弱虫剣術ライフ!!   作:A i

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第三話です。
あえて、更新頻度には触れずにいかせてもらう!
だが一言・・・・ごめんなさい!
これからはがんばるから許してね?笑

お話は練習試合の導入になります。
楽しんで読んでください。
感想待ってます!
ではどうぞ!


練習試合
練習試合


今日も俺は一番乗り。

修錬場で一人、素振りをしている。

 

以前までは夏らしい、気温、湿度ともに高い朝であったが、最近はめっきり秋めいて、素足で畳を歩くと少々寒い。

 

だが、もうかれこれ一時間近くも素振りをしていた俺の体は汗をにじませ、息を弾ませているほどに暖まり、体もほぐれている。

 

最後に、十回ほど全身の力を使い渾身の素振りを行い、「ふぅ~・・・。」と深く息を吐いた。

 

すると、聞き慣れた声が俺の背中に掛かる。

 

「今日はやけに力が入ってるな、晋介。」

 

俺は手ぬぐいで額の汗をぬぐいつつ、振り返った。

そこにはやはり予想に違わず、桜がいる。

俺は木刀を方に担ぎつつ明るい声で応えた。

 

「当たり前だろ。今日は待ちに待った練習試合の日。これでテンションが上がらないわけ無いだろ。」

 

「ふふふ、そうだね。」

 

俺の強気な言葉にほほえみを漏らす桜はいつも以上に楽しそうだ。

それもそのはず。

練習試合では道場内の好きな相手と戦うことができるのだから。

 

もちろん、いつものこの鹿島道場では、私闘は禁じられているため、師範である桜の許可なしでは剣を交えることはできない。

ならば師範である桜であれば好き勝手に戦えるのか、というとそういうわけではもちろんなく、彼であっても正当な理由無く剣を交えることはできない。

 

だが、練習試合は違う。

 

この練習試合は指名制で、自分が戦いたい相手を好きに指名することができる。

ただし、指名したからと言って必ず試合できるのか、というとそれもまた少し異なり、その指名した相手が承諾して初めてその練習試合は成立する。

なので、自分がしたいと思う相手と必ず試合をできるのかというとそういうわけではないのだが、でも、いつも戦うことのできない先輩方と戦うチャンス。

これを楽しみにせずいられようか?いや、いられまい!!

 

「なにしてるの?晋介・・・。」

 

俺は若干引き気味の桜の声で我に返る。

知らぬ間に俺は右手を前へと突き出し、歌舞伎のようなポーズを取ってしまっていたらしい。

 

気恥ずかしさをごまかすように、俺は軽く咳払いをする。

 

「ゴホン・・・・いやまあ、なに。つまり俺も楽しみって事だよ。」

 

「それさっきも聞いた。」

 

「あ、そうか・・・。」

 

あまりにも、冷たい桜の態度に俺は短く二言しか応えられなかった。

 

つーか、冷たすぎじゃね?二回言ってしまったのは謝るけど、それぐらい許してくれても・・・。

いや、それか、さっきのポーズがそんなに気持ち悪かったのかな?

それなら全力で謝るよ!生きててごめんなさい!!

 

心の中でスライディング土下座をかましている俺をよそに、桜は質問を投げかけてくる。

 

「じゃあ、晋介は誰と戦うつもりなの?」

 

「ん・・・?俺か?俺は如月先輩かな。桜の次に強い人はあの人だろ、この道場では。」

 

「ふふふ、ほんと晋介は強い人に目がないね?」

 

「まあな。」

 

クスリと笑う桜に俺はどや顔で応えてやった。

でも、まあバカにされるいわれはないからなどこからどう考えても。

俺は強くなりたいのだから強い奴と戦うのが目標への最短ルートだ。

それならば、この機会に戦わない手はない。

 

当然、桜がこの道場のナンバーワン剣士であるのだが、二番目に強い人が先ほど述べた如月玄瑞(きさらぎげんずい)という男。

この男は道場一の剛剣。

彼の屈強な体から生み出される一撃は岩をも砕くと言われるほどの威力をはらむ。

桜の剣は誰もが魅了される美しさをもった剣技であるとすれば、如月先輩の剣技は誰もが圧倒される雄々しさを持つまさに剛剣。

そんな彼の伝説は尽きず、一度など、練習試合で相手した敵の木剣を大上段からの一撃だけでへし折り、それだけにとどまらずその敵の腕までへし折ってしまったというのだからとんでもない剣技だと言うことは想像に難くない。

だが、かといって恐れられ人から敬遠されているのかというと全くそういうわけでもない。

彼の剣技のすさまじさはもちろんのことではあるのだが、彼には不思議な人徳があり、皆から愛されている。

その腕をへし折られた当人でさえも如月先輩の舎弟に加わってしまったというのだから相当なもんである。

俺も如月先輩のことは大好きだし、お手本にしている人ではある。

しかし、一つだけ気に入らないことがある。

 

それは、あいつらが彼の舎弟であることだ。

 

「如月殿。本日も勇ましいお姿。体調の方はいかがですかな?」

 

「うむ、万事大丈夫だ。今日は誰と試合えるのか楽しみで仕方が無い。」

 

「ははは、如月殿に向かってくるバカはこの道場にはいないでしょう。」

 

「そうか?それは期待外れだのー。桜とでもやるかな。」

 

「お、それは名勝負の予感ですな。」

 

わははは、と大きな笑い声で笑う如月先輩とその他三人。

その他三人の内訳はあえて触れまい。

つーか、触れたくない。

 

――なんで、あの三人が舎弟に入れたのか、まじで不思議だ。

 

俺はうーん、と首をかしげていたのだがようやく門下生全員がそろったようで桜が道場の真ん中に進み出て言った。

 

「全員そろったようだそろそろ始めたいと思う。では皆のものこれより練習試合を始める。礼!」

 

「「「お願いします!」」」

 

張りのある桜の声に続いて野太い男達の声が上がる。

こうして、鹿島道場の道内練習試合が幕を上げた。

 

 




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