その男、グリゴリの戦士なり   作:雪原野兎

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第18話 絆の力。

突然の攻撃で玲士がグランドまで弾き飛ばされ、それを追って鎌瀬が居なくなった会議室、そこでは険悪な表情でサーゼクスを睨む堕天使陣営がいた。

 

アザゼル「おいサーゼクス…さっきのあいつの行動は堕天使への宣戦布告と取って良いんだな…?」

 

そう言いながら光の槍を発生させ、サーゼクスへと向ける。

 

サーゼクス「ま、待ってくれ!私もどういうことか分からないんだ、彼が玲士くんの仇だなんて!」

 

リアス「仇なんてどうでもいいのよ!あの男は慎士に剣を向けたのよ!」

 

リリン「無能姫はちょっと黙ってろ。さぁてねぇ、なんでだろうねぇ?正直僕ちゃんも不可解でしかないんだよねぇ?」

 

サーゼクス「リアス、彼の行動は犯罪行為だ、黙っていなさい。」

 

リアス「お兄様!?」

 

アザゼル「しかし、不可解とはどういう事だ?リゼヴィム。」

 

リリン「玲士少年が親を失ったのは10年前で7歳と言う事だ、だがそう考えるとあの勘違い男も7歳、小学生で殺害に及んだことになる。力を持っちゃった小学生ならやりかねないが…あれはまるで奴は何か未来につながる目的をもって意図的に殺そうとし、殺し損ねていたと分かった反応だよねぇ?」

 

裕斗「それは…小学生が思う事なのですか…?」

 

リリン「ぜっっっ…………っったいにない、はっきり断言出来ちゃうレベルでさ!」

 

ミカエル「では、あの男はどういう理由で?…イリナさん、ゼノヴィアさん、お二人はあの男と出会っていましたね、何かありませんでしたか?」

 

イリナ「んー…そういえばなんか私達を見る目がいやらしかった気がする様な…。」

 

ゼノヴィア「そういえば確かに私たちを嘗め回すように見ていた気はするな。」

 

アザゼル「…メフメラ、朱乃とセラフォルーの妹たち、お前たちもそんな経験は?」

 

メフメラ「カサビエルの時に私やトスカちゃんをそんな目で見られました…あと玲士くんを男と分かる前も…。」

 

蒼那「私もありますね、私の眷属達にもそんな目で見てきていました。」

 

朱乃「私の方もありますわ、私や小猫ちゃんに対してもそんな目で見てきましたもの。」

 

椿姫「それに木場きゅ…木場くんや匙くんには辛辣な態度をとってましたね、邪魔者扱いする感じで。」

 

裕斗「ギャスパー君に対しても最初からそんな対応で…あれ?」

 

その名を言った時、一つの疑問がギャスパーの姿を知るリアスを除いた者達に思い浮かぶ。

 

アザゼル「おい待て、ギャスパーってあの一目見ても女としか見えない奴にもそんな対応したのか?」

 

裕斗「え、ええ。」

 

リリン「うーむ、可能性を可能性で考えて…もしかするとあいつらは転生者と言う事になるだろうな!」

 

アザゼル「あいつ…『ら』だと?なんで玲士も転生者だって言えるんだよ?」

 

リリン「簡単な話だってばよ、さっきも言ったけど殺し損ねたと言わんばかりの反応、そして何故玲士少年の家だけを…いや、玲士少年を狙った?それはこの世界が彼の前世では何か物語でも語られていたのかもしれない!だからこそ!関係の無い、メインキャラでもない玲士少年が敵だと分かったのだろう、そしてギャスパーという坊主は男の娘という見た目なのだろう?だというのに普通は最初からそんな反応を出来るわけがない、ならば先ほどのこの世界は物語で語られていたのだという証明にもなる!とまあ推定でしかないが僕ちゃんはそう思うよ。」

 

サーゼクス「この世界が、物語の世界…?」

 

