カサビエルとの戦いから数日が経ったある日。
堕天使拠点もとい玲士宅にてメフメラ達はぷち会議を開いていた。
桐生「うーん、メフメラちゃんならこのワンピースとかどうかしら?」
トスカ「いやいや、メフメラ姉さんならやっぱりこの服でしょ!」
朱乃「ト、トスカちゃん、その服ってメフメラさんが作ったやつじゃ…。」
桐生「えっ!?メフメラちゃんって服も作れたの!?いやそうだけどメフメラちゃんそんな服も着てるの!?」
メフメラ「そ、そんな服!?」
そんな服と言われ、目に見えるようにメフメラは落ち込む。
桐生「あっ、ごめん!そう言う意味じゃなくてそんなに露出高い服をよく着てたのって意味よ。」
メフメラ「う、うん…おかしかった…?」
アーシア「ご、ごめんなさい、その様な服を着て町を歩く人は見たことが…。」
朱乃「…そうですわね、流石に見たことがないですわ。」
桐生「ま、まあ普通はこうよね…メフメラちゃんスタイル良いんだからそんな服着て一人で歩いてたら悪い男が大量に押し寄せてくるわよー?」
トスカ「メフメラ姉さんに近寄る悪い虫は私が蹴り砕いちゃうよ!」
桐生「ナニを!?」
アーシア「え、えっと話を戻しますが私はキリュウさんが選んだワンピースとこれが良いかなと思います。」
そう言いながらアーシアはカーディガンを持って見せる。
トスカ「ワンピースなら帽子は麦わら帽子だよね!」
朱乃「ト、トスカちゃん…一応都会では麦わら帽子はちょっと…こっちのメフメラさんが作った帽子とかどうかしら?」
そう言い、白と紫の帽子を持ち、みんなに見せる。
桐生「へぇ、これもメフメラちゃんが…凄いわねぇ。」
メフメラ「え、えっと…これでよろしいでしょうか?」
そう言い、みんなが提示した服を着たメフメラがリビングに戻り、それを見た4人はその姿に見惚れる。
トスカ「いやぁ…やっぱりメフメラ姉さん綺麗だなぁ。」
朱乃「ええ、凄い似合っていますわ、メフメラさん。」
アーシア「ふわぁ…綺麗です…。」
桐生「…あー、駄目、凄いわこの破壊力、彼女いる男でも十中八九振り向くわ。」
メフメラ「え、えっとこれで公園まで向かえば…良いのですか?」
桐生「そうね、玲士くんには先にそっちで待ってもらっているわ。公園までは私たちが一緒に行ってあげるわ、そこからは頑張ってね。」
メフメラ「う、うん…!」
そう言い、全員で玲士宅を後にし、公園へと向かう。
場所は公園、そこで玲士は裕斗とアルスの二人と話していた。
玲士「…よろしいのですか二人共?」
裕斗「うん、流石にあんなこと言われたらね…僕の復讐の理由も終わったしついていく理由も無くなったからはぐれになろうかなって。」
アルス「裕斗さんの想いを侮辱して、僕を転生させた理由もこの神器だからね…。それに…なんか信頼出来ないんです、一緒にいるあの兵士の人が…。」
玲士「確かに…彼のあの目は何かがおかしかったですね、怒りの目とは何か違う目…なんなのでしょう…?」
そう言い、3人で考え込んでいる時、ふと思ったことを玲士が口にする。
玲士「そういえばなのですがゼノヴィアさん達はどうなったのですか?」
裕斗「ああ、彼女達ならあの後にアルスくんに謝罪をして戻っていったよ、イリナさんだったっけ、彼女が玲士くんに会いたがっていたけど急いで戻る為にゼノヴィアさんが引っ張っていったね。」
玲士「あはは…イリナには会えませんでしたが元気そうですね。」
アルス「今日は玲士さんはメフメラさんとお出かけするのですよね?」
玲士「ええ、買い物ならいつも一緒に行っているのですが…何やら今回はいつも以上に真剣でしたね。」
その言葉に、祐斗が寂しげな顔をしてすぐに真剣な顔持ちに変わる。
裕斗「それは…なら僕は別の事をしないといけないね。メフメラさんが来たら僕は失礼するよ。」
玲士「っ?ええ、分かりました。」
そう話している時、遠くより一人の女性が来る。
メフメラ「玲士さん、お待たせしました。」
その声を聞き、3人が声をした方へと向くがその瞬間、言葉を失う。
メフメラ「え、えっと何かおかしかったでしょうか…?」
アルス「う、ううん、凄い綺麗で見惚れちゃった…。」
裕斗「うん…凄いキレイで驚いてしまったよメフメラ姉さん。」
メフメラ「そ、そうかな…?れ、玲士さん…どうでしょうか?」
玲士「ええ、とても綺麗ですよ…今までで見た中でも一番、ね。」
その言葉を聞いた瞬間、不安そうな顔から笑顔へと変わる。
メフメラ「良かった…。え、えっと。」
アルス「じゃあ僕たちはこれにて、また会いましょう、玲士さん、メフメラさん。」
裕斗「僕も失礼しますね…メフメラ姉さん、頑張ってください。」
