ヘルライジングホッパーが素敵過ぎる……。
メリークリスマス
これはアーチャーが立香達と出会う前の話。
「あの、イズさん。それで話って?」
トコトコと工場内を歩く
アーチャーから見れば彼女はマスターの秘書。ただ、違和感があった。前回あった時はショートカットだった髪が腰のあたりまで伸びているのだ。
イメチェンなのかな?とアーチャーが首を傾げた。
「───こちらです」
そう言ってヒューマギアがアーチャーへと振り返った。アーチャーの目に移るのはニヤリと笑うヒューマギアに自身のマスター。
「あ、マスター……───」
アーチャーがマスターへと近づこうとしたが足を止めた。
───違う。
見た目は似ているものの、その男はサーヴァント。アーチャーはその気配を感じ取った。
「っ!」
そしてアーチャーが一歩後ろへと下がった。
それに対してマスターと同じ姿をしたサーヴァントは白と黒のキーを取り出すとそれを起動させた。
───アークワン
「───変身」
サーヴァントの口から発せられる言葉。アーチャーはその言葉を聞いたことがある。いつもマスターが戦う前に発していたあの言葉だ。
そしてそのキーを赤く光るベルトへと装填した。
───シンギュライズ!
彼の悪意が力となり鎧を纏っていく。
───破壊!破滅!絶望!滅亡せよ!
色を失った仮面の戦士。
───コンクルージョン・ワン
黒と赤の複眼が静かにアーチャーを見た。
アーチャーが息を呑む。マズイと悟り後退しようと振り返るが……。
「なっ!?」
体が動かない。仮面ライダーアークワンの足元から広がる悪意の波動「スパイトネガ」がアーチャーの足元まで広がっており、それが彼女の動きを封じた。
───悪意
アークワンが徐々にアーチャーへと近づいていく。
───恐怖
アークワンのドライバーの入力スイッチを押しながら段々とアーチャーへと迫る。
───憤怒
アーチャーはスパイトネガのバインドから逃れようと体中に力を入れた。
───憎悪
背後から段々と近づいてくる足音と電子音声にアーチャーは恐怖を感じる。それはまるで自身がホラーゲームをしているかのように。
───ラーニング4
アーチャーのすぐ後ろで必殺の音声が流れ始めた。クルリとアークワンがアーチャーの前に回り込み、右腕を彼女の顔面へと突き付けた。
「ぐっ!!」
アーチャーの体が宙を舞い、後ろへと吹き飛んだ。
転がり込むアーチャーの首元を掴んでアークワンは彼女の体を持ち上げた。
「素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。
降り立つ風には壁を。
四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。
閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。
繰り返すつどに五度。
ただ、満たされる刻を破却する」
そしてアークワンのスパイトネガが彼女の霊基に潜り込む。そして更にはサーヴァント召喚の詠唱を口ずさんだ。
「───告げる。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
アークの寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。
誓いを此処ここに。
我は常世統ての善と成る者、
我は常世総ての悪を滅ぼす者。
汝 三大の言霊を纏まとう七天、
悪意の輪より来たれ、人類を滅亡する者よ!」
改変されている詠唱で本来なら呼ぶことのできない召喚。かつて狂戦士を召喚するための専用の詠唱をした者もいた。ならば、或いは存在する複数の詠唱から考えられるパターンを分析、シュミレーションをすれば規格外の召喚も可能であるとアークは憶測した。
故に導き出された詠唱を口ずさみ、アーチャーの霊基を触媒として新たに英霊を召喚をすることに成功する。
「ったく。どうなってんだよコレ」
アーチャーの霊基から召喚された黒い彼女。その存在はまるで正反対で仕草も性格も口調も180°違っていた。
「クロちゃん……」
アーチャーが一
「悪いなフブキ。俺のマスターはコイツのようだ」
アルターエゴがアーチャーの名を呼んでニヤリと笑った。
そして彼女の手に持っているのは両刃の剣。それを片手で持ち上げるとそのままアーチャーへと近づいていく。
「───じゃあな」
アーチャーを見下ろしてそのまま剣の持ち上げるとそのまま倒れ伏している彼女に切っ先を振り下ろす。
───ゼロツーライズ!
───Road to glory has to lead to growin'path to change one to two!
───仮面ライダーゼロツー!
直後、響き渡る電子音声。高速で移動する黄色と赤の軌跡がアルターエゴの身体と衝突した。ドンッと言う音と共にアルターエゴの体が後方へと吹き飛ばされる。
───it's never over.
「アーチャー!大丈夫か!?」
アーチャーの身体を抱え、彼女の顔を除く仮面の戦士。仮面ライダーゼロツー。
「マスター……?」
見たことのない鎧を纏ったマスターを見て戸惑うアーチャーだったがすぐに安堵した。
「よかったです。アレがマスターじゃなくて……」
そう言ってアーチャーがアークワンの方へと視線を向けた。それに誘われるようにゼロツーもそちらへと向けた。
「アーク……」
ゼロツーはかつての自身の姿を目撃した。かつて秘書を亡くし、アークへとなった自身の姿と同じ姿。
───悪意
───恐怖
───憤怒
───憎悪
───絶望
───闘争
───殺意
───破滅
───絶滅
───滅亡
それを体現したかのような自身の姿。ゼロツー自身へと向けられる自己嫌悪が胸へと刺さるような痛み。
───ラーニング エンド
アークワンが飛び、ゼロツーが予測する。赤い複眼が輝き先のことを予測し始めた。
「アーチャー!ここは俺が喰い止める!お前は───」
───ゼロツー ビッグバン!
ベルトが輝き、電子音声が鳴り響く。直後、ゼロツーがアークワンへと向かって飛ぶ。
アークワンが放っている蹴りをゼロツーは最初の飛び蹴りで弾いてみせる。
「っ!?」
アークワンが空中で体勢を崩し、ゼロツーがその隙を見逃さなかった。ありとあらゆる方向からの蹴り。
そして最後には真正面からの必殺の蹴りを放った。
そしてそのままアークワンの体に蹴りを叩きつけられる。その威力は絶大。
アークワンの体が爆炎に包まれる。だが……
「───その結論は予測済みだ」
かつてアークに言った言葉が自身に帰ってくる。だが、それはゼロツーもゼアも予測はしていた。
彼らは霊体。蹴りによる吹き飛びは効くもののダメージは通らない存在。
「ああ、俺も予測済みだ」
だが、ゼロツーの目的は一騎でも多くアークのサーヴァントに対抗できるサーヴァントを集めること。そのために自身のアーチャーを戦線離脱させるために時間を稼いでいた。
そう、この場にはもうアーチャーはいない。ゼロツーの目的は大体果たせたのである。
あとはできるだけ長く彼らを消耗させることだ。
「───お前達を止められるのはただ一人、俺だ!」
ゼロツーはそう言って再び地面を蹴り出した。
あと、Vuber系のサーヴァントも出したかったので許して……ユルシテ……
(アークによる)白上 フブキガチャSSR 黒上フブキ。