ナザリック最後の侵入者   作:三次たま

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第4話

【マタタビの至高の41人大百科】

No.1:タブラ・スマラグディナ

 ホラー映画と古今東西の神話体系をこよなく愛するマニア。一見理知的なようでいて、話題が自身の領分に触れると途端口が止まらなくなる典型的オタク気質。しかも厄介なことに自分の話が迷惑がられている自覚に乏しいタイプだから結構ウザい。

 タブラは他メンバーから中二病扱いされているが、マタタビは案外ホントに狂ってるんじゃないかと踏んでいる。

 

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ナザリック地下大墳墓9階層 スイートルーム 元予備部屋 現マタタビ私室

 

 至高の41人と呼ばれるアインズ・ウール・ゴウンのメンバーの居住区。そこは、彼らに仕える数多くのシモベにとって神聖で不可侵なる絶対領域である。

 

 現在この領域に住まうことが許されているのはモモンガを除き2名。

 

 その二人が小さな円卓テーブルに向かい合わせで座って何やら話している。

 

 一人は紺を基調としたセーラー型の学生服の少女。長くまっすぐに切りそろえられた黒髪に細渕フレームをつけたその姿はまるで旧時代に言われた優等生、清楚という概念そのものかとも思われた。 

 

 もう一人は純白のドレスに身を包んだ黒髪で妙齢の女性。その美貌は国の1つや2つ傾けてしまいそうな程だ。しかし頭部には山羊のような白い角、縦割れした金色の瞳、腰元からは黒い天使の翼が生えており、彼女が異形の者であるとわかる。かえってそれが人外的美しさをもたらしていた。

 

 それぞれ正反対の美貌を持ち合わせた両者だが、話の様子は非常に穏やかだ。

 

「それでどうかしら、メイドとして働いてみて」

 

 妙齢の女性、アルベドは女神のように優しく微笑みを浮かべて、尋ねる。

 

 対して学生服の少女、マタタビは伏し目がちに、どこかバツの悪そうな顔で答えた。

 

「仕事はそんなに辛くはないです。ですが……、先輩たちがどうも苦手で……」

 

 マタタビがナザリックでメイド見習いとして務めるようになって数日。メイド長のペストーニャ指導の下、メイドとしての振る舞いや仕事の仕方を学びつつ、実際に一般メイドと混じって奉仕をするという生活が続いていた。

 

 100レベルの肉体ステータスや疲労無効アイテムなどのおかげもあって、マタタビはかなり順調に仕事内容を覚えていった。

 

 しかしメイドたちからは、「至高の御方に遣える自分達の尊い仕事を奪いに来た部外者」としてあまり良く思われていない。ホワイトブリム謹製最高級メイド服の存在や、スイートルームへの居住許可などの特別待遇も彼女たちの不興を買う要因となっていた。

 

「彼女たちも決して悪い子達じゃないのよ。 それをわかってくれると、私としては嬉しいわ

 だけど難しい立場だものね、あなたって。」

 

「……はい」

 

 アルベドとマタタビの居住許可が降りた際、必然的に二人が住まう部屋は隣同士となっていた。それからと言うものアルベドは、内政の片手間マタタビの元へ訪れては気にかけるようになっていた。

 

 メイド見習いという立場から、マタタビにとって現状ただ一人の知り合いであるモモンガと直接話せる機会は無い。日に何度か《メッセージ/伝言》を繋いで互いの近況報告をしているのだが、マタタビはモモンガを心配させまいと自身の境遇について詳細に語ることはしなかった。

 

 アルベドから、モモンガが日夜休まず働いていると聞かされてからは特に気をつけた。そんなマタタビにとってアルベドは、自身の心情を話せる唯一の相手なのであった。

 

「そういえば、このナザリックでは他に余ってる仕事とかってあったんですか?エクレアさんも、人材欲しがってる割には全然私なんて要らなそうでしたし」

 

