サクラ大戦~散らなき鉄の花~   作:斎藤一馬

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オリジナル回これでラスト




第17話 深淵から生まれた銀糸の姫④

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ」

 

右腕・・・かろうじて動く。

 

左腕・・・さっきの攻撃で千切れとんだ・・・

 

右脚部・・・かろうじで繋がってるけど動かない。

 

左脚部・・・・足首から先、持ってかれてる

 

 

 

武器・・・鉄火無名二式・・・未だ健在

 

 

 

 

 

でも

 

 

 

 

「あ・・・・」

 

 

 

 

 

血の流し過ぎで金色の幻覚・・・あれは天使?

 

 

 

 

 

 

 

時間を遡り

 

 

 

 

 

大神達、帝国華撃団全員が動く事ができなくなっていた。

 

 

今もなお、肉を飲み込む黒い闇と表現でいる、不定形なモノ。

 

 

クスクスと嗤いながこちらをみているナニカ・・・

 

 

そしてそのナニカの背後に鎮座するソレ・・・・

 

 

どれをとっても理解が出来なかった。

 

 

でもただ一つ解るのは、アレ等を野放しにしてはいけないという事だった。

 

 

「貴様・・・・一体?」

 

ここで、辛うじて大神が言葉を発した瞬間、キラっとなにかが光る、その瞬間大神の横に転がっていた

 

脇侍の残骸が両断される。

 

 

「・・・・・・・まず人に名を尋ねるのなら自分からなのりなさいなぁ・・・」

 

「っ・・・・・!!」

 

「なぁに?・・・・聞いておいて黙り?まぁ貴方達に興味はないからいいけど、

 

そうね一つわたしの質問に答えたら名前教えてあげるわぁ」

 

「し・・・質問ですって?」

 

 

ここでマリアも言葉を出すことができ、それを皮切りに他のメンバーも場に慣れ始めた。

 

 

 

「そうなの・・・ねぇ・・・・貴方たちアカツキッテコシラナイカシラァ?」

 

 

女は口を歪ませ嗤う、その表情にサクラ以外の全員が恐怖する

 

そう・・・サクラ以外

 

 

「何故貴方がサトシ君を知っているの!!こたえなs」

 

 

 

 

 

グシャ!!

 

 

 

 

 

サクラが喋っている途中で、サクラの機体が吹き飛ばされ壁に激突し装甲が拉げるおと響く。

 

 

 

「「「「「サクラ(さん)(君)!!!」」」」」

 

 

 

「貴方如きが・・・彼の名前をくちにするな!!!貴様が!!」

 

「無事かサクラ君!!サクラ君!!!」

 

 

 

大神が必死にサクラに通信を繋げるが反応が無い、そこで帝劇から通信が入る。

 

 

「大神君!聴こえる?」

 

「あやめさん?!」

 

「どうやらサクラは気を失っているだけのようね・・・バイタルに異常をないわ

 

・・・それより」

 

 

アヤメがサクラの状態を大神に伝え其のあとに・・・・・

 

「アヤメさん?」

 

「・・・・サクラがやられた所をみた暁が其方に向かったわ」

 

「な・・・なんですって!!」

 

 

暁が飛び出したと聞いた大神が驚くしかしその時、

 

 

「アアアアアアアアアアアアアアァ!!貴様が!キサマガノウノウト

 

クラシテイタアイダカレガドレダケキヅツキクルシミチニヨゴレタカ!!」

 

 

ソレは吼える、憎しみを呪いを込め、吼える、その声に呼応するかのように

 

羅刹だったものを飲み込んでいた。黒いナニカが彼女に取り込まれ、鎮座した

 

人型蒸気に溶け込むように姿が消え・・・・人型蒸気の水晶のようなパーツが紫色に発光する。

 

 

 

「ツブスツブスツブスツブスツブスツブスアハハハッハハハハハハッハ!!!!」

 

 

暁の雷電のような、素早い機動で大神たちに、襲いかかる。

 

太陽光に反射する銀糸を巧み操り、攻撃し花組の攻撃を受け流す。

 

 

 

大神の斬撃を、

 

 

カンナの拳を、

 

 

すみれの突きを、

 

 

マリアの銃弾を

 

 

紅蘭の砲撃を

 

 

まるで踊るかの様に受け流し、流れるように攻撃に転じる。

 

彼女は、狂ったように嗤う、ひと思いの壊(殺)さないように嬲る。

 

その猛攻に一人、また一人と傷つくそしてサクラを守りつつ

 

猛攻を凌いでいた大神が吹き飛ばされる。

 

 

「っく!・・しまった!!サクラ君!!!」

 

 

刃物の様な斬れ味の糸が幾重にも迫る光武ゴトサクラを細切れにしようと迫る。

 

この場でサクラを守れる人間はいない

 

 

 

 

 

そう・・・この場では

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やらせない!!」

 

 

 

黒い一閃が銀の糸を切り払う

 

鍔の無い無骨な斬馬刀を構えた人型蒸気、各関節部から覗く

 

人工筋肉が軋む。

 

 

「暁・・・・!!」

 

「皆大丈夫・・・・じゃないよねみんなボロボロだ」

 

大神達の光武は、ボロボロで辛うじて動けるようだった。

 

「さて・・・落とし前付けさせてもらうよ・・・アンタ」

 

暁が白愛に視線をみけるそこには、フルフルとふるえながらブツブツ

 

