その男、グリゴリの戦士なり   作:雪原野兎

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偽コカビエルもといカサビエル決戦。

と言っても雑魚でしかないんですけどね。


第14話 名を騙る者。後編

…少し前、上空にて青い光を確認した玲士たちは構える。

 

アーシア「あ、青い光が来ました!」

 

玲士「分かりました、ペガサスを消しますので自由落下で!着地に耐えてください!」

 

トスカ「パラシュート無しって怖いなぁ…。」

 

メフメラ「大丈夫よ、アルマロスさん印のこの靴なら耐えれるわ。」

 

玲士「いきます!夢幻召喚!」

 

その言葉と共に銀色の槍兵のカードをかざす。

 

それと同時にペガサスが消え、赤い槍と黄色い槍が手に出現し、4人は落下を始める。

 

玲士「先行します、破魔の、紅薔薇!」

 

そう言いながら結界に赤い槍を刺した瞬間、結界が消え、大地崩壊の術式をも打ち消して4人はグラウンドへと降り立つ。

 

グレモリー「なに…誰!?」

 

アーシア「あ、足が痺れました…。」

 

トスカ「ちょ、ちょっとこれ怖いから次からは別の方法をお願いします…。」

 

メフメラ「二人共、気を付けて。敵はもういるわ。」

 

その言葉が聞こえる砂煙が晴れていくとそれぞれの知り合いが声を上げていく。

 

朱乃「れ、玲士くん!?」

 

アルス「アーシア!?」

 

アーシア「アルス兄さん!助けにきました!」

 

慎士「あ、アーシア・アルジェントだと!?」

【そ、それにあの美人ちゃんは誰だ…!?】

 

裕斗「えっ、ト、トスカ!?」

 

トスカ「やっほーイザイヤ!援軍に来たよ!」

 

フリード「姐さん!こいつを!」

 

そう言い、合成エクスカリバーをメフメラへと投げる。

 

メフメラ「分かったわ、フリード!」

 

投げられた聖剣を受け取り、即座に構えて聖剣のオーラを出す。

 

裕斗「天閃、擬態、夢幻、透明です!」

 

その言葉にメフメラは頷き、分身を発生させる。

 

堕天使「く、くくく…来たな!き、貴様は、ははは!ぶち殺す!殺してやるぞ!近衛玲士ぃいいいいい!」

 

玲士「私が確実に撃ち落とします、アーシアは怪我を負った皆さんの治療を、トスカはアーシアとアルスくんの防衛を、フリードはメフメラの援護を、メフメラはカサビエルの妨害をお願いします!」

 

玲士チーム「了解!」

 

それぞれの指示通りに別れ、行動を開始し、玲士は銀色の弓兵のカードをかざす。

 

玲士「夢幻召喚!」

 

それにより、赤と黄色の槍は消え、手に杖が、腰に袋が現れる。

 

カサビエル「貴様だ…貴様さえいなければコカビエル様は戦争を引き起こしてた!貴様さえ死ねば!」

 

そう言い、立ち上がって3対6枚の羽を広げて飛び始める。

 

メフメラ「させません!」

 

それに対しメフメラは分身を発生させ、その刀身を伸ばしそれぞれの方向から襲い掛からせる。

 

カサビエル「ちぃっ!邪魔をするな人でなしめ!」

 

フリード「姐さんを人でなしって言うんじゃねぇぞこのすかたんがぁ!」

 

玲士「これは警告です。」

 

そう言い、袋から石を取り出して投げつける。

 

離れた場所では傷を負ったゼノヴィア達をアーシアが治療していた。

 

ゼノヴィア「…どうして、私を治すんだ?」

 

アーシア「私が治したいからです!」

 

ゼノヴィア「…私達はお前たちを魔女、魔人と言ったのに…。」

 

アーシア「それでも、です。」

 

ゼノヴィア「そうか…。」

 

アルス「ふふ…アーシアはやはり聖女だね。」

 

裕斗「そういうアルスくんも聖人じゃないか。」

 

トスカ「さぁさぁ!私が守りますよ!おぉっと!」

 

そう言いながら飛んできた光の槍を盾で防ぎ、光の槍が盾に触れた瞬間霧散する。

 

トスカ「アルマロス印は伊達じゃない!ってね!私はあまりあの人好きじゃないけど!」

 

グレモリー「…何が目的かしら?」

 

トスカ「あのバカ二人の捕縛とこの町を守る事だよ。」

 

グレモリー「この町は私達悪魔の管理地よ、勝手なことは」

 

トスカ「…黙ってくれないかな?貴女のせいでこの町の住民の命が危険に晒されたんだよ…?」

 

そう言っている最中、殺気を放ちながらグレモリーの言葉を遮る。

 

グレモリー「私が危険に晒したってふざけっ!?朱乃!?」

 