「エクレアの場合事情が特殊なのよ。御方から『アインズ・ウール・ゴウンの簒奪を企てている』とのように創造されていて、その為にめぼしい存在を片っ端から集めているのよね。」

 

「うわぁ。言っちゃなんですがそれって……」

 

「言っちゃだめよ。 御方にそうあるべしと定められたものは、私達の存在意義なの。 思うところもあるでしょうけど」

 

「ご、ごめんなさい」

 

「いいわ、これから気をつけてもらえば。

 ちなみにメイド以外で空いてる仕事といえば、コック●ーチで満たされた部屋の掃除係、体内寄生型触手生物の世話係、特別情報収集官の拷問の実験台とかね

 メイドに不満なら、アインズ様に異動届を出してもらってもいいわ」

 

「いいえいいえお気遣いありがとうございます!そしてありがたくも遠慮させていただきます!今の仕事に十分なやりがいを感じているので!」

 

「あらそう?」

 

 いつも女神のよう微笑みを絶やさないアルベドだが、時々小悪魔のような邪悪さを覗かせる。案外こっちのほうが素に近いのかもしれないなぁと思うマタタビであった。

 

「しかし、自分で言うのも難ですが、そのエクレアさんに私みたいなの任していいんですか? 自分ガッツリ不穏分子でしょ? 見てたでしょうけどこれでも単身でナザリックに侵入したんですから」

 

「確かにエクレアの野望に一番近いところにいるのはアナタでしょうけど、あれでもナザリックのシモベの一人、忠誠心はちゃんと持ち合わせているのよ」

 

「なんかアバウトですね その辺」

 

「あとアナタに関して言えば、外の世界の情報が不足している現在私達に手をかけるのは愚策以外の何物でもない、という打算ね。」

 

「そりゃそうですけども……」

 

 目の前の人物に言うことかな? と、やるせない気持ちになるマタタビ。割り切れてはいないが、目の前で言うからこそ意味があるということも頭では一応理解していた。

「そんな顔しないでちょうだい。 ところで今日は何を話してくれるのかしら? 外でのモモンガ様の武勇伝」

 

「じゃあ今日はですね~」

 

 事情を知ってるアルベドとデミウルゴス以外のNPCにとってマタタビの存在は疎ましいものなのだが、立場上至高の御方々と行動をともにすることの多かった彼女の語るAOGの過去話は、ナザリック内でも高い需要を誇っていた。普段特にマタタビを邪険にする者であっても、コッソリ聞き入ってることがあるくらいだ。

 ギルド:アインズ・ウール・ゴウンの逸話。それが現状、ナザリック内での彼女の人間関係的命綱であった。

「今回はワールドエネミーに立ち向かった時のモモンガ様の話でもしましょうか」

 

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「くふー さすがモモンガ様ね! とても素晴らしい話が聞けたわ」

 

「どういたしまして。 時間が空いてたら、良ければまた来てください。今度は習ったお茶とか淹れますから」

 

「ええ、また来るわ。あなたも頑張るのよ」

 

「はい」

 

 アルベドは特にモモンガについての話をよく聞きたがっていた。他のNPCは自身の創造主を所望するのに彼女だけが例外である。

 

(アルベドの設定文を弄ったモモンガが造物主という扱いになっているのかな)

 

 そんな彼女のためにマタタビは、モモンガと《メッセージ/伝言》した際に彼自身の過去話を聞き出すようにしていたのである。

 

 マタタビがアルベドにここまで懐くようになった理由は、マタタビの持つスキル《読心感知》にあった。これは相手がこちらに向けている敵意や好意などの感情をフィーリングで感じ取ることができるという効果で、異世界転移してから効果仕様が変わったものの一つである。

 

 アルベドがマタタビに向ける思いの中には 多少悪意が見えてくるもなかなか好意的なようである。だがそれ以上にアルベドの中にマタタビを同情するような感情が一切なかったということが、マタタビの心を強く打ったのである。

 

(憐れまれるのって大嫌いなんですよね)

 