アザゼル「そんなのはどうでもいいだろう、俺達は今も生きているんだからよ。それに…玲士が転生者であろうと俺の大切な義息であることには変わりねぇしな。」

 

リリン「さて、どうする?このままだと玲士少年は負けちまおっと、危ないじゃないか我が孫よ。戦いに関してはゲームで受けてやるから今はやめるのだ。」

 

喋っている最中、ヴァーリが魔弾を放つがそれを首を動かすだけで避ける。

 

ヴァーリ「…は?」

 

リリン「なんだ、一緒に遊ぼうと言っているのが分からんか?最近ゲームで進めない所もあってな!」

 

ヴァーリ「…ふざけるな!俺はお前のせいで!」

 

リリン「うむ、そうだな、僕ちゃんが諭したというのもある、だがそれを実行する決断をしたのはお前を恐れたビビりの息子だからねっ!それで我慢できないなら終わった後にでも挑戦を受けてやろうではないか。…だから今は玲士少年の手助けをしてやりな。」

 

ヴァーリ「…逃げるなよ、クソ爺。行くぞアルビオン!」

 

アルビオン『ああ、ドライグに貸しを作ってやるとしようか!』

 

イリナ「ミカエル様、私も!」

 

ミカエル「…ええ、許可します。傲慢なる男に鉄槌を。」

 

裕斗「サーゼクス様、僕達ははぐれにならせていただきます!行きましょう、朱乃さん!空飛ぶ魔剣よ!」

 

朱乃「ええ!雷光よ!」

 

サーゼクス「…はぐれにならなくても構いません、犯罪者鎌瀬慎士の捕縛を!」

 

リアス「お兄様!慎士は犯罪者じゃないわ!犯罪者はあの女男よ!慎士、今援護をっ!?」

 

リアスが魔力を玲士に向けた瞬間、光の槍が目の前を通り過ぎる。

 

アザゼル「おっと動くな、もうお前の兵士が犯罪者なのは三勢力で決まったんだよ。俺はそこの犯罪者になろうとしてる娘を見張っておくとするかね…頼んだぞ、メフメラ。」

 

メフメラ「うん!行ってくるわ!『天運の渡り鳥』!」

 

その会話と共に、5人はグランドへと向かっていく。

 

 

 

時間は少しさかのぼり、グランドで対峙する二人へと視点は移る。

 

鎌瀬「おらおら!どうした裏切り者が!防戦一方かぁ?」

 

そう言いながら黄金の波紋より武器を出し、射出して攻撃する鎌瀬に対し。

 

玲士「…っ!」

 

神速の剣撃で飛来する武器を切り落としていく玲士。

 

数分の応酬の後、玲士が動きを見せる。

 

玲士「確かにその神器は厄介ですが…それだけです!」

 

その言葉と共に地を蹴り、速攻を仕掛ける。

 

鎌瀬「てめぇの動きなんて分かるんだよ!そらぁ!」

 

玲士の行く先、そしてその左右の上から黄金の波紋を発生させ、武器の雨により壁を生成し接近を防ぐ。

 

さらにその横から波紋を発生させ、挟み込むように玲士へと武器を射出する。

 

玲士「おっと…先に置かれるのは厄介ですね。」

 

それに対し即座にバックステップをし、飛んでくる武器を切り落としていく。

 

鎌瀬「後ろに下がったてめぇは馬鹿だな!ははははは!」

 

玲士「これは…!」

 

下がった玲士の全方位、そして慎士の後方に超がつくほど大量の黄金の波紋が出現する。

 

鎌瀬「さぁ、これで終わりだぜ踏み台モブ野郎が…なぁっ!?」

 

発生させた武器全てを射出させようとした瞬間、大量の魔弾、銃撃、雷光、飛来する剣によって弾かれ、玲士の近くに複数の人物が降り立つ。

 

ヴァーリ「…やれやれ、俺以外の奴に負けるのは構わないがそいつにだけは負けるのは許せないな、義兄さん。」

 

