そして予告詐欺、短くなるとは一体何だったのか。
魔法陣より現れたカテレア、
カテレア「まさかこんな簡単に解除されるとは使えない魔法使いたちねぇ…。」
アザゼル「はっ!お前の協力者よりも俺の息子の部下の方が優秀だった、それだけだぜ?」
カテレア「ふん、協力者ではなく道具よ、人間風情なんかが私と対等であるはずないじゃない。」
セラフォルー「カテレアちゃん!どうしてこんなことを!?」
カテレア「黙りなさい!私からレヴィアタンの座を奪っておきながらよくもぬけぬけと!正統なるレヴィアタンの血を引いている!魔王に相応しかったのよ!」
セラフォルー「カテレアちゃん!私は…!」
???「ぎゃははははは!悪いのはその無能嬢ちゃんじゃなくてそいつを選んだ奴等だというのに逆恨みしちゃってぶははははは!おバカ過ぎちゃってひぃーひひ…腹いってぇわぁ!」
突如として聞こえてきた笑い声と罵倒にその場にいる二人を除いて全員が驚き、約1名が殺気に満ちる。
カテレア「このレヴィアタンに向かってバカですって…!?誰よ!」
そう言って魔力を構えた瞬間、魔方陣が展開され、そこからリゼヴィムが現れる。
リリン「じゃじゃーん!僕ちんとうじょーう!」
カテレア「なっ!?リ、リゼヴィム!?どうしてここに!別の事に忙しいからと協力しないと言ったじゃない!」
アザゼル「…なんでこんなところにいる。リゼヴィム。」
リリン「ふっふーん、決まっているだろう?そこのメフメラ嬢ちゃんとの約束を果たすために来たのさぁ!」
玲士を除く全員「「「…は?」」」
その言葉に、ほぼ全員が素っ頓狂な声をあげ、メフメラへと視線を向ける。
アザゼル「メフメラ、どういう事だ…なにがどうなのか分からんぞ…。」
メフメラ「え、えっと…旧魔王派の方が怒っている相手の矛先が間違っているので指摘したくて…それでちゃんと指摘出来る立場の方がリリンさんしかいなくて…。それでリリンさんから来ることは教えないでと言われたので黙っていました…。」
リリン「うむ、そう言う事で黙っていてもらっていたのだよ!さぁて…カテレア?お前さんはどうしてそこの外交すら出来ない無能嬢ちゃんが魔王にどうしてなった?んん?どうしてなったんだ?それぐらいお前さんにもわかるんじゃあないかねぇ?」
カテレア「それは…!力の優れたやつを魔王にするなんていうくだらない上層貴族共の…っ!」
リリン「ふっふーん、気づいたね?気づいちゃったねぇ?今更気づくなんて脳みそ足りてるのかなぁ?」
カテレア「たかがそんな人間の女の言う事聞いて新魔王は悪くないと言いたいのかしら!?」
リリン「僕ちんは僕ちんの味方だっつうにょ~悪魔の事を本当に考えていない新魔王のお馬鹿ちゃん達の味方もするわけないっつうのぎゃはははは!」
その言葉に悪魔の者達は驚きの顔を浮かべる。
サーゼクス「私達が悪魔の事を考えていない…だって?」
リリン「そうだとも、本当に考えているなら悪魔の駒なんていう他種族を道具利用しますなんて言っている様な道具を作るわけないものねぇ!かつての戦争で悪魔の数が減ったから少数精鋭の為に身体能力強化する道具を作っただお!これは良いと思うよぉ?だけどさぁ…悪魔以外に使用した場合は悪魔になりまーす、元の種族には戻れませーん!…ぶぁっかじゃねぇの?他種族を見下してる悪魔がそんな都合の良い物得たらどうなると思うよ!ねぇ?僕ちんの後釜くん~?」
サーゼクス「そ、それは…。」
