高校二年生の転生者
《蓮side》
駒王学園に入学してから早いことで俺は二年生になっていた。
ここに来るまで何事もなく、俺は平和に暮らしていた。
特出して言えば休みの日に旅行で京都に行った際、暴走したオルフェノクに襲われていた妖怪を助けたところ妖怪達に気に入られ、パイプを持つことが出来たぐらいだろうか。
何でも俺が救った子は妖怪の総大将の九尾の狐、八坂姫の娘だったらしく、妖怪達から滅茶苦茶お礼された。
俺が助けた八坂姫の娘、九重には兄様と呼ばれるようになったし、八坂姫には(性的に)襲われそうになるしで、てんやわんやだった。
それと、最近はオルフェノク退治ではなくはぐれ悪魔と呼ばれるやつらを倒している。…オルフェノク姿で。
戦いに慣れるためにちょうど良いと思いそうしているがこれが結構戦いやすく、瞬殺してしまうことも稀にある。
最近は黒歌とグレイフィアが冥界に行ってみないかと言ってきたので行ってみた。
しかし転送先が大幅にずれてしまい、冥界には着いたものの魔物の森と言う所のティアマットの巣の前に出てしまった。俺も流石にビックリした。転送したら目の前に龍の顔があったからな。
いきなり出てきた俺たちにティアマット驚いた様子だったがすぐに、力を見せろとか言ったので目の前でファイズに変身して見せたところ、ティアマットは笑い、『戦え、赤き戦士よ!』と言ったので殺さない程度に戦って勝利を納めた。
その後ティアマットが自分から使い魔と言うものにしてくれと言ったので俺は『悪魔ではないから契約と言う形で良いか』と言ったところそれで良いと言ったので、契約して仲間になった。
これが一年生の時に起こった主な出来事だ。
それと、いつの間にかこの学園で俺は『学園の二大イケメン』とか『学園のお兄様』と呼ばれるようになっていた。俺そんなにイケメンではないんだがな。
もう一人は木場祐斗と言うらしい。俺は知らねえけど。
今は昼休みだ。俺はいつも通り屋上に行き飯を食う。
「…あの」
「あん?誰だお前」
飯を食っていたら隣に小柄で白髪の美少女が立っていた。
去年までこんなやつ見なかったから新入生か?
「…塔城小猫って言います。隣、座って良いですか?」
見かけによらず図々しいな。
「座りたきゃ勝手に座れ」
「…失礼します」
そう言って塔城は俺の隣に座る。
「………」
「………」
沈黙が続く。その間話しかけることもないので俺はそのまま飯を黙々と食べる。
「あの…」
そうしていると塔城が話しかけてきた。
「何だ」
「あなたの名前…聞いていませんでしたから」
そう言や言ってなかったな。
「俺は、乾 蓮だ」
「…えっと、乾先輩って言って良いですか」
「…好きにすれば良い。俺は食い終わったから戻る」
「…ではまた」
おい、待て。
「「また」って明日もここに来るのか?」
「……ダメですか?」
そう言ってこっちを見てくる塔城。
「………好きにしろ」
俺はそう言って屋上から出ていく。
校舎の中は騒がしく、全員各々に過ごしていた。比較的穏やかだ。
そのなかでひとつ穏やかでない怒声がする。
「待ちなさい!兵藤ー!!」
「また覗きをしてたわね!この変態三人組!」
またあいつらか。
俺は処刑をするため、その声がする方に向かっていった。
《蓮side out》
《一誠side》
俺は今、生命の危機に陥っている。それは、
「待ちなさい!兵藤!!」
「また覗きをしてたわね!この変態三人組!」
竹刀を持って走ってくる女子と鬼ごっこをしているのだ!
いや、あれは洒落にならねぇ!捕まったら死ぬ!!
「おい兵藤!お前をご指名だぞ!」
「良かったじゃねーか!早く行ってこいよ!!」
「てめえらふざけんな!あれは女子じゃねぇ!鬼だ!!」
松田と元浜の言葉に俺はそう言う。
俺たちがここまで追いかけられている理由。
それは俺たちがさっきまで女子の着替えを除いていたからだ。
俺たちはもともとハーレムを作るために何だこの問題?四大大学レベルじゃね?と言うような入試をくぐり抜けこの学園に入ったのだが、モテない。
全くモテない!!
その事に嘆いた後俺たちは、もう覗きをするしかないと思い一年生の頃からこの恐怖の鬼ごっこを繰り返している。
だって仕方ないじゃん!モテないんだから!この思春期の性欲をどこで発散すれば良いんだよ!
そんな事を考えて走っている内に、目の前に人が出て来る。あ、あいつは―――
「乾!」
「気安く呼ぶな。変態共」
そう言って乾は俺たちに腹パンを決める。ってえぇ!?
「なにするんだ乾!」
「痛ぇじゃねぇか乾!」
「だから気安く呼ぶんじゃねぇよ」
こいつは乾 蓮。『学園の二大イケメン』とか『学園のお兄様』とか呼ばれているイケメン野郎だ。
成績優秀である程度運動もできる。その上イケメンと来た。こいつは俺たち男子の敵だ。
そしていつも俺たちが逃げている時に邪魔してくるうざいやつだ。
「何で毎回毎回邪魔してくるんだよ!」
「その答えは前にもしたぞ。女子が怒った理由がお前らにあるから、だ。と言うことで、後よろしく」
そう答える。乾。ん?後よろしく?
「ありがとう、乾くん。さて覚悟は良いかしら?」
ハッ!俺たちは今逃げていた最中だった!
俺たちが振り向くとそこに居たのは般若の幻が見えるほど怒った女子達の顔だった。
「やっぱり乾くんはカッコいいね。それに比べてあんた達と来たら…」
そんな言葉を最後に俺の意識は途切れた。
クソォォオオオ!!覚えてろよ!乾ィィィィ!
《一誠side out》