ポケットモンスター・レジェンド   作:かるな

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初めましてかるなと申します!

今回、別垢で書いていたポケモンの設定を引き継ぎ、新たな作品として「ポケットモンスター・レジェンド」を書き始めました。

是非宜しくお願いします!!


序章
第1話 新たな始まり


 

薄暗い部屋の中、部屋の大きさに似合わない程の大型のテレビがある生中継を映し出している。

 

そこに映っているのはバトルフィールドに立っている2人のトレーナーと2匹のポケモン。片方は水色のマフラーのようなものを首に巻き、上下を黒で揃えた青年。

 

 

名を、アランと言う。

 

 

彼と一緒に映っているのはリザードンと言われるポケモンだが、普通のリザードンとは色が違い、体が黒く、青い炎が口から漏れている。画面越しからでも彼のリザードンが放つ威圧感が伝わってくる。

 

 

それと対峙するのは、赤い帽子を被り、青上下を青系統で揃えた子供だった。男の子である。だが、幼いという印象は全く感じなかった。

 

恐らく、幼い割に多くの濃い経験をしてきたのだろう。その証拠に彼とそのポケモンの顔には、ここまで勝ち上がったことの慢心ではなく、絶対に勝つという強い意志が感じ取れる。

 

 

そのトレーナーの名を、サトシと言う。

 

 

彼のパートナーはゲッコウガというポケモンだが、よく見ると違和感を感じる。なぜなら、ゲッコウガの頭の上に赤い帽子のようなものが付いているのだ。さらに、背中には水で作られたと思われる手裏剣の形をした何かを背負っていた。

 

彼らは言葉を交わした後、それぞれのポケモンが動き出し技と技がぶつかり合う。互いに大きいエネルギーを持っており、ぶつかり合うたびに画面が揺れる。何度も技のやり取りをし、互いにダメージを与え合う。

 

2匹とも体力の限界が近くなると、リザードンはブラストバーンを放ち、ゲッコウガは通常よりもかなり大きいみずしゅりけんを放った。

 

それらはお互いに直撃し、一瞬相打ちかと思われた。だが、舞い上がった砂煙が落ち着き、立っていたのはリザードンであった。

 

 

 

余談だが、部屋のテーブルには書類が散乱していた。そこには、先程の2人のトレーナーが使用したポケモンとその技構成、試合の流れ、支持を出すタイミングなどが事細かに書いてあった。

 

これが一体何の為に書かれ、誰が書いたのかは定かではない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カロスリーグを準優勝で終え、その後に起きたフレア団の一件を解決したサトシは、一緒に冒険した仲間達と別れた後、故郷であるマサラタウンに帰省していた。

 

 

 

「コロッケおかわり!」

 

 

「サトシ、もう少しゆっくり食べなさい」

 

 

 

今は丁度自宅で昼食を取っており、食卓にはサトシの大好物であるコロッケが大量に用意されている。

 

カロスリーグで大健闘し、その後のフレア団との戦いにも全力で挑んでいったサトシにとって、これは一種のご褒美のようなものである。

 

 

 

「そういえばサトシ。あなたが帰ってくる少し前に、あなた宛てに手紙が来てたわよ」

 

 

「手紙? 誰からだろう......」

 

 

 

ふと思い出したかのように母から手紙を渡されるが、サトシには全く心当たりがない。冒険をし続けるサトシにとって、手紙をやり取りする相手など当然おらず、今まで冒険してきた仲間達の中にも手紙を送るという話はしたことが無い。

 

 

 

「もしかしたら、サトシの事が気になってる女の子が送ってきたのかもしれないわよ?」

 

 

「からかわないでよママ!」

 

 

母の言葉を否定しつつも顔は若干にやけているサトシ。手紙を受け取り、内容を確認してみると......。

 

 

 

:サトシ様へ

カントー地方・マサラタウン出身のサトシ様、あなたは人口島アルバで開催される大会において、カントー地方の代表として選ばれました。下記に詳細を示しておくので、必ず目を通しておいて下さい。

 

 

 

他にも文章が長々と書いてあるのだが、まず印象に残ったのが「大会」と「代表」という2文字。この2つだけで、サトシの気持ちは昂っていた。

 

 

 

「ねえママ、おれこのアルバって所に行きたい!いいでしょ?」

 

 

