ロクでなし魔術講師と赤髪の天災魔術師 (リメイク)   作:クッペ

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辛い辛い辛い・・・書いてて辛いし駄文駄文駄文・・・はぁ・・・


第三話

 

 競技の時間が近付いてきたから、通達された場所へと向かう。やはりこの競技の参加者は俺一人のようだ。というか学院側も、参加する学生がいるとは思ってもいないんじゃないだろうか。

 通達された場所に行くと、人影が見えた。

 

「参加者はお前だけか?カイン」

 

 母さんか・・・

 

「あぁ、少なくともうちのクラスは俺だけだ。他の連中がこの時間にいないってことは、そういうこと何じゃないのか?」

 

「ふふ、そうだな。じゃあ、行くか」

 

* * * * * * * * * *

 

 結局この競技は俺一人だ。まぁ競技概要を見た時点で予想はしていたし、発表された時点で確信した。

 

「もう一度ルールを確認するぞ?固有魔術禁止、これはお互いのためだな。私が使ったら一瞬で終わるし、お前の場合は論外だ。それ以外なら何でもありだ。体術、剣術、銃術、軍用魔術とかな。敗北条件は降参。質問は?」

 

「ない」

 

「じゃあ、始めるか・・・!」

 

 少なくとも母さんは俺よりも強い。各上相手に後手後手に回っていても、確実に負ける。なので最初は不意打ちも兼ねて体術で隙を作りつつ、魔術で攻撃をする。

 【フィジカル・ブースト】を発動させて、自分の身体能力を強化させる。そうして特攻をして体重を乗せた右ストレートを打ち込む。しかしこれは軽く弾かれてしまう。

 俺は体術はそこまで得意じゃない。兄さんと一緒に帝国式軍隊式格闘術を仕込まれはしたが、途中でいろいろなことを試していた結果、体術の腕は兄さんと母さんに劣る。

 【フィジカル・ブースト】を乗せれば少しはまともになるかと思ったが、やはり付け焼刃の技術ではどうしようもない。

 それでも体術で少しでも隙を作ろうとする。右ストレートは弾かれたが、受け身を取って体勢を立て直す。

 しかし、まっとうな体術は通じそうにない。体術で隙を作るのを諦め懐からCADを抜いて【ショック・ボルト】を発動させる。

 

「≪消えろ≫」

 

 その一言で【ショックボルト】は霧散してしまう。

 

「≪吹き飛べ≫ッ!」

 

 その一言で【ブレイブ・バースト】の二反響唱を放ってくる。

 

「うぐッ!」

 

 【フィジカル・ブースト】の身体能力強化のおかげで何とか爆風から逃れる。

 

「ほう、今のを躱すか」

 

「なんとかね・・・」

 

 CADの引き金を引いて【ライトニング・ピアス】を発動し、続けざまに【ブレイブ・バースト】を発動するが、【トライ・バニッシュ】によって霧散されてしまう。しかし二つの魔術に気を取られている間に、死角に回り込みもう一度【ライトニング・ピアス】を発動する。しかしそれは間一髪のタイミングで【トライ・バニッシュ】によって霧散させられてしまう。

 

「今のは少し危なかったな。うまく私の隙をつけたもんだ」

 

「今ので決められなかったの、少し辛いかな。それに母さんの魔術を無効化するには、やっぱり【術式解散】が無いと厳しいな・・・」

 

「だがそれはお前の固有魔術だろ?使ったら反則だしな。さて、どうする?」

 

「さぁて、ホントにどうしようかね・・・」

 

 勝ち目がないわけじゃない。しかしそれはカインの視力の【精霊の眼】を解放することになる。厳密にいえばこれは魔術ではないのだが、今カインが常に見守っているのはグレン、セリカ、ルミアの三人にそれぞれ25%の力をそれぞれに割いているため、残りの25%では正直キツイ・

 

(いや、待てよ・・・)

 

 母さんに25%割いていて残りは25%、つまり残りを母さんに割けば50%になる。これだけあればなんとかなるかもしれない。

 

「母さん、ここからは本気だよ。今までもそれなりに本気だったけど、この先はさっきよりもまともに動いて見せるさ」

 

 カインはCADの引き金を引く。しかし魔術は銃口から発射されることは無く、セリカの死角から【ライトニング・ピアス】が飛んできた。魔力の揺らぎを感じ取り咄嗟に【トライ・バニッシュ】を使う。

 

(今のは!?)

 

 【ライトニング・ピアス】に気を取られている間にカインはセリカに近づいていた。

 

(また体術か!?)

