チート能力持ちのありきたりな冒険   作:ぎが

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こんにちはぎがです。見てくれてありがとうございます。
書くモチベーションが上がるので感想とか色々待ってます。とても。
書いてくれればパンツの話が1話につき一回から二回に増えます。犠牲になるのはルナちゃんなので別にいいです。
ではごゆるりと。


7話 魔法とは

「ふわあーあ」

 

朝。昨晩はご飯を食べ、ゆっくりして過ごした。

 

色々な話を聞けた。魔法についても聞いた。

 

「魔法っていうのはですね、やり方を知ってるだけではだめなんです。」

 

「どういうこと?」

 

たしかに知識としては頭にあるのだ。だが、使えない。

 

「例えばですね、走る、という動作に例えましょう。スウさんがそのことについて全く知らないとして、私がスウさんに走る、とは手と足を動かし前に進むことだ、と教えるとします。」

 

「ほう」

 

僕が赤子のような扱いを受けている。悪くない。

 

「でも、なにもわからないスウさんは地面を這って進むかも知れませんし逆向きになって走るかも知れません。」

 

「たしかに。」

 

「これはすこし極端な例なのですが、つまりはそういうことなのです。知識としてあっても意味がない。体で覚え、使い方をこそ学ばなければ魔法は使えません。」

 

「なあーるほどなぁー」

 

すこし難しい話をされてぼへーっと答えてしまう。

 

「簡単な魔法、教えましょうか?」

 

「いいの!?」

 

この前は教えないって言ったくせに。

 

「いや、あの、私も誤解していたっていいますか、あの、えっと...ごめんなさい...。悪用されては困るものなので...スウさんいい人でした...」

 

申し訳なさそうに言うルナはなんとも絵になる。

 

「そう言ってくれて嬉しいよ。」

 

「では、どんなものがいいですか?魔法の種類に希望ありますか?私も全然知りませんが。」

 

ルナは自虐的にはにかむ。

 

「僕、はじめに火の魔法を試したけどだめだったからそれがいいな。」

 

「火ですね。わかりました。それでは...」

 

「うおっ...!?」

 

むにっ、っと背中に幸せな感触が湧き上がる。僕に魔法をおしえるために、体を密着させているのだ。

 

どうやらルナは着痩せするタイプで、鎧を外したその双丘は、その存在をもって僕の背中に幸せを叩きつけていた。

 

そしてその感触は僕にある答えを導いた。

 

...................ノーブラァァァ!!!!

 

こっ、この天然小悪魔、ノーブラだぞ!いや当たり前なのか?そもそもブラがある世界かどうかもわからない。

 

「あのっ...胸がですね...当たってですね...」

 

僕は必死に伝える。

 

「えっ?胸ですか?胸...」

 

ルナは自分の胸を見る。そこには、スウの背中に押し付けられ形を崩した双丘があった。

 

「っっひゃああ!!ごっごめんなさいっ!!」

 

ルナは飛びのく。すこし勿体無い気がするが、これでいいのだ。

 

「あ、ありがとう。」

 

なぜかお礼を言うスウ。改めて魔法を教えてもらうことにする。

 

「ごめん、お願いできる?」

 

「はいぃ...」

 

恥ずかしがりながらも今度は前に回り教えてくれるらしい。

 

「ではまず、私が見せますね。右手から炎を出しますが、どちらかというと魔力が炎に変わるイメージを持って見ていてください。」

 

そう言うと、ルナは右手を出し手のひらを天に向け、一言。

 

「火の加護を。ファイオ。」

 

ボウッ。

 

オレンジ色の炎がルナの手のひらで踊る。

 

「おおっ!」

 

期待していた光景に、思わず目を輝かせてしまう。

 

「わかりますか?今、私の手のひらで魔力が炎に変換されています。出力も自在ですが、これは下級の魔法なので出せてバーナーくらいの火力ですかね。」

 

バーナーと言う器具はあるのか。そう思いながら手のひらを眺める。

 

「なんか...できそうだな僕。今なら。」

 

本当にただそう思った。根拠はないし、実際できるかは全くわからないが、自信だけがスウの中に灯った。

 

スウは静かに右手を出し、手のひらを広げる。

 

「.........」

 

その光景を、ルナは黙って見ていた。

 

「炎の...加護を...ファイオ。」

 

「待っ....!!!それは中級の詠唱ですっっ!!」

 

もう遅かった。スウの手のひらからは青白い炎が暴れ狂い、天へと駆け抜けて行った。

 

「スッ、スウさんっ!!」

 

焦ったルナが駆け寄る。

 

尻餅をついたスウはキョトンとしている。放心状態のようだ。

 

「スウさん、ファイオの詠唱は火の加護を、です。炎の加護を、と言う詠唱は中級魔法のファイラ、と呼ばれる魔法です。」

 

そうだったのか。

 

「ご、ごめん...よく聞いてなかったみたいだ...」

 

「中級の魔力を下級の魔法に詰め込んだんですから、当然暴走します。常人なら、腕が弾け飛んでもおかしくないんですが...」

 

スウの手は、無傷である。

 

「(スウさん、あんな無茶をして無傷...それに、あの魔力量は確かにファイラの量だった...無理矢理下級に落としてそれを操ったってこと...!?そんなことができるものなの!?それに初めてって...)」

 

ルナは驚きを隠せない。

 

しかし、ルナはすぐに笑顔になりスウにこう言った。

 

「スウさん、ほんかくてきに魔法を、習ってみませんか?」




読んでいただきありがとうございます。
ちんたら進めているので話が進みません。今回パンツなかったですし。
さて、今回のあとがきですが火の魔法について少し。
火の魔法は魔法の中でも初歩の初歩。魔力を燃やし、火に変換する魔法です。
基礎であるが故に極めればとてつもない威力を発揮します。
下級は「火の加護を。ファイオ」
中級は「炎の加護を。ファイラ」
上級は「爆炎の加護を。ファイオネル」
超級は「炎神の加護を。ファインガル」です。
スウは全部使えますが、本人は知りません。


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