そう言いながら滅びの魔力を手に溜めた瞬間、雷光が走る。

 

朱乃「そこまでですわ、リアス…トスカちゃんを殺そうとするなら私が容赦しませんわよ?」

 

慎士「あ、朱乃さん、どうして!?」

 

グレモリー「裏切るの!?」

 

朱乃「確かに私は貴方の女王ですわ…それでも、貴女の女王になる前にトスカちゃん達は私の友達ですわ。それに…私は何度も提案しましたわよね…?魔王に援軍を求めるべきだ、と…なのにここは私の領地、私の領地と抜かし、プライドだけで生きてこの結果ですわ、あなたに言う資格などありませんわ。」

 

グレモリー「あ、朱乃…!?」

 

トスカ「そんなに言うなら戻ってくればよかったのに~。」

 

朱乃「うふふ、それでも友達ですもの、放ってはおけませんわ。」

 

トスカ「おっ、4発目投げ終わったね、もうそろそろ終わるかな?」

 

そう言って視線を向けると、そこには袋を振り回している玲士の姿があった。

 

 

 

袋を振り回しているが袋が緑色の光を帯びていく。

 

玲士「聞こえてはいないでしょう、ですが、あなたは4発目を避けても戦闘行為を辞めなかった。仕方ないですね…『五つの石(ハメシュ・アヴァニム)』!」

 

そう言いながら袋をカサビエルへと投げつける。

 

カサビエル「っ!バカめ!そんな見え見えの袋当たるとおもっがぁっ!?」

 

見えていたその袋の射線から避けた瞬間、不自然なまでの角度で曲がり、顔面へと命中する。

 

唐突の理解できない軌道、命中しないと慢心し、顔面へと命中したためにバランスを崩し、地面へと叩き付けられる。

 

玲士「メフメラ!フリード!下がって!」

 

メフメラ&フリード「了解!」

 

その言葉と同時に二人は後ろへと跳ね、玲士は銅色の狂戦士のカードを出し、掲げる。

 

玲士「夢幻召喚!さぁ、完全に気絶させます!」

 

その瞬間、手に斧が出現すると同時にその姿が消え、カサビエル上方に雲が発生する。

 

カサビエル「ぬ、ぐぅ…人間風情がぁああああああああ!」

 

玲士「『驚くべき偉業(マーベラス・エクスプロイツ)』!」

 

その言葉が聞こえた瞬間、雲より巨大な脚が出現し、カサビエルを地面を砕きながら全力で踏みつける。

 

踏みつけ終わった瞬間に足が消え、玲士の姿が再度見え始める。

 

玲士「ふう…終わりましたね。」

 

巨大な足跡の元へ向かうと、その中心には地面に埋まり、白目をむきながら気絶するカサビエルの姿があった。

 

玲士「ヴァーリは間に合いませんでしたね、よいしょっと…。」

 

地面から引きずり出し、カサビエルを担ぐ。

 

メフメラ「玲士さん!」

 

フリード「兄貴!やりやしたね!」

 

玲士「ええ、二人とも、お疲れ様です。」

 

そう言い、トスカたちの元へと歩き始める。

 

トスカ「お疲れリーダー!流石だね!」

 

アーシア「こちらの治療は終わりました!」

 

玲士「ええ、トスカさんもアーシアさんもお疲れ様です。…そして初めまして、アルスくん…あの時はあなたを助けられなくて申し訳ありません…。」

 

二人にねぎらいの言葉を言った後、アルスの元へ行き、頭を下げる。

 

アルス「えっ、あっ…い、いえアーシアを救っていただいたのです、大丈夫です!」

 

玲士「そう、ですか?それなら良いのですが…朱乃さんも久しぶりですね。」

 

朱乃「ええ、お久しぶりですわ、玲士くん…その…。」

 

玲士「喧嘩の理由がしょうもない事ですが…だからと言って悪魔になるのは早計ですよ?」

 

朱乃「うっ、すみませんわ…。」

 

そして、さっきからずっと睨みつける二人へと目を向ける。

 

玲士「…あなたには既にトスカさん達が言っているみたいですので良いでしょう。」

 

しかし、即座にゼノヴィアへと視線を向ける。

 

ゼノヴィア「…お前は、一体誰だ…?」

 

玲士「私は堕天使陣営の戦士、近衛玲士と申します。教会の戦士の方ですね?」

 

ゼノヴィア「コノエ、レイジだと…!?」

 

名乗られたその名に驚き、目を見開く。

 

玲士「イリナさんから聞いておりましたか?」

 

ゼノヴィア「あ、ああ…だがまさか生きていたとは…。」

 

玲士「ええ、堕天使総督のアザゼルに助けられ、養子となったのです。」

 

ゼノヴィア「そう、なのか…。」

 

