ついつい、どうしてもキャラクターの心情描写で行き詰ってしまって……それでゲームに手が伸びて……
流石に2か月以上投稿間隔開けるわけにはいかないので1700字くらいの小話を挟みます
時系列はカルネ村の直前……の回想です
マタタビの言い分ではないが、知るべきでない真実は存在する。
例えば、シャルティア・ブラッドフォールンの胸パッドの真相のことがそうである。
本来、造物主自ら手掛けて作られたシモベは、与えられた能力や己の姿に絶対の自信を持っている。
例えばアルベドの姉であるニグレドの顔は常に筋繊維を露にしていて痛々しいことこの上ないが本人は何とも思っていない。愛らしいペンギンの姿であるエクレアは自らの風貌を雄々しいバードマンだと思い込んでいるし、恐怖公はなぜ自分が周囲に恐れられるのかまるで理解していない。このような例は他にも枚挙にいとまがなくて、それはそれで良いことだとアルベドは思う。
ところがシャルティアだけは己のバストサイズにコンプレックスを抱いていた。完全武装時を除いて常時4~5重のシリコンパッドを挿入しサイズを大幅に誤魔化しているのである。だから彼女はナザリック内を移動する際は、最高位の転移魔法である〈
一体どのような経緯があって彼女がこのように想像されたのか。
この世界に転移して間もなく、カルネ村遠征の前日ぐらいだったか。気になったアルベドがマタタビに聞いてみたところ、かなり酷い理由が明かされた。
『あー確かあのエロ翼王、世間話で言ってたっけなぁ?
シャルティアさんの体系や顔や性格とかモロあいつの理想のお嫁さんとして作ったらしいんだけど、彼女のイラストを描いたメンバーが間違って巨乳にしたから辻馬合わせに『貧乳を恥じてパットを何枚も入れている』って設定したらしいですよ?』
行き違いというか事故のようなものらしいが、シャルティアからすればあんまりな話じゃないか。
望まれて、理想として作られたはずの己の姿を誇れないのはただでさえ悲劇だ。だのに、コンプレックス解消のためにその真相をシャルティアに語ることが更なる悲劇を呼び起こすのだから、まったく救いようがない。
『まぁアルベドさんが怒るのも無理ないですよね』
もしシャルティアに『ペロロンチーノ様は巨乳よりも貧乳の方が好きだった』などと知られて見ろ。
下手しなくても単純な彼女はペロロンチーノのことを恋慕するに決まっていて、永久に報われない片恋は地獄にも劣る悲劇だ。正直、アルベドがシャルティアの立場に立つことを考えるとただただ恐ろしくて仕方がない。
もっとも、別にこれがシャルティアとペロロンチーノに限ったことでは無いのというのがこの話の、というかナザリックの一番悲しい部分である。
『だからさアルベドさん、少なくともエロ翼―― ペロロンチーノのことは殺さないであげてください。あいつ無害でいい奴なので』
当時のマタタビがこのアルベドに真相を語ったのは、つまりそういうこと。
もっとも、この時のアルベドからすれば一笑にも値しない理屈だったが。
『ペロロンチーノ様の最大の功績は、シャルティアを
ほったらかした理想の乙女をアインズ様に寝取られるバードマンの姿は、さぞや見物なことでしょう』
『悪趣味ですね~彼に似て寂しがり屋なアルベドさんらしいけど』
『どういう意味かしら?』
『アルベドさん、シャルティアさんとはよくアインズ様の事取り合ってるけど、本気で彼女を排除するならそれこそ誑かしてエロ翼王に片恋させれば一発でしょ?
なのにそうしないってことは、アルベドさんがアインズ様の取り合いっこを楽しんでるっていうこと違う?』
『……邪推よ。ただ、ナザリックの支配者であられるお方が、一人しか妃を持てないというのは余りにも奇妙な話ですから。何ならマタタビあなたもいかが?』
『結構ですっ!!』
今思えば懐かしい一幕だ。
彼女の言う通り、なんだかんだアルベドはシャルティアとのやり取りを楽しんでいたし、同じ男を愛することへのシンパシーを心地よく思っていた。
そしてあの時からマタタビは食えない女で、どこまでも良く自分たちのことを見続けていた。
しかし、思う。
禁忌の秘密は墓場まで持って行くのが相場だが、それなら地下墳墓たるナザリックの秘密はどこへ抱えていくべきやらと。
ここは、ナザリック地下大墳墓は、きっとそんなものばかりが詰め込まれていて、それをギリギリのバランスで保っているのが他ならぬアインズ様なのだろう。
シャルティアのパッドの設定作った原作者様は人の心無いなって思いました
◆糞おまけ
ユグドラシル時代の一幕
マタタビ「ざぁこ! エロゲーマニア! 姉ボイスで抜けない! 課金エフェクトクソセンス! エロ翼王!」
ペロロンチーノ様「メスガキかな? 固有あだ名で罵倒してくるリアルロリも、これはこれで……
あ、そういえば聞いてよマタタビちゃん。NPCのシャルティアのことなんだけどさー」
ぶくぶく茶釜様「……お前すげぇよ」
たっち・みー様「(クソセンス?)」