ふわふわふわわ   作:蕎麦饂飩

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ふわふわ系女子ふわわ

ゆるくたって、いいじゃない。


ゆるいどうぶつえん

メソポタミアの神話において、

呪われた森を住処とする、原初の自然の力として、神々でさえ恐れおののく獣、

――――――と呼ばれているゆるふわ系女子がいた。

 

「おなかすいたよー。でももうすこしだけねよー」

 

彼女の名前はフワワ。いや、何かの間違えでゆるふわ美少女になってしまった()恐怖の獣ふわわだった。

ふんわりふわふわ生きている彼女は基本食べるか寝るかしかしない。

それ故に、自堕落な生活からマシュマロボディ(デブの隠語では無い。断じてっ!!)になっている、

小鳥や小鹿にも愛される、旧き厄災である。

 

今日もまた、彼女は朝日によって目覚め、しかし、少し眠たいので、地面を這うように寝床の洞窟の中で、

少しだけ移動して、日差しから逃れると、再び睡魔に身を委ねた。

僅かしか移動していないので、また少しだけ時間が経つと、日差しから逃れる為に少しだけ洞窟の奥に逃げ込む。

そんな何時も通りの生活を続けていた。

 

ここ最近、ウルクと言う都市の人間達が木々を刈ろうとして近づいてくるも、

ふわわの影響で呪われた木々に恐れをなして逃げ帰っている。だが、少しずつ人間達の脅威は近付いてきている。

そんなことを、ふわわの耳元で悪戯好きの仔リスのしっぽを押さえつけながら、リスのお母さんがふわわに話しかけるが、

ふわわさん@もうすこし眠っていたい、は正直、そっとして欲しかった。

 

ところで、フンババの呪いと呼ばれる木々への呪いとは何か?

それは、ふわわの住む森の木々は殆どふにゃふにゃして柔らかくなってしまい、建材にはとても耐えられなくなる呪いであった。

周りがキビキビとしていると、のんびり屋さんにはつかれてしまう。

だからこそ、メソポタミア一と称される、天に伸び建つような杉の森に、

ふわわがもう少し肩肘張らずに行こうよと言ったために、最高クラスの建材は、ゴムでできた太い柳の様になってしまった。

 

今、この森でキビキビしているのは、リスのお母さんを含めて数えられるほどしかいない。

まあ、リスのお母さんもそこまで真面目では無い。森の主に対して子供のお説教をしながら、森の危機を報告している所で察して欲しい。

 

そう言えば、昔ふわわの友達に、身長も体重も自由自在な、あるいみふわわよりもふわふわした者がいた。

ふわわの直感では、オレ様系の男にあっさり染められてしまいそうな女子っぽく思えた。

まあ、直感はふわわ的にあまり好きでは無いので、むしろ直感が働くとめんどくさいようだ。

ぼーっとしていたいのに、脳にピキーンと電流が奔る感覚がせわしくて仕方ないというのが主な理由だ。

 

 

そんなふわわのもとに、いつの間にか森に住み付いたペンギンのおじさんが酔っぱらいながら、

例の悪い男に染められて、かつての友人を裏切る様な女になったみたいな無性にして両性の友人が攻めてくるとふわわに教えた。

そして、ペンギンのおじさんは近くで同い年のキリンと朝から飲み会があるらしいので、またどこかに行った。

 

ふわわはその重大ニュースを聞いて―――、

あと一時間だけ寝る事にした。




NOTメソポタミア
YESめそぽたみあ

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