玲士「っと、そうでした。メフメラさん、聖剣を。」

 

メフメラ「はい、ゼノヴィアさん、こちらを。」

 

そう言い、合成エクスカリバーを手渡す。

 

ゼノヴィア「あ、ああ…しかし何故お前は聖剣を使えるのだ?聖剣は因子が適応したものしか…バルパーとの関わりのないお前が何故…。」

 

メフメラ「…私は、聖剣計画において途中で別の研究所へ移された者ですから…。」

 

ゼノヴィア「な!お前が、慰み者のッ!?」

 

その言葉を言った瞬間、玲士が一気に殺気を放つ。

 

玲士「はい…?」

 

フリード「あ、兄貴ストップストップ!それを言ったのはこの豚、バルパーの奴っすよ!?」

 

玲士「おや、そうでしたか、失礼しました。」

 

そう言い、殺気を抑える。

 

ゼノヴィア「い、いや…こちらも思慮が足りなかった、すまない…。」

 

玲士「いえいえ、さて、それでは私たちはグリゴリに戻らせていただきますね。」

 

そう言い、魔方陣を展開させる。

 

玲士「皆さん、戻りましょうか。」

 

フリード「ういーっす、そんじゃイザイヤくんに朱乃ちゃんにアルスくんまた会おうぜ~。」

 

トスカ「多分またすぐ会えるようになるはずだからまったねー。」

 

アーシア「アルス兄さん、また平和になったらまた会いましょう!」

 

メフメラ「イザイヤくん、またね。」

 

玲士「それでは、ゼノヴィアさん、イリナによろしくお願いしますね。」

 

その言葉と共に魔法陣が光り輝き、その場より7人は消える。

 

小猫「…朱乃先輩…。」

 

朱乃「ふふ、大丈夫ですわ。」

 

裕斗「ゼノヴィア、大丈夫だったかい?」

 

ゼノヴィア「あ、ああ大丈夫だ、あの男…凄まじいな、敵対した場合勝てるとは思えん…。」

 

慎士「お、男!?あいつ男なのか!?」

 

裕斗「初見では勘違いすると思うけどその通りだよ。玲士くんは男なんだ。」

 

グレモリー「…裕斗、詳しく聞かせてもらうわよ、勝手な事をした理由と私たちを騙してた理由をね。」

 

裕斗「それでしたら簡単な事です、玲士くんは僕の恩人であり、敵を騙すには味方からという言葉がありますので勝手に彼等と手を組み、部長たちに黙っていたのです。」

 

慎士「そんな理由で…勝手な事したのかてめぇ!」

 

グレモリー「彼等は堕天使の仲間なのよ、そんな事で勝手なことをしたなんて…!」

 

裕斗「そんな、事だと…?ふざけるな!」

 

全員「っ!?」

 

グレモリーと慎士に対し、祐斗は激昂し、反論する。

 

裕斗「僕にとって聖剣計画のみんなは大切な存在だった…!あの時、部長が僕を悪魔へ転生させた日、僕はみんなが死んだと思っていた…だが…みんなは生きていたんだ…!メフメラ姉さんも、トスカたち処分されそうになったみんなも…!みんな!彼が、玲士君が助けてくれていたんだ…!」

 

朱乃「裕斗くん…。」

 

裕斗「…失望しましたよ、僕は先に帰らせてもらいます。」

 

そう言い、一人、寮へと戻り始める。

 

朱乃「…私も戻らせていただきますわ。」

 

グレモリー「裕斗!朱乃!」

 

制止を受け付けず、二人はその場を去っていく。

 

ゼノヴィア「…私はイリナの様子を見に行く、ではな。」

 

アルス「え、えっと…すみません…失礼します。」

 

小猫「…失礼します。」

 

そう言い、残った者達もそれぞれその場を後にしていき、その場にはリアスと慎士だけが残される…。




はぁーあ…なにあれ、あそこまで身勝手な人が領主名乗ってるとか領民が可哀想だよ。

あーいう人ってあれだよね、アーサー王伝説に出てきたあの言葉がお似合いだよね。

王は人の心が判らないって…って、純血の悪魔だから人の心なんて分かるわけも無いか…。

そういえばカサビエルはどうなるんだろ?悪い事起こしちゃったけど。

まあいっか、リーダーの悪口言いまくってたし。

じゃあ次回!『突撃!隣の初デート!』

デートするなら根回ししとかないと…朱乃さんにイザイヤくんに…あと桐生さんだっけ?

解説:朱乃が喧嘩した理由が些細な事の為にライザー戦では雷光を使いユーベルーナと相討ちだった。

その2:カサビエルはコカビエルの『コ』のあいうえお上下逆にして『カ』に、カビ以外に何か害悪なもの無いかなと探して思いついたのが錆だったのでサビを入れただけ。

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