ロクでなし魔術講師と赤髪の天災魔術師 (リメイク)   作:クッペ

13 / 18
眠いので誤字多いかもです、ごめんなさい・・・


第五話

 

「お~ま~え~は~!!」

 

「痛い」

 

 兄さんは現在リィエルのこめかみをぐりぐりとしている。コッチとしても合流してすぐに切りかかるとは全くの想定外なので、あっちはあっちで放置しておく。

 そして俺は現在セラに説教されている。

 

「カイン君!聞いてるの!どうして私の姿で王室親衛隊で喧嘩売ったのよ!?これじゃあ私国家反逆罪じゃない!」

 

「しょうがないだろ、俺は恐らく午前中の競技で王室親衛隊に顔ばれしているだろうからな。それにこの後の事を考えると、こうするのが最善だったんだよ」

 

 どうやら兄さんの方は一応話がついたようだ。リィエルが兄さんに魔術決闘(肉弾戦)に勝つことによって、兄さんを再び軍に戻そうと考えていたらしいのだが。

 

「それよりも、これからどうする?」

 

「なんで王室親衛隊がルミアを殺そうとしているのかどうかってことだが、これがよく分からん。さっきセリカに連絡を取ったんだが、なんか俺にしかできない事ってのがあるらしいんだが」

 

「恐らく女王陛下に何らかの呪いがかけられている。その解呪条件が、ルミアを殺すことなんだろう」

 

 実際この命令は女王陛下のものではなく、王室親衛隊の独断だと思う。たとえ女王陛下が自分の命がかかっているからと言って、娘を手に掛けるような人ではないと思う。

 

「つまり、俺の『愚者の世界』が必要ってことか・・・俺が女王陛下のもとまでたどり着ければいいんだが」

 

「私が作戦を考えた。グレンもカインもいるからより高度な作戦が可能」

 

「ほう、言ってみろ」

 

 いやいや、聞く必要ないだろ。どうせリィエルが突っ込んで、俺が突っ込んで、アルベルトが突っ込んで、セラが突っ込んで、兄さんが突っ込むとか言うに決まってる。

 

「まずは私が王室親衛隊に突っ込む、次にカインが突っ込む、次にアルベルトが突っ込む、次にセラが突っ込んで、最後にグレンが突っ込む」

 

「アホか!」

 

 予想通り過ぎて笑えねえ・・・

 

「ふふっ!」

 

「どうしたルミア?この連中が頭おかしくて、お前も頭おかしくなったか?」

 

「そんなわけないでしょ!軍ってもっと殺伐としたところだと思ってたけど、楽しそうな所もあるんだなって思ってさ」

 

「この連中が特殊なだけだろ。俺は普通だ・・・」

 

 一応の反論をする。流石にこんな面白サーカス集団の一員だとは思われたくない。

 

「とりあえず、兄さんを女王陛下のもとへ辿りつけさせればいいんだろ?それなら、魔術競技祭で、うちのクラスが優勝すれば一発だろ。今年は優勝クラスに勲章の授与がある。その時は流石に王室親衛隊の護衛も女王陛下から離れざるを得ない」

 

「でもこのまま俺たちが競技場に戻ったところで捕まって終わりだぞ?」

 

「だったら囮を使えばいい。アルベルトとリィエルが兄さんとルミアに変身して勝ち充逃げ回って時間を稼いでくれればいい」

 

「カイン君、私の事忘れてない?」

 

「セラはそのままアルベルトたちと別行動をとってもらって、王室親衛隊の戦力を分断させればいい。何のために俺がセラの姿になって、王室親衛隊から逃げ回ってたと思う?」

 

「ちょっと!それって元々私に一人で囮させる気満々だったじゃない!」

 

「しょうがないだろ?アルベルトがミスするとは全く思わないが、この作戦で一緒に行動するのは、リィエルだ。何らかのミスが起こっても不思議じゃない」

 

「カイン、いくら私でもそんなミスはしない」

 