そう言い、二人はその場を後にする。
玲士「では、デパートに行きましょうか、メフメラさん。」
メフメラ「うん…!」
二人は歩きながら駒王デパートへと向かっていく、眼鏡を付けた者達があとを付けながら。
駒王デパートに到着した二人は色々な店を見ながら回っていく。
綺麗な顔の二人に道行く男は振り向き、声をかけようとする者もいるが別方向からの怒気によって止まり、あたりを見渡した後にそそくさと去って行く。
玲士「デパートだけあって様々な店がありますねー。」
メフメラ「色々とあって目が移ってしまいますね。」
玲士「次はどこへ行きましょう?」
メフメラ「え、っと…どこに『クゥ』あ、あう…。」
探したとき、お腹の音が鳴ってしまい顔が赤く染まる。
玲士「ふふ、時間ですしお昼にしましょうか。」
メフメラ「は、はい!」
そう言い、近くにあるレストランへと向かう。
昼飯をとった後、レストランから出てくると二人は声を掛けられる。
元浜「おお!メフメラちゃんと…もう一人の美人さんではないか!」
松田「こんな所で出会うとは奇遇ですね!」
眼鏡と坊主の変態二人組である。
玲士「初めまして、ですかね?確かあの時は一誠と桐生さんと一緒に来てた方でしたね?私は近衛と申します。」
松田「近衛さんか、ちょうど二人同士だから一緒にまわろうぜ!」
メフメラ「え、えっと…。」
元浜「見て回るならこの辺りで良い店を知っていますぞ、一緒に行きましょうぞ!」
ぐいぐい来る二人にメフメラは気押され、不安の顔になっていく。
玲士「…申し訳ありませんが今日はメフメラさんと二人で買い物の予定ですのでその誘いは断らせていただきますね。」
松田「いやいや、一緒に見て回った方が楽し…ひっ!?」
そう言って手を回そうとしてきた時、背後からの気に圧され、背後へと振り向く。
一誠「…何やってんだ?お前ら。」
そこには完全に目が据わった状態で二人を睨む一誠の姿があった。
元浜「お、おお兵藤氏ではないか、い、いやちょうど二人を見かけたので一緒に行かないか誘いを」
一誠「俺が今見掛けたのは嫌がっているやつを無理矢理連れていこうとする屑だが…何か言い訳はあるか?」
松田&元浜「す、すすすすいませんでしたぁ!」
一誠「はぁ…ごめん玲士、この馬鹿共がデ…お出かけの邪魔をしちゃったみたいだ。」
玲士「ふふ、ありがとう一誠、そろそろ警備員を呼ぼうかと思っていた所でしたので。」
松田「おおう近衛さん案外手厳しい…。」
メフメラ「あ、ありがとう、一誠さん。」
一誠「俺はこの馬鹿共を連れていくから二人で楽しんでな!」
そう言い、二人の首を掴んで引きずっていく。
松田&元浜「「俺たちは諦めんぞぉおおおおお!」」
玲士「…ふふ、騒がしくとも面白い二人ですね。」
メフメラ「わ、私はちょっと怖い、かな…。」
玲士「大丈夫ですよ、もしもの時は私が守ります。」
そう言って微笑みかけるとメフメラも顔を赤くしながら安堵の表情を浮かべる。
その後、二人は歩きながらデパートを見て回り、屋上の展望台にて二人は町を眺めている。
メフメラ「ふう…今日はとても楽しかったですね…。」
玲士「ええ、色々なお店を見て回ったり買ったりしてとても楽しい1日でした。またどこかに出かけましょう、メフメラさん。」
メフメラ「うん…。」
そう言い、メフメラは俯いて目を瞑る。
…数分後、互いに何も話さずにいる時、メフメラは意を決して目を開き、玲士へと向く。
メフメラ「あ、あの…玲士さん…!」
玲士「はい、どうしましたか?」
メフメラ「えっと、あの…わ、私…。」
想いを告げようとした時、緊張から息が詰まり声が出せなくなる。
諦めようとしたその時、メフメラの頭の上へと玲士の手が置かれる。
玲士「大丈夫、私はここにいますよ。メフメラさん。」
そう微笑みかけると、メフメラは呼吸が整っていき、安心し、一呼吸つく。
メフメラ「ありがとう、ございます…。ふう…玲士さん。私は…私は玲士さんの事が大好きです…!」
玲士「私もメフメラさんの事が」
メフメラ「違います!違うんです…!私は、私は玲士さんの事を男として好きなんです…!」
その言葉に、玲士は目を見開いて驚く。
玲士「…そう、でしたか。」
その一言、そう言って沈黙する。
メフメラ「っ…ごめ、んなさい…めいわ」
玲士「ていっ。」
メフメラ「あうっ。れ、玲士さん…?」
拒絶されたと思い、逃げようとした時、玲士から頭に軽くチョップされる。
玲士「私はまだ返事をしていませんよ?…ただ、驚いてしまいまして。」
そう言いながら恥ずかしそうに頬を掻く。
玲士「メフメラさんといると心が温かくなる感覚があったのですが今、ようやく分かりました。私も、一人の女性としてメフメラさんの事が好きだったのですね。」
