ナザリック最後の侵入者   作:三次たま

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エタッテナイッタラエタッテナイ
普通に書き詰まっていただけです恥ずかしながら。
申し訳ない


オーバーフロード現象

 

◇◆オリジナル能力解説◆◇

 

『脳食い』:ブレイン・イーターの種族的な能力である。

 対象人物の脳漿を吸うことによって、その人物が過ごした人生経験と知識、感情を体感することができる。

 吸収した情報は極めて高い精度で再現することが可能。簡単な話、戦士を吸収すれば武術、賢者を吸収すれば叡智を得られる。マタタビを吸収すると頭がおかしくなる。

 ただ戦闘時などに吸収した能力を生かす際は、思考の混乱を避けるため一人分の再現しかできない。無理をすると船頭多くして船山のぼるという事態になり、大きな失敗を起こす。

 

 脳構造に優れたブレイン・イーターは蓄積した情報を忘却処理できず、それは良点であり欠点でもある。タブラ・スマラグディナの場合は出来心で吸収した佐々木正義の記憶を消去できなかったために、感性の鋭いマタタビと敵対せざるえなくなった。

 

 同じく記憶を扱った能力である〈記憶操作(コントロール・アムネジア)〉とは根本的に似て非なるもの。『脳食い』が干渉するのはあくまで脳という肉体であるのに対して、〈記憶操作(コントロール・アムネジア)〉は魂に干渉した上で肉体側にも変化を反映させることができる。

 

 例えば生者に『脳食い』を使用した場合は外傷扱いなので治癒魔法で回復できるが、〈記憶操作(コントロール・アムネジア)〉は肉体の再現図である魂を書き換えているため不可逆の変質となる。やっていることは〈記憶操作(コントロール・アムネジア)〉の方が遥かに高度である。

 

 念押しになるが、マタタビの両親が蘇生拒否の状態になったのは過剰ストレスによるもの。『脳食い』によって魂が吸収されたせい、とかではない。

 

 なお『脳食い』はユグドラシルのフレーバーテキストに記されていた生態であって、厳密には種族スキルにも職業スキルにも属さない。胃や腸などが持つ消化器官の働きと同じ扱いである。

 

 

◆◇◆

 

「いい加減死ね」

「嫌だね、生きたい」

 

 達人のふるう技術とは、いつの世も見る者の心を震わせるものだ。

 

(綺麗だ)

 

 彼女の凍り付いた表情筋の代わりに、両手に握る二刀の切っ先が憎悪と殺意を鮮烈に描き出していた。

 

 恐らくに右方の黒刀が最速で首級を捉え、タブラが防御しようものなら更に左の銀刃が坦々と間隙を咎めんとしている。熟練のコンビを一体にしたかのような洗練されたコンビネーションの、その構え。

 

 惜しむらくはその妙技が全て発展途上であることだ。

 彼女が本気で刀だけに打ち込んでいたなら、技に見入る余裕すらタブラに与えなかっただろうから。

 

 すなわち彼女の技は、どうしようもないほどに佐々木正義の理解の内に納まっていたのだ。

 

 鋼がぶつかり鳴り合う火花の嵐。

 超高速で交される剣戟の濃度は、1対1でありながら一帯に広がる戦場を思わせるほどの苛烈さだ。

 

 100レベルクラスの戦士たちによる、修練の果てに得た武術によってのみ起こりうる、一瞬が永遠に等しい極限の立ち合いがここにあった。

 

 時にいなして、時に躱して、時に防いで、あるいは躱され防がれる。

 そうして一つ刃が触れ合うたびに、彼女の心が剣を通じてタブラの内へと流れ込む。

 戸惑い、怒り、悲しみ。やけくそ、逃避、そして全てを飲み込む真っ黒な殺意。

 

 ただ、感情だけで敵を殺せるなんてわけでもない。勝利に必要なのは、持ち得る手札を冷静に活かすこと。

 そういう意味で、頭に血を昇らせたマタタビの判断力は致命的に終わっている。

 

 今のマタタビの剣ではタブラの鎧すら掠めることが出来ていない。

 鎧を纏って機動力を削っている相手に対して、無装甲のアサシンが一触もできていない状況は劣勢以外の何物でもない。

 

「……逃げる気も無いのか?」

 

 愚かな問いだと嘲るように、マタタビは嗤って答える。

 

「私が逃げればお前は一生、私の死の影に怯え続ける羽目になる。

 お前を逃せば私は一生、お前を殺せなかったことを悔み続ける羽目になる。

 だからお互い様でしょ。お前も私も、今を於いて必殺の機会は二度とない」

 

「まあね。合意の上での殺し合いなんて、矛盾している気もするけれど」

 

 佐々木正義の死体を発端としたタブラとマタタビの戦端は、ある種の暗黙の了解(・・・・・)によって成り立っていた。

 