「でもセラが戦力を分断させることによって、そのリスクを減らせばいい。兄さんとルミアはアルベルトとリィエルに変身して競技場に戻る。俺はこのまま競技場に戻る。二人は学院関係者にしてもらえば問題なく入れるから」

 

 リィエルが何か言ってくるが無視。というか作戦を立ててもそれを台無しにするのがリィエルだ。

 

「カイン、一人、敵の事を忘れていないか。ゼ―ロス、奉神戦争の生き残りだ。勲章授与の際に護衛は確かに減るだろうが、普通の王室親衛隊が十人いるよりあいつ一人の方がよっぽど強敵だぞ」

 

「あいつの足止めは俺がやる。俺が適任だろ」

 

「大丈夫なの?あの奉神戦争の生き残りでしょ?」

 

「安心しろルミア。前にも言っただろ、俺を傷つけられる奴は存在しないって」

 

* * * * * * * * * *

 

 一応の作戦を立てて各自行動に移した。俺は競技場に戻る。

 2-2はトップから陥落していた。まだ俺が稼いだ貯金は生きているが、このままずるずると負けると、優勝はできない。やはり指揮官がいないのが大きかったか・・・

 

「悪い、システィーナ」

 

「カイン!えっと・・・後ろの人たちは?」

 

「俺はアルベルト、こっちはリィエル。グレンの古い知り合いだ。現在グレンはとある問題に巻き込まれていて、知り合いの俺に指揮官を頼んできた。これがこの学院の入場許可証だ」

 

 突然の指揮官交代にクラスの連中は戸惑っている。

 

「グレンから伝言を預かってきている。『勝ってくれ』と」

 

「いや、あの・・・」

 

「お願い、信じて・・・」

 

「あなた・・・」

 

 うーん、さすがにシスティーナにはばれたか?【セルフ・イリュージョン】は見た目を誤魔化すだけで、触った感触などは元のそれと変わらない。つまりこういった知り合いと手をつないだだけで、ばれる可能性はある。

 ただシスティーナはこちらの状況を理解してくれたのか、指揮官の交代に了承を告げた。その後クラスメイトを煽っていたが、本当に兄さんがいいそうなことだったのが驚いた。普段ちゃらんぽらんのロクでなしな兄さんにそういわれるのが我慢ならないのか、クラスの連中に火が点いた。

 

* * * * * * * * * *

 

 その後の2-2の快進撃はすごかった。

 テレサが念力重量挙げに優勝し、アルフ、ピックス、シーサーがグランツィアで2-1を下し、リンが変身で満点をたたき出し優勝した。

 現在行われている決闘戦でも今は決勝の2-1に一勝一敗で、大将のシスティーナが2-1の大将と激戦を繰り広げている。

 双方魔術の打ち合いでマナ欠乏症の直前に、システィーナがテロ事件の際に即興改変したらしい、黒魔改【ストーム・ウォール】で敵の足止めをし、【ゲイル・ブロウ】で場外まで吹き飛ばした。

 その結果、2-2が魔術競技の優勝が決定した。

 

「システィーナ、勲章授与の時の代表者、俺に代わってもらっていいか?」

 

「・・・ルミアが居なくなったことと、関係があるの?」

 

「そうだ」

 

「・・・わかったわ、ルミアの事、よろしくね」

 

 やはり気付いているらしい。誤魔化せなかったか・・・

 

 そうして優勝クラスの授賞式になって、俺とアルベルトに扮した兄さん、リィエルに扮したルミアが壇上に上がる。

 

「アルベルトに、リィエル?」

 

 困惑した声を上げる女王陛下、2-2の担当講師は兄さんだから、この困惑は当然と言えば当然なのだが。

 

「やっと、ここまで来れたぜ」

 

 そう言って【セルフ・イリュージョン】を解除する兄さんとルミア。

 さぁ、ここからが本番だ。




最近、前書きと後書きに書くことが無くなってきたので俺がやってるゲームとか読んでる本の感想とか勝手に書いていくかも

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。