 このような感性から、マタタビは当時のクランリーダーたっち・みーに対して苦手意識を持っていたのだが、それはまた別の話。

 

「さて、私も仕事行かなくちゃな」 

 

 マタタビはアイテムボックスからメイド服を取り出して着替える。そのまま自室から出て仕事場に向かっていくのであった。

 

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 ナザリック地下大墳墓9階層  アルベドの執務室

 

 先程マタタビの部屋を出たアルベドはその足で自身の執務室に向かっていた。モモンガから与えられた勅命である「情報共有システムの作成と警備の強化」についての事務処理をするためである。 

 

 これまでは至高の御方が直々にナザリック防衛についての大部分を担っていたが、しかし謎の転移に見舞われた現状では他にもやるべき必要事項が数多くあり、今後は雑務で御方の手を煩わせる訳にはいかない。 

 

 アルベドが現在確認しているのは、ナザリックに仕える他のNPC達の種族クラス、職業クラス、会得スキルといった個人情報だ。

 

 ユグドラシルでギルド拠点でNPCを作る際、その拠点ごとに作れるNPCの合計レベルには上限があり、最低でも700、最大で3000にもなる場所があった。ナザリックでの初期NPC製作可能レベルは2750レベルであり、課金によってその上限値を上昇させているためNPC総数は平均より圧倒的に多い。

 

 その膨大な量の資料を頭に入れつつ、それぞれに適した担当防衛場所を割り振る彼女の手腕はまさに圧巻ものである。

 

 しばらくしてひと束分の資料を片付けたアルベドが一息ついていたところ、入口の扉からノックする音が静かに響いた。

 

「どうぞ」

 

「失礼します。アルベド様、お茶をお煎れしました。」

 

 入室者はお茶汲みをしに来た一般メイドのシクススだった。

 

「あらありがとう。ちょうど一仕事終えたところだったのよ。 お茶はそこに置いてちょうだい」

 

「はい」

 

 清楚な顔立ちと星の如き輝きを灯す金髪が特徴の彼女は、音を立てないよう優雅に歩いてアルベドの机にお茶を運んだ。

 

「ではこれで失礼します」

 

「ちょっといいかしら」

 

 目的を終えて部屋を去ろうとするシクススに、アルベドは制止をかける。そして優しい様子で訪ねた。

 

「彼女がここに来てから数日経つけど、どんな様子かしら?」

 

 『彼女』という言葉が先日やってきた見習いのマタタビを指すものだと気づいてシクススは答えた。

 

「まだ振る舞い方や仕事に拙い部分は見られますが、物覚えがよくかなり早いペースで仕事を覚えているようです。 特に歩法については既に他のものとも遜色がありません。」

 

 マタタビのことを話すシクススの様子が、わずかに後ろ暗いのをアルベドは見逃さない。

 

「歩法についてはきっと身体能力の高さが影響しているんだわ。

 彼女は階層守護者に匹敵するレベルを有しているから、持ち前の身体能力で体幹を整えるのはそれほど難しくないでしょう」

 

「そ、そうなのですか!? 」

 

 両目を見開き顔をひきつらせるメイドの反応からは、言い知れぬ恐怖が見て取れた。部外者であるマタタビは、レベル1の一般メイドにとってただでさえ恐ろしい存在だというのに、それがナザリック内でも屈指の実力者に引けを取らないという事実を、その実力者である彼女自身が語るというのだから当然だ。

 

「だから他の仕事も紹介したけど、何故か彼女飛びつかなかったのよね。」

 

「……!?」

 

 それを聞いて彼女の心中には「何故、どうして」という理不尽に対する疑念と憤りが湧き上がった。やがてそれは一つの可能性の存在に行き着く。彼女の中で疑念が消え去って恐怖に、憤りは明確な怒りへと変貌する。

 

「まさか……!」

 

 一般メイドの業務は9・10階層での給仕や清掃などの雑務一般。それを部外者が選り好んで行う理由。それはナザリックでもっとも重要な存在の……

 

