また遅くなった白尾芯です。
「オラよっと!まだまだ行くぞ!こっちはやることが出来たからな。さっさと片付けるぞ!ハッ!」
「まったく、こんな大戦闘…フッ!久し振りだなっと!」
二人は周りをオルフェノクに囲まれた状態で戦っていた。が、先程みたいに苦戦している様子は無かった。
理由としてカイザの変身者が
しかし、それでも敵の数は多く一発一発必殺技を繰り出してもようやく20体程になった。
「ったく…まだまだいやがるな。さっきからクリムゾンスマッシュを撃ってるって言うのに…よッ!」
「確かにこれじゃキリがないね。さっきの子の隠す魔術はルーン魔術だったからあともう少し持つけど…おっと!」
「くっそ、アクセルで一掃…いやダメだ流石に数が多すぎる」
蓮はアクセルフォームで敵を倒そうと考えるも数が多く
「そうだね。確かにアクセルフォーム
「…それなら行けますけど…フッ!そんなフォーム、カイザには」
「あるよ。と言ってもまだ強化する方向性もッ!正確に決まっていない試作品だけど…ねッ!」
そう言って木場はファイズアクセルにも似た物を取り出し腕に巻き、それに付いていたカイザのメモリが黄色くなったようなミッションメモリを取り出した。
「これは【カイザブレイク】と言って、ファイズアクセルを元に製作されたものだッと!そして今取り出したのは【ブレイクメモリ】。これでカイザブレイクフォームに変身…出来る!」
木場は敵の攻撃を避けながらそう言うとカイザメモリを外し、ブレイクメモリを取り付けた。
『complete』
その電子音がなると同時にカイザの胸にあるフルメタルスラングが粉砕し内部機構が露出、フォトンストリームは黄色から銀色に、そしてカイザの眼が紫から黄色になった。
「これがカイザブレイクフォームだ。うーん…実験では30秒行ってたんだけど…やっぱりレプリカとオリジナルじゃ違うか。良くて15秒ぐらいしか持たないか」
「…その性能はどんな感じですか」
「アクセル状態と同じでおよそ500倍の速度と威力で攻撃でき、このオリジナルでは20秒程キープ出来る。がそこまでやるとッ!3時間程カイザに変身できなくなってしまうと言うデメリットがあるから連続で変身するためには15秒程に抑えておく必要があると思う。ハッ!」
「…分かりました。そんだけあれば十分ですッ!」
『complete』
そう言って蓮もファイズアクセルに変身する。
「10秒で僕と同じかそれ以上倒せるかい?」
「安心してください、木場さん。このファイズギアとファイズアクセルをオーバーホールし、更に実験と改良をして何とか15秒までなら使っても問題無くなりました」
「本当かい?よくそんな事が出来たね。君高校卒業したらスマートブレインに来ないかい?」
「何でこの場で勧誘されているのか分からないですけど、考えときますね。さて、行きますよ木場さん」
「ああ、ケリを着けよう」
『『start up』』
そう言って二人は同時にファイズアクセルとカイザブレイクのスイッチを押し、電子音が流れる。
瞬間二人の姿が消える、と同時に2体のオルフェノクが弾き飛ばされる。
そしてその隣のオルフェノクも弾き飛ばされその隣もまたその隣も弾き飛ばされ、ほぼ全てのオルフェノクが空中に浮いている形になった。
その弾き飛ばされた所には赤と黄色の線がうっすらと残っていた。
「ハッ!」「ハァッ!」
そして二人は空中に浮いたオルフェノクに蹴りをはなった。ひとつは赤色の円錐形、もう一つは黄色の円錐形をしたものだった。
「「ハァァァッ!」」
そうして強化クリムゾンスマッシュと強化ゴルドスマッシュを放っていく二人。やられたオルフェノク達は次々とΦとΧの文字が浮かび上がり灰になって消えていき、残りの二体を倒した時、
『『three…two…one…time out』』
電子音が鳴った。
『『Reformation』』
そう言う電子音が鳴ると二人の姿が元に戻る。
「さてと、こんな大軍だ。どこかにオルフェノクを操った黒幕がいると思うけど…」
「すいません木場さん。俺は先にやらなきゃいけないことが」
「だね。黒幕探しより先に怪我人を運ばないとね」