 まずマタタビは両親の仇でありその死体を弄んだタブラを必ず殺したいと思っている。

 一方で、殺意に目覚めたマタタビという世界一危険な存在に付け狙われ続けるという状況は、タブラの生涯設計において史上最悪の障害だ。タブラとしてもマタタビは必ず殺さなくてはならないと思っている。

 

 これにあたってタブラ側が雲隠れするという選択肢は、両者にとって等しく最悪な千日手だ。

 マタタビ側は手詰まりとなり歯噛みする他にないし、タブラにしたってって死ぬまで彼女の追跡から逃げ続ける人生なんて真っ平。

 

 だからこそタブラはこの地に彼女一人を誘い込んだわけである。

 もっともこの作戦には大きな欠陥が一つあって、しかし敢えてタブラはそれを無意味であると見過ごした。

 

「あぁしかし、くどい様だが重ねて問いたい。何故、一人で来たんだい?

 君の悪知恵をもってその気になれば、ナザリックの屑共を利用して私を確実に殺す算段を組めただろうに」

 

「屑共って……」

 

「身内以外のその他すべてをゴミと断ずる、共感性の欠片も無い幼稚な愚物。すなわちNPC達のことさ。聞くまでも無いことだろう?」

 

「…………」

 

「あれらは『創造主』と言う概念を、見放されたことも知らず機械的に妄信する救いようも無い連中だ。

 滅んだ方がモモンガさんや世界中の為になるし、何なら君の崇高な復讐の為に使い潰せばよかったのさ。

 

 少なくとも たっち・みー に創造されたセバス・チャンが君の素性と動機を知れば、快く全てを捨てて君の駒になっただろう」

 

「愚物はお前だ。挑発のつもりなら最悪手です。頭悪すぎて同情したいくらい。

 

 この世界に生まれ落ちた彼らという存在は、未だ生後数か月です。

 それを数百年も無駄生きしたタコ助がマウントとって貶すだなんて、ただただ滑稽ではないですか?」

 

「相変わらずだ。甘く、絆され易く、詰も甘い。

 君が肩を持つNPCたちはどれだけ年月を隔てようと、本当の意味で成長することはないだろう。そうまるで、いつまで経っても君が他人を頼らないのと同じようにね」

 

 マタタビは一人でここに来るべきではなかっただろう。

 誰でもいい、盤面を覆せる味方を一人でも備えていれば、マタタビがタブラに負けることはない。

 そんな当然の事実があって尚、マタタビの選択は変わらない。剥き出しの感情が理性を殺して、例の如く最悪の結果を手繰り寄せる。

 

「……頼るまでも無いというだけですよ。今はまだ、ね。

 さぁ、脳みそ絞って付いて来な。私の一人(・・・・)はここからが本番です」

 

 それこそがマタタビの、桜の救いがたい性分である。

 

 佐々木正義と佐々木燈子が植え付けてしまった、親として最悪の失敗そのものである。

 

 

 

 タブラの中の佐々木正義は誰より深く理解していた。

 武術に限らず体を扱うほぼ全ての技能において、マタタビは、桜は万能の天才だ。

 

 剣の振り方、パンチのフォーム、弓の弾き方、銃の狙い方から、ボーリングの投げ方やテニスの打法まで。

 凡人が数か月をかけて習熟するそれら動作の心得を、彼女は数日程度で再現することが出来たのだ。

 根底にあるのは、高い空間認識能力、動作性IQ、反射神経、瞬発力、そして他者への深い共感能力など、どれ一つとっても著しい複数の才能が掛け算された末恐ろしい異能。

 

 そんな彼女は佐々木正義の元で剣を学び、そして旧クラン:ナインズ・オウン・ゴールにてペロロンチーノや弐式炎雷など数多の技巧者から技と知識、そして ぷにっと萌え やモモンガの悪辣極まる悪知恵を吸収した。

 

 結果生まれたのは、あらゆる武器と武術に精通した変幻自在の暗殺者。

 彼女の強さは、決してレベルやステータスの数値で測れるものではなく、ただ生まれ持った類稀な才覚と、何者にでも成ることの出来る無限の可能性によって支えられている。

 

 それは一人でしか生きられない彼女が一人で戦い抜くために編み出した歪な在り方。

 チーム、味方、仲間、同胞。あらゆる集団の理に爪を立て食らい下がる、個の万能性を突き詰めた限界点。

 そんな彼女の技術の全ての集約が今、タブラ・スマラグディナへと牙を剥いた。

 

 

「アハハハハハ!」

 

 マタタビは口端を吊り上げ嗤うように笑い上げる。

 彼女の悪辣風な笑みの源泉は別に悪意や殺意とかではなくて、ただ闘牙を奮い立たせるためのルーティーンであることを、タブラの中の佐々木正義は知っていた

 

 剣に愛されながら剣から逃げた彼女を前に、己の内の冷めた親心は辛辣だった。

 

