ジェントルロリータの小悪魔日和   作:マカロニ(ちゅうえい)

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1001文字。ギリギリチョップって感じですね。


Girls meet new world 5

 段々と通りすがる人が少なくなっていく。不思議そうに観察するエリエルにシックスが教えてやる。

 

「ラッシュアワーが過ぎたんだな。後はまばらに出社したり登校したり、買い物に出かけたり遊びに出かけたり……コーヒーは好きか?」

「えっ?」

 

 話を興味深く聞いていたのに、唐突に尋ねられてエリエルは面食らってしまう。しかし言われてみると、コーヒーの匂いが微かに漂っていることに気付く。全く唐突というわけではなかったのだなと納得し、改めて答えを返す。

 

「うーんと……まあまあ、ですかね?」

「そうか。なら、うんと好きになるぞ」

 

 2人は流れでコーヒーショップに入る。入店する前から漂っていたコーヒーの匂いがより濃厚に感じられる。中には誰もいない。不安になってきたエリエルの前に、カウンターの奥から三角巾を頭に巻いた女が現れる。

 彼女はシックスを見るとほころんだような笑みで迎えた。

 

「いらっしゃい、シックス。いつもは閉店してから来るのに、珍しいわね」

「ふふふ、お前に会いたい気持ちを抑えきれなくてな」

「あら、ありがとう。で、そっちの子は? また新しい彼女?」

「ふむ。私としては願ってもないところだが、どうなんだ?」

「えっ!?」

 

 想定外の質問にエリエルは混乱させられる。あたふたする彼女を見て2人は笑みを交わし、さっさと助け舟を出す。

 

「ふふ、ごめんなさいね。ダメな大人だから可愛い子を見るとからかいたくなっちゃって」

「ふふ、そうそう。エリエルは可愛いからな」

「う……」

 褒められているはずだが、彼女は恥じらいつつ、少し影を覗かせる。首を傾げる店員にシックスは微笑みで応える。彼女は呆れたような声色で注文をとる。

 

「ほんとしょうがない人ね。注文は?」

「私はいつものでいい。こいつには……甘いのと苦いのどっちがいい?」

「えと……甘いので、お願いします」

「はい、承りました。テラスに持っていけばいい?」

「頼む」

 

 店員がカウンターの奥に引っ込む。シックスが入ってきた扉とは反対方向に歩いていくので、エリエルもついていく。そちら側にあった扉を抜けると、シックスが言っていたであろう公園が広がっていた。エリエルはその光景を見て言葉を失う。

 

「これは……」

「言っただろう? ここは自由だとな」

 

 さまよいながら唐突に叫ぶ者、音程のとれていない歌を歌う者、芝生に転がってあやとりをする者、肘と膝を地に擦り付けながらサッカーボールを追いかける者。実に様々な者がそこにはいた。


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