イリナ「ミカエル様から許可はもらったわ!玲士くんの両親の仇!覚悟してよね!」

 

朱乃「うふふ…別に一人で背負う必要もありませんわ、私たちがいますもの。」

 

木場「そうだよ玲士くん、僕たちに恩返しをさせてくれ。」

 

フリード「すまねぇ兄貴!魔法使いたち鎮圧するのに時間が掛かっちまった!」

 

トスカ「私達も今から参戦させてもらうよ!」

 

メフメラ「玲士さん!私も援護します!」

 

玲士「皆さん…お願いします、共にあの男を倒しましょう。」

 

現れた増援、数日前まで仲間だった者すら敵となった慎士は一人憤怒の形相となり睨みつける。

 

鎌瀬「クソが…くそ共が!俺は主人公なんだよ!赤龍帝の籠手すら俺に宿った主人公だ、あんな変態野郎とは違う俺のハーレムを作る為の世界だろうが!俺の…俺の邪魔をするなああああああ!」

 

背後に再度黄金の波紋が現れ、先ほどよりも早い速度で射出を開始する。

 

フリード「防ぐぞヴァーリ!イザイヤァ!おらおらおらおらぁ!全部撃ち落としてやるぜ!」

 

裕斗「任せてくれ!魔剣創造!全剣斉射!」

 

ヴァーリ「ふっ、一人でも全て撃ち落とせるぞ?はぁっ!」

 

それに対しフリードが怒涛の連射で、裕斗が大量の聖魔剣の射出で、ヴァーリが極大の魔弾を以て撃ち落としていく。

 

玲士「撃ち落とすと同時に私達もっ!?これは…?」

 

駆け出す為に地面を踏みしめようとした瞬間、2枚の金色の弓兵のカードが玲士の前へ現れる。

 

メフメラ「これは…激しい怒り…私たちも分かるほどの怒り…。」

 

トスカ「あの犯罪者の技を知っている英雄なのかな…?使っちゃおうよリーダー!」

 

玲士「…そうですね、力を借ります!二重夢幻召喚(ツインズ・インストール)!」

 

そう唱えた瞬間、光輝き玲士を包み込む。

 

すぐに光は収まっていき、その場には結んであった髪は解け金色に、眼は紅く輝きを放ち、赤い紋様が入った黒いインナー、そして肩に二振りの剣が備え付けられた黄金の鎧を身に纏った玲士の姿があった。

 

朱乃「玲士…さんですの…?」

 

玲士「ええ、私ですよ。ふむ…なるほど、そういうことなのですね…これは無様な戦いは見せられませんね。」

 

イリナ「れ、玲士くん?」

 

その場にいるすべての者がその姿に驚く、しかし…ただ一人だけ違う驚きを見せる者がいた。

 

鎌瀬「そんな、嘘だ…なんでてめぇがそれを使えるんだよ!?俺が使ってるのになんでてめぇが!」

 

玲士「本人たちから、とでも言いましょうか?彼等からあなたに伝言が…。『我が財を勝手に我が物顔で使った罪は万死に値する、死後は完全に魂すらも消し去ってくれるわ。』だそうですよ。」

 

鎌瀬「な…!くそ!くそくそくそ!」

 

鎌瀬&玲士「『王の財宝』!」

 

同時にその言葉を放った瞬間、互いの背後に黄金の波紋が現れ武器が射出される。

 

鎌瀬「なっ!?があああああ!」

 

その数は圧倒的に違い、玲士が射出した武器の一部が鎌瀬の体を抉る。

 

フリード「うっそまじかよ…兄貴もあの神器を使えるようになったんすか!?」

 

玲士「いえ…あれは神器とは名ばかりの偽物みたいですね、これこそ本物というのでしょうか、宝具『王の財宝』…古代ウルクの王ギルガメッシュの宝具です。」

 

メフメラ「古代ウルクの王…すごい。」

 

玲士「…もう勝敗は決しました。諦めてください。」

 