「さて今日はどんな小細工を見せてくれる? どうせム――」

「うるさい!」

 

 本音な皮肉を言い切る前に、マタタビが手に握った球体を床へたたきつける。消火器が爆ぜるように白煙が地下室全体を包み込み、タブㇻの視界はホワイトアウトした。

 匂いからして毒煙(どのみち耐性があるので無害だが)ではなく、その狙いはおそらく目晦まし。

 

(今回は煙玉かい、芸がない)

 

 

 眼鼻の先に感じていたはずの彼女の生気が、煙に紛れて掻き消える。

 

 100レベル戦士職相当の気配感知能力を得ているタブラをして、戦闘モードであるため隠形にマイナス補正が入っていたはずのマタタビを見失った。まず間違いなく煙玉は彼女の隠形能力にボーナスを与えるアイテムだろう。

 

 ケット・シー由来の聴覚、嗅覚、触覚と最高位盗賊職としての探査能力を兼ね備えたマタタビにすれば、目くらましのデメリットは皆無。見えているときと大差ない。

 視界の情報量が大半を占める今のタブラには一方的に不利であるが。しかし状況に焦燥は感じず、凪いだ水面の精神が、泡立とうとしている不安心を飲み込んでいた。

 

 マタタビの本領が今から始まるのだとしても、タブラの、佐々木正義の力の底は未だ深淵にあるのだから。

 わずか初期レベル1で弱肉強食のこの世界へと降り立って、世界中の異種族たちをまとめ上げるまでに至った彼こそが、この世界史上最高の英雄なのだから。

 

「フーーーッ」

 

 タブラは浅く、息を吹く。

 

 脳をクリアに、意識を研ぎ澄ましていくごとに、竜骨の鎧越しに大気と触れる肌の触感が強くなる。時間の流れが緩やかになっていくのを覚える。

 

 彼女の心がどこにあるのか、己の体をどう動かすべきか。

 タブラの意識が思考するよりずっと早くに、既に内なる佐々木正義は動いていた。

 

 

 目に見えずとも、音も気配もなくたって、少女のあり方を佐々木正義は嫌というほど知っていたから。

 前後左右360度、彼女が陰から狙うとすれば、彼女が最も好むのは――

 

「上だろ」

 

 タブラは二足を地面に食い込ませ、強く踏み込み上へ飛ぶ。

 

「なんで!!?」

「わかるさ」

 

 何も感じないハズの情報に刃を突き立て、すると案の定彼女の刀と交わった。

 流石は空気すら揺らさず移動する弐式炎雷の暗躍術。それを再現する彼女の御業は確かに称賛に値するが、行動予測で割り出せてしまっては何の意味もない。

 頭上から闇討ちで切りかからんと狙っていたマタタビを、その体重差によってはね返し天井へと押し付ける。

 

「でぇっ!」

 

 天井材を背中で砕きうめき声を上げた少女の声に痛む親心を、しかしタブラは一蹴しながら一閃を放つ。

 声音の響きから喉元の位置を割り出し首を狙うが、切り飛ばしたのは刀を握る右腕。腕は刀を握ったままに血飛沫を撒いて壁面へと突き刺さった。

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーー!!!」

 

 いくらマタタビと言えど流石に痛みには慣れまい。

 当然のように彼女は狂乱の悲鳴を上げたが、けれど抜け目はなく、左手に握ったであろう拳銃(極めて可能性の高い推測)を三連射。煙中、しかも脊椎反射であろう射撃にもかかわらず、弾丸はタブラの目元を文字通りに目掛けて鋭く狙い撃たれた。

 

 彼女は昔から視線に敏感な子だった。人は煙幕の中でも瞼の裏で目線を相手に合わせようとするが、昔から彼女にはそれが手に取るように感じられた。彼女は至近距離狙撃の技術に限ればぺロロンチーノすら上回る。目線を辿って眼球に命中させる芸もまったく造作ないことだ。

 そしてそのすべてを理解していれば、小首を右に傾けるだけで弾丸は無意味に横切った。

 

 

 

いや否、無意味ではない。

 

(……我ながら軽率!)

 

 眼鼻の先に空気を震わせる衝撃波を感じる。この戦いにおいて初めての不可避を0.01秒前に理解した。

 

「しまッ」

 

「鉄拳!」 

 

 次の瞬間頭部右側方に強烈な大震動が見舞われる。

 メリケンサックによる硬い拳撃、魔法効果で纏わせたであろう衝撃波がフルフェイスを貫通して頭部に響き、脳震盪で著しく平衡感覚が狂っていく。

 当然マタタビは隙をついて華麗な回し蹴りが胴元へ叩き込み、靴に仕込んでいたノックバック効果が発動。今度はタブラが吹き飛ばされ、壁面にひび割れを作りながら叩きつけられた。

 

