ジェントルロリータの小悪魔日和   作:マカロニ(ちゅうえい)

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1146文字。苦し紛れに捻りだした話なのですごい、なんかこう、ダメですね。読まずに飛ばしてもいいと思います。


Girls meet new world 6

 シックスが傍にあった椅子を引いて座るよう促してくるので、エリエルは素直に従う。視線は公園に釘付けにされたままだ。彼女は口を開こうとしてはまた閉じてを繰り返す。

 パニックを起こしている彼女にシックスが声をかける。

 

「驚いているみたいだな。常識が侵食される気分だろう? いや、私には推測するしかないんだが……」

 

 エリエルは壊れたメトロノームのように勢いよく何度も頷く。少しだけ落ち着いたのか、たどたどしく話す。

 

「すごい、ですね、ここ。ここ、普通の街中ですよね? あの……すいません、ちょっと」

「気にするな。そのまま話してもいいし、落ち着いてから話してもいいさ」

「はい……はい、ちょっと落ち着きました。すいません。あの人たちは……障害者の人たちですか?」

「障害者の定義次第だが、一応そうだ、と答えておこう。あと障害がないものもここでは自由に振る舞うことが多いな。特に芸術家とかな。あの叫び声をあげている奴は公園の外で会うと、紳士的なおじさんだぞ」

「はあ~……」

 

 エリエルは、これは敵わないといった様子でため息を吐く。話をする前と比べると落ち着いたようだが、視線は変わらず公園に釘付けにされている。何を言うこともなくじっと眺めていると、店員がやってくる。

 

「ハァイ。ちょっと刺激的すぎるんじゃないかと思ったけど、お気に召したみたいねお嬢さん」

 

 テーブルに2人分のコーヒーとごく小さなケーキが置かれる。礼を言う2人に笑みを返して彼女も椅子に座る。シックスはコーヒーを一口飲んでから話しかける。

 

「こないだここで開いたパーティはとても良かったな。あれはお前が主催だったか?」

「ええ。みんなに助けてもらってばかりだったけどね。私の考えたことほとんど実現させてもらったもの」

「それは君の人徳とコーヒーの価値があったからだな。……あのチーズの店って普段はどこでやっているんだ?」

「あなたね……教えてあげないわよ。どうせ女の子目当てなんでしょう?」

「それもあるが、カクテルちゃんがワインに合うチーズを研究中でな。あそこが出していたチーズケーキはとても美味しかったし、相談するにはいいかと思ったんだが……」

 

 シックスは横目に店員のほうを見る。店員は冷ややかに返答する。

 

「私からカクテルちゃんに教えておくわ」

「そうか。残念だ」

 

 素っ気ない答えにもシックスは愉快そうに笑う。そのさまを見て頬を膨らませる店員は、彼女からエリエルに絡む相手を変えようとする。

 

「ねえ、あなたはどこから来た、の……」

 

 しかし彼女は執拗なまでにコーヒーに息をふきかけるのに夢中になっており、とても会話ができる様子ではなかった。傍目に見てもやりすぎなくらい冷ましているのに、更に恐る恐るコーヒーを啜る姿に、店員は苦笑を、シックスは心からの笑みを堪えることができなかった。


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