なにかを呟いているその音量は徐々に大きくなる。

 

 

「アァァァッァァァァァlアカツキ・・・ヤットキタキテクレタ!!キノウノヨルハアノキンニクダルマノセイデ

 

フフフフフウウウアハハハハハハハ!!!サァ・・イショニ・・・カエロゥ」

 

 

 

 

 

 

 

暁・・・・もう遅いわ・・・一緒に帰りましょう・・・

 

 

 

 

 

 

 

幼い頃の母さんの面影が過る、そのせいで反応のが遅れる。

 

 

「アハハハッハハハハハハハハ」

 

「く・・・・」

 

 

奔る剣戟、舞う銀糸・・・・攻守の逆転が何度も行われる。

 

暁の八神流の剣戟と体術、銃器による攻撃

 

白愛の舞の様な糸の猛攻、糸で匠に操る二振の細身の水晶刀の斬撃。

 

互の攻撃が均衡していたが徐々に暁が押され始める。

 

 

 

 

 

「はぁ・・・・はぁ・・・・っくはぁ!!」

 

 

 

 

 

機関砲は糸の攻撃で左腕ごと切断され、右足の膝部分に深々と水晶刀が突き刺さる。

 

地を這う様に迫る糸の斬撃を交わしきれず左足首部分を切断。

 

鉄火無名二式を右手のみでふるった代償で右腕の挙動が安定しなくなってきている、

 

本体部分にも大小様々な斬撃痕が目立つ・・・・

 

大神たちは援護に動きたいが、いまの機体の状況ではそれも叶わずにいる。

 

 

「アァァァッァイイ・・・・スゴクイイワァ・・・ネェアカツキ・・・アナタノマッカナオハナサカセテネ・・・

 

ソシテいっシょニ・・カエリましょ?」

 

糸が幾重にも折り重なり編みこまれて一本の白銀の槍を形成する。

 

 

「逃げろ!暁!!!」

 

「サトシくん!!!!」

 

大神とサクラの声が響く

 

 

でも

 

 

 

 

「やば・・・・動けねぇ・・・」

 

 

目が霞む・・・・相手は投擲体勢をすでにとっている。

 

 

 

 

 

 

あぁ・・・・何も成し遂げずに・・・また死ぬのか・・・

 

 

リリィ、マキ、母さん・・・・・アイリス・・・

 

 

 

「ゴメン・・・」

 

 

 

暁に向けられた白銀の槍は、猛スピードで向かう誰もが暁の機体に深々と

 

貫くとおもった。

 

 

 

 

しかし一つの黄金色の光が暁の目の前に現れる。

 

 

金色に近い黄色の光武が現れた。

 

 

 

 

 

「アカツキ!!!!!」

 

 

 

 

 

少女の声が浅草寺に響く。

 

 

 

 

 

ドゴン!!!

 

 

槍は目標に着弾する・・・・暁の機体、雷電のさっきまでいた場所に

 

 

 

「?」

 

白愛は混乱し回り見渡した瞬間

 

 

 

グサリ・・・・

 

 

「ぁ・・・・・・」

 

 

白愛が後ろを見ると、黄色の光武に支えながら辛うじて体勢を保つ雷電

 

そして自分を後ろから貫く斬馬刀・・・

 

 

「ぃい・・・・わぁ」

 

白愛の狂気地味た甘い声を発した瞬間、白愛の機体からドス黒い液体が漏れ出す

 

腐臭と血生臭い臭いが辺りに充満する。

 

 

「アイ・・・リス助かったよでも・・・その機体」

 

「アカツキの身に良くないことが起きる気がしていてもたってもいられなくて」

 

「その機体、今日花やしき支部から届いたもんやないか!?

調整もまだやのに・・・無茶するわ」

 

「でもアイリスがいなかったら・・・暁は」

 

 

呆れるも何処かホッとした表情の紅蘭にマリアも表情を緩める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アカツキじっとしてて!!」

 

「アイリス俺は平気だって」

 

「ダァァァァァメ!!!」

 

 

どこで覚えたのかアイリスは、意外にもテキパキと暁の怪我の治療をしている。

 

花組のメンバーもそんなやりとりを見て今まで張り詰めていた気を緩める。

 

それはけして悪いことではない・・・さっきまで得体の知れないモノと戦ったのだから

 

 

 

 

黒之巣会とは別のナニカ・・・女怪『白の白愛』と

 

 

 

 

しかし戦闘のあった場所、白愛の機体があった場所には、彼女の人型蒸気の

 

『残骸』しか残っていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

機体から溢れ出た悍ましい液体が綺麗さっぱり消えていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

浅草十二階下には、それはそれは美しい女いるという

 

 

 

闇色のナイトドレス、銀糸の長い髪、狐のような耳をした女が

 

 

彼女と出会った欲塗れの男に

いつもこう尋ねるのだという

 

 

「ねぇ?アカツキってシラナイ?」

 

 

今宵もまた欲に塗れた男が姿を消した。

 

 

 

 

「暁・・・・今度はニガサナイカラ・・・クスクス」

 

 

 




やっとオリジナル回終了

アイリス機は、基本PS2版紅き血潮にと同じモデル
ですが一部変更している部分があります

まあ背部にフランちゃんの羽のようなユニットが装備されている感じです

通常版より攻撃力高めの設定
(宝石部分からビームでます)

あとハッチャケ姫こと、白愛は度々でてきます。
暁頑張れ!!

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