そう言って二人は変身を解除し、木場はロスヴァイセを守っていた魔術を解く。
「サイドバッシャーを使って君は直ぐに病院へ行って。僕は君のオートバジンを借りてもう少し周りを見てくる。何かあったら連絡する」
「分かりました。気を付けて下さい」
「ああ。そっちも気を付けてね」
「分かりました」
そう言って蓮はロスヴァイセをサイドバッシャーの助手席にのせ街へ走っていき、木場はオートバジンでオルフェノクが進行していた進路に向かって走っていった。
蓮は無事病院へ付くことが出来、ロスヴァイセを何とか治療することに成功。ロスヴァイセは今は安静にしているが起きてはいた。
「すまないな。あんな危険なことに付き合わせちまって」
「いいんです。そもそも私が望んだことですし、怪我も治してくれましたし」
「…すまない」
「ほ、本当に大丈夫ですって。そもそも私が怪我をしても戦えるようにしてくれてたおかげで生き残ったんですから謝らないで下さい」
「……そう、か。分かった。ロスヴァイセ、馴れないカイザギアを使ってよく戦ってくれた。ありがとな。正直あそこまで耐えてくれて助かった」
蓮がそう言うとロスヴァイセは顔が赤くなり、笑顔になった。
「!…はい。蓮さんのお役に立てたのなら良かったです!それで、あの、私が気絶する前に助けてくれたあのオルフェノク…いえ、あの人は」
「ああ、後であの人が帰って来たら説明する。だからお前は少し寝てろ。その時になったら起こすから」
「…はい。ではお言葉に甘えて、おやすみなさい」
そう言ってロスヴァイセは眠りについた。蓮はそのあたまを撫でて
「ああ、お疲れさん。お休みロスヴァイセ」
と言った。
そこに丁度黒歌が入ってきた。
「ロスヴァイセは寝た?」
「ああ、今しがたな」
「…蓮、あんまり自分を攻めないでね」
「……」
「ロスヴァイセも言ってたと思うけどあの数はさすがの蓮でも無理だったし、馴れないカイザギアを自分から使うってロスヴァイセが言ったんだから。ロスヴァイセも後悔はしてないと思うわ」
「…………」
「それに、ロスヴァイセは…いえ、ロスヴァイセを含めて私達家族はそこまでヤワじゃないわ。蓮から見てそんなに私達は弱く見えるの?」
「……そうだな。確かにそんなヤワじゃなかったな。こんな事も気付けないとか。まだまだ弱いな、俺は」
「んもう、そうやって自分の評価を下げないの。蓮は弱くないわよ。はっきり言ってこの世界で上の方の実力者よ蓮は。そんな人間が強くない筈無いでしょ」
そう言って黒歌が抱きついてくる。
「もっと私達を頼ってくれてもいいわよ。そっちの方が私たちも嬉しいし、ね?」
そう言う黒歌を蓮はひっぺ剥がす。
「抱きつくなよ。まったく、小猫と同じ事を言いやがって……ま、今までも頼ってきたけどこれからも頼むな」
「任せてにゃ!」
そう言って黒歌は胸を張った。
~木場勇治side(三者視点)~
蓮と別れ、オートバジンを走らせる木場は、どこからオルフェノクが来たのかを探っていた。
一旦、オートバジンを止め、周りを見る。
「フム…ここら辺には痕跡は殆ど無いな」
そう言うと、またオートバジンを走らせる。
そうしている内にオルフェノクの大軍が最初に確認された場所についた。そこにバイクを止めた木場。
「全く、本当にどこから…ん?」
なにかに気付いた木場は、ルーン魔術で痕跡を探る。
「こ、これは…特大の転移魔方陣…か?いったい誰が、いやそれよりこの大きさ、まさか人間界からあの状態で一気に転移させたのか!?と言うことは人間界の何処かにオルフェノク達を被検体にした実験場があると言うことか」
そう考える木場。しかしすぐに思考の海から出た。
「これ以上は行っても見つからないだろうし、ここで考え込むことも危険だ。すぐに戻って蓮君に知らせよう」
そう言うと木場はオートバジンに乗り、そこを後にした。
今回はこれで区切りです。
カイザのブレイクフォームの変身の仕方は明確にされてなかったのでオリジナルです。
次回はなぜ木場さんがいるのか。なぜ木場さんがルーン魔術を使えるかの説明会になります。
…次回何月になるんだろう(汗