鎌瀬「黙れ黙れ黙れ…!その状態ならこれが!」

 

玲士「その行動もすでに『視えて』います。」

 

鎌瀬&玲士「『天の鎖』!」

 

玲士の周囲に黄金の波紋と共に鎖が現れ、鎖同士が互いに弾きあい黄金の粒子となり消える。

 

鎌瀬「そ、そんな…!?」

 

朱乃「相手の行動分かりますの?」

 

玲士「ええ、ありとあらゆる全てが手に取る様に、ではトドメと行きましょう!フリード、トスカ、一緒に!メフメラ、援護をお願いします!」

 

フリード&トスカ「っ!オーケイリーダー!」

 

メフメラ「任せて…お願い、玲士さんを助けて…!禁手発動、『運命凌駕の双星人形!』」

 

その言葉と共に玲士とフリード、トスカは駆け出し、メフメラは2体の人形を召喚し三人に追従させる。

 

鎌瀬「来るな…来るな来るな来るなぁあああああ!」

 

後ろに退きながら波紋を展開し、武器を連続射出させる。

 

玲士「フリード!」

 

フリード「お任せってな!」

 

そう言いながら銃を乱射し、武器を人形と共に撃ち落としていく。

 

鎌瀬「こ、これなら…!」

 

そう言った瞬間、玲士たちの全方より広く波紋が現れ、寸分の狂い無く同時に武器が射出される。

 

玲士「トスカ!」

 

トスカ「任せて!『楽園の守護防壁』!」

 

そう叫んだ瞬間、3人の周囲に光の防壁が発生し、全ての武器を防ぎ落す。

 

鎌瀬「なぁっ!?く、くそ!やってやる!赤龍帝の籠手!」

 

トスカ&フリード「リーダー!行っけぇええええええ!」

 

玲士「その妄執…これで終わりにします!」

 

そう言いながら慎士は籠手を左手に纏い、玲士は剣に手を掛けて地面を蹴り、飛び跳ねる。

 

鎌瀬「ド、ドラゴン、ショ」

 

玲士「遅い!はぁっ!」

 

その言葉と共に剣を振り下ろし、慎士の両肘を切り落とし、そのまま踏みつけ、

 

鎌瀬「ぎゃあああああああああ!」

 

その勢いのまま地面に慎士を叩き付け、剣を突きつける。

 

玲士「私たちの勝利です。」

 

慎士「ま、まだ終わらない…終われないんだよ…!王の財宝!…え?王の財宝!なんでだよ、なんで現れないんだよ!?」

 

往生際の悪い慎士は王の財宝を展開しようと叫ぶが一切反応せず、波紋が現れる事は無かった。

 

玲士「負けたのだから没収されたのでしょう、あなたの知る英雄王に。」

 

慎士「そ、そんな…。」

 

フリード「ふいー、これで因縁も終わりっすね、さくっと殺しちゃいますかね。」

 

玲士「駄目ですよ、しっかり悪魔なら悪魔として冥界で罪を償ってもらわないと。」

 

トスカ「えー…流石にそれは甘すぎですよリーダー。」

 

玲士「それでも、です。ふふ…はっ!」

 

そう言いながら剣を横薙ぎし、飛んできた滅びの魔力を切り裂く。

 

リアス「慎士から放れなさい!この犯罪者風情が!」

 

魔力が飛んできた方には滅びの魔力を向けるリアス・グレモリーの姿があった。

 

フリード「あのアバズレが…!食らいやがれ!」

 

リアス「あま…がっ、ああああああ!?」

 

それに対しフリードが銃を向け発砲し、回避しきれずリアスはその光弾を喰らいもがき苦しむ。

 

サーゼクス「リアス…!すまないフリードくん、それまでにしてくれ!」

 

アザゼル「すまん、抑えきれなかった…だがわざわざ殺す必要はねぇさ、後はこいつに任せとけ」

 

フリード「…ちっ!」

 