 その間にも震えた脳が刹那の遣り取りの内訳を、無造作に紐解いていく。

 彼女の咄嗟の銃撃は、追撃するタブラに対して逆に間合いに入り込む刹那の余地を生んだ。そして銃弾の回避行動として必然的に首を傾げた結果、頭部に拳を確実に当てる手順となったということか。

 事前に組み立てていた型式ではなく、機転で実行した「脳筋」的なアドリブだろう。厳しく言えば、再現性の低いラッキーパンチ。

 

「『瞬間換装』鬼丸国綱 天乃羽場切」

 

 とはいえ結果は結果。タブラが壁際で怯んでいる隙で、既にマタタビを取り出して上級ポーションで切り飛ばした片腕を再生させ、更にはスキルで別の二刀を両手に換装させていた。

 

 タブラは顎を震わせながらため息を吐いた。

 

 さながら複数の戦士たちを相手取るような、多彩な技への順応は手管を知っていても気疲れする。

 彼女を相手取るには平常心を保つためにも心の余裕が必須だが、ソレは一歩ズレれば油断となる。

 油断すれば万が一だろうと億が一でも現実になる。

 

 内なる佐々木正義は、まだ心配には及ばないと気丈を張っている。一発も殴られてしまってなお、戦士としてのマタタビをどうしようもなく見くびっている。

 我が心ながらに、タブラはそれが理解できなかった。

 何せタブラは本来戦士ではなく、ありふれた生者だからだ。

 

 

 

 死にたくはない、今のタブラにはそれがすべてなのだ。

 

(生きるんだ私は!)

 

 脳が平衡感覚を取り戻した直後、タブラは死の恐怖という己の感情をガソリンに、魂の器へ注ぎ込む。

 

 走馬灯のように思い出されるのは、ブレイン・イーターとして今まで吸収してきた人々の、最期の記憶の瞬間だった。

 喉が渇いて罅割れながら朽ちた記憶、血を吐きながら病床で潰えた記憶、生きながら食いちぎられて獣の腹に堕ちた記憶、怒り猛る死の支配者に鯖折にされた記憶。あらゆる死の記憶がタブラの心に溢れ出した。

 

(生きたい。死にたくない。あんな! 今まで食らってきた者共のような、虚しい終わりなど真っ平だ。私は邪神、私はこんなところで死んでいいニンゲンじゃない。いやもう何でもいいから、どうでもいいから、生きたい。死にたくない)

 

 《s》内なる強烈な魂の燃焼が、世界の核心へと昇り詰める。ただ生への宿望が、望まぬ現実を拒絶して僅かながらに描き替えた。《s》

 結果、神経が焼け付くような酷い痺れと引き換えに、タブラの知覚力は魂の限界(・・・・)を超えて伸び上がる。

 世界のルールが、たった数文字分だけ書き換わる。

 

(あぁ……これが)

 

 超位魔法を放つときと類似した、世界と心が結びつくような多幸感がタブラの心を支配する。

 超加速されたゆったりとした思考の中で、タブラは肌と大気を隔てるものが曖昧になる独特な感覚をおぼえる。そう文字通り、自分が世界の一部になるような感覚だ。

 

 目で見る二次元の情報とは内容量がまるで違う、3Dモデルデータを脳内に直接取り込んだかのような圧倒的な掌握感。

 戦場内のあらゆる鼓動、あるいは分子、煙の粒子の一粒までも、タブラの知覚の元に落ちていた。

 

 当然それは二刀を握り猛然と斬りかかってくる眼前の少女のことも例外ではない。

 もはや、大気を覆う煙幕はウェディングベールよりも薄かった。

 

 

 この世界(このゲーム)における極めて神秘的なバグ技(グリッジ)

 オーバーフロード現象と、タブラはこの超感覚の原因をそう呼んでいる。

 

 簡単に言えば強い感情の高まりによって世界を騙し勘違いさせ、因果律や物理法則を捻じ曲げる現象だ。

 

 タブラが知りうる最初の発現者は六大神筆頭がスルシャーナ。

 現在でこそスレイン法国最高の神聖として崇めたてられている彼。しかし本人直筆の手記曰く、その正体は極めて凡庸な男だった。

 そんなガワだけ超越者な凡人を一国の神にまで至らしめたのは、文字通り神の奇跡と言っていい偶然の連鎖であった。

 

 彼が巻き起こした奇跡には一定の法則性があった。

 それは奇跡の度合いが、彼を崇める者たちが増えるごとにエスカレートしていくという点である。

 転移当初、100名程度のNPC達にだけ妄信されていた時は、テキトーな言動が相手の心を射止めたり、精々が訪問先に都合の良いトラブルが巻き起こるだとかその程度の偶然で収まっていた。

 ところが彼が徐々にこの世界に人々から信仰心を向けられていくごとに、さながら数十年先を見通した計略が如し偶然が彼の周囲で起こり始めたのだ。

 

