「マリア君とさくら君は何処にいるだろうか・・・・」

 

ふたりを探して回っていた。

 

「念のためマリアの部屋に行ってみるか」

 

大神は、もしかしたら部屋で落ち込んでいないかと思い

 

マリアのへやまでやってきた。

 

 

コンコンコン

 

 

「マリア居るかい?少し話がしたくてはいってもいいかい?」

 

「・・・・どうぞ」

 

どうやらマリアは部屋にいたようだしかし、何時もにまして声が弱弱しく

 

きえそうな声だった。

 

「マリア・・・あやめさんの事なんだけど」

 

大神が話をきりだそうとした時にマリアが話を遮り・・・

 

「隊長・・・私とあやめさんは、華撃団結成当初から一緒でした。」

 

「え?・・・・」

 

「花組の中で・・・・わたしが一番付き合いが長かったんです、

 

そして・・・私に命をくれたのも彼女なんです」

 

「命をくれた?・・・・それはどうゆうことなんだい?」

 

大神がそう質問すると顔を歪めながら、まるで思い出したくない様に語る

 

「華撃団が出来る前は私は・・・アメリカにいました・・・

 

報酬の為に人を撃つ・・・・殺しや稼業に身を落としていました」

 

ぽつりぽつりと昔の自分を悔いる様に語る・・・

 

自分の命も‥‥他人の命も‥‥紙屑同然だった毎日・・・・

 

その時は自分は・・・・死んでいたと語るマリア、それを黙って聞く大神。

 

「そんな時・・・・私を救ってくれたのがあやめさんでした・・・、

 

あやめさんは私に『帝都を守る』という生きる目的をもらいました、

 

心を失っていた私に・・・生きる希望を与えてくれたのです・・・・」

 

「そうだったのか・・・・あやめさんとはそんなことが・・・・」

 

大神は、マリアの過去の話を聴き、二人がどれほど信用し心を

 

許していたかを感じ取った・・・。

 

「・・・・こんな事、話せるのはあやめさんだけだったのに・・・

 

そのあやめさんも・・・・」

 

「マリア・・・・」

 

悲痛な表所のまま視線を下におろし震える両手を固く握りしめているところにそっと大神が

 

手を握り優しく答える。

 

「俺でよければ・・・・力になる、だから元気を出すんだ・・・・」

 

マリアの両手を優しく包みなら元気づける・・・・自分には、この位しか出来ないがマリアの

 

震えるてを握る。

 

「隊長の手・・・・暖かいんですね、・・・・忘れていました人には・・・・

 

暖かさがある事を・・・・でも・・・今はその温もりが足枷になります、

 

・・・・自分自身で結論が出るまで・・・・一人にさせて下さい・・・

 

もうしばらく・・・・」

 

一瞬マリアの表所が明るくなるものの・・・やはりその表情に影を落とす・・・・

 

「・・・・・それじゃあ俺はもう行くよ…」

 

「私も休むことにします・・・・今日は、少し疲れましたから・・・」

 

それでも最初よりは表情が落ち着いたようだ、それをみた大神も少し安心し

 

「あぁ、それがいい・・・・・おやすみマリア」

 

大神はそう言いマリアの部屋を後にする・・・・やはり皆、あやめさんが

 

あのようなことになり悲しんでいた。無理もない・・・・

 

彼女は、自分含めて姉のような存在だったのだから・・・・。

 

自分も誰かと話をしていないとマイナスな事が頭から離れなくなっている

 

之じゃだめだとわかっているはずなのに・・・・

 

「いこう・・・・・後は、さくらくんとはなしをしないと・・・」

 

大神はサロンの方にむかって歩き出す、先ほどまでいたすみれは居らず

 

どうやら部屋に戻ったよう・・・・すみれとアイリスは特に落ち込みが

 

酷かった・・・無理もないあやめさんのだけでは無く暁まで向こうの手に

 

落ちてしまったのだから・・・心配ないと思うがやはり・・・心配だ、

 

彼には、色々と助けられた・・・帝劇で生活していて花組の皆や俺の事、

 

喧嘩や衝突もした事なんか小さい事含めれば数えきれないほどに、

 

最初彼は、出向で花組と共にいたけどいまではそんなこと関係ない

 

花組の一員なのだから・・・

 