 坂を転がるボールのようにひとりでに加速するシクススの思考。それを「待ちなさい」と言って止めさせたのはアルベドだった。そして厳然な態度に打って変わり、アルベドは言った。

 

「何を想像したのかも解るし、早合点するなとは言わないわ。

 だけど彼女をここに置くという最終決定をしたのが誰なのか、それをよく考えなさい。」

 

 その言葉に、悪寒に打ちひしがれ青ざめていたシクススは、突然鋭い電撃が頭頂部から脊椎へと走る錯覚を覚えた。愕然とするシクススに構わず、アルベドは続ける。

 

「もし事態があなたの考えている通りのものだとしても、危険分子というのは闇雲に外へ放つのではなく内側に置いて注視し続ける方が賢明よ。 

 ましてや我々が仕えているのは、至高の41人の頂点であるモモンガ様。 御方に誤りなどあるはずないわ。」

 

 アルベドの言は最もだ。シクススは直前まで自身に渦巻いていた恐怖心を猛烈に恥じた。人知れずモモンガに『智謀の王』という二つ名をつけていたのが他ならぬ彼女自身なのである。にも関わらずそのモモンガの判断に疑いの目を向けてしまったのだ。

 

「私はなんと罪深きことを……この不敬は命をもって償わなければ…」

 

「落ち着きなさい!

 シクスス、あなたの生殺与奪権を握っているのはモモンガ様よ。 それを無断で散らすことこそ御方に対する不敬だと知りなさい!」

 

 アルベドは毅然とした強い口調で半ば恐慌状態で慌てふためくシクススを諭す。我に返ったシクススは重ねて及ばぬ自身を恥じた。

 

「……はい!」

 

「わかったら行きなさい あなたも私も、他の仕事が残っているのだから。

 あと、ここでした話はあくまで憶測に過ぎないから、他の子達に話してはダメよ? いいわね」

 

「承知しました。では失礼いたしました、アルベド様!」

 

 少し慌てた感じが残っていたがシクススは丁寧にお辞儀をして、アルベドの執務室を後にした。

 

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 アルベドは一人きりになった執務室で先程汲まれた茶を飲みきると独り言をつぶやいた。

 

「……気持はよく解るけれど 流石にあれで自害されてしまってはかなわないわね」

 

 ため息をつく。しかし状況は彼女にとって非常に都合よく運ばれていた。 

 

 アルベドの狙いは、一般メイドたちにマタタビへの悪印象を抱かせて孤立させることである。 さっきのシクススとの応答のように思考を誘導させてやれば、わざわざバレるかもしれない嘘をつく必要もない。

 

 ただし、あまりやりすぎないことが重要だ。口止めしたのもそうだが、露骨にやりすぎると犯人がアルベドであると看過されてしまう。だがそこまでやる必要なんて端からない。

 

 形のない悪印象が個人々々のバイアスを通して徐々に伝播し、最終的にアルベドの望む環境が生み出せればそれで良い。そういう意味では一般メイド達の閉塞的な人間関係は非常に都合が良かった。

 

 そしてもう一方、孤立したマタタビに寄り添うことで高い信頼を勝ち得てアルベドに有利に動くようにする。アルベドの真の目的は、孤立無援のマタタビを籠絡させて自身の手駒とすることであったのだ。

 

 自分の目でしかと見たマタタビの隠密能力は、高い防衛能力を有するナザリックすらも脅かすにたる強力なものだ。しかも彼女自身のナザリックに対する帰属意識は非常に薄く、危険な存在であることには違いない。

 

 だがもしこれを自身の手で制御することが叶うのなら、かえってアルベドにはこの上なく心強い道具になるだろうと思われた。

 

 

 異世界に転移する直前のことをアルベドは思い起こす。玉座の間でモモンガの側で跪いていた時、突然姿を表したマタタビが何やら楽しそうにモモンガと話をしていた姿だ。待機の指令が出ていたため動くことができなかった当時のアルベドだが、今でも思い出すだけで心の底から嫉妬心が湧いてくる。ただ、重要だったのはそこではない。 

