FateGrandOrder〜歩みを止めること無かれ〜   作:転輪聖王

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久しぶりの投稿です
私事ではありますがやっと大学生活にも慣れてきたなんて事もありまして、時間に余裕が出来たので投稿してみました。


この手が空に届くまで

「何か面白いことないかな〜。」

私は暇を持て余しぶらぶらと街の外れ山道を歩いていた。

 

「おっ!」

私は前から1人の剣士が歩いて来るのが見えた。

私だって伊達に剣に生涯をかけているわけではない。

それなりに人を見る目はあるつもりだ。

彼の立ち姿、重心の位置全てが私に只者ではないと言っている。

私は好奇心の赴くままに少し男を試してやろうと思った。

 

私はすれ違いざまに刀を抜こうと手をかけた瞬間に、

 

「好奇心とは素晴らしいものだ」

 

「だが未知との遭遇に敬意を払えないのはいただけないな」

 

と刀にかけている手にそっと手を重ね止められた。

いとも容易く私は思考を読まれたのだ。悔しかった。

それと同時にどんな奴なのかと顔を上げると。

そこには私の大好物と言っても過言ではない美青年がいたのだ。

私は不意に

「結婚しましょう」

 

「すまない、どれほどの美人であろうと初対面の方と結婚する度量は持ち合わせていない」

 

「びっ、美人!」

私は顔が暑くなるのがわかった。

 

「まぁでも友達からが妥当なところではないかい?」ニコッ

どんだけ笑顔が眩しいのよ。

 

「あっ、あれは言葉の綾というもので、」

 

「ふふふ、わかっているよ少し揶揄っただけだよ」

 

「でも、友達になって欲しいのは本当だよ」

なんだこの素敵な生き物は。

 

「それならよろしく、私は新免武蔵守藤原玄信。長いから武蔵でいいよ」

 

「それじゃあ僕からも佐々木義久だよ。よろしく」ニコッ

 

この笑顔ズルすぎるどうしよう

私はこの時密かにこの男を必ずや手に入れると決意した。

 

「へぇ〜、源義仲の家臣と同じ名前なんだ」

 

「そ、そうみたいだね」

 

「平家物語を見たときは僕も驚いたよ」

 

「で、義久はこれから何処に行くの?」

 

「まずははらごしらえかなぁ〜」

 

「そっかぁ〜、それじゃうどん食べに行くかぁ〜」

 

「ふふふ、そうだね」

 

「?」

私が頭にはてなを浮かべていると

 

「いえ、そういった無邪気な表情もできるのかと思ってね」

 

「も、もう早く行こ、置いて言っちゃわよ。」

私はまた顔が暑くなるのがわかる。

人と話してここまで楽しかったことがあったろうか?

 

「それは、困ったなぁ〜」

などと笑いながら私たちはうどん屋へむかった

 

 

 

 

 

「ふぅ〜食べた、食べた〜」

 

「ふふっ、本当にうどんが好きなんだね」

 

「それはもう、大好きよ」

 

「そっか」

優しくそれでいて何処か儚げに微笑む彼

 

「それで義久は、これからどうするの?」

 

「さぁ、わからない。ただ全国をぶらぶらするだけさ」

 

「ならさぁ、私と一緒に旅しない?」

私は、そのどこか儚げで消えてしまいそうな彼を放っては置けないと思った

美少年だし.....

 

「ふむ.....」

彼は顎に手を当てまさに考えていますといった姿勢で唸った。

何をしても様になる

 

「かっこいい....」ボソッ

不意に言葉がこぼれ落ちた

 

「ふふっ、ありがとう」

 

「なっ!そういうのは聞こえてないふりしなさいよ!」

 

「で、どうするの一緒に行くの行かないの‼︎」

私は顔の暑さを誤魔化すために捲し立てた。

 

「ごめん、ごめん」

 

「そうだね一緒に行こうかちょうど一人にも飽きてきたところだ」

 

「よしっ」

私は心の中で小躍りしていた。

これで攻略する機会も増えるってもんよ。

見てなさいすぐにこの武蔵無しでは生きていけなくしてやるんだから。

と恋のいろは惚れた腫れたなどこれっぽっちも知らない恋愛下手な少女は一人心の中で張り切っていた。

 

 

 

 

 

 

それから私達は様々なところを回った、江戸に行ったり紀伊の半島を歩いたり。彼といる時間は何処か夢のようで永遠を感じられた。

彼と刀を交える時間は至福のひとときだった。全てを忘れただ刀を振り続けられたこの世界には彼と私しかいないように感じて彼が私だけを見ていてくれていたからそれが無性に嬉しくて、それこそ夢ならは覚めないでくれと願うほどに。

だかそんな時間は永遠には続かないのが世の常

知っていただがそんなこと知りたくなかった。

そしてその終止符を打つのが自身であるという事も。

 

