台風が来ています。怖いです。
今回の話では、職業決めをします。がんばってるみたいなんで見てやってください。
よろしくどうぞ。
「では、改めまして、ゼウスへようこそ!こちらは冒険者カードになります。」
「ありがとうございます。」
そう言い、そのカードに目をやる。さまざまな内容が書いてある。
「筋力、魔力、防御力...この数値はなんですか?」
筋力、5
魔力、50000
防御力、6
魔力適正、火、水、雷、土、風、光、闇、神
「はい、そちらはスウさんの基本ステータスになります。では、続いて職業を決めましょう。先ほどの血を使って、最も良い職業を選びます。最初はその職で冒険をするのがいいでしょう。」
「わかりました。それで、僕の職業は?」
すこしワクワクする。楽しみである。
「スウさんの職業適正は...職業...適正...は......?」
「?」
だんだんと声が小さくなるおねえさん。(そう言えばチカさんというらしい。)
「あの、適正は、ありません。」
「え?」
どういうことだろう。そんなに弱いのだろうか僕は。
「いえ、こんなの初めてです。全ての職業適正が均等に振られているんです。職業適正がない、というより、全ての職業に適正があり選べない、ということです。」
「???」
「こんなこと、初めてなんです。どうしましょう...ギルド長に掛け合ってみますね...」
チカさんは早歩きで奥へと向かう。取り残された僕とルナは、待つしかない様だ。
「ルナ、このステータスって普通どのくらいなんだ?」
「そうですね、レベル1でしたら
筋力、3
魔力、5
防御力、3
魔力適正はどれか属性ひとつかふたつってところですね。」
「ふうん...」
僕は驚かれるとめんどうなのでこのカードは誰にも見せないことにした。
「適正属性って増えたりするの?」
これは純粋な疑問だ。
「はい。私も、レベル1の時は光属性にしか適正ありませんでしたし。そのあと火とか水も使えるようになりました。スウさんは少なくとも火には適正ありましたよね?」
「うん、あったよ。」
適当にはぐらかす。
すこし怪しむような目でこちらを見るルナに気まずさを感じていると、チカさんと髭を蓄えた老人がやってきた。
「スウさんおまたせしました。こちら、ギルド長のロブさんです。」
「お主がスウか。ロブじゃ。皆からはロブ爺と呼ばれとる。よろしくのぉ。」
「よろしくお願いします。」
ぺこり、と頭を下げる。この人、一体何者なんだろう。すごい威圧感だ。
「お主、全ての職業に適正があったとか。これがどういうことか理解しておるかの?」
「理解...ですか。全ての職業になれる、とかそういうことなんですかね?」
僕は思ったままを話す。
「ハッハッハッ!抜かしおるのお若いの。それはな、とんでもないことなんじゃよ。」
豪快に笑うロブ爺に、どういう顔をしていいかわからない僕。
「例えばの、拳で戦う者と魔法を使う者。これらは正反対に位置する者なんじゃ。これらを同時に使える。なんとも恐ろしい。」
真顔になり、説明するロブ爺。急に場が引き締まる感じがする。
「若いの、君は私から何か感じるものはあるか?」
「さっきからずっと威圧感のようなものを感じます。」
そうだ。この威圧感。どこかで感じた気がする。どこだったか...
「それはな、神威じゃ。神のみが持ち、特定のものにしか感じられない力。威圧。君、恐らくじゃが魔力適正に神という項目がなかったかの?」
「ありましたね」
そういえばあった。神属性の魔法があるのだろうか。
「「神っ!?」」
ルナとチカさんが同時に驚く。
「わしはの、亜神と呼ばれる種族なんじゃよ。生き仏といったところかの。」
「亜神...」
亜神というからには神なのだろう。それも種族として存在しているとは。不思議な世界だ。
「でも、その神属性の適正があるからって、神であるってことにはならないんですよね?」
「うむ、もちろんそうじゃな。君は間違いなく人間族のものじゃ。しかしな、人間族でありながら神の力を使役するとは...末恐ろしい子じゃ」
なんか話が壮大になっていく気がする。
「さて、君の職業じゃが、本来全ての職業を極めた最高位の冒険者にしか与えない職業を特例として与えよう。その名も...」
「オール」
オール、とは、全ての職業を極めたものに与えられる称号にちかい職業である。全ての職業の得意なところを抽出し、合体させたようなそれは、隙のない無敵、ともいうべき存在なのだ。
「オールを今日ギルドに入った少年に!?」
チカさんが驚いている。無理はないのだろう。
「わかりました。僕の職業はオール、ですね。頑張ります。」
ルナは驚きっぱなしでさっきから口を開けていない。
「フォッフォッ...がんばってくれたまえよ。」
こうして、冒険者としての僕の一日がおわった。
はい。読んでいただきありがとうございます。
女の子を出したいのにジジイしか出て来ません。悔しいです。
次の話では出すので許してください。
またどうぞ。