 例えば彼が何気なく隣国に散歩すると、その日偶然にも当国に一大革命が巻き起こっていて、成り行きでそれを鎮めた結果奇跡的に死者を出さずに統治下に置いてしまったとか。

 

 実験で放った魔法が偶々に暴発して地形を盛大に吹き飛ばし、それが国境の紛争地帯の境界線となって戦争を止めてしまったりだとか。

 他にも些細な幸運が天文学的確率を搔い潜り、結果的に神の御業としか言いようのない出来事の数々として起こり続けた。そしていつしか、彼は大げさな呼び名と共に崇られるに至ったというわけだ。

 *1

 

 

 この事例を念頭にタブラがブレイン・イーターの脳食いによって様々な現地人の生涯を垣間見たところ、感情の多寡が因果律と物理法則を捻じ曲げる類似例が、他にも数少ないが散見できた。

 

 その代表例の一つが魔神戦争の大英雄、佐々木正義の超感覚。

 元の世界へ生還するという強烈な執念と極限の集中によって世界のルールを突き破り、超常の知覚を獲得するスキル外の拡張能力

 

 そして今タブラは生への執念を爆発させて、同等の離れ業を実現させることに成功してた。

 

(見える! 聞こえる! 理解る! 全てが!)

 

 佐々木正義の戦闘勘で何とか捉えていたマタタビの姿が、煙の中でもはっきりと見えた。

 空気の微かな流れの変化から彼女がどう動いて何を狙っているのか、呼吸や筋肉の動きから微細な機微まで、先までの戦闘予測とは比べ物にならないほどに、彼女の全てを理解できる。それこそ肌の温もりさえも感じ取れる程にだ。

 

 

 今のタブラならわざわざカウンターを狙うまでもなく、マタタビの速力を捉え斬れる。

 

 確信と共に今度は一転、タブラ側からマタタビを責め立てる流れとなった。

 

「なんで!」

 

 確かにマタタビの反射神経と回避能力はユグドラシルでも随一。カウンターならまだしも自分側から狙い捉えるのは非常に至難。

 しかし逃げる先が読めていれば別だ。

 

 タブラが繰り出す横薙ぎの一閃。マタタビは身を屈めてこれをかわす。

続く連撃も紙一重で全て回避される。だが、その動きすらもタブラには手に取るように分かる。

 

 二刀を振るうマタタビの腕の軌跡が、コマ送りのようにタブラの瞳の中で踊った。

 

 そうして生まれた僅かな隙、そこに生じた小さな空白、マタタビが反撃の為に生んだ一瞬の間。

 

 

「生き残るのは私だ!」

 

 

 タブラの決死の一撃が、少女の細い胴体を捉えて切り裂いた。

 

 100レベルのくせに耐久値のかけらもない柔い肉。

 断面から真っ赤な内臓を振り撒いて上下半分に分断されたのだ。

 

 勝った。生き残った。

 一瞬はそう思った。

 

「あ」

 

 しかし眼前の圧倒的な勝利のリアルを前にして、タブラは思わず口から間の抜けた声を漏らす。 

 剣先が肉を捌いた感触に、大きな違和感を覚えたからだ。

 

 超知覚を獲得して以降、タブラの剣がはじめてマタタビ(我が子)の体に触れたことで、ようやくタブラ()は己の失敗に気づかされた。

 

 今己が切り裂いたのはタブラが知るマタタビではない。佐々木正義が知る桜ではない。

 超知覚と親の勘に基づいた強い確信だった。

 

「誰だ!?」

 

 どうして今まで気付かなかったのか。

 

 きっとそれはあまりにも高等な擬態だったから。

 

 

「Haha♪」

 

 

 少女の上半身が悍ましく嗤う。

 

 2つの肉端が地べたに落ちてぐちゃりと断面の贓物をぶちまけた。

 

「『超速再生』」

 

 けれど瞬く間に肉は蠢き、ピンク色のねばねばになって溶けていった。

 

「久しくお目にかかります、我が名付け親よ」

 

 粘液だまりの中からマタタビではない、しかしタブラも良く知る幼げな女声がささやかれた。

 今のスキルは高位のスライム種のみが扱える、回数限定付きの強力な回復能力であるハズだった。

 

 二つ別れしていたネバネバは粘土細工のように一体となって、やがて肉棒状の悍ましき姿、ぶくぶく茶釜へと変貌する。

 

 その光景を前にタブラのブレインイーターとしての高度な記憶能力が、一瞬の考慮を経て結論を出した。

 

「パンドラズ・アクターだと!?」

 

 思わず口を突いた己の言葉がしかし己自身でも信じられなかった。

 まったくもって腑に落ちなかった。

 

 なぜならタブラは間違いなく、直前まではマタタビと相対していたからだ。

 

 

 なるほど、この状況を再現できる存在はいる。

 パンドラズ・アクターなら、マタタビとぶくぶく茶釜の能力を同時に扱うことは可能だ。

 モモンガが仲間恋しさに生み出した、あの妄執の化身ならば。

 

 

 

 しかしドッペルゲンガーがマタタビを再現することは不可能である。

 なぜなら佐々木正義の目を騙しきることは不可能であるから。

 

 

 今しがたタブラが味わったのは間違いなく彼女だけの言葉で、彼女だけの知識で、彼女のだけの剣で、彼女だけの技で、彼女だけの甘さで、彼女だけの憎しみで、彼女だけの優しさで、彼女だけの心だった。

 ただそれだけは譲れない。

 

(入れ替わったのか!? いやそんな隙は一切なかった! 今の私の知覚を掻い潜るなど不可能だ!)