メフメラ「玲士さん…!」
玲士「私もまだまだ未熟です、このような私で良ければ共に、この身が老いてもなお添い遂げましょう。」
メフメラ「はい…!あ、あの…玲士さん…。」
玲士「ええ。」
互いに一言、そう言いあい顔を近づけていき…。
『コツンッ』
玲士&メフメラ「「あうっ。」」
口づけをしようとしたら頭をぶつけてしまう。
メフメラ「うう…ふふ…。」
玲士「あはは…初めてでしたので失敗してしまいましたね。」
メフメラ「ええ、そうね…でも、これは結婚式までとっておきましょう。」
玲士「ふふ、そうですね。…さて。」
メフメラ「っ?どうしたの?玲士さん。」
玲士「いえ、ずっとつけていた皆さんがいますので。」
そう言い、入口の方へ振り向くとつけていた者達が一斉に現れる。
桐生「あっちゃー、バレてたかぁ。」
トスカ「完璧な変装だと思ったんだけどなぁ。」
朱乃「あらあら…流石玲士さんですわね。」
フリード「いやまぁ、こんなに大人数で見てたら流石にバレるっしょ…。あ、超綺麗でしたよメフメラ姐さん!玲士の兄貴もカップル成立おめでとうございやす!」
アーシア「ご、ごめんなさい玲士さん、メフメラさん…気になってしまいまして…。」
アルス「でも…良かったです、二人のプロポーズが成功して…。」
一誠「やったな玲士!イリナにも後で連絡しとくぜ。」
松田&元浜「「そんな嘘だまさか近衛さんが男だったなんていやあんな美人なのにあれがついてるとかもうほんと俺たちの努力は一体なん」」
桐生「はいはい、二人とも邪魔だからあっち行っててねー。」
そう言い、変態二人組を押していく。
メフメラ「え、あ、え、み、皆、さん…見て、いたのですか…!?」
勇気を出したプロポーズを見られていたという事実に羞恥心が高まり、耳の先まで顔が真っ赤に染まる。
フリード「あ、いけねぇこのパターンは」
メフメラ「あ、あうう!」
恥ずかしさのあまり、メフメラはその場から駆けだし、デパート内へと入ってしまう。
トスカ「やっちゃった…多分家に向かったんだろうけれど追いかけなきゃ!」
アーシア「み、皆さん急ぎましょう!」
そう言い、玲士を置いてその場にいた者達はメフメラを追いかけていく。
玲士「おや、置いてかれてしまいましたね。…さて、義父さん達も尾行の更に後ろから何をしているんですか全く…。」
その言葉を言うと、4人の男が姿を現す。
アザゼル「まじかよ、完全ステルスで追ってたつもりだったんだがな。」
コカビエル「お前が気になるからと思いっきり気配を出しすぎたのが原因だろう、バカたれ…。」
バラキエル「いやな、俺は乗り気ではなかったんだが…朱乃の奴も尾行しててついな…。」
シェムハザ「いやはや、申し訳ありません、仕事をせねばいけなかったのですかメフメラさんが勇気を出してのプロポーズとお聞きしまして…ね。」
玲士「もう…一応はですがここは悪魔の自称領地なのですよ?」
アザゼル「なぁに、そっちは問題ねぇぜ、カサビエルのバカがやらかしたのに関してこっちで三勢力の会議を開くことになったからな。」
シェムハザ「それで玲士さんチームの皆さんとヴァーリにはその会議に出席していただきたいのです。」
玲士「私は当事者ですからね、了解しました。ですが何故ヴァーリを?」
コカビエル「それについてはその時にわかるがまぁ用心はしておけ、各勢力のトップが来るからテロの恰好の的だ。」
バラキエル「とりあえず家に向かったらどうだ?メフメラの性格からして部屋に籠るぞ。」
玲士「そうですね、では失礼します。」
そう言い、自宅へ向かって走っていく。
アザゼル「…やれやれ、先を越されちまったか…。」
コカビエル「ふっ、そう思うなら研究を後回しにして生涯の秘書探しでもすることだな。」
アザゼル「うるせぇ!てめぇだって一人身だろうが!」
コカビエル「別に興味など無いからな!」
シェムハザ「総督、コカビエル、一応ここは悪魔の領地なのですから帰りますよ。」
コカビエル「そうだな、独身神器馬鹿総督は置いて帰るとするか。」
バラキエル「後で朱乃の電話番号を教えてもらわねば…。」
そう言いながら4人は拠点へと転移する…。
うう…まさか皆さんが後ろからついてきていたなんて…。
玲士さんもひどいわ…気づいてたのなら教えてくれてもいいのに…。
…でも、拒絶されなくて、受け入れてもらえて良かった…。
は、恥ずかしいけどそろそろみんなの所に行かなきゃ、心配かけちゃったから…。
えっと…次回、『駒王会議。』
テロ…確か旧魔王派の方がテロリストと通じていると聞きましたね…あの方に相談しましょう。