 

 そう思い咄嗟に上半身をかばうが、カインの姿は眼前になく、下から足が伸びてくる。ブレイクダンスの要領でカインがセリカの足を払おうとした。それを飛んで躱すが空中じゃ身動きは取れない。そこをあらかじめ片手に持っていたCADの引き金を引き、銃口から【ゲイル・ブロウ】が発動する。空中で身動きが取れないため、踏ん張れずに吹き飛ばされてしまう。空中で何とか体勢を立て直し、何とか着地をするも、セリカは今の攻防に驚愕していた。

 

「お前、どうやって私の死角から魔術を発動した?お前の魔導器、その銃口から魔術を発動しているのではないのか?」

 

「いいや、銃口から発動するのが一番外しにくいから今まで銃口から発動させていたんであって、別に銃口からじゃなくても魔術を発動することは可能だ。まぁ、これで命中させられるのってかなり難しいんだけどね」

 

「つまり奥の手か。ということは、お前の射程は・・・」

 

「そう、このフィールドのどこから攻撃が飛んでくるか分からないよな?」

 

「だったら、発動させる前に倒すまでさ!≪吹き飛べ≫ッ!」

 

 今度は三重唱で【ブレイブ・バースト】を放とうとした。そう来ることは、視えていた。

 銃を持っていなかった右手にマナを高密度に圧縮させていたマナの弾丸を発動直前の方陣にぶつける。そうすることで魔術式が吹き飛んで、魔術が発動しなかった。

 

「ちっ!【術式解体】か!確かにそれは魔術ですらない魔術もどきだが、実戦でそれを使うか!?」

 

「視えていれば当てられる。俺の眼は知ってるだろ。一時的に力の半分を母さんに向けている。それによって、母さんが魔術を使うタイミングは分かる。そこにマナをぶつけて魔術式を吹き飛ばす。それだけでどんな魔術師でも魔術は使えない」

 

* * * * * * * * * *

 

「先生!?今アルフォネア教授の魔術を吹き飛ばしたのって一体何なんですか!?」

 

 客席ではグレンがシスティーナに詰め寄られていた。他の生徒も興味があるのか、聞き耳を立てている

 

「【術式解体】。自分のマナを高密度に圧縮して、そのマナを発動前の魔術式にぶつけて、魔術式を吹き飛ばす魔術もどきだ。あれはマナを高密度に圧縮しなければならない。つまり大量の魔力容量とマナそのもののコントロールをする技術が必要になる。でもあれを実践で使うには魔術発動を先読みしないといけないし、普通の魔術師なんかがアレをやったら、一発でガス欠だ。あれを使いこなせるのは、あいつ位なものだろ。」

 

「魔術式にぶつけるってどうやって?」

 

「魔術がどうやって発動しているかはわかるか?魔術を唱えると方陣が浮かんできて、その方陣から魔術は放たれるだろ。その方陣が魔術式で、それにあいつはぶつけてるんだよ」

 

「そんな、一瞬で?」

 

* * * * * * * * * *

 

 さっきから起こっていることはセリカの魔術とカインの【術式解体】だけだ。 

 セリカが魔術を発動させようとするが、それをことごとくカインが吹き飛ばす。そうしてカインは少しづつセリカに接近していく。カインのCADの特徴上、魔術の発動に詠唱が要らないため、近距離に近づかれたら詰むためである。

 

「母さん、そろそろ終わらせる?」

 

「いいやまだだ!終わる直前まであきらめないさ!」

 

「でもそろそろ魔力キツイんじゃない?」

 

 この短時間で軍用魔術を連発しているのである。マナがきつくなってても不思議ではない。

 

「いいやまだだ!」

 

「いや、もう終わりだ」

 

 そう言って【術式解体】で魔術式を吹き飛ばした瞬間、最初に発動していた【フィジカル・ブースト】の恩恵を最大限使ってセリカに肉薄して、眼前に銃口を突きつける。

 

「降参する?」

 

 この状況では、いくらセリカ出も何もできない。

 

「ふぅ・・・参った。降参だ降参!」

 

 そう言ってセリカは後ろに倒れ込む。『対決第七階梯!』はカインの勝利で幕を閉じた。

 

* * * * * * * * * *

 

 競技が終わりクラスの観覧席に戻ったが、そこで待っていたのは熱い歓待だった。

 ホントに勝っちまいやがった!とか言いながら頭バンバン叩かれた。痛えよ・・・

 この後は昼飯らしいが、俺は基本的に一日二食なので、どっかで適当に時間を潰そうとしていると、ルミアに声をかけられた。

 

「ねぇ、カイン君。お昼はどうするの?よかったら一緒に食べない?」

 

「ん?俺は基本的には昼は食わないんだが・・・」

 

「そ、そうなんだ・・・」

 

 そう言って俯いて表情を曇らせてしまう。

 

「いつもは食べないんだが、今日はあんなことがあったんだ。今日は食べるかな」

 

 そういうとルミアは表情を晴れやかにした。

 




魔法科から技は借りてきてますが、効果はそのままというわけではありません。

また理論を少し捏造させてもらいました

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