 

 タブラが高速で思考を回す、その致命的な敵は見逃さない。

 

 懐かしい粘液盾の姿は、また別の懐かしい姿へと変わっていく。

 

 山羊悪魔ウルベルト・アレイン・オードルの写し身が、タブラへと強い侮蔑と憎悪を唱えた。

 

「よろしいそのまま生死の際で思考を浪費していなさい」

 

(クソ!)

 

 援軍、後詰、撤退など、事前に予想できたイレギュラーは山ほどあった。

 

 だから想定外の状況が起きたその時点で、タブラが起こすべき行動は決まっていた筈だった。

 突かれた虚の大きさに、数瞬という極めて貴重な時間を無駄にしてしまったのだ。

 

 タブラは反射的に腰元に手を伸ばし、緊急脱出用のアイテムに手を伸ばす。

 完全戦士化状態でも扱える、タブラの所有していた数か所の拠点にランダムで転移できるマジックアイテム。発動させしてしまえば、しばらくの生存が確約される命綱だ。

 

「〈魔法効果範囲拡大(ワイデンマジック)次元障壁(ディメンジョナル・シールド)〉」

 

 しかしワンテンポ早く動いていた敵の魔法が先回り。

 ドアノブが閉まるような鈍い音が広がって、周辺の転移移動が完全封鎖。腰元に忍ばせていた命綱は瞬時にガラクタへとなり下がった。

 

(……冷静になれ)

 

 ここまで劣勢を受けてようやくタブラの思考は状況に追いついた。

 

 死ぬ可能性は非常に高い。しかし逃げることもできない。

 なぜなら転移を封じられた今、マタタビと弐式炎雷の俊足を持つであろうパンドラズ・アクターに背中を見せることはできないから。

 同じ理由で、完全戦士化を解いて魔法詠唱者(マジックキャスター)として戦うことも難しい。

 こんな近距離で魔法詠唱者(マジックキャスター)がアサシンに立ち向かうのは無謀だ。

 転移で距離をとることもできないのだから、最初に速殺されたのと同じ轍を踏むだろう。

 

 取り得る戦略は、このまま戦士化した状態での応戦しかない。

 タブラは心を切り替え両手の剣と盾を強く握った。

 

「…………」

 

 

 パンドラズ・アクターが今度は武人建御雷の姿へと切り替わる。

 

「『不動明王撃(アチャラナータ)』」 

 

 彼の背後に燃えるように猛る不動明王の影が現れて、余波によって周囲に張っていた煙幕が吹き飛ばされた。

 

(不動明王コンボ狙いか)

 

 武人建御雷の得意スキル。

 不動明王、降三世明王、大威徳明王、軍荼利明王、金剛夜叉明王。

 五人の明王をスキルで召喚し、五人それぞれの技によって強力な行動阻害効果を与える強力な技だ。

 

 強力なスキルである分欠点もあり、技を成功させるには対象者のカルマ値がマイナスに大きく振り切っている必要がある。

 なので高カルマが相手の場合は他の仲間がカルマ値を下げる補助技を使うのが前提だ。

 

 もっとも邪神ロールプレイヤーだったタブラは当然カルマ値マイナスカンスト。つまりヤバい。

 

 ギルド全盛であれば武人建御雷がこのスキルで動きを止め、瞬間攻撃力の高いウルベルトや弐式炎雷がフィニッシャーになるのが常套の流れだった。

 

(そしてパンドラズ・アクターの嫌なところは、限定的ながらもこのコンボを一人で再現できること)

 

「……ポテンシャルではマタタビすら凌ぐか。あの子の猿真似とはワケが違う」

 

 思わず口に出た戦力評価に、武人建御雷の姿であったパンドラズ・アクターは檄を飛ばした。

 

「たっち・みー様の魂を宿した者が、あの方の御業を猿真似と申しますか?」

 

「らしいよ。複数の武器に目移りせず、どれか一つを極めればワールドチャンピオンの域にまで辿り着けたかもしれないとも」

 

「……それはそれは、なるほど。

 お嬢様を弁護するつもりは欠っ片っ!もありませんが、たっち・みー様は父として実に愚かですね」

 

「君はずいぶん彼女に入れ込むね」

 

