いやぁ…難産だった…。
~一誠side~
「ありがとー!タンニーンのじいさん!ティアマットさん!またよろしく-!」
「ああ、またな一誠」
「私はもう付き合わんぞ。蓮が言ったから付き合っただけだ。ではな。私は早く蓮と遊びたいんだ」
修行が終わった後俺を近くまで運んでくれるというので乗せてもらい会場の近くで降ろしたあと、お礼を言うとそれぞれの反応を示して飛んでいく。
タンニーンさんは友好的だったがティアマットさんは終始俺に対して冷たかった。まぁ原因は俺にあるんだけど、グフフ。やっべ思い出したら笑いと鼻血が…。
「いや~辛かったけど良いこともあったぞ何せティアマットさんの人間体の時の裸を見れたんだからな!」
そう!ティアマットさんの裸だ!
何があったのかというと、人間体の姿で水浴びをしていたティアマットさんの姿を見れたのだ!部長と比べ慎ましいと言ってもC位はあった胸!張りがあり綺麗なお尻!そして水に濡れる髪!俺はあれをみた瞬間エロいとかよりも美しい芸術品をみているのかと思ったね!!
………まぁそのあと殺されかけたけど…。その上、
「蓮にならいくらでも見てもいいが、他のやつには見せん!特に貴様には見せたくなかったぞ、この変態が!もう赤龍帝ではなく変態帝と名乗ったらどうだ?なぁドライグ?」
と言われた。クッソ乾の野郎…!あんな体にあんなことやこんなことをし放題とは羨ましいぞ!
『そんな事より俺の心配をしてくれ…。そしてその性格も直してくれ。俺は、お前のせいで、お前の…せいで…。ウオォォォン』
「あ、ご、ごめんドライグ…」
ティアマットさんに言われてから最近はずっとこれだ。少しは気持ちを切り替えて…あ、元はと言えば俺のせいだった。マジでごめん。でもこの性格を直すことは……無理だ!
『ウワァァァン!』
あ、マジ泣きした。
そうドライグと俺でコントみたいなことをしていると、森の方から誰かが来た。
「む、イッセーが一番乗りか。私が一番乗りだと思ったんだがな」
ゼノヴィアだった。ゼノヴィアは見る限り大したケガはなく、腕に包帯を巻いているだけだった。
「おう!久しぶりだなゼノヴィア!見る限りケガが無さそうでよかったな!どんな修行だった?」
ケガがそんだけならさほど大した修行じゃなかったんだろ!俺より酷い修行なんてあるもんか!
俺は内心そう思いながら聞いた。
「ああ、ずっとデュランダルと会話していたぞ」
デュランダルと会話ってなんだよ。やっぱり楽な…「それと赤の戦士と1日に最低でも一回は戦っていた」…は?乾と?
「さすが赤の戦士だ。私は一回も勝ち星をあげることなんて出来なかったよ」
え?ほぼ二週間か三週間位毎日戦ってたの?あのデタラメと?
「それと赤の戦士に課せられた課題があったんだがそれのひとつがデュランダルとの会話でね。時々デュランダルを怒らせてしまって腕にオーラを流し込まれて破裂してしまったよ。今はアザができる程度だがね」
ハッハッハと笑いながらそう答えるゼノヴィア。え?剣と会話するだけで腕が破裂とかしてたの?え?ヤバくね?
「ち、因みにゼノヴィアさん?ケガしたのって腕だけですか?」
「?いや、赤の戦士に腹とか二、三回切られたし、太ももも切り傷がついているぞ。右肩と左足も切断されたよ。まぁ、切った本人がやり過ぎたと言ってアイテムで傷口も無いレベルで直してくれたが、あの痛みは地獄だったよ。まぁやられ過ぎて慣れて来てしまってね。今じゃ骨折程度なら擦り傷と変わらなくなってしまったよ」
いや、シャレになんねぇぇぇぇ!!修行で肩切り落とされるってなに!?それの何処が修行なんだよ!?早速殺試合じゃねぇか!