「私には果たさなければならない業がある」

 

「.......だから私達の旅はここまでね」

私は本当の気持ちを必死に押し殺し出来る限り最高の笑みを浮かべた。

引きつっていないだろうか、可愛くないと思われていないだろうか。

 

「そうか...」

彼の声色も普段と違い重い。

 

「それなら最後にお礼を言わないとね」

 

「いいよお礼なんて」

 

「本当は最初から気付いていたんだ.....」

 

「えっ?」

 

「君はずっと僕を心配していたという事を」

 

「君の目がいつも雄弁に僕に語っていた」

 

「嬉しかったよ。ここまで心配されたのは初めてだ。」

 

 

「ありがとう」

彼はそう笑う

本当にどこまで私を惚れさせれば気がすむのだろうか

 

「困ったなぁ〜そんなこと言われたら決意が揺らいじゃうじゃんか....」

目頭が熱くなるのがわかる泣かないと決めていたはずなのになぁ

それでも私は絶対に折れない私は彼の前では最高の私であり続けると決めたから

 

「それでも決めた事だから」

 

「これが私の道だから」

もう迷いはない。私の決めた道を進む。

 

「ちょっと待って、武蔵ちゃん」

 

「ん?」

と思わず振り向くと

彼の脇差を投げ渡された。

 

「それは餞別だよ」

彼がいつも肌身離さず持っていたものだ。

 

「新免武蔵守藤原玄信」

 

「はっはい」

不意に本名を呼ばれ驚くわたし

 

「貴殿の心意気まさに天晴れだ。決して歩みを止めるなよ」

彼はいつになく強者であり王者の風格をまとっていた

 

「はいっ。我が刀にかけて誓いましょう」

と言い私はかけだした

 

 

彼女ならきっと大丈夫だ根拠なんていらないだってあんなにも輝いているんだから。

 

彼なら大丈夫でしょうだってあんなに力強い言葉をかけてくれる程煌めいているんだから。

 

 

だから「「少しの間、さよならだね」」

 

 

 

 

 

 

そして時は流れるそう止め処なく滞りなく

 

ザクッ

刀が男の胴を貫く

 

「誠に見事、蝶よ華よと思っておったら誠猛々しい獅子であったか......」

 

「違うわよ、覚悟を決めた女は強いのよ」

 

「小次郎これで私の勝ちね」

 

「あぁ、私の敗北だ」

 

「ふっ、女子のことなど知り尽くしておると思っておったがまだまだ修行不足ということか」

 

そんな男の言葉を尻目に私はその場を去った。

 

「最後はこれに助けられたわね」

 

と過去善久から餞別としてもらった脇差を眺める。

 

「でも、私もこれで最後かなぁ〜」

 

近くの木の根元に座り込み空を眺める。

体の力が抜けていくのがわかる。

 

「最後ぐらい会いたかったなぁ〜」

 

こんな後悔をするなら気持ちを伝えておけば良かった。

そっと目を閉じる

 

「誰に会いたかったんだい?」

 

懐かしい声にふと目を開けると、そこには私が惚れた笑顔があった。

 

「わかってて聞くのはタチが悪いわよ」

私はじと目で睨む。

 

「そっかそっか確かに今のは少し意地悪だったかな」

 

ああ、これだこの彼とのたわいのない会話ただそれだけで心が暖かなる。

 

「楽しめたかい?」

 

「ええ、これほど無いってほどに」

 

「満足できたかい?」

 

「大満足よ」

 

「夢はかなったかい?」

 

「叶え過ぎたかも」

 

「でも、やり残したことがあるとすればそうねぇ」

彼女は少し悩んだ風にすると

 

「もう少し貴方と一緒いたかった」

彼女は涙を流しながらも必死に笑顔で答えた。

 

「ずっと貴方だけを見ていた。ずっと好きだった。」

 

「善久、愛してる」

そう言い残して静かに彼女はこの世を去った。

 

「全く、武蔵はいつも急ぎ過ぎだ返事も聞かずに」

目頭が熱くなるのがわかる、確かに感じる頬を伝う涙

 

「涙なんてとうの昔に枯れたと思っていたんだがな」

 

「やはり人との別れは何度あろうと慣れられるものでは無いな」

 

「知っていた、でも知らぬふりをしていた本当にこんな僕を愛してくれてありがとう」

僕はそっと武蔵の額にキスを落とした。

 

だから

 

 

 

 

 

「安らかに眠っておくれ武蔵」

 

 

 

 

 

宮本武蔵の墓からは5本の刀が出土したそうだ。

未だ宮本武蔵の墓を誰が造ったのかは分かっていない。

 

 




正直雑なのは分かっていますわかってますわかってますから

皆まで言うな

という事でまた

改善点と改善後の形式を教えてくれると大変有り難いです

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