 露骨に怒気を増したパンドラズ・アクター。

 怒りに同調するように、不動明王が金具付きの紐縄、不動顯索を振るいタブラを縛り付けようと迫ってくる。

 これを受ければタブラ側の回避能力が大幅に下がり、後の明王のコンボ手順がほぼ確実に成功してしまうだろう。

 

 さすれば負け、タブラは死ぬ。

 

 だからタブラはここで切り札を使うことを決心する。

 竜骨製の全身鎧。ある竜王の遺骸を素材に作り上げたその装備に、タブラはふんだんにMPとHPを捧げた。

 

「目覚めよ、朽棺の竜王(エルダーコフィン・ドラゴンロード)!」

 

 

 

 タブラの声が響くと同時に足元から巨大な影がせり上がる。

 

 地下室の壁やら天井やらをぶち破って密室を大広間へリフォームしたのは恐るべき異形の怪物。

 

 青白い腐肉で形作られた禍々しい巨竜の上半身だった。両翼の付け根から下は朽ち果ててしまっているが、圧倒的な存在感はなお揺るがない。

 

「ドラゴンゾンビですか」

 

「如何にも、特別製さ」

 

 朽棺の竜王(エルダーコフィン・ドラゴンロード)

 

 その名はかつてケイテニアス山に居を構えるアンデッドの竜王で、強力な始原の魔法(ワイルドマジック)を操った『真なる竜王』の一角。タブラが200年前に口だけの賢者を扇動し、相打ちさせることでようやく仕留めることができたこの世界でも屈指の怪物だった。

 

 今顕現させたのは、彼の遺骨で造り上げた全身鎧によってアンデッドとして使役しているだけの成れの果て。

 しかし文字通り腐っていても100レベル近い竜王種。強大なフィジカルは見事に健在だ。

 

「やれ」

 

 骸竜の虚ろな双眼がギロリと不動明王をねめつけ、悍ましい唸りとともに大口が開かれた。

 

 Grrrrrrrr!! GRAAAAAAAAAAAAR!

 

 朽棺の竜王(エルダーコフィン・ドラゴンロード)の青白い火炎吐息。

 膨大な負属性(ネガティブエナジー)の塊は物理的破壊力を伴わず、しかしあらゆる生なる者を蝕む猛毒である。

 その極死の蒼炎の波がパンドラズ・アクターと不動明王を飲み込んだ。

 

 そして瞬く間に不動明王は掻き消される。

 が、眩い聖なる光が爆発するように輝いて、渦巻く蒼炎の波動を押し返した。

 

「『聖盾断層(アイ・ホーリーガード)!』」

 

 光の中心から姿を現したのは純銀の聖騎士たっち・みーの写し身だった。

 

 纏う全身鎧の名はコンプライアンス・ウィズ・ロー。かつてワールドチャンピオンであった全盛期たっち・みーが運営から記念で与えられた、神器を超えギルド武器に匹敵する最強の防具。

 両手に握る盾と剣の名はそれぞれアースリカバーとコスモカリバー。これらもまたかつての たっち・みー の相棒たち。

 

 パンドラズ・アクターによる奇跡の再現が、佐々木正義の最強の過去を復刻させたのだ。

 それは佐々木正義の脳を吸ったタブラを相手にこの上なく皮肉なミラーマッチだった。

 

「コケ脅しでしょう所詮。君のそれは ぷにっと萌え のバフで無理やり再現しただけの、儚いハリボテだ」

 

 パンドラズ・アクターの能力コピー再現率は80パーセント。

 マタタビのコピーを相手取っていた時に気づけなかったということは、腕力と速力に1.25倍率の強力なバフをかけていたのだろう。支援能力特化の ぷにっと萌え をコピーして一時的に自己強化したのだと考えれば説明がつく。

 

 ただし ぷにっと萌え のアレは5分の時間制限あるうえに、時間超過で一時的な行動不能に陥るという大きなデメリットがあったはず。

 

「スキルも満足に再現できない上に、残るタイムリミットは最長2分か。君が援軍を呼んでいれば別だが」

 

 仮に援軍を控えさせていた作戦であったなら、すでに狙えるタイミングは何度もあった。

 それこそ本物のマタタビを控えさせていたならば、今にでも不意を狙いタブラの命は無かっただろう。

 

 ならばパンドラズ・アクターは単独で襲撃してきたと考えるべきである。

 賭けにはなるが他にタブラの勝ち筋も逃げ筋もないのだから。

 

「ええご安心を。お嬢様の剣を、タブラ様のような下賤の血で汚すなどっての外。お相手はわたくし一人で十分です」

 

 彼のあけすけな開き直り方は嫌な女と瓜二つ。

 綱渡りなタブラの心情を知ってか知らずか、パンドラズ・アクターは静かに構えを取った。

 

(あれは本物(たっち・みー)か?)