「イッセーはどんな修行をしたんだ?」
「え!?えーっと、俺は二匹のドラゴンとおいかけっこして、サバイバル生活していました」
「ブレスで全身火傷とか噛みつかれて片足なくなったりとかはしなかったのか?」
「いやしてねーよ!そんなケガを負ってたら今俺立ってねぇから!お前の修行が異常なんだよ!」
「む、していないのか。私よりきつい修行をしているかと思ったんだが…」
無理だから!そんな毎日殺試合とか嫌だから!どうやらゼノヴィアは修行で得るものがあった代わりにちょっと常識を失ったらしい。主にケガに関してだが…。
そんな会話をしていると次に木場が歩いて来た。
剣を杖がわりにして。よろよろと。
「おぉぉい!何があったんだ木場ぁぁ!?」
「や、やぁイッセー君久しぶりだね」
「あ、ああ久しぶり。じゃなくて!何があったんだ木場!?まさか敵か!?」
俺がそう言うと木場は首を横に振って否定した。
「いや、さっきまで彼――今は居ないから乾君と呼ばせてもらうけど――その家族のロスヴァイセさんとマンツーマンで稽古してたんだ」
「あ、お前の話はもう聞きたくねぇわ。羨ましいぞ、あんな綺麗な人と稽古なんて」
木場があの銀髪の美人とマンツーマンで稽古していたってだけでもう木場への心配は無くなった。くそ羨ましい。
「いや、最後まで聞いてくれよイッセー君。あの人、真人間なのに僕のトップスピードについてくるんだよ」
「…は?お前のあの見えない動きに?」
「うん。しかも僕よりも涼しい顔して追い付いたあと”遅いですよ”っていって剣で凪ぎ払われて、そのあと体力がないからって追いかけっこして、抜かされたら剣で切られてを繰り返して体力とスピードが上がったと思ったら今度は剣の稽古。稽古事態は良かったんだけどロスヴァイセさんの剣のスピードが僕よりも上で見えなかったし、乾君にアドバイス貰った後はロスヴァイセさんはルーン魔術で属性付与した斬擊とか飛ばしてくるし乾君にロスヴァイセさんにどんな修行をしたか聞いたら普通の事をしたって言うだけだし…。得る物はあったけど色々失ったよ。主に僕の心とアイデンティティーが」
「木場…お前はよく頑張った。さっきはごめんな羨ましいとか言って」
「ああ、うん。ありがとうイッセー君」
マジでやべぇ今の木場の話を聞いただけでわかる。乾の家は魔境だということが。真人間が悪魔のそれに騎士の駒で転生した木場を余裕で抜かすってなんだよ。本当に人間か? どうも乾は普通の事をしたっていってるけど絶対普通の事じゃねぇ!
そうして三人であれやこれやと話ながら待っていると次は姫島さんと部長、アーシアがやって来た。アーシアは怪我もなく変化と言えば腕に白黒のブレスレットを着けているぐらいだった。
が、問題は姫島さんと部長だった。いや、姫島さんは少し汚れているだけだが部長が姫島さんの肩に腕をかけながらよったよったと歩いてきたのだッ!……って、
「デジャブ!じゃなくて大丈夫ですか部長ーーッ!」
「あらイッセー君。お久しぶりでございますわ」
「お久しぶりです、朱乃先輩!部長に何があったんですか!?」
「いえ、ただ今までの甘えの付けが一気に帰ってきただけですわ」
話を聞いてみると乾の家にいるグレイフィアさんという人にこっぴどく叱られ、容赦なくボッコボコにされたらしい。
「私はそこまでだったのですが、リアスが王だと分かった途端にスパルタになりまして。ついさっきまで私は復習、リアスは補習と言う形でやっていましたの」
「部長………お疲れ様です」
「ありがとうイッセー。まだパーティーまでは時間があるから私は早くシャワーを浴びて怪我を直さないと……」
そう言ってリアス部長は朱乃さんの肩から離れ、歩いていった。どうやら汚れを落とす事のついでにスイッチを切り替えるつもりのようだった。
でも、消滅の魔力を持っているのに何故あんなにもふらふらになっているのだろう?
朱乃さんに聞いてみた。
「それは…ですね…。グレイフィアさんにリアスの消滅の魔力が効かなかったからですわ」
………マジで?部長の消滅の魔力が効かないってどういう事?
「修行の初めに模擬戦をしたんです。そこでリアスが消滅の魔力を撃ったのですが……片腕でその上無傷で相殺されまして。そのあとこう言ったんです。『貴方の消滅の魔力はこの程度ですか。これなら少し魔力を練るだけで簡単に相殺できますね』と言って挑発したら、案の定リアスが挑発に乗ってしまい、最大火力で魔力を撃ったんです。がグレイフィアさんはそれを涼しい顔でなんなく相殺したんです。それを見て私は諦めたのですがリアスは諦めが悪く…後はご想像の通り。そのあと新しい技を作ると言う課題でリアスが王だと知り、より一層厳しくなったり新技を慣れる訓練でもやられて、リアスに至ってはそこに王の戦略を広げる手段も教え込まれました」
やべぇ…!部長の消滅の魔力を簡単に相殺する人が居るとは…!
「それと蓮さんにどれ程強いか聞いてみたら『俺とエウリュアレ、オーフィスを抜いて考えると一番上だな。と言ってもよくオーフィスとエウリュアレを叱ったりしているから同等か少し下ぐらいじゃねぇか?』とも言っていました」
「マジですか!?じゃあ神様と威力はほぼ変わらないって言っている様なものじゃないんですか!?…って、いま乾の事、蓮さんって言いました?」
「はい。修行の途中で面白くなったと言われて呼ばせて貰えることになりました!」
そう言った朱乃さんの顔は本当に嬉しそうだった。くそッ乾め!
ってそういえば。
「アーシアは大丈夫だったのか!?あの堕天使に何かされなかったか!?」
「は、はい!何事もありませんでした。むしろ優しく修行を付けて貰ったぐらいですし、蓮さんにもアイテムを造って貰いました!」
よ、良かった。他の人たちみたいにぼろぼろじゃなさそうだ。ってアーシアも乾の事名前で呼んでるの?
