サクラ大戦~散らなき鉄の花~   作:斎藤一馬

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連続投稿行くぞおおおおお!!
今回は前回出番が全くなかった人が出ます


第29話 血戦・命の限り②

眠い・・・・すごくねむい・・・

 

まるでぬるま湯に頭の天辺までどっぷりと使っている感覚が暁に襲いかかる

 

寝てはダメだ・・・・

 

頭の中でそう警告してくる・・・・

 

ここで眠ってしまったらきっと・・・『戻って来れなくなる』

 

だけど・・・

 

「眠い・・・・」

 

意識が遠のく頭に警鐘が鳴り響くもこの心地よい眠りには抗えない・・・・

 

 

 

「起きんかバカ息子!」<ズブ♂

 

 

アッーーーーーーーーーーーーーーーー!!

 

 

何者かが持っていたふと目の木刀で暁の尻を突き上げる

 

「何すんじゃボケエエ気持ちよくねようとしてたのに危うく別の意味で昇天しかけたわって

 

・・・・・・・・・・親父何してんの死んだはずじゃ?」

 

「残念だったなトリック(物理)だよ・・・ってかあのまま寝てたら魂持ってかれてたぞ?」

 

「何に?」

 

「雷電に・・・・」

 

「うわ~マジかー」

 

「まあ多少持ってかれているから何かしら症状は出るがな・・・・久しぶりだな暁(さとし)」

 

「ん・・・親父も久しぶり・・・で何しにきたの?」

 

「そんなの決まってるだろ・・・・・稽古だ!」

 

死んだはずの暁の父『八神宗蓮』が木刀を暁に投げ渡す

 

 

「オロチの血に飲まれおって・・・・いいかオロチの力も所詮ただの力そこに善悪などない

 

力を振るうのは何時だって人だ、人が力に振り回されてどうする!」

 

 

蒼い炎を纏った斬撃が容赦なく暁に襲いかかるも暁は、

 

それを受け流し相手の首を中途なく撥ねようと斬りかかる

 

 

「ほう・・・容赦のない攻撃ださすが・・・『人を多く屠った』だけはあるな」

 

「っ!」

 

「知らないとでも思ったか馬鹿者め・・・だが私は咎めたりはせん、

 

それがお前の誓った事のためなのだからな」

 

「・・・・・」

 

「復讐を果たし妹は助ける・・・・か」

 

「なんだ!復讐は愚かなことだとでも言う気か!!」

 

「いや言わん寧ろ存分にやるがいい・・・わたしも復讐をした事のある人間だからな」

 

「は?」

 

「お前の母『八神紫』旧姓『神楽紫』・・・神楽家は退廃的で閉鎖的な一族でな

 

一族に他の血が混ざるのを嫌い近親婚を繰り返し自分の娘を犯し子を腹まそうとする狂った一族だった」

 

「えらくクレイジーは一族ッスネ」

 

「うむ・・・で、紫の処女を実の父親に奪われ精神を病んだ紫のかわりに俺が神楽家を滅ぼした」

 

このオヤジ一人でお家壊滅させてらぁ・・・・このキチガイめ

 

「それからは紫も落ち着き結婚してお前とマキが生まれたんだ・・・・」

 

「復讐してどうだったよ?心晴れたか?」

 

「あ?晴れる訳無いだろ・・・・寧ろ落胆したなここまで恨みつづけた相手がこんなにも

 

『弱い生き物』だったとはな・・・と」

 

「復讐しても心は晴れん、晴れるとしたらその先、

 

復讐し手に残ったものが祝福してくれるものであるか無いかだ

 

少なからず紫は元気になりお前らが生まれてきたことが祝福だった・・・

 

復讐しなかったらきっとこの祝福ななかった紫は壊れ

 

ただの孕み袋になりさがってこの世全てを呪って死んだだろう」

 

「・・・・・・」

 

「いいか復讐を完遂したとき手に残されたモノを大事にしろ」

 

激しい剣戟の最中、親と子の会話が続いた・・・・

 

「そうだ・・・お前にひとつ伝えておく」

 

「なんだよ?」

 

「紫似の妖魔・・・・白愛だったか?あれは決して紫の生まれ変わりではない、魂は別モノだ」

 

「っ・・・・まさか・・・」

 

「死体は所詮死体、神楽の力は魂と直結している魂無き肉塊で作った物など所詮似ているだけの

 

別ものだ、だから・・・・・・近親相姦とか気にせずヤって平気だぞ!!」

 

 

「死に腐れ!!!」

 

 

「ハハハ!金髪幼女に名家のお嬢様、妖魔に神様・・・お前中々豪華なハーレムだな!!」

 

 

「ウルセエエエエエエエエエ!!!」

 

パキ・・・

 

叫びながら宗蓮にかかった瞬間暁の中で何か硬いものが砕けた音が響く

 

その瞬間体かゴウゴウと蒼い炎が吹き出す・それと同時に左手甲に

 

蒼い月輪(ガチリン)の意匠が刻まれる。

 

「やっと・・・『成った』か・・・」

 

「親父?・・・コレは・・・・」

 

「暁・・・・この瞬間『八神流古流剣術免許皆伝、並び八神家頭首継承の儀』を終了する

 

これよりお前の真名は『颯』である・・・・」

 

「継承の儀・・・それに『颯』?」

 

「この時より暁・・・・今後親しきモノ以外にこの名を明かすことは許されない」

 

「・・・・・・・」

 