リリン「なぁんでそこで言いよどむんですかねぇ…?それはもちろん結果が答えとなり既に出てしまっているからだよねぇ!犯して殺して誘拐して脅して守りもしない約束をして騙して!用済みになったら捨てて消してまた新たに用意する!その結果がはぐれ悪魔!知っておきながらその問題をそのまま放置してそんな勝手してたら他の種族はどう思うだろうねぇ!教えてちょうだいよ!」
魔王たちはその言葉に顔を背け、拳を握りしめる。
ミカエル「…あなたは本当に約束を果たしに来たのですか?場を荒らしているようにしか見えませんが。」
リリン「うむ、今は場を荒らしているな、それは間違っていない、だが…僕ちゃん間違ったことは言っていたかな?どうかな?玲士少年よ。」
玲士「私としては何一つ間違ったことは言っていないと思いますよ。はっきり言って悪魔の駒は和平において害悪だと思いますので。」
アザゼル「お前なぁ…悪魔とも和平をするというのにはっきり言いやがったな…。」
リリン「んふふ、玲士少年は人間だものねぇ、よく分かってるじゃないかぁ。ま、僕ちゃんからの提案をするのはこれだけだ、責任を取る気すらない新魔王は魔王の座を降りてやる気と無知に溢れる旧魔王に譲る事、悪魔が絶対だと思っている井戸蛙な旧魔王は他種族の強さを知って共生する道を模索するこった、もちろん前提条件として悪魔の駒は廃止だがな!」
カテレア「どうして至上の種族である悪魔が他種族と共生を」
リリン「お、じゃあ神にもそう言う事言ってみな。もちろん神滅具があるからなんていうお馬鹿丸だしな理由は無しでな!」
カテレア「な!?なんでよ!」
リリン「そんなの決まってるだろぉ?たった13個しかないのに超沢山の神にどうやって対抗するんだ?んん?戦いが得意な神なんて沢山いるぞぉ?そこの雑魚赤龍帝に僕ちゃんの孫の白龍皇が戦ったところで二人で1柱倒せるか倒せないかぐらいだろうからねぇ…?ヴァーリちゃーん?」
ヴァーリ「リゼヴィム…!」
リリン「僕ちゃんを殺したいと思っているだろうけれどそんなの無理無理無理無理!ま、後で話があるから待っててな!」
ヴァーリ「…話だと?」
リリン「ぬふふ、さて、答えを聞かせてもらおうかぁ?」
その言葉に、まずサーゼクスが顔を上げ、リゼヴィムへと向き直る。
サーゼクス「確かに、私は上層部の貴族に選ばれただけの傀儡だろう…冥界を変えたいとは思っている…だが、力が足りないんだ。」
リリン「ま、そうだなぁ、老害とはいえ上級悪魔だものねぇ。」
サーゼクス「リゼヴィム、あなたのいう通りにすれば悪魔は存続出来るのかい…?」
リリン「もちろんだとも!むしろ今までが制限しすぎなんだよねぇ、血筋?貴族と平民?ばっかじゃないかな!人間を見習え人間を、今の人間なんてそんなきつきつな階級廃止して各々がしたい事しまくってるんだぞー?」
セラフォルー「…私は、みんなが楽しく笑って過ごせる世界が見れてると思って…。」
リリン「目に見えるものだけが全てじゃないんだよねぇ。ま…自分の快楽優先に生きた結果が魔法使いの襲撃さ、魔女の間違った知識を広めていると怒り狂ってるわな、僕ちゃんみたいに他者に関わりのない趣味にせんと終わらんぞい。」
カテレア「わ、私は高貴なレヴィアタンの血筋で」
リリン「で?」
カテレア「『で?』ってなんですか!?」
リリン「いやだって同じことばっか言っててさぁ、はっきり言ってつまらん、漫画もゲームもテンプレが過ぎるとつまらなくなるもんよ。相手を認める事も重要だぞぉ?ま、認められないなら僕ちゃんが相手になってやろう、力をもってねじ伏せてみろよぉ!」