「それはいいけど、アルバなんて島、ママは聞いたことないわ。せめてオーキド博士にその島について聞いた方がいいわね」

 

 

「よし、そうとなったら早速博士の所に行かなくちゃ!」

 

 

「その前に、ご飯全部食べなさい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先程の手紙に書いてあったアルバと、そこで開かれる大会について聞くことにしたサトシは、食事を終えてすぐにオーキド博士の研究所へと向かった。

 

 

 

「博士ー!」

 

 

「おぉ、サトシか!今日は今日はどうしたんじゃ? ポケモン達の様子でも見に来たのかの?」

 

 

「今日はそうじゃないんです。博士に聞きたいことがあって......まずはこれを見てください」

 

 

 

サトシはポケットから手紙を取り出すと、それをオーキド博士へと渡した。

 

手紙を受け取った博士は、差出人の名前を見た瞬間に少し驚いたような顔をし、手紙の内容に興味を持ったのか食い入るように読み始めた。

 

ひとしきり内容を把握した博士は、手紙をサトシに返し、手紙の内容のついて考え始めた。

 

あまり長く考えすぎたのか、サトシが不安そうな顔をしたのですぐに詳細を伝え始めた。

 

 

 

「サトシ。お前さんは今まで多くのリーグに挑戦し、優勝こそ無かったが多くの功績を残してきた」

 

 

 

急に真面目な顔で博士に話を始められたサトシは、すぐに真剣な表情へと変わった。

 

 

 

「本来ならリーグ優勝者以外、リーグでそれなりの結果を残しても周りからは評価されないものなんじゃ」

 

 

 

サトシの顔が一瞬暗くなる。

確かに大きな結果は中々残せなかったが、ライバル達とのバトルはまさに死闘のようなものであった。

 

彼らとはお互いに切磋琢磨し合い、時には一緒に冒険して苦難を乗り越えたり、最近では自分のことを尊敬してくれるトレーナーにも出会えた。

 

そんな関係の上で行うバトルは普段の野良試合とは違い、サトシを大きく成長させてくれた。だが、それでも優勝出来ていないのは事実であった。

 

 

 

「そう残念がるでないサトシよ。お前さんはよくやっておる。その証拠に、お前さんの頑張りをしっかりと見てくれている人たちもおる」

 

 

「それってどういう......」

 

 

 

サトシの暗くなった顔が少しだけ元に戻る。それを確認した博士は一呼吸置き、サトシに向かって告げる。

 

 

 

「喜ぶのじゃサトシよ。お前さんは世界最高峰の大会、レジェンドカップに招待されたのじゃ」

 

 

「レジェンド...カップ?」

 

 

「知らぬのも無理はない。この大会の存在は、参加者や運営、そして開催地に住んでいる者しか詳細は知らんからの。それに、お前さんのように選ばれたトレーナーしか参加出来ないのも知名度が低い理由の一つじゃ」

 

 

「じゃ、じゃあ!俺はそれに選ばれたって事は!」

 

 

 

サトシの顔が一気に明るくなる。今まで自分の事を身内や知り合い以外で評価してくれた人は少なかったので、余程嬉しかったのだろう。そんなサトシの喜ぶ顔を見て微笑む博士だったが、直ぐに真剣な顔をして話を続ける。

 

 

 

「勿論お前さんも参加するのだろうが、一つ言っておかなければならぬ事がある」

 

 

「どんな事?」

 

 

「ワシが知る限り、その大会に出た外部のトレーナーの中で優勝は愚か、本戦まで勝ち残れた者はおらん。つまり......アルバ島に住むトレーナーと、各地方に住むトレーナーとでは実力の差があり過ぎると言う事じゃ」

 

 

 

「.........。」

 

 

 

博士の言葉を聞き、何を思ったのか俯いてしまうサトシ。事実とはいえ少々脅し過ぎたかと思った博士だったが、これで折れてしまうサトシではない。

 

 

 

「だったら......俺がカントーで初めての優勝者になってやる!!!」

 

 

 

高らかにそう宣言するサトシ。

 

オーキド博士はその言葉を待っていたかのように笑顔で頷くと、サトシに詳細を伝えるために客室へと連れていく。

 

 

 

 

 

この時のサトシは、自分とポケモン達の力に少し...いや、かなり酔っていたのかもしれない。

 

 




書いてる最中に、これ4000文字いったなって思ってたんですけど、普通に3000でした...。

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