「はい。何か違和感があったので言ったらそっちの方が落ち着くと言っていました」
そ、そうか。まぁアーシアは名前にさん付けが一番落ち着くからな。乾もそう思って許可したんだろうし。
「あ、あのイッセーさん」
「ん?どうした?」
「レイナーレさんの事はもう許してあげてはいけないでしょうか?」
「な、何でだよ!アーシア!」
「レイナーレさんは私に優しく分かりやすく修行を付けてもらいました!もう悪いことをするようにも思えません!」
「そ、そうだとしても何するか分かんないだろ?だから少しでも注意しといた方が…」
「絶対大丈夫です!」
「分かんないだろ!」
「うー、もう知りません!」
そう言うとアーシアは怒ったように頬を膨らませ、そっぽを向いてしまった。なんだよアーシアは!こっちが心配してるって言うのに。
アーシアと軽く喧嘩をしていると今度は小猫ちゃんとギャスパーがやって来た。
怪我は……あれ?してない。結構怪我してると思っていたのに…。
「…もう皆さん集まっていましたか」
「あ、あの小猫ちゃん仕方がないんじゃないかな?僕たちだけ他よりちょっと遠かったし歩いてきたし」
「あ、あの~小猫ちゃんとギャスパーは怪我とかしなかったの?アーシア以外ボッコボコにされたっていってるし、ゼノヴィアに至っては腕落とされたって言ってるし…」
俺はそう言って心配する。がすぐに二人は驚くべき事を言った。
「…ああ、その程度で済んだんですか、普通ですね」
「ですぅー。あ、怪我は小猫ちゃんに治して貰いました」
はぁぁぁ!?今何つった!?他のひとの状況を聞いて普通って言ったぞ、この二人!しかも怪我は小猫ちゃんが治したってどうゆうことぉ!?
「…だって私三週間は片腕と片足片耳で過ごしてましたし」
「僕は片目と左半身顔以外動かない状態で暮らしてましたよ?」
「えーっと骨折とか失明とかだよね?それ?」
頼むぅぅぅ!そうであってくれぇぇ!片方切断されて過ごしてました何て言わないでぇぇぇ!
次の瞬間俺の予想が当たってしまった。
「…はぁ?何言ってるんですか切断されたんですよ。右足は複雑骨折でしたが。姉様とエウリュアレ様が時間を止めて切断された腕と耳を腐らないようにしてくれてましたので治ってるだけです。足は魔力で補強してました。それと治せたのは私が仙術を使えるからです」
「僕は脳に異常が出た上に、目をくり貫かれましたよ。足は小猫ちゃんと同じように魔力で補強そして操ってました。まぁさすがに小猫ちゃんの仙術ではそれほど大きな怪我は治せなかったのでエウリュアレさんに治して貰いましたけど…」
ああ、この子達もダメだった。と言うか毎日のように乾のとこに通ってんだからそりゃそうか…。
俺はそう言って諦めた。
「…で、兵藤先輩はどんな感じでしたか。まぁ私達はエウリュアレ様とか姉様、たまに二人で一対一で戦ってただけなので修行と言えるかわかりませんが」
す、スッゲェェェ言いずれぇぇぇ!
「え、えと、二体の龍王と追いかけっこしてサバイバル生活していました、はい」
「…はい?本当にそれだけですか?腕切断されたりとか無かったんですか?」
「それゼノヴィアも言った奴ぅぅぅ!そんなことはありませんでしたぁぁ!」
「…はぁ、本当に楽な修行をしてたんですね。修行なら倒す位までは行かないと。と言うかもうゼノヴィアさんが言っていたんですか。つまらない二番煎じになってしまいましたね」
「あ、因みに僕と小猫ちゃんは一応ですけどティアさんとほぼ互角で戦えますよ?まぁ僅差で負けちゃうんですが」
えへへと笑うギャスパー。いや笑えねぇぇ!なんでこの二人がそんな強くなってんの!?これじゃ俺の修行が一番下じゃん!ドラゴンと追いかけっことか楽すぎじゃん!
「…とりあえずパーティーの準備をしに行きましょう。蓮先輩もそこで待ってるといってましたし」
「ですねぇー。話なら歩いてでもできますし」
そう言って歩き始める小猫ちゃんとギャスパー。俺たちはその後を追って歩いていった。
その間俺の前を歩く人達が殺伐な話をしていたのは言うまでもない。
「…そう言えば兵藤変態。蓮先輩が後でティアの裸を見たことについて詳しく話(物理)がしたいと言っていたので行ってくださいね」
「ファッ!?ど、どうにかならないの!?」
「…変態死すべし。慈悲は、無い」
その後乾に会った俺はぶっ殺されかけたのは言うまでもない。
書いてて気付いたことは本文の文字数が5000文字超えた事ですね。我ながらビックリ。
今やってるジオウで一番楽しみなのはクウガとファイズとオーズが気になっています。皆さんはどのライダーの時が気になってます?
あとこの話は前、中、後編に分けます。