その言葉と共に威圧し、玲士とメフメラを除いてその圧力に圧される。
カテレア「ぐぅ…!」
アザゼル「この圧力…ルシファーの息子は伊達じゃないって事か。というか何故お前ら大丈夫なんだ…。」
リリン「そりゃあもちろんその二人にはしていないからさ!僕ちんにとって恩人の様なものだからね!」
カテレア「…まぁ、セラフォルーが魔王を下りて私に譲るというのなら、…現悪魔政権に革命を起こすというのには手を貸してあげても良いわ。」
セラフォルー「カテレアちゃん…!」
カテレア「勘違いしないでちょうだい!魔王レヴィアタンの座は私が座るべきものなのよ!」
リリン「ぎゃはは!素直じゃねぇな!ま、他旧魔王の説得については僕ちんに任せときゃ良いさ、ばっちり説いてねじ伏せてやるとも。…さて、こっからがぁこっちに来た本題なんだがな。」
その言葉に玲士とメフメラも含め全員が首を傾げる。
玲士「今回来た理由はメフメラさんとの約束を果たす為なのでは無かったのですか…?」
リリン「別に旧魔王を説き伏せるのは別の時でも良かったんだよねえ。けど、玲士少年にとって最も重要で良いタイミングだったからな、だろう?赤トカゲ。」
鎌瀬「うおっ!?」
リゼヴィムがそう言った瞬間、赤龍帝の籠手が現れる。
ドライグ『俺がこの姿だからって図に乗るか、蝙蝠め。だが…調べてたどり着けるとは驚いたぞ?』
リリン「もちろんだとも!玲士少年がくれたヒントの写真と僕ちゃんの情報力を舐めないでもらいたいな!」
鎌瀬「てめぇ!今の今まで黙りこくっていたくせに何の用だ。」
ドライグ『ふん、貴様のような最低な奴と話す気すら起きんわ、よく聞け、玲士という男よ。』
何かを告白しようとした時、鎌瀬が全身から汗をかきながら制止しようとする
鎌瀬「おい!やめろ!その口を閉じやがれ!」
ドライグ『…貴様の家族を殺して人生を歪ませたのはこいつ、今の俺の宿主であるこの屑なのだからな!』
鎌瀬「クソが!王の財宝!うおらぁ!」
玲士「っ!くぅっ!」
衝撃の告白、そして唐突な攻撃にその場の全員が驚き、対象であった玲士は武器は避けるが殴打は避けれず、防ぎ吹き飛ばされてグランドへと降り立つ。
サーゼクス「鎌瀬くん!なにをしているんだ!」
鎌瀬「安心してくださいサーゼクス様!この旧魔王派に属した裏切り者は俺が殺します!この屑野郎め!ドライグを洗脳しやがりやがったな!」
玲士「ぐ、う…いやはや、まさか長年探し求めた復讐の相手がこんなに近くにいたとは。覚悟してください、あなたを叩きのめし、罪を償わせて差し上げましょう!夢幻召喚!」
その言葉と共に、金色の騎士のカードを掲げると白い鎧と蒼いマントを身にまとい、一振りの剣が現れる。
鎌瀬「てめぇの居場所はここにはねぇんだよ!消え失せろ踏み台がぁ!」
玲士「貴方の様な身勝手な方にはもう言う事はありません、行きます!」
下らない妄執によって人生を狂わされた誇り高き復讐者と既に手遅れの下らない妄執を持つ底無しの愚者。
その両者は互いに武器をとり、戦いを始める。
因縁の道はここに交わる、此れより始まるは互いの想いを賭けた最後の戦い。
片や数多の星を持ち、数多の縁を結んだ平和を望む誇り高き復讐者。
片や底知れぬ欲望を持ち、主の結んだ縁を切り裂いていく愚者。
結び結んだ絆の糸は切り裂けはしない!
次回!「絆の力。」
さぁ、最後の幕を開けよ!己が築いた全てを用いて、相手をねじ伏せよ!