「ふぅ・・・さて堅苦しいいのここまでだ・・・お前は早よ起きて日本橋に行け」

 

「日本橋?なぜそこが?」

 

「そこにあの干物がいる・・・魔を封じた門のある地それが日本橋だ」

 

「魔って・・・天海立ちのことか?」

 

「あんな雑兵じゃねえ・・・降魔が封印されている場所だ」

 

「降魔ってオヤジが戦ったあの・・・」

 

「・・・・・・・暁、済まんなもう時間だ」

 

そう言うと宗蓮の身体が徐々に霧散していく・・・・

 

「お前とこうして剣を交えて本当に良かった・・・さぁ往けそして『復讐』を

 

果たすがいい・・・マキを・・・頼むぞ」

 

宗蓮が完全に霧散した時いままでいた世界に亀裂が走り砕けた

 

そしてそこで暁の意識が暗転する

 

 

 

 

『格納庫雷電ハンガー』

 

 

 

「一体何が起きているの!!」

 

了子の声が格納庫に響き渡る、現在補給と修理が終わり休止していた雷電が

 

突如起動、期待数値が一気に異常値を叩き出す。

 

『呼吸数』『脈拍』『血圧』『体温』『魔力』そして『同調率』が

 

『アァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!』

 

「暁?目が覚めたの!!!返事なさい!!」

 

「暁!?聞こえてるかいオイ!」

 

オタコンとい了子が叫ぶと一通り叫んだ暁から通信がはいる。

 

『聞こえてるよ二人とも・・・うん聞こえてる!」

 

「無事なのね?カラダの調子は?」

 

『問題ないよ・・オロチの血も力も完全制御出来てる』

 

「なんですって?どうやって・・・」

 

『今は時間がない直ぐに日本橋に行かなきゃ?」

 

「日本橋?何故・・・・」

 

「あの干物ヤローがそこに居るからだ!?」

 

「どうして解るのよ?」

 

「クソオヤジが『教えて』くれたからだよ」

 

「まさか・・・兎に角暁聞いて状況を説明するから!

 

オタコンここに持ってきたVのコンテナお願い!?」

 

「『V』ってまさか!ここで?無茶だ!!」

 

『今は時間がないのお願いだオタコン』

 

「判った!」

 

そこから了子から現在の帝都の状況、花組の動き、

 

そしてさくらがひた足先に出撃した事を

 

「暁聞こえるか?」

 

「米田のおやっさん・・・・」

 

「無事、なんだな?」

 

「うん・・・」

 

「皆を・・・・頼む!!」

 

「任せてくれ!!」

 

 

 

 

※『雷門仲見世通り』

 

 

~~緊急警報!!緊急警報!!~~

 

 

付近の住民は至急退避してください繰り返します

 

付近の住民は至急退避してください

 

 

翔鯨丸の出撃アナウンスが流れるが既に翔鯨丸はさくらを載せて飛び立っていた

 

地上ハッチが開きそこからせり上がってきたのは

 

カタパルトに固定された雷電しかしその背後には・・・・

 

ロケットエンジンを幾重にも重ねたような巨大ブースター

 

『コジマ動力試作霊子甲冑雷電専用強襲追加推進器』

 

『ヴァンガード・オーバード・ブースト』

 

『進路クリア!コジマ粒子のプラズマ変換OK何時でもいけます!!』

 

 

「うむ・・・・・八神暁中尉出撃!!!」

 

米田の命令で最終安全装置が解除される。

 

「さぁ暁!鳥になってらっしゃい!!」

 

 

今、甲高い轟音と共に地上から『流星』が飛び立った・・・・

 

 

 

 

 

品川・花組side

 

 

 

現在、花組は黒之巣会死天王の一人黒き叉丹の策略により窮地に立たされていた

 

しかしそこにさくらが合流し状況は好転したかに見えるも、

 

敵陣は厚く中々突破できずにいた。

 

「っく早く突破しなくては!!しかし・・・」

 

「敵がが多すぎるで!?」

 

「ちくしょう!急いでるってのにコノォ!!」

 

「少尉!どうにかなりませんこと?」

 

キィィィィィィィィン

 

「隊長・・・・ここは私が囮に!」

 

「ダメだマリア!!全員で突破するんだ!諦めるな!!」

 

キィィィィィィィィィィィン

 

「アイリスどうしたの?呆けて・・・・」

 

「ねぇ・・・みんな何か聞こえる・・・・」

 

『え?』

 

キィィィィィィィィィン

 

 

たしかに遠くから甲高い音が聞こえるしかもそれは・・・・

 

 

キィィィィィィィィィィィィン

 

明らかに近づいてくる・・・・この異常に花組は勿論

 

てきの軍勢も固まる・・・・・そして

 

キィィィィィィィィィィィィン!!!

 

敵陣の一角に流星が突貫し道を作り・・・・空から蒼炎がまるで羽根のように靡かせる

 

デザートイエローの人型蒸気が降り立つ・・・・・

 

「あ・・・・・アカツキ!!!!

 

「yes!Iam!!!」

 

『皆今のうちに撤退を!!』

 

『了解みんな行くぞ!!!』

 

『了解!!』

 

今ここに帝国華撃団・花組が全員集合したのだった・・・・




※から※までのイメージBGMは、水樹奈々さんの『METANOIA』

勿論コレは作者のイメージであってほかの人によって違うでしょう

なのでVOB出撃にあうBGMをい流しながら妄想して見てください

因みにこれ書いてる時に流してたのは『仮面ライダーBLACK RX』 OP

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