そう言いながら銃をしまう。

 

全てが終わった時、その場に二人の小さい影が現れる。

 

小猫「…これは?」

 

ギャスパー「ぶ、部長さん…!?」

 

フリード「げっ…待ってろっつったのに来ちまったか…。」

 

その姿を見たリアスは痛みに耐えながら口角を上げ。

 

リアス「ギャスパー、小猫…!こいつら全員裏切ったのよ!助けて…!」

 

トスカ「こ、この女!?」

 

小猫「…分かりました。」

 

サーゼクス「小猫くん、待ちたま」

 

小猫「…えいっ!」

 

リアス「ぶぎゃっ…。」

 

その場にいた全員「ええ…?」

 

小猫が投げたこぶし大の石がリアスの顔面へと命中し、リアスは気絶する。

 

小猫「…嘘つき悪魔との縁は切らせていただきます。」

 

ギャスパー「え、えっとごめんなさい部長…ど、どちらにも味方できません。」

 

そう言うと共に、近くにさらに二つの影が現れる。

 

和服美女「にゃっほーヴァーリ、援軍に来たにゃん!」

 

爽やかなイケメン「つってももう終わってるみたいだがな!魔法使いだけじゃ詰まらねぇなぁ。」

 

サーゼクス「き、君は黒歌かい!?ど、どうしてここに!?」

 

黒歌「ヴァーリがそこの猿を誘ってた時に遭遇しちゃってついていっちゃったにゃ。」

 

猿「猿じゃねぇつってんだろ!俺は美候!闘戦勝仏の末裔だ、よろしくな。」

 

アザゼル「…おいヴァーリ?俺は黒歌については一切聞いてないんだが?」

 

ヴァーリ「勝手について来たんだ、気にするな。」

 

サーゼクス「やれやれ、驚いたけど冥界は変わる予定だからね、黒歌くんに関しても見逃すとするよ。…さて、私はこれから犯罪者である二人を冥界へ連れていく。カテレア、すまないが和平の調停は任せるよ。」

 

そう言うと、魔法陣が展開し慎士とリアスを連れてサーゼクスがその場からいなくなり、会議室に残っていた者達が続々と集まってくる。

 

カテレア「ちょっと!?ああもう勝手に…分かったわよ!真の新魔王であるこのカテレアがしっかり調停をしてあげますわ!」

 

ミカエル「いつの間に魔王が変わっていたのですか…。」

 

セラフォルー「さっき全部任せちゃった☆彡これからは私は趣味を全力で頑張るよ!」

 

カテレア「せめて魔女の印象がおかしくなるようなのはやめなさいよ!?これからはこの私が外交をすることになるんだから!」

 

リリン「ぎゃははは!ま、頑張れよ、僕ちゃんは魔王やらないけどねー。そんじゃ、ここでやる事は終わったから帰ってゲームを」

 

ヴァーリ「待てクソ爺!」

 

リリン「おお!どうしたヴァーリよ!」

 

ヴァーリ「…後でお前の家に突撃するから覚悟していろ!」

 

リリン「ッ…く、くく、はははは!うむ、待っておるぞ!」

 

そう笑いながらリゼヴィムは魔法陣を展開してその場を後にする。

 

ゼノヴィア「しかし…すさまじいなレイジ、それがえーっと…ギルとかいう英雄の力なのか。」

 

玲士「ギルガメッシュですね…っと、やっと戻れました。」

 

名前を訂正した瞬間、夢幻召喚が解除されて元の状態に戻り、金色のカード2枚のうち片方が光の粒子となり消えさって1枚だけが手元に残る。

 

アーシア「片方のカードが…。」

 

アルス「消えてしまった…?」

 

玲士「恐らくやるべきことを終えたので力を貸す理由が無くなったのでしょう。残られたもう片方のギルガメッシュさんは力を貸してくれるそうです。」

 

アザゼル「自我を持っているあたり最古の英霊やべぇなおい…まぁ、玲士なら問題はなさそうだな。」

 