 

 プレアデスやセバスには聞こえないくらいの声だったが、我らが主は確かに言っていたのだ。

 

『……いいえ、気持ちはとても嬉しいですが、リアルを優先させるのは当たり前ですよ。成功した人や夢を叶えた人もいますしね。間違ってるとしたら俺の方です。』

 

 この言葉が具体的に何を指し示すのかは不明瞭だが、ただ一つ明確に解ることがあった。 他の至高の御方々はナザリックを捨てたのだ、ギルド長のモモンガをただ一人残して。

 

 アルベドは至高の御方々の望みとあれば、どのような屈辱にも恥辱にも耐えることが出来た。端から我が身可愛さなど何一つ持ち合わせてはいないのだ。だからこそ、御方々が何も告げずにナザリックを捨てた事についてで、彼らを恨むことなどしたりはしない。それは他のシモベも同様だ。

 

 しかしアルベドは許せなかった。御方々がナザリックだけでなく、愛しのモモンガさえも取り残して去っていったことを。モモンガがいったいどんな思いでナザリックの財政管理を成し、仲間の帰還を待ちわびたことか。その様子を傍で見守っていたアルベドの想像にもつかない。だが結局『最後の時』まで彼のもとに残った御方はいなかったのだ。

 

 故にアルベドは憎む、モモンガを悲しませるすべての存在を。それが自らが忠誠を捧げるアインズ・ウール・ゴウンそのものであろうとも。

 

「そういう意味では彼女も、非常に好ましい存在なのよね。」

 

 最後の時までモモンガの側に居続けたマタタビ。そんな彼女にアルベドは僅かな好感を抱いていた。ひょっとしたらこれから掲げる自分の野望に賛同してくれるかもしれないという期待を抱いて。

 

 計画は順調だ。現状マタタビは想定以上にアルベドに懐いており、かえって不気味な程である。着実に人心掌握を進めていると言えよう。

 

 アルベドは前髪で顔を隠しながら邪悪に笑みを浮かべた。

 

『ゴンッゴンッ』

 

 しかし突然の執務室を打つ荒々しいノック音に、サッと平常の様子に戻る。

 

「どうぞ あらセバス一体何の……」

 

 やって来たのはナザリック地下大墳墓執事を務めるセバス・チャンであった。意外な訪問に戸惑うアルベドだったがセバスの宿す剣呑な雰囲気にただ事ではないのだと悟る。よもや寵愛の……

 

「アルベド様。モモンガ様より完全武装で来るようにとの伝言を預かりました」

 

「なんですってすぐ行くわ! 状況はどうなっているの?」

 

「モモンガ様直々に近隣で発見した村に出撃されるようです。 後詰めとして隠密能力を持つ下僕の配置も仰せつかったのですが、いかが致しましょう」

 

「では八肢刀の暗殺蟲(エイトエッジ・アサシン)を展開しなさい。あとそうね あなたのところのエクレアの部下に丁度良いのがいるでしょう。彼女もそれに加えて頂戴」

 

 彼女の名前は平時では微妙にタブー化されている。『エクレアの部下の彼女』というワードがマタタビだという暗黙の了解が二人の間で成された。

 

 アルベドとしては、せっかくの機会なのでマタタビの力量を見極める材料にしようと考えたのである。

 

「仰せつかりました。では、モモンガ様が執務室にゲートを展開されておりますのでそちらから行かれると良いでしょう。」

 

「わかったわ」

 

 アルベドは瞬間換装によって完全武装の黒鎧の姿に変身する。そしてそのまま全速力で9階層の廊下を疾走していった。ちなみにその時のアルベドの顔は、主人に直接お呼ばれされた喜びで、それはそれは酷い具合となっていた。

 幸いヘルムの下のそれに気付けるものは誰一人いなかったが。




 次はカルネ村編ですが、書き溜めのやつを書き直すつもりなので時間がかかります。

 感想や誤字脱字があったら是非コメントお願いします。

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