「待っていてくれ・・・・今度は俺たちが助ける番だ」

 

あやめさんだけではなく暁も助けると意気込みあるいていると

 

「あれは・・・・」

 

テラスに見覚えのある黒髪・・・・さくらが街の夜景を眺めていた。

 

「さくら君・・・・・」

 

「大神さん・・・・」

 

「ここは寒い・・・中に入ろう」

 

「いえ・・・冬の寒さは、好きです・・・・身が引き締まる感じがしますから」

 

「・・・・・」

 

「実は私・・・・・あやめさんに憧れていました、いつかああゆう人になれたらって

 

そう…思っていました、なのに戦わなきゃ・・・いけないなんて

 

こんなの!ひど過ぎますよ・・・」

 

悲痛な胸の内を泣きそうな顔で大神に打ち明けるさくらに大神は・・・

 

「さくら君・・・・それは違うよ、俺たちは戦うんじゃない、救いに行くんだ!」

 

大神はまっすぐに自分の心内を明かす、それがどんなに難しいことか解っていてそれでもなお

 

さくらに伝える、まるで自分い言い聞かせるように・・・・

 

「でも・・・」

 

「さくら君が信じたあやめさんは、そんなに弱い人だったかい?」

 

その言葉にさくらは微笑ながら思い出しながら自分の信じたあやめに対しての思いを口にする

 

「いえ・・・強くて優しくてそして深い思いやりをもった素敵な女性でした・・・偶に

 

暁君にたいして暴走もしたけどそれでも素敵な人でした」

 

今まで帝劇で暮らしてきたことを思い出しながら大神に伝え、大神もまた微笑ながら

 

「ならそれを信じるんだ・・・・あやめさんは俺たちのもとに帰ってきてくれるはずだ」

 

「はい・・・私の信じたあやめさんを・・・わたしは信じています、

 

大神さんありがとうございました、もう少しで私・・・・自分に負けるとこでした

 

・・・・会いに行きましょう大神さん、あやめさんの所にそして必ず助け出すんです!」

 

「あぁその意気だ!さくら君・・・それじゃあおれはそろそろいくね」

 

さくらの表情がいつもと変わらないほど元気がでたようなのでこの場を離れようとしたとき

 

「大神さん・・・・」

 

「え?」

 

さくらが自分を呼ぶのでたちどまった瞬間、背中に暖かい感触が・・・さくらが自分の背後から

 

抱きついていた、余りの事でおおがみは頭が真っ白に・・・

 

「さ、・・・さくら・・・くん」

 

「あたし・・・・頑張ります・・・だけどそれは大神さんが居てくれるから・・・・

 

大神さんの匂い・・・・ぬくもり・・・こうしているとすごく安心するんです

 

今だけでいいんです・・・・今だけ、大神さんを独り占めさせてください」

 

さくらの言葉に色々思考が巡る、偶に士官学校時代の悪友が『イテコマセ!!』と悪い囁きや

 

今はない暁が「キース!キース!!」とキスコールをしていたが鋼の精神で振り切り一言。

 

「あぁ・・・・・わかったよ」

 

と紳士的な対応をする‥‥ドコから舌打ちの嵐がきこえるが無視である。

 

「大神さん‥‥・大好きです」

 

 

 

 

 

 

その言葉を数十分言葉はなく…その後サクラが「私も・・・もう行きますね」と

 

頬を紅く染め帝劇内に入っていく・・・がそこで振り合えり

 

「そういえば・・・・大神さんってかすみさんの事が好きなんですよね?」

 

さくらが不思議な質問をしてきた、そこで・・・・前にすみれ君が教えてくれたことを思い出し、

 

さくらの誤解を解く、そこでさくらが頭から湯気をだしながら謝り、此方も誤解されそうなことを

 

したことに謝罪する、さくらは逃げるように帝劇内に入っていき直ぐに姿が見えなくなった、

 

大神はそんなさくらを苦笑しながらふと夜空を見上げると、雪がちらつき始めていた。

 

「あやめさんも‥‥どこかでこの雪をみているのだろうか・・・」

 

その問いには・・・・・誰も答えてはくれなかった。

 

 




いよいよものがたりは佳境に!!でも

蝶は出番は前回の井戸ポチャ事件でカット・・・・さて

どうなる事やらニヤニヤ

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