 

 タブラは思わず息を呑んだ。馬鹿げた思考だとわかっていながら、タブラの心の純粋な部分がパンドラズ・アクターを たっち・みー と誤認したのだ。タブラの中の佐々木正義が彼をマタタビだと確信してしまったのと同じように。

 

 本物のマタタビどころではない、何かもっと悍ましい存在を自分は相手にしていたのではないか。

 ブレインイーターとして生まれかわって以降かつてないほどタブラの背筋は強張った。

 

 だから時間稼ぎと彼が何者か見極めるためという理屈でもって、タブラは己の体ではなく成れ果ての竜王に指示を飛ばした。素直に言えば臆病風以外の何物でもない。

 

「滅せよ朽棺の竜王(エルダーコフィン・ドラゴンロード)!」

 

Grrrrrrrr!! GRAAAAAAAAAAAAR!

 

 竜王の成れ果てが咆哮を飛ばすと同時に、応えるように聖騎士の足元から獣骨の群れが沸き上がった。

 

 かつて四足の肉食獣であった彼らの正体は、この旧ギルド:ネコさま大王国に仕えていたNPCにして、ギルド武器破壊によって魔神へと堕ちそのまま死したパーミリオンの同胞だ。

 

 パーミリオンの顰蹙を買うから今まで彼らの直接利用は避けてきたが、今生の別れを済ませて今更なり振りをかまうほどの繊細な良心は持ち合わせがない。あるいは持ち合わせていれば佐々木正義の脳液を啜るなどという愚行を侵さず、今のような惨状を招くこともなかっただろうが。

 

 アンデッドとして歪に息を吹き返した8頭の獣骨達はレベルに換算して70強。肉が削げ落ちている分俊敏性は生前をも凌ぐだろう。

 

 それらと息を合わせ、巨竜の上半身が腐った両椀と両翼で蛙飛びのように聖騎士に向かって飛び掛かった。

 

 アンデッドの奏でる四面楚歌。いかな最強聖騎士の写し身と言えど手こずらないわけがない。

 タブラの超知覚は遠方からパンドラズ・アクターの動きを見極める。そして再び息を呑んだ。

 

(なんだあの動きは)

 

 八方から迫る瞬足の獣骨たちに満遍なく反応しながら時折振り下ろされる骸竜の一撃を危うげなく防いで弾き返す。

 その一連の剣捌きと立ち回りは、たっち・みー の超人的な堅実さとマタタビの天才的な反射能力が融合したかのような武の極地にあった。

 

 一対一の立ち合いにおいて最強を誇るたっち・みー、対集団戦を得意とする異能の怪物マタタビ。アレはそのどちらにも不可能(・・・)な動きであり、ブレインイーターとしてこの世界の数多の達人を吸収したタブラ・スマラグディナにだって難しい(・・・)

 

 難しい(・・・)のだ。不可能(・・・)ではない。

 

「……そうか」

 

 タブラ・スマラグディナは理解するとともに戦慄した。

 正体不明の化け物は種明かしされれば興が覚めるのが相場だが、この眼前の敵は例外らしい。

 

 

 

 結論を述べよう。

 パンドラズ・アクターはタブラ・スマラグディナに変身し、ブレインイーターの「脳食い」によってマタタビの脳液を吸収した。

 

 そしてタブラの中の佐々木正義が期待する娘としてのマタタビの姿を、創造主モモンガ譲りの天才演技で再現したわけである。

 

 更にはマタタビの記憶とタブラ越しに佐々木正義の剣を触れることで、最強聖騎士たっち・みーの戦闘技能すらその身に再現するに至った。

 

 彼の名前はパンドラズ・アクター。

 その名の意味は神からすべてを与えられた奇跡の役者。

 あるいはマタタビと言う名のパンドラ(災厄の乙女)が遣わした宿命の名優。

 

 我ながら縁起でもない名を付けてしまったものである。

 

 

*1
なお幸運に胡坐をかいた彼の慢心が、後の八欲王に後れを取った最大の原因になった





独自設定

◆オーバーフロード現象
過剰な「信じる力」によって世界を騙し「勘違い」させることで因果律操作や物理法則の著しい改竄を引き起こす現象。
周囲の過剰な思い込みによって虚像が現実化する因果律操作タイプ、
そして研ぎ澄まされた精神力で物理法則を突き破る物理法則破壊タイプの2タイプがある。


●語源
・スルシャーナやアインズ様の種族オーバーロードoverload
・溢れるという意味のoverflow
・騙すという意味のfraud

●発現者
・アインズ様→NPCや現地民からの信仰で完全無欠の絶対支配者に
・スルシャーナ→上に同じ
・アルベド(当SS時空)→アインズ様への愛によってNPCの【存在規定】を突破。本来は認識できない現実を知覚する。
・佐々木正義(当SS時空)→熱くたぎる正義の心と家族愛によって知覚力増大と疑似的な未来視。
・エンリ・エモット(原作時空)→覇王将軍
・ブレイン・アングラウス(原作時空)→爪切り

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