ミカエル「会議室は壁が壊れただけですので調停をする分には問題ないですね、魔法使いの方はどうしますか?」

 

カテレア「それについては数週間投獄した後に開放で構わないわ、元はと言えばセラフォルーの趣味のせいだもの。後でリゼヴィムからどう丸め込めるか聞いておくわ。」

 

セラフォルー「うう…カテレアちゃん厳しい…。」

 

アザゼル「さて、お前らはどうするんだ?主が連れて行かれちまったがよ。」

 

裕斗「僕たちは学生ですから自宅に戻って人としての日常に戻るだけですね、それにあの悪魔は僕たちを裏切ったのですからもう主ではないです。」

 

小猫「…学生を続けて後でグリゴリに行くつもりです。」

 

ギャスパー「え…えっと僕は引きこもります!」

 

アザゼル「そうか、まあ冥界での悪魔革命が終わったら元の種族に戻す研究をし始めるから待っておきな。」

 

その言葉にグレモリー元眷属の者達は頷き、それぞれ帰路へとつく。

 

玲士「…私たちはその革命に参加しますか?」

 

アザゼル「出来りゃあ参加してほしいが…ま、数も質も圧倒的に有利だろうから数日で終わるさ、扇動の天才も手伝ってくれるだろうしよ。さて、お前たちも帰って良いぞ、全てが『視えて』いたんなら今とても疲れてんだろ?」

 

玲士「あ、あはは…バレていましたか。」

 

メフメラ「やっぱりそうだったのですね…。」

 

フリード「やっぱりってメフメラ姐さん気づいていたんですかい?」

 

メフメラ「うん、無理をしてるってなんとなくわかって…。」

 

玲士「ふふ…黙っていていただきありがとうございます。私たちも戻りましょう、今はゆっくりと休みたいですね。」

 

トスカ「じゃああとは独身に任せて帰っちゃいましょう!魔法陣展開!」

 

アザゼル「おいトスカその呼び名はやめ…とっとと帰りやがったあいつら…。」

 

呼び名を訂正しようとした時には既に魔法陣は光輝き、玲士チームの全員は既に転移していた。

 

カテレア「さっさと始めるわよ独身共!これから忙しいんだから!冥府にも連絡とってハーデスにも協力を要請して…。」

 

ミカエル「おや、私も含まれてしまいましたね…早くしますよ独身。」

 

アザゼル「お前らなぁ!?というかミカエルお前にだけは言われたくねぇよ!?」

 

そう言いながら、三勢力のトップ達は会議室へ戻り、調停の準備を始める…。




思えば、ここに到るまで長かったですね…。

アザゼル義父さんに拾われ、師匠やシェムハザさん達堕天使の幹部と出会い。

朱乃さん、フリードさん、ヴァーリ、トスカさんたち聖剣計画の皆さん…。

そしてメフメラさんと出会い…共に過ごして…告白された時は驚きましたが、とても…とても嬉しかったですね。

この様な私でも慕ってくれる方がいて…彼女を不幸にしない様に気を付けないといけませんね。

リリンさんやイザイヤくんとも出会い、そして私の仇を見つけ、倒す事も出来ました。

力を貸してくれた皆さん、力を貸してくれた過去の偉人の方々には感謝を…。

次回「エピローグ『その男は。』」

では始めましょうか、人間としての新たな暮らしを。



解説的な:今回使用したカードは最初はセイバーのランスロット、そして二重夢幻召喚した際は王の財宝と天の鎖がSNギルガメッシュと鎧と剣がプロトギルガメッシュです。
インナーに関しては玲士があまり肌出すような人物でもないのでそんな感じに、鎧を除いた見た目は二次創作のFate/Protoreplicaの姫ギルのような姿です。(胸は有りません、男ですので)

解説的なその2:リゼヴィムが転生者と分かった理由、もちろん漫画です。サブカルチャー万能説(おい待て)

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